王と妃 第150話 激しさを増す王妃
あらすじ
チョン貴人は王妃の命令で監察尚宮(カムチャルサングン)に引っ立てられ王妃の寝所の前庭で衣をはぎ取られ席藁待罪(ソッコテジェ)させられました。
「心外です。なぜ私がソッコテジェをしなければならないのですか。私に罪があるとすれば親蚕礼(チンジャムネ)の欠席だけです。産後の養生をしていただけです。私には何の落ち度もありません。」
チョン貴人は莚の上で泣きました。
王妃ユン氏は激怒しました。
「親蚕礼(チンジャムネ)を欠席したのは王妃に対する非礼である。」
「殿下の息子です。王妃様の王子も私の王子も殿下の大切な息子ではありませんか。なぜこんな仕打ちをなさるのですか。」
「側室の王子と一緒にするとは。私の王子を呪っているとのうわさは本当だったようだな。ポン内官。あの女を義禁府に投獄なさい!罪を認めるまで私が尋問するわ。」
「どうぞ殺してください。殿下のお子を産んだのが罪なら殺せばいい。」
「私が殺せぬと思ったら大間違いよ!」
仁粋大妃は側室を妬んだ王妃を許せませんでした。
「嫉妬です。ありえぬことです主上!ソッコテジェをすべきは中殿(チュンジョン、王妃)です。あの卑しい女め。」
オム淑儀は涙を流し大王大妃にチョン貴人を助けるよう頼みました。
大王大妃は冷静で王妃が女命婦(ネミョンブ)を取りまとめるべきだと考えていました。
成宗は輿に乗り王妃の寝所を訪れました。成宗が来たとわかるとチョン貴人は涙を流し王妃に許しを請うていました。
成宗はキム・チョソンに王妃を部屋に呼ぶよう命じましたがキム・チョソンは「女命婦(ネミョンブ)のことに王は干渉できない」と宮中の掟を述べました。
チョン貴人は気を失った(ふり)をしました。
王妃は大妃に思い知らせるために許さぬと女官に言いました。
仁粋大妃は大王大妃にやめさすよう厳しく上奏しました。
大王大妃はもう少し様子を見ようとおだやかに言いました。
「いま中殿をたしなめれば面目をつぶすことになります。」
「大王大妃様はほんとうに思慮深いですわね。」
王大妃は大王大妃の徳をたたえました。
しばらくして王妃の命令でチョン貴人の席藁待罪が許されました。
「媽媽。このたびのご恩はどんなことがあっても忘れません。」
チョン貴人は寝殿の中で赤子を抱いた成宗とたわむれる王妃に拝礼しました。
イム・サホンは王妃の実家の母(府夫人)シン氏を尋ねました。
「中殿媽媽の威勢は飛ぶ鳥を落とす勢いです。はっはっは。」
吏曹判書のホン・ウンは領議政のチョン・チャンソンに今回の騒動を懸念しました。チョン・チャンソンは笑って知らぬふりをしていようといいました。
「余計なことなどせぬのが身のためだ。」
左賛成のユン・ピルサンは王子を産んだ側室にソッコテジェを強要した王妃を問題にしました。
「中殿媽媽は嫉妬をしておられるのです。」
ホン・ウンは殿下に危害が及ばぬかどうかだけ考えようと言いました。
「王妃は出しゃばりすぎなのでは?そういえば大妃の威勢も衰えましたね。」
とキム・ジル。
「仁粋大妃も今や大王大妃に告げ口するのが関の山。」
チョン・チャンソンは婿のキム・ジルに言いました。
キム・スオンは孝寧大君に対策せねばと言いましたが因果応報で世祖大王の報いを王室が受けているのだと言いました。
成宗は仁粋大妃に挨拶しませんでした。キム・スオンは手遅れになる前に嫁姑問題を対策せねばと今度は大王大妃に言いました。
月山大君夫人は袖で涙をぬぐいながら義母の仁粋大妃を心配しましたが仁粋大妃は自分が退くのは当然のことだといいました。
「私は本当に大丈夫よ。」
ヒョン・ソッキュは成宗が仁粋大妃に挨拶に行かないことについて恐れながら尋ねました。
「望み通りであろう。そなたたちが望んだことだ。」
「我々の望み通りになった。」
イム・サホンは仁粋大妃の気勢がそがれたことを喜びました。
しかしヒョン・ソッキュは成宗が親不孝をしていることを問題に思っていました。
イム・サホンは都承旨のヒョン・ソッキュらを抑えるべきだと王妃ユン氏に助言しました。
「殿下の子はみな平等」
それは王室の掟でもありました。
チョン貴人は布団で寝そべって休んでいました。オム貴人はきっと長男の王子は短命だとチョン貴人に言いました。
ムーダン(巫女)が何かを呪っていました。
燕山君がひきつけを起こし危篤になりました。
「王子が息をしてないわ。」
王妃ユン氏が悲鳴を上げました。
成宗が駆け付けると症状は治まりました。
王妃ユン氏は息子が呪われていると泣きました。
仁粋大妃はイム尚宮から王子を避接(ピジョプ)させてはどうかと提案されました。
チョン貴人は王妃は自分を殺さないと甘く見て開き直っていました。
仁粋大妃は王子をたくましく育てるため避接(ピジョプ)を成宗に言いました。
「殿下と中殿は王子を甘やかしすぎです。たくましく育てなければ。」
避接(ピジョプ)とは病人が住みなれば場所を離れ養生する風習でした。王子の場合人望のある大臣の療養されました。成宗の長男燕山君も病気がちだったためカン・ヒメンの家で養生されました。
ヒャンイは「避接(ピジョプ)は中殿媽媽の威勢を削ぐための意図がある」と韓明澮夫人に説明しました。
王妃は燕山君を奪われて心が乱れ不安定になりました。
仁粋大妃はハン・チヒョンに「よく思いつかれましたね。実にすばらしい妙案です」と褒められました。
「もう我慢なりません。あの女を殺すのです。チョン貴人の策略です。あなたが死ぬか私が死ぬかよ。」
王妃は引き出しから毒薬を取り出しました。
感想
たいへんわかりやすいドラマで「インステビ」より見やすいです。風習もしっかり説明されており朝鮮の歴史を知らない私としては今回は大満足の内容でした。王妃役の人もいろんなドラマに出ていて悪役でもどこかかわいらしさがあって憎めない女性ですね。成宗はほんと「存在感がない」ですw女性たちの生き生きとした存在感と比べたらドラマの中の成宗は空気みたい。