名もなき英雄<ヒーロー>1話
あらすじ
香港の美しい街。カーティス・ブリマーの画像がクローズアップされる。
夜のビルの一室(香港)。
ペク・シユン(パク・シフ演)は二人の部下にカーティス・ブリマーというベイスター香港のCEOが大韓(テハン)産業銀行の買収を計画するが、拠点は香港の小さな事務所のみでペーパーカンパニーであると説明します。
香港。カーティス・ブリマーがデジタルカメラを構えました。若い韓国人がカメラを構えブリマーを超望遠レンズで撮影しました。
夜のビルの一室。
部下の男(ジヌ)は撮影してきたブリマーの写真をラップトップPCのモニターに表示させました。
ペク・シユンはカーティス・ブリマーのスマホにスパイウェアを仕込むと言いました。
「買収後、より高い値で売る投機買いですか?」
若い女、ソアンはシユンに確めました。
「そうだ。買収資金をどこから調達するかが、明らかではない。」
シユンは答えました。
ジヌは資金はブリマーの乗る車をパソコンで特定し、大韓産業銀行の金を調達したことを報告しました。
シユンは国富が香港に流出しないよう買収を阻止するように中央情報局の部下に命じました。
シユンと中央情報局の諜報員はカーティス・ブリマーの行動を逐一観察して準備を整えました。
ある日。
シユンはブリマーの部下の前でわざとらしくフードを被り路地に誘い込みました。シユンは三人の男を倒しました。若い女の諜報局員(ソアン)はブリマーに接触しました。ブリマーは若い女に好意的に接しました。
ソアンはブリマーに誘われ黒のドレスに正装しました。ソアンはシユンに片目を瞑って見せました。
「兄貴。プロポーズするんですか?」
ジヌは車内でソアンを見ているペク・シユンに尋ねます。
「この作戦が終わったらする。結婚式で司会を頼む。」
シユンはジヌに言いました。
「本当にいいんですか?俺のほうが男前なので目立ちますよ?」
ジヌは冗談を言いました。
カーティス・ブリマーは自分が運転する車にソアンを乗せて口説いていました。
パク・シユンはブリマーがソアンを口説く様子を盗聴器を通して聞いていました。するとシユンの先輩チョン・スヒョクから電話がかかり、作戦を中止するように命令が下されました。シユンはブリマーと手を組んだ韓国人を捕まえるまたとない機会だと抗議しました。
ブリマーの車は停止しました。ブリマーはソアンが情報局員であることを知っていました。ソアンの表情に緊張が走りました。
その時シユンの乗った車も何者かに追突されて、シユンとジヌは血まみれになりました。
夜の香港。
ソアンは椅子に縛られシユンとジヌは血まみれになって地面に押さえつけられていました。ジヌは抵抗すると、ブリマーの手下に殺されてしまいました。
三年後の韓国。
パク・シユンは命令に逆らった罪で投獄され、出所の日を迎えていました。シユンは刑務所で知り合った弟分のヨンジンという詐欺師の男と出所したら遊ぼうと言いながら鍛えられた体にシャワーを浴びせました。
シユンとヨンジンは出所し握手をして別れました。
チョン・スヒョクはシユンを刑務所前まで迎えに行きました。スヒョクはシユンを車に乗せて、今は退職者の就職などの管理をしていると言いました。シユンは貯金で外車やマンションを買って金が尽きたら実践武術場を開いて子どもに英語と中国語を教えると言いました。スヒョクはもう暴力は振るうなとシユンを心配しました。
どこかの家。
男の子(ユビン)が寝ている父親(イム・テホ)に手錠をかけて遊んでいました。イム・テホが起き上がりユビンに遊んでやると娘のスビンが父親を嫌悪しながら高校に出かけました。娘のタビン(イム・ダビン)はお小遣いをくれないの?とテホにねだるとテホは妻に財布を貸してくれるように頼みました。呆れたタビンはもういいと学校に行きました。テホの妻、ソニョンはタビンの習い事の費用や住宅ローンの返済について何とかするように言いました。
イム・テホは元金の返済を猶予してもらいに銀行に行きましたが銀行の女性事務員は今月から毎月200万ウォンの返済が始まると言いました。
「人員削減の狙いは・・・ベイウター香港。はっはっはっは。俺は警官だから労働組合は嫌いだ。」
イム・テホは部下の運転する車に乗り込むと、請求書を見て目を丸くしました。
「34万ウォン?“バー隣人”?」
「覚えてませんか?昨日の三次会ですよ。」
バー隣人。
アルバイトの若い女性(ペ・ジョンヨン)は店長募集のポップを描いていました。老いたマスター(ファン社長)はすまないなと礼を言いました。ペ・ジョンヨンは仕事の合間に店で脚本の執筆をさせてほしいと頼みました。扉が開き、イム・テホと部下のジュニが入って来ました。テホはジュニを店の外で待たせました。イム・テホは社長が父のように見えジョンヨンが妹のように思えたのでつい飲み過ぎたと釈明をはじめました。社長は原価以外を返すと言いました。
「街を守るお方ですので。」
ファン社長はテホが差し出した代金を受け取りました。
「もちろん今以上に頑張ります!」
テホは社長をおだてました。
ペク・シユンは母ジュヒが運営している託児所に手土産を持参して行くと、建物の中に隠しておいたバッグを取り出しました。ジュヒは会社(情報局)を許したと言い父のようにギャンブルと浮気と女との鉢合わせはしないように忠告しました。
パク・シユンは高級車を運転していました。
「高級車を乗り回している奴もいるのに俺は飲み代を値切りローンの返済に苦しむなんて。世の中公平じゃないよな。」
イム・テホとジュニはシユンの乗る車とすれ違いました。テホは盗難車と車に乗っていた少年を取り締まっている制服警察官の手柄を横取りしようと「報告書は俺が書く、お二人の名前も入れますから」と言いだし少年を連れて行きました。
ペク・シユンは「バー隣人」に入りました。
三人の男女がファン社長にバーを買いたいと交渉していました。
シユンはペ・ジョンヨンにビールを注文しました。
ファン社長は店を買いたいという男にどうするつもりだと尋ねると、男は妻が修行中なので製菓店を開きたいと答えました。ファン社長は数日考えたいと保留しました。
夕方のアパートの屋上(屋根部屋)。
イム・テホは少年の家が貧しい屋根部屋であることを知り見逃すかわりに一週間謹慎するように言いました。
「生活が苦しいようだから善処しよう。その代わり一週間家から出るな。それを守ったらなかったことにしてやる。万一逃げたら指名手配にして写真を公開するぞ。わかったな?善処だ。帰りなさい。待て。挨拶しろ。」
イム・テホは強化期間になったら加算点が貰えると本音をハン・ジュニに漏らしました。
パク・シユンはペ・ジョンヨンにもう一本ビールを注文しカウンターに腰掛けました。シユンはファン社長に店を手放す理由を尋ねると、ファン社長は歳だからと言いました。
「もしかして“ご同業”の人ですか?」
「いいえ。違います。私は変化が嫌いなんです。変わらず同じ場所にあるのが好きなんです。」
「席は移りましたよね。」
ジョンヨンが戻って来てカウンターにビール瓶を置きました。
「社長と話したかっただけです。」
シユンは嘘をつきました。
パク・シユンは知り合いのヨンジンに電話しました。
イム・テホはヨンムン企画のビルに行き先輩で代表ののパク・ソヌに会いました。応接間には中央情報局の功労賞を書かれた盾が飾られていました。
「俺は君の目が好きだ。一見軽薄そうだが奥には意志や忠誠心の強さが見える。」
パク・ソヌはテホに言いました。
「今まで人を裏切ったことはありません。」
「子どもが大きくなり金が必要だろう。家のローンもあるし。」
「アイゴ。その通りです。」
「副業で会社をやってみないか?前の会社から下請けの仕事を貰ってる。」
「中央情報局ですか?」
「新しく受けた仕事があるのだが。君の専門分野なので任せたい。」
「私の専門分野ですか?」
「どんな仕事かというと、国家機密を握る組織だから退職後も守秘義務がある。もちろん皆それを守っているが、万一のため一年間退職者を尾行して規定に逸脱する行為を監視してほしい。年間1億5千万ウォンで会社は回るだろう。」
「・・・・・・。1億、5千万ウォン?会社を作るなら職場に許可を・・・。」
「その必要はない。秘密にしておけ。そうだ。会社の名前を考えないとな。」
「先輩は龍門山からパワーを得るため龍門(ヨンムン)企画に。私はその近くを流れる清渓山(チョンゲサン)から取ります。」
イム・テホは会社の名前を一番安いプリントで作ってもらい物件を見に行きました。
パク・ソヌはイム・テホにこれからは運命共同体だと言いました。
文化通り。
パク・シユンはジョンヨンを尾行しました。ジョンヨンは友人のソミがやっているカフェに行くと、友人は執筆に専念してヒット作を出すよう励ましました。ソミはジョンヨンに「大規模小売店コアモール建設のため」店を撤去するという通知文を見せました。ビルの大家は補償金を貰って出て行ったのでした。ソミは権利金が帰って来ないと落ち込んでいました。暇なシユンは二人の話を盗み聞きしていました。ジョンヨンはソミに近所の人と力を合わせて乗り切ろうと励ましました。
バー隣人。
パク・シユンは店に来ている客を観察し特徴をメモに記しました。シユンは社長に店を憩いの場として存続するようにすすめました。
「好きにならずにはいられない店です。インテリアに雰囲気、それに客も。」
「あなたがやってみては?」
「私が?私は、タイトな生活をしていたので今は遊びたいんです。ははは。」
公園。
チェ・チャンギュは警察官の制服を着て庭のテーブルで飲み物を飲んでいました。するとたくさんの女性が集まって来てチャンギュに質問しました。女性は「もう起きて」「試験は終わったわ」とチャンギュを笑いました。
警察官志望の若者、チェ・チャンギュはバスの中で目を覚まして慌てました。チェ・チャンギュはボールを拾いに道に飛び出した子どもを身を挺してかばいました。
「時間だ。門を閉めろ。」
チェ・チャンギュの目の前で試験会場の門が閉まりました。
「塀を越えたぞ。」
イム・テホが言うとジュニと警官はチェ・チャンギュを追いかけました。
「ジュニや。勘弁してやれ。そいつも必死なんだろう。」
チェ・チャンギュは試験を受けました。頭を抱えるチャンギュをテホは見守っていました。
コンビニ。
食事を摂りながら試験の自己採点をしているチェ・チャンギュにイム・テホは声を掛けました。
「合格発表までうちで働かないか?今の月給より30万ウォン多くやる。小さな会社だから気楽だし女性も一人雇ったが、美人だぞ。」
清渓企画。
「ちゃ~おれの兄の妹、イム・ソンジュ。手を出すなよ。」
イム・テホはチェ・チャンギュとメガネの若者にソンジュと仕事内容を紹介しました。
イム・テホは三人の写真を見せて彼らが自宅にいる時は休みで勉強ができると言いました。
感想
パク・シフとチョ・ソンハが主役のドラマのようですね。パク・シユンは情報局をクビになったのかな?そこがよくわかりませんでした。中央情報局という謎の会社(007みたいな諜報活動をする役所)をどんな理由でか去った者を監視するために怪しげな民間会社が立ち上げられました。明るいノリのチョ・ソンハ。でもチョ・ソンハのインタビュー記事を見ていると「個性を出すのに修行が要る」と彼が割としっかり物事の本質を見極めていることがわかります。パク・シフはリアルでも生まれながらお坊ちゃまでチャリティーなどで徳を積んでいる人物のようですね。パク・シフもチョ・ソンハもどちらも真面目で好感の持てる俳優さんです。
このドラマはコミカルなノリで怪しげな組織との因縁を主人公のペク・シユンが乗り越えていく感じがします。恋人のソアンという女性は生きているのかな?生きていたらシユンとどんな関係になるのか?続きが楽しみです。
名もなき英雄は全16話、2016年の作品です。
名もなき英雄は全16話、2016年の作品です。