王と妃 第165話 あらすじネタバレ感想
王と妃 165話 あらすじ 成宗の危篤
成宗が危篤状態になりました。死ぬには若すぎる男盛りの38歳でした。多数の側室と二十八人の子をもうけ規則正しい生活で一度も倒れたことのなかった成宗は病気を深刻にとらえていませんでしたが病にかかると容体は重篤化しました。
成宗の部屋。
「ユンよ・・・どこにおる・・・。」
成宗は燕山君の名を呼びました。
「父上。ここにおります。」
燕山君は王のそばに座っていました。
「お父上の手をお握りください殿下。」
キム・チョソンは燕山君に言うも王子は手を握りませんでした。
「私を恨んでいるのか・・・?そなたに申し訳ないことをした。」
「そうではありません父上。父上を恨んだことは・・・一度も父上を恨んだことはありません。ただひたすら父上に愛されたいと思ってきました。信じてください父上。」
燕山君は父の可愛がっている鹿を蹴り飛ばし厳しく叱られたことを思い出し劣等感が刺激されました。
-回想-
「この純真無垢な鹿の目を見てみよ。どんな極悪人もこの目の前では改心するはず。なのに鹿を蹴り飛ばすとは!」
燕山君の心の中に憎しみがこみあげ燕山君は父の手を取らずに成宗の部屋を出ました。キム・チョソンは燕山君の後を追いました。
「どうせ私は賤民以下です。こんな私にしたのは誰ですか?私を息子と思うなら鹿を蹴ったぐらいで激怒なさらなかったはず。父上が私を見る目はどうでしたか。母上は一度も優しい目をしませんでした。虫けらを見るような眼で私を見ていました。母上・・・母上・・・。」
燕山君は松の木に寄りかかって泣きました。
仁粋大妃の部屋。
左賛成のハン・チヒョンは仁粋大妃に燕山君を王にするよう確約を望みました。
仁粋大妃はとんでもないことだ、成宗は100歳まで生きられるのでなんの心配もないと拒絶しました。
「確約などするものですか。はっ。」
仁粋大妃は晋城大君(チンソンデグン、のちの中宗)を呼びぶと亡くなった義母の貞熹王后ユン氏も臨終の際に燕山君を王にする役を苦を求めていたことを思い出しました。幼い晋城大君(チンソンデグン)がユン王妃とともに部屋に現れました。
「来なさい。」
仁粋大妃は両手を差し出すと晋城大君(チンソンデグン)は礼儀正しく拝礼しました。
「座りなさい。」
「父上のお具合がすぐれず心を痛めております。」
「なんと。誰にそんな言葉を教わったの。関心だわ。こちらに来て。」
仁粋大妃が言うと晋城大君(チンソンデグン)は母に目で了承を求めて仁粋大妃の膝に座りました。
「心配いわないわ。お父さんは明日になれば回復するわ。」
仁粋大妃は晋城大君(チンソンデグン)をかわいがりました。するとユン王妃は膝から降りるように言いましたが仁粋大妃はかわいい子だと晋城大君(チンソンデグン)を放しませんでした。
寄るの世子燕山君の妃の部屋。
世子の妃と世子の義父シン・スンソンとシン・スンソンの息子で世子の義兄のシン・スグンは集まって話し合っていました。燕山君が仁粋大妃に嫌われていることは誰もが知っている事実でした。
「仁粋大妃は恐ろしいお方です。ハン・ミョンフェでさえ猫の前の鼠です。大妃様が廃妃に毒を飲ませたのが単なる確執だと思いますか父上。違います。ユン氏が廃位され自決させられたのは仁粋大妃に逆らったからです。中殿は立ち向かわず素直におとなしくしていれば平民に落ちなかったはず。」
「そうはいっても世子殿下には影響はないはず・・・。」
シン・スンソンは言いました。
「仁粋大妃は世子殿下の母を殺したのですよ?世子様を廃さないとは限りません。媽媽は気を引き締めてください。世子様が問題を起こされぬよう見張るのです。大王大妃媽媽は些細な過ちも許さぬはずです。不用意な言動をなさらぬよう大妃様に・・・。」
シン・スグンは嬪宮シン氏に言うと燕山君が部屋に入ってきました。
「心配いりませんよ。私はおばあさまにうとまれて王位にもつけぬでしょう。ゆえにあれこれ手を尽くす必要はありません。そうではないか夫人(プイン)」
燕山君は嬪宮の肩を抱きました。するtシン・スンソンは世子に将来国を治められる世子殿下ですというと、燕山君は父成宗は三人の妻を娶って二十八人も子がおり元気だと言いました。
「王子が何人いようと王になれるのは一人です。斉安大君(チェアンテグン)のようになられてはなりません。」
シン・スンソンは言いました。
「私は斉安叔父上が羨ましいです。」
燕山君は言いました。
燕山君は劣等感の塊で嬪宮にも見下しているのだろうと言いました。
「廃妃にも息子がいただろう?廃妃が毒を飲まされる前にはやり病で死んだのだと聞いた。本当ですか?私の聞き間違いですか?」
燕山君が言うとシン・スンソンの表情が凍りました。
「おっしゃる通り廃妃ユン氏には息子がひとりいましたが・・・。」
「気の毒だな。」
世子の燕山君は夜中に外に出ました。内官のキム・ジャウォンが「世子殿下」というと燕山君は「媽媽と呼びなおさせました。」
「閻魔大王に会いに行く。」
燕山君はキム・ジャウォンを連れて行きました。
シン・スンソンとシン・スグンは嬪宮の部屋で固まっていました。
「廃妃のことをご存じだろうか・・・。」
仁粋大妃は晋城大君(チンソンデグン)と王妃ユン氏と部屋で食事を楽しんでいました。
王の殯宮。
「一蓮托生という言葉があるだろう。知っているか。私に命を捧げるといったな。木に吊るされたときそなたは死ぬ運命だった。私が助けたやったのだから今度は私を助けてくれ。廃妃は誰なのだ。早く答えぬか。」
燕山君はキム・ジャウォンに言いました。
「私めは知りません。」
「廃妃は死んだ息子以外にもう一人息子がいたそうだな。私の命はそなたにかかっている。ジャウォンや。知っていることを教えてくれ。」
「媽媽(ユン様)。お知りにならぬほうがよいかと思います。」
「イノミ!早く私に本当のことを言わぬか。」
「私の知る限りでは・・・」
「やはりもう一人いたのか。」
「違います。」
「またごまかすのか。」
「私を殺してください。いっそ木に吊るされたほうがマシです。」
キム・ジャウォンは震えました。キム・チョソンは心配になり殯宮の庭に来ました。
「媽媽。媽媽のために死ねれば本望です。廃妃様は濡れ衣を着せられ宮殿から追放されました。年寄りの女官たちの話によると中殿媽媽は王子様の名を呼び続けながら粗末な輿に乗り宮殿を出て行かれたと。」
「もうよい。それだけ聞ければ十分理解できた。今日ここで話したことは胸に収め墓に持っていけ。わかったな。私は廃妃のことは何も聞いておらぬしそなたにも言っていない。誰に聞かれてもそう答えろ。特におばあさまには殺されようとも絶対に話してはならんぞ。」
「もちろんでございます。誰にも話しません。」
「もうよい。下がれ。」
ジャウォンが殯宮を出ると雪が降っていました。
燕山君は涙を流しました。
「心の空洞が今埋まりました。母上。母上。私がこの手で取り戻します。母上がいるべき本来の座にお就けいたします。」
成宗は廃妃ユン氏と一緒に過ごしている夢を見ていました。
「主上。主上。」
仁粋大妃は成宗を起こしました。
「母上。」
「そのままでよいのです。のどが渇くのですか?」
「はい母上。」
「疲れがたまったのでしょう。毎日弘文館(ホンムンガン)の学者と集まり経国大典や東国通鑑(トングクトンガム)をお直しになりつかれたのでしょう。まだまだ殿下はお若いです。体を休めるのが一番です。」
「母上。ご安心ください。私はあと百年は長生きします。」
「そうですとも。殿下まで私より先に旅立たないでください。許しませんよ。私は前世で罪深い人間だったのでしょうか。」
成宗は仁粋大妃の手を握ると仁粋大妃はすすり泣きました。
ユン王妃の部屋。
オム貴人とチョン貴人はユン王妃の息子が世子になれると言いました。
王妃ユン氏は聞かなかったことにすると言いました。
イム・サホンはユ・ジャグァンから報告を受けると燕山君が王になれそうなので喜ばしいと言いました。
廃妃ユン氏の母と奴婢は廃妃の血のついた手ぬぐいに祈ってました。
ある日。
成宗が病床から起き上がったという知らせを受け仁粋大妃はうれしくなり会いに行きました。
「大殿へ行きなさい。」
仁粋大妃は輿に乗るとあぐらをかきました。
成宗の部屋。
成宗は元気そうなふりをして斉安大君(チェアンテグン)と話をしていました。そばには王妃ユン氏が座っていました。斉安大君(チェアンテグン)は雑談して帰ると仁粋大妃と燕山君が王の寝所の前に現れました。
「看病をしなかったのですか。父親が病気のときは息子が面倒をみなければ。チッチッチッチ。」
仁粋大妃が冷たく燕山君に言うとキム・チョソンは燕山君を擁護しました。すると仁粋大妃は「けしからんやつめ」と怒って成宗の部屋に入りました。
感想
燕山君は現時点でかわいそうな人です。「王と私」ではキム・ジャウォンはキム・チョソンの宿敵でしたが、ここではまだ燕山君の子分みたいな感じですね。「王と私」でキム・チョソンは廃妃尹氏を深く愛していましたが、「王と妃」では普通の内官として徳のありそうな演出となっているようです。仁粋大妃の意地悪さはどの韓国ドラマでも同じですね。