王と妃 第170話 あらすじネタバレ感想
王と妃 170話 あらすじ 明かされる真相
イム・サホンは燕山君に呼ばれ私を殺してくださいと泣きました。
いったいどんな罪を犯したのだと燕山君が問うとイム・サホンは廃妃を救えなかったと言いました。
「私は今日そんなことを問いたくてそなたを呼んだのではない。風流のことなら斉安大君、女人ならイム・サホンと聞いてな。」
「女人のことですか?」
「不快に思わないでください。人生の愉しみではないですか。恥ずかしがらないでください。イム・サホンは好色だとみなが言っているではありませんか。はっはっはっは。とぼけるのはやめて白状せよ。噂通りなのか?国王の私が恥を忍んで女人の世話を頼んでいるのだ。私は生来の色好みだからな。」
「本当のご用件は何でしょうか。外で聞き耳を立てている者が殿下をどう思いますか・・・。」
イム・サホンが言うと燕山君は扉をあけました。
「御代。私への忠誠心に満ちたチャウォンという内官と目も悪く耳も遠い内官だけだ。誰も聞き耳立てておらぬ。」
燕山君が扉を閉めるとキム・ジャウォンらはひやりとしました。
「私がそなたを呼んだ理由がわかったか?宮中には信用できる者がおらぬ。何を話しても外に漏れる。息苦しくてたまらんのだ。散歩でもしよう。何をしている。散歩をすると言うておるのに。」
燕山君が外に出ると内人たちは目をそらしました。燕山君が内人を追い回すと女たちは逃げていきました。
「父上に仕えた内人に手を出すとでも?女官ばかりか下働きの内人にも避けられる。」
燕山君はイム・サホンに言いました。燕山君が池に来ると母の記憶はないのに石を投げて波紋の美しさを見たことだけは覚えているといいました。
「そなたは母上の忠僕だったそうだな。そのせいで罷免もされたとか。」
「私は今もあの日の悲痛を胸に秘めて生き続けています。」
「ここには父に仕えた者と大妃に仕えた者しかおらぬ。実に息苦しい。卑しい血が流れているなら卑しく生きなければな。」
「殿・・・下・・・。」
「宮殿の塀が高すぎる。私があの塀を壊してやろう。はっはっはっは。はっはっはっは。」
武霊君(ムリョングン)ユ・ジャグァンはイム・サホンに謁見はどうだったか尋ねました。
「殿下は私に女を調達せよとおっしゃったのだ。」
殯宮。
「これでおばあさまもお喜びになるだろう。そう思わんかキム尚膳。」
燕山君は儀式どおり哭泣をはじめました。
夜。
仁粋大王大妃はイム尚宮から燕山君が女を所望したと聞いて高笑いました。ハン・チヒョンは久しぶりに笑い声を聞いたといいました。仁粋大王大妃は自分しか燕山君を止めることができないので廃妃の話を燕山君が知ってよかったと言いました。
燕山君はキム・ジャウォンと少しの護衛を連れて馬で王宮を出てイム・サホンの家を訪ねました。
「女を調達せよと言ったはずだ。はっはは。」
イム・サホンは門前で燕山君にひれ伏しました。家の中には廃妃の母シン氏がいました。シン氏は復讐の機会の到来に泣いてあの世の娘に燕山君の来訪を告げました。奴婢はシン氏に燕山君に会ってはならぬと主人の命令を伝えました。
イム・サホンは燕山君から貰った文書を読み震えました。
「チョ・ジソその上疏をお見せになったのはなぜかまずはその理由をお聞かせください。」
「そなただけが廃位の不当を訴えたと聞いた。信じられるのはそなただけだ。」
「殿下、今はまだ時期尚早です。殿下が大王大妃に立ち向かうおつもりですか?できないなら上疏のことはお忘れください。」
「それもできません。おばあさまに一歩下がってもらうのだ。」
「大王大妃様はすでに一歩おさがりになりました。殿下の即位をお認めになられたのですから。」
「もっと下がらせて崖っぷちに立たせてやる。」
「殿下ぁ。殿下はなんと聡明なお方でしょう。殿下のようなお方なら中殿媽媽の恨みも晴らせるでしょう。」
イム・サホンは泣きました。
燕山君は王宮に戻ろうと馬を歩ませました。
「明日は母上の命日だ。こんな月夜だったのだろう。」
日中の王宮の政丞らの会議室。
都承旨は燕山君にチョ・ジソの上疏を見せたことで叱られました。ユン・ピルサンは廃妃の話がでたら殿下は復讐したくなるので防がねばならないと言いました。ハン・チヒョンは燕山君の判断を待とうと言いました。
禁忌とされていた廃妃の問題をチョン・ソが上疏していたのでした。チョ・ジソは生母のために喪に服すべきだと燕山君に上奏しました。
「殿下。母君のご親族にも慈悲の心を示し無念を晴らすのです。」
チョ・ジソは寛大な制度改革と言論の自由を同時に上奏しました。
シン・スグンは王妃と父と部屋で話し合いまだ殿下は仁粋大王大妃に力が及ばないと懸念しました。
仁粋大王大妃は死んだ長男の月山大君は王になれなくて悔しかっただろうと月山大君婦人に言いました。
ユ・ジャグァンは「見上げた忠誠心だな」とチョ・ジソをあざ笑いました。
「つまらぬ進言だ。あやつの言うことなど誰にでも言える。」
燕山君は出世のため抜け駆けしようと上疏したチョン・ジソを鼻で笑いました。
燕山君はハン・チヒョンに「味方がほしいのです。一緒に入りましょう」と大王大妃殿に入りました。燕山君あチョ・ジソに本を投げられたものだと雑談し、チョ・ジソが自分に媚びたのは廃妃ユン氏の息子だからと言いました。
「知っていたのですね。」
「廃妃が何の罪で自決させられたか知りませんか?父上成宗のお考えですから仕方ありません。でも産みの親に対する感謝の心を示さないのは人道にも劣る行為です。私は道理に従いたいだけです。おばあさま。私はこの国の王です。国王が親を軽んじて民の父と言えましょうか。国王の母がユン氏なのは皆知ってるのに私だけ知らぬふりはできません。チョの上疏によると壬寅年に世を去り廃妃は荒地に埋められたままだと。これでは世間に顔向けできません。」
「成宗大王の遺言によると・・・。」
「廃妃の墓に土をかけるな。今後百年の間は一切廃妃ユン氏の事は一切口にするな。そういう遺言でしたから私も肝に銘じてきました。おばあさま。廃妃の墓の前に廟を建て法事を行うことをお許しください。それで親への義理を果たそうと思います。」
「知っているのなら私も話しましょう。廃妃ユン氏は・・・。」
「これ以上は聞きたくありませんおばあさま。」
「どんな罪を犯したか主上も知るべきです。」
「知ったところで何が変わるでしょう。父上の下した罰にとやかく言いたくありません。父上の判断に異議を唱えるのは親不孝です。」
「殿下のおっしゃることはもっともです。廃妃ユン氏は重罪人ですが殿下の生母です。チョ・ジソの言う通りにしましょう。」
ハン・チヒョンは言いました。
「成宗大王の遺言に逆らうのですか!処刑は当然の罰でした。・・・悔しいですか主上・・・。」
「いいえおばあさま。顔も知らない母上です。別に情などありません。ただ・・・。」
「何です話してください主上。」
「人に薄情者と言われぬかと。」
「廃妃を知る者ならそうは言いません!あの女は卑しくてあくどい・・・。」
「媽媽。」
ハン・チヒョンが釘を刺しました。
燕山君はまっすぐ大王大妃を見つめました。
「おかえりください。廃妃の墓を移すなり好きにしてください。」
仁粋大王大妃はそっぽを向きました。
「お怒りをお収めください媽媽。廃妃の墓はそのままにしますので。」
燕山君は挑戦的に言うと仁粋大王大妃に拝礼し部屋をでました。
「主上忘れてはなりません。主上は罪人廃妃子だということを!」
燕山君は仁粋大妃の暴言を受けて立ちました。
殯宮。
燕山君は憎しみの気持ちがまた募りました。
王妃の部屋。
ユン・ピルサンは燕山君が大王大妃に嫌われたので好都合だというと王妃ユン氏は息子の将来を心配しました。
殯宮。
シン・スグンはうかつだったのではないかと燕山君に言いました。
燕山君はこれでよかった、廃妃は大王大妃の足枷だからと言いました。
「罪人の子にしたのはおばあさまですか?苦しいのはおばあさまのはずです。孫を見るたびに息苦しいことでしょう。あなたが母上を追い出したのですから。自決させたのもおばあさまではありませんか?母上。いったい何の罪を犯して廃妃になったのですか。毒を飲まされるほどの重罪を犯したのですか母上。おばあさま。今に墓に眠る母上を羨むでしょう。こんな苦しみを味わうなら死んだほうがましと思わせてやる。約束します。私にどんな災難が降りかかろうと私がそうしてみせます。」
感想
燕山君は親孝行な息子ですね。燕山君が復讐を遂げる様子が韓国ドラマのメインテーマである復讐劇として利用され視聴者の共感を得たことでしょう。仁粋大妃はこのドラマでも悪党として描かれているようですから。ここにきてハン・チヒョンが仁粋大妃から離れ燕山君に味方する場面が増えましたね。さすがの親戚ハン・チヒョンでさせも死にゆく大王大妃にいつまでも味方するわけにはいかないといったところでしょうか。韓国では親戚でも人は容易に裏切るということが今回のお話しにしっかり描写されていましたね。