王と妃 第161話 あらすじネタバレ感想 廃妃ユン氏
161話 あらすじネタバレ感想
「一度味をしめたら手放せないのが権力です。誰も知らぬ母親のために王子が無茶をすると思いますか?王子が母の復讐をするためには母親の死にかかわる者全員と戦わねばなりません。蛇を助けなかった士大夫を皆殺しにしない限り王子は復讐を果たしたといえぬでしょう。しかもまず私を殺さねばなりません。いくら君主でもそんなことができますか。私は指一本動かさぬつもりです。彼らが先頭に立つはず。夜中に粗末な輿に乗った廃妃が宮殿から追放されるのを見ていた朝臣が我先にと廃妃の処刑を上奏するでしょう。私はじっと座って結末を見届ければよいのです。はっはっはっは。王子が王になったらそのときは見物するですって?はっ!」
インス大妃が言うとハン・チヒョンは青ざめました。
廃妃ユン氏の実家。
「奥様。魚が一匹残ってたので焼きました。」
使用人は廃妃ユン氏の母に膳を差し出すと涙ぐみました。
廃妃ユン氏の母も涙を流しながら粗末な食事を娘に与えました。
「おいしいですね。」
廃妃ユン氏は麦飯をすくい上げました。
「廃妃は母親以外の者と接するべからず。」
ユン・サホンは廃妃の家の前の張り紙を見ました。
朝鮮王朝実録によるとユン氏は幽閉されて母親と暮らしていました。成宗はユン氏が兄弟と会うことを禁止するために承政院に廃妃が母親と暮らすのは許可するが兄弟は近親者と会うことは禁ずる。誰かが廃妃の家に出入りしたら最も近い隣人がこれを通報すること。通報しなければ不告知罪とする。管轄の役人にも常に廃妃を見晴らせ監視を怠った場合その者にも罰を与える。
便殿。
右議政のホン・ウンはイ・アジルデという帰化人が殺人を起こしたと成宗に判断をゆだねました。成宗は右議政に任せました。大司憲のパク・スクチンは廃妃の家の前は閑散としており犯罪が起きれば助けを頼めないので反省している廃妃ユン氏を離宮に戻してはどうかといいました。都承旨のホン・ギダルは廃妃の兄弟までもが廃妃に会えないのは・・・と言いかけると成宗は遮りました。
「廃妃におもねろうとはけしからん。」
成宗は大司憲を叱りました。大司憲はただ哀れだっただけで腹心はないと弁解しました。
「大司憲を罷免し義禁府に尋問させよ。」
成宗はパク・スチンを投獄しました。都承旨は大司憲は人情を大事にする者だと擁護しましたが成宗は聞く耳持ちませんでした。
政丞らは集まり話し合いパク・スチンの投獄について話会いました。
領議政のチョン・チャンソンはこれしきのことで大司憲が投獄されるとはと苦々しく思いました。
キム・グックァンは成宗は大妃の顔色を見ているのだろうと言いました。
淑儀ユン氏を王妃にしたいユン・ピルサンは王子の将来のためにも当然だろうと発言しました。
シム・フェは燕山君にいつまでも隠し通すことはできないと言いました。
話し合いは王と大妃に意見を申せば結局誰も生き残れないということになりました。
右承旨のチェ・スは仁粋大妃に取り入ろうと成宗の命令で報告しに来ました。
「廃妃をあきらめるような主上ではないわ。」
成宗はチェ・スから報告を受け、仁粋大妃はまだ自分を疑っていることを知りました。
右賛成のカン・ヒメンは燕山君が言葉を覚え始めたとチョン・チャンソンに言い微笑みました。
仁粋大妃の子飼いユ・ジャグァンはイム・サホンの家に行き廃妃の家の前には誰もおらず哀れなので何とかしようとそそのかしました。
「戦うのです。大妃に立ち向かいこの件を正さねばなりません。」
韓明澮の家。
チョン・チャンソンはハン・ミョンフェを訪ねました。ヒャンイは廃妃を自決させるという噂を聞きました。
「食事に口もつけないのですか。領相(ヨンサン、領議政)大監。」
韓明澮は言いました。
「酒がのどを通るか。最近は夜も眠れんのだ。」
「領相(ヨンサン、領議政)大監だけでない。枕を高くして眠れるのは廃妃だけだろう。」
「そのとおりだ。」
「万事塞翁が馬とはこのことだろうな。」
「上党君(サンダングン、ハン・ミョンフェ)。廃妃が復位されると思うか?」
「仁粋大妃が生きている限り無理であろうな。」
「殿下はいまだに未練をもっておられるようだ。廃妃も大妃の怒りを買わぬようおとなしくしているそうだ。そうなると大妃は廃妃を排せぬゆえ殿下の思い通りになるのでは。王子様は今に宮殿に戻られる。」
「そうはいかんだろう。」
「王子が成長なされたら・・・。」
「大妃は新しい王妃をお迎えになるだろう。」
「ではあの噂は・・・・。」
「本当だろう。さもなくば終わらぬ。我々は長生きしすぎた。スクチュはいいときに死んだな。大妃に言わねば。」
「おおお王子様が王になれば?」
「廃妃は生かしておけん。それとも王子を廃嫡しろと?」
「・・・・・・。」
チョン・チャンソンはよろめきながら輿に乗り帰りました。
「逃げ道はないのですか?ならば廃妃は死ぬことになりますね?」
ヒャンイは韓明澮に言いました。
側室と重臣たちは大妃殿の前に集まっていました。孝寧大君も現れました。
「宮殿の皆が笑顔になりましたな。」
「ええ。大君様。中殿が選ばれるのですから。」
月山大君は母の冷酷さに内心では見限っていました。
大妃たちと成宗は集まっていました。
「昔から産みの母より育ての母というでしょう。違いませんか?」
仁粋大妃が言うと成宗は立ち上がり大殿に帰りました。
孝寧大君と政丞の前に簾が置かれ側室たちは次々と拝礼しました。
夜になりました。
廃妃ユン氏の家の前にユン氏の兄ユン・ウが新王妃を選ぶという情報を伝えに来ました。ユン氏の母シン氏は泣きました。ユン氏は側室でも内人(ナイン)でも構わないと言いました。
「待つしかありません。義母様の寿命も今に尽きるでしょうから。殿下。私を覚えておいででしょうか。殿下。」
廃妃ユン氏は涙を流しました。廃妃の兄が家を出ると役人に捕まりました。
夜の大殿。
クォン淑儀は成宗にユン淑儀に決まったと言いました。
オム貴人とチョン貴人はたいへん悔しがりました。
仁粋大妃の部屋。
「なぜ私がそなたを中殿に選んだかわかるか?一番好ましい人はチョン貴人だったわ。二番目はオム貴人よ。」
「私もチョン貴人がよいと思いました。安陽君をお産みになったから。」
クォン淑儀は大妃に言いました。
「それがだめなのよ。すでに王子がいます。新しい中殿は王子の母親がわりをせねばなりません。そなたには王子がいないゆえ王子を大切にしてくれるでしょう?」
ユン淑儀は体質しました。
「第二の理由はユン淑儀が名門の出だからよ。王子が実母の話を持ち出したときに名門なら助けを借りられる。千年続く業を負ってるのよ。この業は一朝一夕にぬぐえるものではないわ。」
仁粋大妃は月山大君夫人に言いました。
ユン・ピルサンはユン淑儀に王子を生むよう頼みました。
「媽媽のお子が王になられるでしょう。」
淑儀ユン氏が王妃となりました。
京畿道観察使ユン・ホの娘であり左議政ユン・ピルサンのはとこである。廃妃ユン氏とは異なり名門の出身でした。
廃妃ユン氏の兄は尻叩きの刑に課せられました。ユン・ウの尻から血が流れました。
新進士大夫たちはヒョン・ソッキュの家に集まりました。下手に行動すれば廃妃が殺されかねんと行動しないことにしました。
王妃ユン氏は仁粋大妃に叶う女性でした。王妃ユン氏は仁粋大妃に廃妃の様子を観察する名目を与えました。王妃ユン氏は折を見て廃妃の刑を軽くするように大妃に言ってみてはと成宗に言いました。
仁粋大妃は廃妃ユン氏の暮らしを部下に調べるよう命じました。イム尚宮は内官に見たままを報告するのではなく大妃好みの報告をするように命じました。
廃妃ユン氏の家に内官らが現れました。廃妃ユン氏は殿下がお許しになったのでは?と期待しまし正装しました。
成宗は仁粋大妃の部屋に行き廃妃ユン氏は反省しているようだと微笑みました。
「本当に反省しているなら王子の母にふさわしい待遇を与えねば。」
仁粋大妃は息子に言いました。
廃妃ユン氏が家から出てくると廃妃の豪華な衣装に内官らは戸惑いました。廃妃ユン氏はむしろの上に座り泣き崩れました。
「冗談じゃないわ。あの女が変わるはずがない。はっ!」
仁粋大妃は意地悪く言いました。
感想
もしかしたら廃妃ユン氏が成宗のために一度だけきれいな服を着ていたことを仁粋大妃は口実にするかもしれませんね。廃妃ユン氏は殺されるほどの罪があるのかというと・・・現代の価値観では仁粋大妃のほうが巨悪でありますし、王子とユン氏を呪ったオム貴人とチョン貴人のほうが罪が大きいのではないかと思います。でも大妃が執拗にユン氏を殺したがるので誰も逆らうことができないんですね。世の中の人は廃妃ユン氏に同情的であったのかな?