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セリフ解説-チェオクの剣(茶母)-13話-あらすじネタバレ感想


チェオクの剣(茶母)13話 無料動画とあらすじネタバレ感想

チェオクの剣13話無料動画(MBC公式動画)

なんと嬉しいことにチェオクの剣のMBC Classicチャンネルで無料動画が公開されているようです。ノーカット版なので日本語のドラマとはまったくBGMまで違います!!!

チェオクの剣13話あらすじ 縁切り

「お前を愛してる・・・。」
賊の棟梁チャン・ソンベクは人質交換の際にチェオクに心で語りかけていました。

賊の家。
ソンベクはチェオクを救うため洞窟にいた昆虫の猛毒を吸い出そうと口に含んだことで重傷を負いました。
「では、これで。」
医員(イウォン)は治療を終えました。
「お世話さまでした。」
トクスは医員に感謝しました。
「回復を祈る祈祷が始まったそうだ。お前も言って来い。」
チェ・ダルピョンはトクスに言いました。
「ありがとうございます。無礼の数々、お詫びします。」
トクスは詫びました。
「もうよい。気にするな。」
ダルピョンが言うとトクスは部屋を出ました。
「お前も戻って休め。」
ダルピョンはスミョンに言いました。
「いいえ。大丈夫です。」
「いいから休め。」
「何があろうとそばを離れるな。そうおっしゃっていたはず。」
「何とか助かりそうですな。しかし五年かけて育てた兵を失った。果たしてそこまで価値があるのですか?」
チノはダルピョンに言いました。
「この方は民の心そのもの。比べものになりません。」
スミョンは言いました。
「いつからこの計画に口をはさむ身分になった。お前は余計な口を挟むな!」
チェ・ダルピョンはスミョンを叱りました。
「く・・・っ。」
ソンベクが意識を取り戻しました。
スミョンは大事そうにソンベクを抱き起し薬を飲ませました。
「おい私がわかるか。丸一日意識がなかったのだぞ。猛毒だったのだ。あと少し遅れていたら危なかったそうだ。あの茶母が猛毒を使う間そちは指を咥えて見ていたのか。正体を知っていながらなぜあの茶母を殺さなかったのだ。」
チェ・ダルピョンはソンベクを責めました。
「そちを救うため四十三人の味方が死んだのだぞ。」
チノも一緒になって言いました。
「・・・・・・。」

ソンベクはカッチュルの墓に行きました。
「おとうさん・・・。」
幼い娘スンヤンは父カッチュルの墓を抱きしめていました。
ソンベクはスンヤンを抱き起して頬をなでてやりました。
「あ、おじちゃん。おとうさんはいつ目を覚ますの?」
「・・・・・・。ごめんよ・・・・・・。」
ソンベクはスンヤンを抱きしめて泣きました。

海州(ヘジュ)の屋台。
「俺は先に都に帰らしてもらいます。女房の腹には子供がいるし、ほっておく訳にはいきませんから。」
「われらのすることが気に入らないとその顔に書いてあるぞ。遠回しな言い方はするな。」
元泥棒のマ・チュクチは命がけの仕事に嫌気がさして都に帰ると店で食事をとっているペク・チュワンに言いました。
「ご苦労だった。」
左捕盗庁の従事官のファンボ・ユンは目を合わせずに言いました。

山の頂。
チャン・ソンベクは棟梁を辞め去ろうとしていました。
女剣客のスミョンはなぜ世直しが必要であるのかもわからないけど信じている棟梁が行ってしまったら自分はどうすればよいのとソンベクに泣きつき自分を殺して行くか一緒に連れて行ってくれと懇願しました。
「止めないでくれ。」
「私にはわかりません。何が正しく何が間違いなのか。なぜ世直しが必要なのかも。でもこの世で信じられるのは棟梁だけです。行ってしまわれたら、私は、どうしたらいいのでしょう。」
「私のために死んだ仲間たちに、とても顔向けができん。黙って、私を行かせてくれ。」
「私を一緒に連れていくか、さもなくば・・・この剣(白い剣)で斬ってください。」
「死んだ仲間の極楽往生を祈りつつ足のむくまま放浪するつもりだ。お前は戻れ。」
「いいえ嘘です。棟梁は、あの茶母(タモ)を探しに行かれるのでしょう?一体何があったのです?なぜ縁を断ち切れないのですか?」
「・・・・・・。達者で暮らせ。スミョン。」
ソンベクが歩みはじめるとトクスが現れました。
「峠を通る、旅人を襲い金品を強奪していた俺が、年若い棟梁に仕えたのは棟梁のあの言葉があったからだ。罪深いお前の命でも、よい行いに使えば、亀の甲羅のようにひび割れた民の心に恵みの雨を降らすことができると。これから棟梁は夕立になって大雨になって、干からびたこの世を潤すべきではありませんか。そうでしょうが。」
「すまぬトクス。私は洞窟で、死んだものと思ってくれ。私はもう棟梁チャン・ソンベクではなくただの男チャン・ジェムに過ぎない。」
ソンベクはトクスに言いました。トクスは剣を抜きソンベクに突きつけるとスミョンがトクスの首に剣を突き付けました。
「ならばチャン・ソンベクという名前だけをわれらは胸に刻んでおく。」
「私を斬れ。斬ってくれ!」
「うぅ・・・・。やぁ!・・・・・・もう二度と、われらの前に現れないでくれ。チャン棟梁はカッチュルとともに敵の刃に倒れたのだ。」
ソンベクは自分を斬れとトクスに言うとトクスは二度と現れるなと言い去ろうとしました。
「たいへんです。海州の兵士が麓の村を襲って村人を殺してます。誰かが口を割ればすぐに砦へ兵士がやってきます。」
トクスが言うと、麓の村に兵士が現れ襲撃を受けたという知らせが入りました。
「くそぉ。山を離れるぞ。」
トクスが言いました。
「だめだ。一人でも助けなければ。」
ソンベクは焦りました。
「もう手遅れだ。それにあんたには関係ない。」
トクスが言うもソンベクは傷ついた足を引きずり山を降り村に戻りました。

麓の村。
女性や子供たちは何者かに虐殺されていました。ソンベクは亡くなったおばあさんを抱いて泣きました。そして次に父カッチュルの墓前に手向けるため菊の花を手に持ったスンヤンの亡骸を胸に抱き悔しそうに悲しみました。
「(こんないたいけな幼子まで犠牲にしなければ、世を変えられぬという者がいるなら・・・・・・私はむしろ・・・この腐った世を斬るより先に、世直しを叫ぶそやつを斬って捨てるだろう!)」
「あーーーーーーーっ!!!」
チャン・ソンベクは目に涙をためて雄たけびを上げました。

麓の村の木の茂み。
チェ・ダルピョンとチノは隠れてソンベクを見ていました。
「あんな幼い子供まで殺す必要が?」
チノはダルピョンに言いました。
「むろん人として、決してしてはならぬ事とはわかっているが、ここまで思い切った手を使わなければ、チャン・ソンベクの心を変えることはできん。」
村人を虐殺する指示を出したのはチェ・ダルピョンでした。
「それにしてもこれはあまりにむごい。チョン・ピルジュン殿に知られたらどれほど叱責されるか・・・。」
「チョン・ピルジュン殿には知られてはならぬ。決行の日が決まった。いまソンベクが離脱したら何もかも水の泡だ。死んだあの子供が奴の心に再び火を点けてくれるわ。」

生き残った者たちは死んだ仲間を悼み泣きました。
スミョンはソンベクに白い鞘の剣を差し出しました。
ソンベクは剣を受け取りました。
「決行の日が決まった。王の妃を選ぶその日に、仲間の無念が、宮殿を焼き尽くすことになるだろう。今こそ都へ、進軍するぞ。」


左捕盗庁。
チョ・セウクが屋敷から出るとチャン武官は話があるとセウクに言いました。
「ワシに苦言を呈するつもりなら、控えるがよい。」
「長官殿に、会いたいというお方がおられるのです。御同道ください。」

夜になり、左捕盗庁の長官チョ・セウクは遺書を家に置いて出かけました。ナニは父の遺書を読みました。
「ファンボ・ユン従事官へ。風のように捕らえることかなわぬ謀反勢力の黒幕を探るため娘のナニまで欺き今日を待った。ワシは心に刃を潜めこれから敵に会いに行く。またここに戻りまた自らこの文を処分できると信じてはいるが、もしもここへ戻ることも叶わぬとき一人遺されるナニが気がかりだ。息子のチオが勤めていた右捕盗庁の前を通るたびに、生前あれほど疎ましく思われた息子が愛おしく思い出され、会いたくてたまらなくなり一睡もできぬまま涙に暮れた夜がどれほどあったことか。あの親不孝者が先に逝ったりせず今も生きていれば、これほど足取りが重くは思わなかっただろう。ナニの行く末を任せられるのはそちしかおらぬ。もしもこの文を読んだら・・・どうか、ワシの肩の荷を降ろさせてほしい。」
「父上・・・・・・。」
ナニは父のところへ出かけようとすると武官は残るように言いました。
「お嬢様お残りください。」
「いえ。一緒に参ります。」
「北へ向かわれたのだな。行くぞ。」
「はーっ!」
武官はナニと兵士を連れて出発しました。

森の中。
「ここなのか?」
「長官殿。」
チャン武官はチョ・セウクの前に跪きました。」
左捕盗庁の武官(チョン・ピルジュンの配下の刺客)はセウクに仲間になるかと尋ねました。
「どうしたのだ。」
「長官殿が一生かけられて仕えてきた天は国王ですか?それとも民ですか?」
「まさかワシに天に逆らえとでも言うのではあるまいな。」
「事と次第によっては。」
「愚にもつかぬことを!!!よもや同じ屋根の下で逆賊と寝食を共にしていたとは。」
「ここまで来ていただいたからには引き返す道はありません。国王にお仕えなさいますか。それとも民にお仕えなさいますか?」
「ならばお前が仕えているのは誰だ。」
「それは答える必要もないこと。」
「死をおそれる気持はもうとうないが子々孫々逆賊の家門となりかねん話。お前にはこの心の一部を覗き見られたがワシはお前が仕えている者さえ知らん。たとえいかなる大義名分があろうとも、世直しとは天の意思だけでできる話ではない。」
チョ・セウクは武官に言うと闇の中から声がしました。
「左様いかにも天の意思だけでできるものではない。しかし貴殿が加わってくれれば世の中を変えるのも難しくはなかろう。」
「何者だ!」
セウクが怒鳴るとチョン・ピルジュンが赤い覆面の兵士たちを連れて現れました。
「チョン・ピルジュン殿!」
「よく来てくれましたな長官。」

森の中ではナニと武官がチョ・セウクを捜していました。
「長官ー!どこでーす!!!」
「父上ー!父上ーーーっ!」

「国王のご聖恩を受けるお方がなぜこのような大それた事を?」
セウクはチョン・ピルジュンに言いました。
「今国中の民の多くが苦しみを味わっておる。数百年の間に腐ってしまった水では民を癒すことはできん。新たな水が必要なのだ。そのための準備は整っておる。腐りきった王朝は一陣の風でたやすく倒れるはず。私とともに、民を癒すための新たな泉になってもらえぬか。」
「忠臣たるもの決して二君に仕えぬものです。しかし・・・私はもはや忠臣ではありません。」
「ふははははは。よく言われた。うふふ。」
「夜が明ける前にしばらく考える時間をくれませんか。その後お宅に朝食を頂にゆきます。」
「ではそうされるがよい。チャン武官。夜が明けるまでの間しかと長官にお仕えするのだぞ。」
「はい!」
「大変です。左捕盗庁の兵が近くまで来ています!早くお逃げください!」
兵士の一人が駆け込んで来ました。
「私は呼んでおりません。私の兵ではない!」
セウクは否定しました。
「見上げた度胸だな長官。命をかけて私をおびき寄せるとは。」
チョン・ピルジュンは怒りました。チョ・セウクは剣を抜き抵抗しましたが兵士たちに剣を突きつけられました。
「チョン・ピルジュン。これで私の口をふさいだつもりか。たとえここで死んでも必ず逆賊の報いを受けさせてやるわ・・・・ぐ・・・!ああ・・・・・あ・・あ・・あ・・・。」
チャン武官はチョ・セウクの背後から刺しました。
「申訳ありませんでした。ひあーーーーっ!!!」
チャン武官が誤るとチョン・ピルジュンは武官を殺しました。
「小さな不手際が大事の成功を妨げる。左捕盗庁の追っ手がこの近くまで来ておる。そやつらを皆殺しにせよ!」
チョン・ピルジュンは命じるとその場を立ち去りました。

森の中。
侍のカトウは竹を斬り剣の練習をしていました。
闇商人チェ・ダルピョンはファンボ・ユンとチェオクとペク・チュワンとイ・ウォネを皆殺するよう武士のカトウに命じ別の部下にはマ・チュクチと妻を生け捕りにするよう命じました。
「カトウ様。ファンボ・ユンと二人の部下、茶母やマ・チュクチを皆殺しにしろ。急げ!待って。もうひとり女がいる。マ・チュクチの女だ。あの女は生け捕りにしてこい。」

チュクチの家。
マ・チュクチは女房と床をともにしていました。
チュクチがその気になると女房はチュクチに水汲みを要求しました。
「戻るなり水汲みかよ。こき使いやがってよ~。それにしてもパクのやつはガキが九人もいやがるがどうやってこの長い夜を我慢したのか。へへへへ。せつないねぇ。久しぶりに楽しい夜が過ごしたと思ったのによぉ。えへへ。この有り余った力どこに使ったらいいのかよぉ。」
チュクチは水汲みに出かけると刺客たちが家を襲いました。


草原の野営地。
ファンボ・ユンはチェオクの捕縛を解き草むらの中に立っていました。
「お前とは・・・一心同体だと思った。よもや・・・・・・こんな日が来るとは思ってもみなかった。」
ファンボ・ユンはチェオクを振り返るとゆっくりと剣を抜きました。
「この剣で、私を斬って、お前の本心を見せろ。そうでもしなければ、お前とチャン・ソンベクの縁など、私にはとうてい信じられん。いずれ・・・どちらかを斬らねばならん。斬れ。」
ファンボ・ユンは目を潤ませてチェオクに言いました。チェオクはファンボ・ユンの剣の柄を手に取りました。
「旦那様・・・。」
「何だ?」
「一振りですべて終わらせます。」
ファンボ・ユンは頷きました。
「お許しくださいませ。」
チェオクは剣を振るい縦に構えると自身の腹を刺そうとしました。
「やめろ!」
剣の刃を掴んだファンボ・ユンの手から血がしたたりました。チェオクは泣きました。すると銃声がして幕舎が襲われました。
「起きろ~!」
「敵だ~!」
「明かりを消せ。」
ファンボ・ユンは皆に命じました。
「従事官殿!ご無事ですか!くそぉ一体どこから敵は撃ってるんだ!」
離れた場所にいたペク・チュワンがファンボ・ユンに無事かと大声で尋ねました。
「従事官様。」
チェオクはファンボ・ユンを心配しました。
「そこを動くな!こっちへ来るな。私は大丈夫だ。・・・・・・行(ゆ)け。私は・・・・・・十五年前に・・・雨の中を歩いてきた・・・・・七歳の女の子だけを・・・この心に刻んでおく・・・・・・。チェヒという名の・・・あの女の子だけを覚えておく。早く行け。」
ファンボ・ユンは苦しそうにチェオクに言いました。チェオクは泣きながら背を向け走り出しました。ファンボ・ユンはチェオクの背を見つめてすすり泣きました。
「嘘のように・・・私から涙を消してくれた女の子。七歳の女の子。チェヒ。今その子が・・・私のもとから去っていく。あの子のために・・・私は何もしてやれなかった。さあ行け。天高く。あの天高く飛んで行け。誰も・・・何者も・・・お前の自由を縛れぬところへ。」


森の中。
チェオクは族の野営地に潜入しました。
カトウはしくじった部下を斬りました。
「もう二度目はあるまい。」
カトウはもう一人の男を頭に任命しました。
マ・チュクチの妻は袋に入れられてもがいていました。
「誰一人片づけられぬとはなんたる失態!部下の腕を斬り落としただけでは済まんぞ。」
チェ・ダルピョンは侍のカトウを叱りました。カトウはどんな罰をも受けると詫びました。
「申訳ありません。どのような罰でも受けます。お心のままにしてください。」
「捕まえた女をここへ連れて来い。」

「誰だ。」
チャン・ソンベクは袋詰めにされた女を見ました。
チェオクは木陰からその様子を見ていました。
「そちとは縁浅からぬ女だ。後で知ったが窯村を焼き尽くした日も村人を皆殺しにした日もすべてこの女が先導していたそうだ。捕盗庁の茶母だ。殺せ。」
チェ・ダルピョンはチャン・ソンベクに袋に閉じ込められ木に吊るされた女を茶母だと言い殺せと命じました。チェ・ダルピョンはソンベクに剣を投げ渡しました。
「う・・・・・。どうぞ、あなたの手でその女を殺してください。」
ソンベクは剣を捨てました。
「なんだとそれでも棟梁か。仲間たちがこの通り見ているのだぞ。その女に心揺れ動くそちを見て我らはみんな心を痛めておる。」
「すでに忘れた女です。」
「ならばその証をみんなに見せるべきではないか。」
「すでに・・・忘れたといったはず!」
「言葉だけでは信用できん!仲間たちの不安を消してやれ!」
ダルピョンは言いました。
「棟梁。消してください。」
「死んでいった仲間の魂を慰めてください。」
スミョンは言いました。
「カッチュルと、その娘を思い出してください!」
「殺された窯村の人々や死んだ仲間の叫びが聞こえないのですか。」
「斬れ!」
「斬ってください!お願いします!」
トクスやスミョン、仲間たちは茶母を殺すように騒ぎ立てました。
「何をためらっているのだ!」
チェ・ダルピョンはソンベクと賊たちを煽りました。
ソンベクは刀を拾うと頭巾を外すように言いました。
袋にされた女はもがき声をあげていました。
ソンベクは剣を拾いました。
「では頭巾を外してください。」
「頭巾を外せば殺せるというのか。顔を見たらますます斬れまい。この期に及んでまだためらっているのか!」
チェ・ダルピョンはソンベクをけしかけました。ソンベクはチェオクの背中に銃弾の痕があるのを思い出しました。
「背中をむけてください。」
ソンベクは言うと女性は背中を向けられました。
「む~っ!」
女性は縛られたまま叫びました。
ソンベクは剣を抜き女性の背中の衣を斬りチェオクでないことを確かめると殺しました。
その光景を見ていたチェオクは衝撃を受けました。
「お前を愛している。次に生まれ変わったら、もう二度と・・・二度と会わぬことにしよう・・・。」
チェオクはソンベクの言葉を思い出しました。
ソンベクは疲れたように木に手を突くと、木を背にして座りました。
「殺すなら、一振りで事足りたはず。なぜ、二度も斬ったのですか?」
スミョンはソンベクに言いました。
「まず情けを断ち、そののち首をはねたのだ。これで想いは断った。」
ソンベクはスミョン言うと目を閉じました。
チェオクはしばらく放心していました。風が吹きチェオクの髪を束ねていたチェヒの帯が外れて飛んで行きました。死体が捨てられる音がしました。チェオクは死んだ女性の布をとるとそれはマ・チュクチの妻でした。チェオクはソンベクが許せなくなりました。
「はっ・・・・!」
チェオクは口を押えて泣き怒りを募らせました。

「変だな。死体がなくなってます。確かにここに捨てられたのに。」
賊の男はソンベクに言いました。
「いや。騒ぎ立てるな。誰かが、冥福を祈るため埋めたのだろう。さあ戻ろう。」
賊はソンベクに死体が無くなっていると言うとソンベクは誰かが冥福を祈るために祈ったのだろうとソンベクはチェヒの帯が落ちていることに気が付きました。
「なぜ・・・戻って来たのだ。私はすでに・・・お前を斬ったのに・・・・・・。」


朝の左捕盗庁。
「縣監(ヒョンガム、長官殿)。長官殿ぉ。長官殿・・・。長官殿ぉ・・・・。」
意識のないチョ・セウクは自宅に運び込まれました。ペク・チュワンはセウクを呼び泣きました。ファンボ・ユンは言葉を失い膝を折りました。
「あなた様の・・・お戻りを待ち侘びておりました。王様が御医を送ってくださいましたが残念ながらもうできる手立てはないそうです。そうであるなら・・・あとは目を覚ますだけ。父は・・・天が見放すような・・・そのような人では決してないはずです。」
ナニはファンボ・ユンに言いました。

マ・チュクチは妻がいなくなったと左捕盗庁の門前で泣いていました。
「どこだよ?どこにいっちまったんだよ。従事官様。うちの女房を・・・女房のやつを早く探し出してくださいよ。子供がいるんです。あいつ、身ごもってるんですよ~。ねぇってば。何とか言ってくださいよ。すぐに兵を出して捜してください!くそ~こんなことってあるかよ。あ~ちくしょーなんなんだよこりゃ。命をかけた見返りがこれかよ。俺たちは、おとなしく暮らしていたのに、そんな俺たちをうまく口車に乗せてこきつかった結果がこれかよ。頼むから女房を返してくれよ~。あいつを返してくれ!あいつを兵士を総動員して今すぐ女房を連れてきてくれよ~。離せ、離せってば。もしも女房が帰って来なかったらお前らぶっ殺してやる~。」
チュクチは兵士追い払われペク・チュワンはファンボ・ユンに気にしないように言いました。ファンボ・ユンは目を真っ赤にして耐えていました。
「従事官殿。あまりお気にしませんように。私が・・・なだめておきます・・・。」
ペク・チュワンはまた泣きました。

チョン・ピルジュンはとるに足らない女を一人殺しただけかと部下を叱責しました。
「たわけが!そんな取るに足らぬ女を一人消しただけとは。」
「申し訳ございません。しかしまだ誰にも知られておりません。チョ・セウクはかろうじて生きておりますが死んだも同然です。」
両班の男はチョン・ピルジュンに謝りました。
「それでファンボ・ユンはどうした。」
「あの森にも来たそうですがご心配には及びません。チャン武官の死体も片付けましたので手がかりは残していないはずです。」
「しかし海州のヤン・ジノの正体を一目で見破った男だ。万全を尽くすように。」
「承知いたしました。」

夜になりチェオクはチュクチの妻の遺体を連れ帰り左捕盗庁に戻ってきました。
「チェオク!」
ペク・チュワンは驚きました。
ファンボ・ユンはチュクチを妻と会わせてやりました。チェオクたちも二人を見守っていました。チュクチがむしろをめくるとペク・チュワンはあまりの惨さに目をそむけました。
「お前・・・・・・。今うちでな、お前と子供に食わせようと思って牛の骨をじっくり煮込んでんだ。あれを食えばきっと元気になるぞ。うちえ帰ろう。なあ。さあ帰ろう。くそ~なんでだよ。こんな軽くなっちまって。俺が苦労させたからか?これからはもう苦労させねぇ。贅沢させてやるからな。さぁうちへ帰ろう。」
マ・チュクチは死んだ妻を連れ帰りました。
ファンボ・ユンは黙ってチュクチを見守っていました。

ファンボ・ユンの部屋。
チェオクは身なりを整えファンボ・ユンに会いました。
「あの日の晩、私は断腸の思いだった。たとえ、夢の中でもお前とは、二度と会わぬことを願った。今すぐ戻れ。今夜のことは、また悪夢を見たと思うことにする。・・・・・・。次に顔を合わす時は、お前はチャン・ソンベクの側の者。私とは、剣を向けあわねばならん。」
ファンボ・ユンは立ち上がると部屋の扉を開けました。
「さあ行け。」
「私もしばらくむなしい夢を見ていたようです。しかしもおう覚めました。チャン・ソンベクを斬ります。あやつを必ずこの手で斬ってみせます。そのときまで、私をここに置いてください。」
「お前に奴が斬れるか?」
「・・・・・・。」
チェオクは涙を流して立ち上がると部屋の外に出ました。
ファンボ・ユンは扉をそっと閉めるとその裏でひとり涙ぐみました。チェオクも口を手で押えて泣きました。
「身分証を、返してもらうがよい・・・・・・。ただし・・・お前はもう・・・私にとって・・・ただの茶母だ。それ以上でも以下でもない。」
ファンボ・ユンは涙を流しました。


砦。
賊たちは終結していました。
ソンベクたちは地図を広げ火薬で宣恵庁(ソネチョン)と獄舎・・・漢城府を破壊し宮殿に攻め込む作戦を立てました。
「火薬が百貫。確かにそれだけの量あれば確かに宮殿を丸ごと吹き飛ばせますが、そんな火薬、どうやって中に運び込むのですか。」
「都のいたるところに火薬をしかけて、爆発で敵を混乱させるのだ。」
ソンベクは言いました。
「して場所は?どこに火薬仕掛けるのだ?」
チェ・ダルピョンはソンベクに尋ねました。
「国の経済をつかさどるところから爆発させます。まず宣恵庁(ソネチョン)、次に獄舎。一気に囚人があふれ出して都は大混乱に陥るはず。それからいいか。都の心臓部にある漢城府。都にいる間は一瞬たりとも油断するな。ここが一番危ない。」
「ご安心ください棟梁。我らぬかりなくやってみせます。」
トクスは言いました。
「その日が来たら同志たちとともに宮殿の庭で飯を食おうぞ。」
ダルピョンは言いました。
「我らが宮殿を爆破して掌握する間、都を掌握する兵は、すみやかに攻め込むのだぞ。」
チャン・ソンベクは言いました。

左捕盗庁のファンボ・ユンの部屋。
ナニはファンボ・ユンに王妃選びに立候補することを伝えました。それは候補から外れると永遠に誰とも婚姻できないことを意味していました。
「わたくしはお妃選びに応じたいのです。父からしかと言いつけられたときこのような時だからこそ礼と気品を保ちご先祖様の名誉を汚さないようにしたいと思います。無論わたくしなどが選ばれることなどあり得ないとわかっておりますが。」
「さぞやお父上も誇りに思われるでしょう。」
ファンボ・ユンは静かに言いました。
「国の決まりゆえその席には参りますがナニの心はあなた様のもの。」
「私は・・・これまで・・・お嬢様をお慕いしてはいませんでした。おなごとしても意識したこともありませんでした。申訳ないがお嬢様と婚約したのは実のところ己を欺くため。しかし、今は違います。ようやくお嬢様に私の心の一部を差し上げられる気がします。これから努力します。私なりに精一杯。」
ナニは悲しそうにした後泣きました。
「ファンボ様。ナニはうれしく思います。」
ファンボ・ユンが手ぬぐいをナニに差し出すとナニは号泣しました。

翌日の左捕盗庁。
「(長官殿・・・剣が必要な場所なら私をもうしばらく待ってくださっていれば・・・。)」
ファンボ・ユンは剣に映った自分の刃を見つめました。ペク・チュワンはチュクチが酒におぼれていると言いセウクの剣を抜いて怒りを表しました。
「イ・ウォネから連絡はないのか?」
「髪の毛一本も残さぬやつらです。ウォネの奴は手がかりが掴めないでいるのでしょう。」
「マ・チュクチはその後どうしている?」
「とても見ていられません。酔いつぶれては泣きながら眠り、起き上がればまた酒をあおり、そんな毎日です。あの卑怯者どもが!覚えていろ!今度ワシの前に現れたらこの手で切り刻んでやる。」
「ペク武官・・・。」
「お許しを。つい・・・。」
「いや。待て。」
「どうかなさいましたか?これは金のようですが。」
「男が金を身に着ける場所はどこだ?」
「どこにも。男は金など身に着けぬものです。」
「貫子(クァンジャ)の金具だ。」
ファンボ・ユンはチョ・セウクの剣先を紙で拭うと金が付着していました。
「そうか!クァンジャだ!しかしこの金具を着けられるのはわが国では九人だけですぞ。ということは従事官殿。謀反の首謀者は朝廷の中の九人の大臣。この国で政務を司るあの九人の中の誰かなのですか。これぞまさに驚天動地。」

ファンボ・ユンはチョン・ピルジュンに会うとチョン・ピルジュンの貫子(クァンジャ)の金具が折れていました。チョン・ピルジュンはセウクを心配しました。

「(おのれ・・・!)」
チョン・ピルジュンの家から出てきたファンボ・ユンは怒りに震えました。

チェオクの剣13話の感想(レビュー)

ソンベクはダルピョンが言う通りにチェオクがソンベクの民たちを虐殺した悪い女だってことを本当に信じたのでしょうか。チェオクがそのような悪女であったならソンベクは心惹かれなかったはずです。その時点でチェ・ダルピョンが嘘をついているとは疑わなかったのでしょうか。そんな心の余裕はなかったということでしょうか。ああ、チェオクはチャン・ソンベクを誤解してしまいました!しかしチャン・ソンベクはチェオクじゃなかったから斬ったというところは・・・やっぱり賊ですねぇ。チュクチの妻もソンベクが潤すべき乾いた世の民じゃないのですか(苦笑)奇妙な矛盾がありますね、そこはやっぱりソンベクが賊であるという烙印を押すためのものでしょうか。そのことくらいは考えられて作っているはずです。ファンボ・ユンはチョ・セウクへの忠誠心からチェオクへの思いを断ち切りナニを女性として見ると宣言してしまいました。さあラスト1話、次は最終回です。チュクチはたいへんかわいそうなことになりました。死んじゃったらおしまいです。

チェオクの剣 全話あらすじ キャスト情報はこちら

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薯童謠(ソドンヨ)(全66話)1話~最終回あらすじとネタバレ感想まとめ

薯童謠(ソドンヨ)1話~最終回あらすじとネタバレ感想まとめ ソドンヨ 1話~66話 あらすじと感想 長文注意。薯童謠はよかったので感想もあらすじもしっかり書いてます!薯童謠とは新羅に伝わる童謡で物語がすすむにつれて意味がわかってきます。百済は三韓のうちのひとつを引き継ぎ前の国の王を倒す際にとある約束をしました。百済の技術師モンナス博士は仲間を連れて新羅に亡命します。そして新羅でしばらく過ごした後に・・・詳しくはソドンヨ各話あらすじをご覧ください。 薯童謠(ソドンヨ) 1話 薯童謠(ソドンヨ) 2話 薯童謠(ソドンヨ) 3話 薯童謠(ソドンヨ) 4話と5話  新羅へ亡命 薯童謠(ソドンヨ) 6話 薯童謠(ソドンヨ) 7話 薯童謠(ソドンヨ) 8話 薯童謠(ソドンヨ) 9話 薯童謠(ソドンヨ) 10話 11話 薯童謠(ソドンヨ) 12話 薯童謠(ソドンヨ) 13話 薯童謠(ソドンヨ) 14話 薯童謠(ソドンヨ) 15話 薯童謠(ソドンヨ) 16話 薯童謠(ソドンヨ) 17話 薯童謠(ソドンヨ) 18話 薯童謠(ソドンヨ) 19話 薯童謠(ソドンヨ) 20話 薯童謠(ソドンヨ) 21話  木羅須百済に帰国 薯童謠(ソドンヨ) 22話 薯童謠(ソドンヨ) 23話 薯童謠(ソドンヨ) 24話 薯童謠(ソドンヨ) 25話 薯童謠(ソドンヨ) 26話 薯童謠(ソドンヨ) 27話 薯童謠(ソドンヨ) 28話 薯童謠(ソドンヨ) 29話 薯童謠(ソドンヨ) 30話 薯童謠(ソドンヨ) 31話 薯童謠(ソドンヨ) 32話 薯童謠(ソドンヨ) 33話 薯童謠(ソドンヨ) 34話 薯童謠(ソドンヨ) 35話 薯童謠(ソドンヨ) 36話 薯童謠(ソドンヨ) 37話 薯童謠(ソドンヨ) 38話 薯童謠(ソドンヨ) 39話 薯童謠(ソドンヨ) 40話  武康太子の誕生 薯童謠(ソドンヨ) 41話 薯童謠(ソドンヨ) 42話 薯童謠(ソドンヨ) 43話  威徳王逝去 薯童謠(ソドンヨ) 44話  惠王即位 薯童謠(ソドンヨ) 45話 薯童謠(ソドンヨ) 46話 薯童謠(ソドンヨ) 47話 薯童謠(ソドンヨ) 48話  法王即位 薯童謠(ソドンヨ) 49話 薯童謠(ソドンヨ) 50話

朱蒙(チュモン)全話1から最終回81話までのあらすじと感想

朱蒙(チュモン)のあらすじ一覧 朱蒙(チュモン)の1話から最終回81話までのあらすじを解説し感想も述べています。途中でちょっと面倒になったこともありましたが、何とか最後まで視聴することができました。朱蒙(チュモン)は感情移入するようなドラマではないと侮っていたのですが、最後らへんになると思わず登場人物の結末に涙してしまいました。 チュモンの全話あらすじ詳細とネタバレ感想 チュモン 1話 あらすじネタバレ感想 チュモン 2話 あらすじネタバレ感想 チュモン 3話 あらすじネタバレ感想 チュモン 4話 チュモン 5話 あらすじネタバレ感想 チュモン 6話 チュモン 7話 あらすじネタバレ感想 チュモン 8話 チュモン 9話 あらすじネタバレ感想 チュモン 10話 あらすじネタバレ感想 チュモン 11話 あらすじネタバレ感想 チュモン 12話 あらすじネタバレ感想 チュモン 13話 あらすじネタバレ感想 チュモン 14話 あらすじネタバレ感想 チュモン 15話 あらすじネタバレ感想 チュモン 16話 あらすじネタバレ感想 チュモン 17話 あらすじネタバレ感想 チュモン 18話 あらすじネタバレ感想 チュモン 19話 あらすじネタバレ感想 チュモン 20話 あらすじネタバレ感想 チュモン 21話 あらすじネタバレ感想 チュモン 22話 あらすじネタバレ感想 チュモン 23話 あらすじネタバレ感想 チュモン 24話 あらすじネタバレ感想 チュモン 25話 あらすじネタバレ感想 チュモン 26話 あらすじネタバレ感想 チュモン 27話 あらすじネタバレ感想 チュモン 28話 あらすじネタバレ感想 チュモン 29話 あらすじネタバレ感想 チュモン 30話 あらすじネタバレ感想 チュモン 31話 あらすじネタバレ感想 チュモン 32話 あらすじネタバレ感想 チュモン 33話 チュモン 34話 あらすじネタバレ感想 チュモン 35話 チュモン 36話 チュモン 37話 あらすじネタバレ感想 チュモン 38話 あらすじネタバレ感想 チュモン 39話 あらすじネタバレ感想 チュモン 40話 あらすじネタバレ感想 チュモン 41話 あらすじネタバレ感想 チュモン 42話 あらすじネタバレ感想 チュモ

薯童謠(ソドンヨ)最終回第66話恋の成就のあらすじとネタバレ感想

薯童謠(ソドンヨ)最終回 あらすじ 夜の百済王宮。 女性たちが華やかに舞い、貴族の男とメクトスたちは庭で酒と食事を楽しんでいました。 「こんなに楽しい日は生まれて初めてだ。ははは。」 メクトスは有頂天でした。 「親父、俺も結婚したいよ。」 ポムノはメクトスに言いました。 「何だと。」 「チョギとだよ。陛下がうらやましいよ。」 「父親を片付けてから結婚しろ。」 「あー!ちくしょう。」 「ところで陛下は男女の営みをご存知だろうか。事前に教育するのを忘れてたよ。」 メクトスは卑猥な想像をしていました。 「そんなの心配いりませんよ。(未経験の)俺でも知っています。」 トゥイルはメクトスに言いました。 「そうか?」 「今頃うまくやってますよ。」 「はっはっはっはっはっは。」 男たちは笑いました。 「紙に穴をあけてのぞきたいところだけど、陛下にそれはできないな。」 メクトスは笑いました。 寝所の控室。 「結髪(キョルバル)の用意はできた?」 モジンはウンジンとウスに言いました。三人は桃色に白地の縁取りの刺繍の絹を着て初夜の営みの準備をしていました。 「はい。」 「香油は?」 「用意しました。」 ウンジンはモジンに言いました。 「櫛は?」 「置きました。」 ウスが答えました。 「浄化水は?」 「用意しましたー。」 チョギは明るく言いました。 「分かったわ。」 三人は王の寝所を出ました。 「準備が整いました。」 寝所の前で控えていたボミョンが外に出てきたモジンに言いました。 「はい。では五歩下がるように。」 モジンは侍従と侍女たちに命じました。 ウンジンとチョギとウスは口に手を当てて照れ笑いして顔を見合わせました。 「陛下。初夜の儀式を始める時間です。今から申し上げる順序でなさいませ。」 モジンは寝所の中に向かって話しかけました。 「まず、生涯を共にすると誓う意味の結髪をしてください。」 ベッドの上には白地の縁に金の刺繍が施された衣に着替えたチャンと白い絹に薄桃色の縁取りの絹を着たソンファ公主が腰かけていました。二人の髪が少し切られて絹の敷物の上に赤い紐で結ばれ置かれていました。 チャンは置