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秘密の扉の全話あらすじと感想:비밀의 문 Secret Door-韓国ドラマ

秘密の扉: 儀軌殺人事件(비밀의 문: 의궤 살인 사건)

秘密の扉

韓国ドラマ秘密の扉についてのマニアックなあらすじ解説と考察のページです。

目次


キャスト

  • イ・ソン(思悼世子)・・・イ・ジェフン
  • 英祖(ヨンジョ)・・・ハン・ソッキュ(根の深い木)
  • ソ・ジダム・・・キム・ユジョン(太陽を抱く月)
  • キム・テク・・・キム・チャンワン(花郎、華政、一枝梅)
  • パク・ムンス・・・イ・ウォンジョン(チャミョンゴ、客主、奇皇后、天命、鉄の王キム・スロ)
  • チェ・ジェゴン・・・チェ・ウォニョン(花郎、夜警日誌、善徳女王)
  • ホン・ゲヒ・・・チャン・ヒョンソン(済衆院、現代劇に多数出演)

制作

  • 演出:キム・ヒョンシク(ファントム、怪しい家政婦)
  • 脚本:ユン・ソンジュ(約束の恋人、大王世宗、ファン・ジニ、不滅の李舜臣)
  • 2014年作。

あらすじ詳細と感想

総合感想

韓国ドラマ「秘密の扉」の感想です。秘密の扉(비밀의 문)は2014年の作品です。暗いドラマで恋愛要素も皆無だったので視聴率は低いほうで、韓国での人気は高くはなかったようです。でも私はこのドラマを面白いと思い最期まで視聴しました(確かに途中は退屈でした)。いわゆるサスペンスの要素を時代劇に組み込んだドラマで謎を解きながら主人公が歴史通りの結末を迎えるというストーリーです。同じ思悼世子を主人公とした「大王の道」よりは全然面白かったです。映像も美しいので眺めるだけでも楽しめると思います。

秘密の扉の登場人物は皆曲者です。

チェ・ジェゴンはこのドラマの中で唯一イケメンで温和すが、平凡な魅力しかありません。コムゲのナ・チョルジュを演じているのはキム・ミンジュンという俳優さんで時代劇では初めて見る人かもしれません。

恋愛要素といえば、ナ・チョルジュがソ・ジダムのことを好いているのではないか?というような淡い演出があったような、なかったような。そのソ・ジダムは誰が好きなの?と明確には示されないままドラマが終わってしまいました。おそらくは1話でのネタバレで犯人が誰かバレバレだったことと、ラブロマンスが明確に描かれていなかったことが視聴者を退屈させたのではないかと思います。ソ・ジダムを演じている女優さんは当時15歳くらいだったので、ちょうど初恋を経験するかどうかの年頃なので、そもそも切ない演技をすること自体が無理なので、配役を間違えたといってもいいかもしれませんね。ソ・ジダムは成人女性にしてロマンス要素を入れたほうがもっとよかったのではないかと思います。

ドラマが終わってから2年後ぐらいに改めてYoutubeで挿入歌の「名もなき花」を聴いてみると、ソ・ジダムの気持ちが描かれていることに気が付きました(←鈍い)。またNHKBSで放送があるので次回はそういう視点で見てみようと思います(笑)
ソ・ジダムを演じているのは「太陽を抱く月」で主人公ホ・ヨヌの少女時代を演じたキム・ユジョンさんです。キム・ユジョンさんは子役スターでした。最近はどんなドラマで活躍しているのかな?「雲が描いた月明り」というドラマでは男装の内官を演じているそうですよ!楽しそうなドラマですね。

人物相関図

また日本で放送されると聞いて、相関図を作ってみました。第1話の段階で割と判明している構図です。
秘密の扉 人物相関図 人間関係
1話の時点で朝鮮国王の英祖は老論(ノロン)派の支援を受けて即位したことがわかります。詳しい内容については秘密の扉1話のページをご覧ください。

思悼世子(サドセジャ)李愃=イ・ソン

思悼世子(サドセジャ)イ・ソン(李愃)は正祖(イ・サン)の実父です。イ・ソンは英祖の子どもで次の国王になるはずでした。ところが思悼世子(サドセジャ)は精神を病み、果てには米びつに閉じ込められて亡くなりました。軋轢などにより心を病んだというのは事実でしょう。英祖の失策は自分の守護勢力である老論とは正反対の少論を思悼世子(サドセジャ)の背後につけたことにあると思います。老論が思悼世子(サドセジャ)を陥れるのは予想できていたはずです。しかし聡明な英祖自身にも精神的な問題があったようで、英祖はファワン翁主を溺愛して思悼世子(サドセジャ)を(側近にいろいろ吹き込まれて自分に敵対するかもしれないと恐れて)遠ざけていました。つまり英祖は思悼世子の教育を少論に丸投げして自らは直接指導を行わなかったのではないかと思います。親の精神が歪んでいるのですから子どももまっとうに育つはずがありません。まして残酷な宮中で正気を保って生きるには安定した支持勢力と母である大妃の守護が必要です。恐怖心を克服できなかった思悼世子(サドセジャ)。今回のドラマでは英祖は老論と結びつくことで恐怖心を克服したかのように装っているけど老論への恐怖や兄の勢力への恐怖の気持ちから思悼世子(サドセジャ)にきつく当たっていることが描かれています。

なぜ英祖が思悼世子(サドセジャ)に少論を与えたのか。

もしも英祖がイ・ソンを溺愛していたならば少論をイ・ソンに与えることはなかったのではないかと思います。少論や亡き景宗の勢力はおそらくイ・ソンにいろいろなことを吹き込んだと思います。改革とともに老論を廃する計画を。しかしそれは英祖にとって圧力となるので英祖は受け入れるはずがありません。老論も思悼世子(サドセジャ)が国王になれば我々は排除されると警戒感を持って英祖の後妃の一族である安東金氏(アンドンキムシ)と手を組み世子を廃することは避けられないことでした。

少論がイ・ソンにあれこれ吹き込んで老論に対抗しようとしたのは当然として、老論もまた英祖に嘘を吹聴してイ・ソンへの印象を悪くしました。

英祖にもまた怯えや恐怖心が原因の症状がありましたので、老論はそこを刺激すればよかったのです。

つまるところ、英祖も思悼世子(サドセジャ)もこのドラマに出てくるような「いい男」ではないこと、二人とも心の病にかかっていたことが史実から容易に想像できます。

そもそも英祖や思悼世子(サドセジャ)の心に一本芯が通っていたならば、このような悲劇が起きることはありませんでした。しかし国王が一人で思いをめぐらす暇がないので周りの臣下が騒いで能ミソがどうにかなってしまうのも当然です。

彼らの親祖父母の世代、つまり粛宗は崔・ドンイがチャン禧嬪が王妃を呪詛したと言ったことから運命の歯車が狂ってしまいました。悪女といわれるチャン禧嬪。ですがトンイはドラマのような清い女性だったのか?もしかしたら嘘を粛宗に吹き込んでいたとしたら?と思うと英祖の正当性が疑われて当然です。この一件が英祖の心を惑わしたことは言うまでもないでしょう。

韓国での評価

秘密の扉はハン・ソッキュ主演、後輩俳優主演の怪演光るドラマでしたがハン・ソッキュが演じる英祖の発音が正確でないと指摘されることもあり、視聴者数は5%程度と不振に終わりました。ドラマの内容も2010年代の設備で1980~90年代の大河ドラマを作っているのかというくらい演出が退屈で酷評されました。ハン・ソッキュは2016年に「浪漫ドクター キム・サブ」に出演し最高視聴率を記録したおかげで「根の深い木」以来のヒット作となりました。一方でハン・ソッキュの演技はどれも同じに見えるという指摘もされています。ハン・ソッキュが演じた世宗(セジョン)も英祖も同じ饒舌なアウトサイダー(暗く酷い演技)に見えるとも。

・・・と言われてみることを総合して解釈してみると、ハン・ソッキュは(役者としてつらい時期があったので)慎重な人のように見受けられます。言質を取られてネットやメディアに叩かれることを恐れるあまり、本音を言いたくなくてうまく受け答えできていない様子があるみたいですね。演技をストイックに追及することに一生懸命で、営業トークのスキルは磨いてこなかったようで、どちらかというと苦手のようです。ハン・ソッキュのインタビューを読んでいると彼が本物の芸術家であることがわかります。
どうやら、昔、草彅剛がハン・ソッキュに会ったことがあるようです!

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