王と妃 第158話 あらすじネタバレ感想 深まるばかりの溝
158話 あらすじネタバレ感想
「奸臣とは誰なのですか?」
「都承旨ヒョン・ソッキュです。礼曹判書ホ・ジョンらは元老大臣を抑えて中殿様をあおっています。権力の中心を大妃に置くのです。殿下では太刀打ちできないので仁粋大妃様が彼らと戦うのです。そうすれば殿下は名実ともに君主となれるのです。自分の思いが癒えてすっきりしました。」
「どうすればその構想が実現しますか?」
「すべて私にお任せいただきたい。」
「わかりました。武霊君(ムリョングン)ユ・ジャグァン大監のお言葉大妃様に伝えます。」
「お待ちください。大妃媽媽の信頼の証をいただきたいのですが。知らぬふりでは困ります。何度も約束を破りますので・・・。」
「私をお信じください。」
「わかりました。もう一度だけ信じましょう。」
仁粋大妃(インステビ)の部屋。
ハン・チヒョンは仁粋大妃に事のあらましを報告しました。
「猫に魚の見張りができますか。ユ・ジャグァンンは信用ならない男です。ユ・ジャグァンなど必要ありません。」
仁粋大妃(インステビ)はユ・ジャグァンを嫌っていました。
ユ・ジャグァンはヒョン・ソッキュの家を訪ねました。奴婢たちが貢ぎ物をヒョン・ソッキュの家に運び入れていました。
「送り返せ。送り返せというのだ。」
ヒョン・ソッキュは下男を叱りました。
「賄賂だと思わずお収めください。」
ユ・ジャグァンは荷車いっぱいの貢ぎ物を持ってきました。
「用件は何ですか?」
「私は田舎で隠居の身です。私は庶子なので士大夫に見下されてきました。でも国を思う気持ちはあります。だがハン・ミョンフェら勲旧派が問題です。都承旨縣監(トスンジヒョンガム)。私は都承旨殿を尊敬してきました・・・。」
「過大な評価です。私は・・・。」
「都承旨縣監(ヒョンガム)のお力をお貸しください。御恩は一生忘れません。頼みます。私が復職できたらハン・ミョンフェら勲旧派の排除に力を注ぎます。」
「藁くずひとつ残らず掃き出せ!」
ユ・ジャグァンが去るとヒョン・ソッキュはした男に言いました。
夜になりユ・ジャグァンはイム・サホンを訪ねヒョン・ソッキュに冷たくあしらわれた。あの男は傲慢だと悪口を言いました。イム・サホンはソン・ヒョッキュの勢いが増していることが気に食わないと言いました。
「大変な事態だ。承政院は真実を隠し殿下に正しい判断をできなくしている。」
ユ・ジャグァンは酒を煽りました。
「殿下はヒョン・ソッキュの言葉をなんでも信じるので仕方がありません。」
イム・サホンはユ・ジャグァンに酒を注ぎました。ユ・ジャグァンも酒を注ぎ返しました。イム・サホンはヒョン・ソッキュ次第で領議政の首を飛ばすのもできなくはないと言いました。
「イム承旨が前に立て。さすれば私も後に続こう。中殿媽媽を救うにはそれしかない。」
ユ・ジャグァンはイム・サホンに言いました。イム・サホンは白い溜息をつきました。
成宗の部屋。
成宗は大妃に内密で府夫人を王妃に会わせろと内官のキム・チョソンに命じました。ヒョン・ソッキュは正規の手続きを踏むべきだと上奏しました。
「大妃の怒りが収まるまでは耐えるしかないのだ。はぁ。」
寿康宮。
王妃の母ミン氏は王妃ユン氏の次男を抱いていました。
「平民の女でさえこんな扱いは受けません。孫の顔を見たらおかえりください。大妃様に知られたら何を言われるかわかりません。」
王妃ユン氏が母に言うと母は娘の健康を気遣いました。
王妃の母は成宗が一度も来てないのは本当かとチェ尚宮に尋ねて涙ぐみました。府夫人はショックのあまり宮殿の門を出ると泣き崩れました。
仁粋大妃(インステビ)の部屋。
クォン淑儀は府夫人を会わせたことについて成宗の命であることを伏せて釈明しました。
「見張りが母親を呼ぶとは。」
仁粋大妃(インステビ)はクォン淑儀に怒りました。
成宗はクォン淑儀から報告を受けました。ヒョン・ソッキュは王妃を呼び戻し幸せな家庭を築くよう諫言しました。
「そのとうりだな。」
仁粋大妃(インステビ)と月山大君夫人は輿に乗り寿康宮に向かいました。仁粋大妃は恐ろしい形相をしていました。
成宗は母の怒りが収まったと喜びました。
大王大妃と王大妃も同じように思いました。
寿康宮。
「まだ体調が戻らないの?かわいそうに。」
仁粋大妃(インステビ)は平静を装いました。
「ご心配くださり恐縮です。拝礼いたします。」
王妃ユン氏は小さくなり反省の弁を述べました。
「孫の顔がみたいわ。」
仁粋大妃(インステビ)は言いました。
「抱いてください。」
クォン淑儀は次男を連れてきました。しかし仁粋大妃は王子を抱きませんでした。王妃ユン氏は仁粋大妃に暗に侮辱され歯をくいしばりました。
仁粋大妃(インステビ)は赤子に微笑ました。
「愛らしい寝顔だこと。」
王妃の表情も和らぎました。クォン淑儀は尚宮に食事を運ばせました。
「スラッサン(食事)です。」
「スラッサン?」
「私が水刺間に命じ急いで食事を作らせました。」
王妃ユン氏は大妃に言いました。
「水刺間の尚宮はいるか!今すぐ呼びなさい。私の言いつけを守らないなんて。」
仁粋大妃(インステビ)は急に怒鳴り出しました。
「媽媽。何か失礼でもございましたか?」
月山大君夫人は言いました。
「中宮を水刺間に入れるなとあれほど命じたのに!王妃が何をしでかすかわからぬのに!王妃のいる場では食事を出すなといったのに。中宮を決して水刺間に入れるなと命じたわ。でもどうやら水刺間に出入りしているようね。何を考えているかわかったものではないわ!」
仁粋大妃(インステビ)は怒って帰りました。
「おままま・・・。」
王妃ユン氏は「あんまりだ」という表情を浮かべて泣きました。
「殿下。私を殺してください。こんな侮辱を受けてまで生きていたくありません。」
知らせを受けて大王大妃と王大妃はあきれました。
成宗は怒って仁粋大妃の部屋に生きいました。
「ようこそ主上。主上が来るような気がしてお茶を用意しておきました。ふっふっふっふ。そんなに不満ですか。私が王妃を少々きつくしかったくらいで。」
「中殿は母上に毒など盛りません。」
「中殿は王子の母だから態度が収まらないのです。」
「もうお許しいただいてもいいではありませんか。」
「王妃は王子が成長したら主上に毒を盛りかねません。だから警戒しているのです。」
「おままま!」
成宗は仁粋大妃の前に駆け寄り膝を折りました。
「この通りです。母上がお望みなら生涯中殿には会いません。寿康宮に近づきません。ですが、王子には何の罪があるというのですか。王子のためにも中殿の処刑だけはご勘弁を。母上。」
成宗は泣いて仁粋大妃(インステビ)に頼みました。
「主上。約束してくれますね?中殿の影すら眺めてはいけません。わかりましたね。」
「はい。おままま・・・。」
「ええ。そうでなくては。それでこそ私の息子です。」
韓明澮は夜に参内しなぜおよびなのかとキム・スオンに尋ねました。
領議政チョン・チャンソンの家。チョン・チャンソンとキム・ジルらは集まって話し合っていました。
「二者択一か・・・。」
「(大妃か王妃か)一体どちらを選べばよいのか。」
大王大妃は孝寧大君とユン・サフンと韓明澮とキム・スオンを部屋に呼び意見を求めました。孝寧大君は妻と母を捨てた国王は一人もいないと言いました。ハン・ミョンフェは仁粋大妃が息子の妻を捨てるなら従わざるを得ないだろうと言いました。
「因果応報だ。きっと世祖の犯した罪の報いだろう。」
孝寧大君は明言を避け天のせいにしました。
月山大君は成宗に母は強欲すぎると言いました。
「母上を捨てるのです。この世のすべてを手にしても母上は満足しません。」
月山大君が言うと成宗は昔のことを思い出されました。
「父上の無念を晴らすのです。」
仁粋大妃(インステビ)はそのように成宗を厳しく育ててきました。
「それはできません兄上。母上を捨てられません。この世でただ一人の母上なのですから。」
成宗は涙ぐみました。
ハン・ミョンフェが大王大妃の部屋から出てきました。
「私に死ねとおっしゃいました。屋敷で死ねてもあの世で安らかに眠ってられぬだろう。」
ハン・ミョンフェは官僚のひとりに言いました。
予想外の事件が起きました。
大司諫ソン・ビジャンが都承旨ヒョン・ソッキュを弾劾する上疏を出しました。このことが中殿ユン氏の没落を早めることになしました。
「弾劾の上疏はイム・サホンの指図で出されたのだろう。」
「イム・サホンとユ・ジャグァンが陥れようとしたのだろう。」
「イム・サホン。やつは何かを企んでおる。」
「だが上疏にはイム・サホンも含まれておる。」
新進士大夫らは噂しました。
便殿。
ヒョン・ソッキュは「退座する」と申し出ました。しかし成宗は認めませんでした。
「殿下。恐れながら申し上げます。同副承旨ホン・ギダルが都承旨に相談することなくある男の処罰撤回を求めたことがありました。すると都承旨ヒョン・ソッキュが袖をまくり突然怒りだしお前呼ばわりしながらホン・ギダルを罵ったのでございます。」
ソ・ビジャンが言いました。
「都承旨は覚えているか?」
「はい殿下。ホン・ギダルの勝手な行動を私が叱責しただけです。袖をまくったのは暑さのせいで腕が少し見えていただけでございます。」
「袖をまくったまでは事実のようです。ですが暑さのせいというのは信用なりません。」
右承旨のイム・サホンは成宗に言いました。
「右承旨は都承旨の補佐だろう。なぜ都承旨にたてつくのだ。」
成宗が言うとイム・サホンは今日まで都承旨の行いを伏せてきたのだと言いました。
「承旨らがこう不仲では困る。引き離す必要がありそうだな。」
あからさまな個人攻撃でした。成宗が出した人事は朝廷内外に衝撃を走らせました。
「イム・サホン 大司諫 ヒョン・ソッキュ 大司憲(官僚の汚職を処罰する部署の長官)」
仁粋大妃(インステビ)はハン・チヒョンから人事の報告を受けました。
「願ったりです。井の中の蛙が大海に放たれたのですから網を張って待っていればよいのです。ヒョン・ソッキュが殿下から離れたので網を張って待っていればよいのです。はっはっはっは。はっはっはっは。」
感想
仁粋大妃(インステビ)が悪党になってますね~。なんて意地悪なのでしょう。イム・サホンも悪いやつ。王妃ユン氏も悪い女。朝鮮には道徳観がないのでしょうか。だいたい無茶苦茶な時代だったんですね。今でいう治安の悪そうで未開の国みたいな感じだったのでしょうね、当時の朝鮮も日本も。どれくらいの時代でしょうか、ちょうど戦国時代あたりでしょうか。いじわるがどれくらい醜いか誰も意識してなかった時代なのかもしれませんね。