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日本へ渡来した朝鮮人の歴史

日本の高句麗・新羅・百済人の歴史と文化

韓国ドラマを見てると日本と朝鮮の言語が文法や単語、風習も類似していることがわかります。日本に来た渡来人に興味が湧いたので朝鮮との関係を少し調べてみました。

日本と朝鮮の伽耶の建国神話の共通点

日本の筑紫の久士布流多気(くじふるたけ)は、「瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が日向の高千穂の久士布流多気」に天降したとあります。

伽耶(カヤ)の神話では「六駕洛(伽耶)の六人の王様が、亀旨峰(クジボン)に天降りたそうですが、このクジボンとクジフルタケが玄界灘を挟んで向き合っているそうです(参考書籍は「朝鮮の歴史と文化」です)。

古墳壁画の共通点

高句麗中期(300年~400年頃)になると、古墳の石室に四神が描かれるようになりました。これは日本の高松塚古墳(694年~710年)と同じです。

長野県~高句麗の渡来人

長野県には高句麗からの渡来人の遺跡や神社、高句麗をルーツに持つ姓を持つ人々がいます。

新潟県の渡来人

新潟県には卵や鶏をタブーとして食べない風習があります。これは新羅や伽耶、扶余に卵から王が誕生した神話があり、新羅では特に鶏の卵から王が生まれたという建国神話があるので鶏をタブーとする文化の日本人は新羅系の渡来人であると考えられています。
(南方モンスーン神話)

福井県~石川県~富山県の高句麗系遺跡

北陸地方には高句麗をルーツに持つ神社や村がいくつも見られます。敦賀にはアメノヒボコという新羅の王子が渡って来た話やいうつか関連する神社が存在することは有名です。

西日本と朝鮮

西日本には新羅や百済、伽耶に関連する痕跡がいくつも見られます。渡来系のムラは関東方面にも存在します。

朝鮮の稲作の伝来

朝鮮半島に本格的な稲作が伝来したのは紀元前700年頃から中部朝鮮から南朝鮮にかけて普及したといわれます(無文土器が発掘された年代と大体重なります)。日本では縄文時代から稲を収穫した痕跡が見られますが、稲作は縄文時代の後期に入って来て弥生時代には農業として既に定着したと考えられています。この紀元前700年頃というと、ちょうど日本でも縄文時代が終わる400年前に当たります。中国では春秋時代といって古代の王朝があった時代です。朝鮮の錦江流域の松菊里(ソンクツクリ)遺跡からはジャポニカ米と勾玉や抉入石斧、管玉、石包丁、そして遼寧式銅剣、銅鑿(どうのみ)が発見されています。炭化米は欣岩里(フナムリ)遺跡や漢江流域の洛東江(ラクトンガン)下流にある金海(キムヘ)遺跡からも出土しています。

青銅器の武器で磨製石器を使っている農耕民を支配した支配者がいたと考えられます。

朝鮮の蓋石のみの支石墓は南九州にまで伝わっています。

日本に稲作が伝わったルートは華南から黒潮ルートに乗って沖縄・薩摩諸島を経て北九州に来たという説と、華北の三東半島から遼東半島を経て朝鮮を南下し九州に到達したという説、そして華中の揚子江、淮水の下流地域から朝鮮と日本に同時に伝わったという説がありますが、いずれも根拠が不十分といわれます。そして三東半島から朝鮮半島を経て渡来人により北九州に伝わったという説は朝鮮特融の抉入石斧、有柄式磨製石剣、南方型支石墓が日本の縄文農耕の段階で見られることから有力視する人もいるようです。

日本と朝鮮の鉄器文化

朝鮮で鉄器文化が誕生したのは紀元前4世紀から紀元前3世紀頃の北部朝鮮であるといわれます。紀元前2世紀~1世紀には南朝鮮にも鉄器文化が及ぶようになりました。日本に鉄器文化が伝わり製造法が確立したのは6世紀頃といわれます。6世紀といえば伽耶が新羅に滅ぼされた時期と一致します。伽耶から日本に鉄職人が来たとしても不思議ではありません。

日本で鉄器が見つかったのは紀元前4世紀~3世紀の石器が福岡県の石崎曲り田遺跡から出土しています。弥生時代中ごろ(中国では漢、朝鮮では扶余~三韓の時代)には既に日本で鉄を生産していたのではないかと思います。

朝鮮北部がはじめに鉄の製造をはじめたとすれば、北側(中国の漢の四郡)に政治的な主導権があったのではないかと思います。

韓国ドラマの「朱蒙(チュモン)」で扶余や周辺の部族が漢の植民地の玄莬郡の玄莬城に奴隷として囚われている場面がありました。これは漢の前の戦国時代(B.C.476-221年)に既に鉄器が製造されていて、前漢には漢王朝はBC119年に鉄を独占化したことにより武力で朝鮮半島を支配することが可能となり、鉄器をそれほど持たない朝鮮に戦争で圧倒的に有利だったということは考えるまでもありません。ドラマの「朱蒙(チュモン)」には鉄仮面と鉄の鎧で身を固めた馬上の騎士が登場します。鉄騎兵が実在したかは別として、ドラマの主人公の朱蒙(チュモン)が鉄で装備した漢軍と戦うために、扶余出身のモパルモという鍛冶職人に鉄の剣を開発させていた場面がありました。そして朱蒙(チュモン)が鉄の武器を手にして勢いづく様子が描かれています。

そしてドラマ「鉄の王金首露(キム・スロ)」では伽耶が鉄を盛んに製造する様子が描かれています。伽耶の地域は紀元前4世紀から3世紀頃には倭人が進出したと思われる弥生式の遺物が見られ、日本から伽耶に移住した日本人がいた(倭国大乱のせいかも)といわれます。伽耶は推定起源前1世紀頃には部族社会を形成していたとあり(弁韓の時代)、南部朝鮮においても鉄の製造法の確立は国の行く末に関わる重大な事柄であったことが推察できます。


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