秘密の扉6話
目次
あらすじ シン・フンボクの画帳
世子の執務室。世子は早くから文書を書いていました。南人(ナミン)のチェ・ジェゴンは偽造職人に刺さっていた矢は軍器寺(クンギシ、武器の製造を担当する官庁)のものであったことを世子に知らせました。刺客は役人か軍器寺(クンギシ)から武器を盗んだ者に絞られました。
火阝他刀(ファブタド)
世子はチェ尚宮を鍛冶職人のもとに向かわせました。
「火阝他刀(ファブタド)という言葉を耳にしたことはないか。調べてくれ。火阝他刀(ファブタド)の情報をくれたら二倍払う。」
チェさん軍は輿の中から貧しく身分の低い鍛冶職人に言い銭を投げました。
チャン内官は別監の武器も軍器寺(クンギシ)で作られているという報告を受けました。
英祖(ヨンジョ)は領議政キム・テクを呼ぶを碁盤の石を投げて激怒しました。
「意のままに動く者を王にまつりあげて、また誰かをまつり上げるのか?めぼしい者でもいるのか?違うならなぜ世子(クッポン、国本)を危険な目に合わせたのだ。次の王を狙う者は生かしてはおけん。首をとってこい。いつまでその頭がこの胴の上にあるかはわからん。早くしたほうがいいぞ。」
ナ・チョルジュの剣を受けて顔に傷を負った別監カン・ピルチェは左捕盗庁の従事官ピョン・ジョンインにソ・ジダムを探さなければ腹に模様を描くと脅迫しました。
妓房。
ソ・ギュンは行首のウンシムにチダムに妓生の格好をさせてかくまってくれと頼みました。
チダムが美しい妓生の装束に着替えさせてもらうとホ・ジョンウンの恋人チュノルの部屋が荒らされていました。チュノルは拉致されました。チダムはチュノルの部屋を調べると「シン・フンボクの画帳」が出てきました。
世子は別監を集めて新しい銃が入ったと武官たちに言いました。世子イ・ソンは別監カン・ピルチェの左顔に傷があるのでしつこく問い詰めました。カン・ピルチェは妓房で乱闘があったと笑いました。カン・ピルチェはわざと銃の的を外しました。チェ・ジェゴンは刺客は弓の達人だったのでカン・ピルチェは違うのではないかと世子に言いました。
シン・チウンの家に怪文書が矢文で届けられました。
「老論(ノロン)が振るう権力は環翠亭(ファンチジョン、景宗が死んだ場所)の悲劇がもたらした。その真実を秘めた猛毅(メンイ)を入手した。取引を望むなら門に目印をつけろ。」
シン・チウンは右参賛(ウチャムチャン)パク・ムンスの家に行き猛毅(メンイ)の存在を問い詰めました。
「即位の真相を求め何人の同志が散ったと思う!猛毅(メンイ)は必ず手に入れます。そして血の復讐をはじめてやります!」
パク・ムンスはキム・テクの家を訪ねました。キム・テクは御井(オジョン)にフンボクの遺体を投げ入れたのがパク・ムンスであると示唆しました。
「その文書が偽物だとしたらどうします?」
「つまらぬ心配ばかりしてるとシワが増えるぞ右参賛(ウチャムチャン)。」
「ならなぜ一儲けを企む輩が出てきたのかお確かめください大監。転ばぬ先の杖と言うではありませんか。」
パク・ムンスはキム・テクの家を部下に見張らせていました。
キム・テクは猛毅(メンイ)を取り出し本物か確かめました。キム・テクはカン・ピルチェに偽物の猛毅(メンイ)を掴まされたことに気が付きました。東宮別監で剣契西方(コムゲソバン)の頭目カン・ピルチェは取引を持ちかけてきました。
妓房の前。
ソ・ジダムは捕盗庁に捜索されていました。捕盗庁の武官たちは妓生になったチダムを見て絶世の美女だと鼻の下を伸ばしました。
世子イ・ソンはチダムが外出していたので心配しました。チダムは君主から天と崇められるにふさわしい民になるとイ・ソンを見つめて言いました。チダムはシン・フンボクの画帳を世子とチェ・ジェゴンに見せました。
「イ・チョンボ、ユ・チョッキ、ホン・ボンハン・・・。義父の名前まで。」
「シン・フンボクはその三人の肖像画を描いたとの情報が。」
「御真画師(オシンファサ)は私か王の肖像画以外は描かないはず。」
するとチェ・ジェゴンは別監の一人が嬪宮に内通していると東宮内官チャン・ホンギが言っていたと言いました。
世子イ・ソンはホン・ボンハンは嬪宮から情報を得ていた可能性を知りました。
世子イ・ソンは自分を見張っている別監のカン・ソウォンの肩に手を置き誰の命令で見張っているのだと問い詰めました。
夜の王宮。
世子は嬪宮に螺鈿の箱を差し出し開けてみるように言いました。箱の中にはきれいな簪が3つありました。嬪宮は王妃になる身なのでこのようなものを身につけてはならないと孤絶しました。嬪宮は見知らぬ女官がいたと怒りました。
「女を抱くなら女官からお選びください。都城の女を連れ込むなどまっぴらだわ。」
「信じてくれ嬪宮。そのようなことはしておらぬ。だから私の監視などしないでくれ。頼むのはこれが最後だ。指輪なら気に入るか?欲しい物があるなら言ってくれ。すぐに贈ろう。」
世子はチェ尚宮に決明子茶を持たせてパク・ムンスに与えました。パク・ムンスは世子に礼を言うと心配しないように言いました。世子も自分を気遣ってくれたパク・ムンスに感謝しました。パク・ムンスは世子イ・ソンの身に何かあってはいけないと捜査を続けていることを心配しました。世子イ・ソンは明日も決明子茶を贈るとパク・ムンスの手を掴みました。
王の私室。
イ・グムはキム・テクを呼び人参湯を飲めと言いました。
「景宗大王に贈られた薬など飲めるわけがありません。」
キム・テクは膳を脇に置き失敗すれば王座はないので失敗しないと言いました。
「刺客の首を取れば猛毅(メンイ)は少論(ソロン)の手に渡ります。」
便殿。
イ・グムは王座の前で泣いていました。呼ばれて来たパク・ムンスに英祖(ヨンジョ)は手を貸すように頼みました。
「猛毅(メンイ)を取り戻してくれ。でなければこの国の政治を正せぬのだ。」
「お許しください。私にできることはそのお涙を拭うことくらいです。」
「こうして手を取り合って三十年も歩んできたではないか。」
「世弟(セジェ)様のご命令であれば断らなかったでしょう。」
三十年前。
講義室での会議。
少論(ソロン)でキム・イルギョンという刑曹判書は世弟(セジェ)に帝王学を教えるのはだめだ、今上はまだお世継ぎが生まれる可能性があるとパク・ムンスに言いました。
「講義の拒否をはじめとして王世弟(セジェ)を廃位に追い込む。今上にご嫡男が授からない場合は養子を取っていただき世子とする。」
世子が部屋で講義を受けに現れるとパク・ムンス以外の官僚たちは出て行きました。
「残ってくれてありがとう。」
「世間は世弟(セジェ)様を罪人だと。」
「兄上を脅して老論(ノロン)に後ろ盾をもらって王世弟(セジェ)になった。私は罪人だ。」
「断ることもできました。」
「断れなかった・・・。いや。断りたくなかった。」
「なぜですか。」
「生きたかったのだ。私の母上(トンイ)は兄上の母を死に追いやった。王様の生母を殺したのが私の母上なのだ。私は権力を握りたかった。それだけが私の生き延びるすべだから。その道も断れた。私を守ると約束してくれた臣下も皆逆賊として殺されてしまった。明日も・・・こうして残ってもらえぬか。世子の衣を脱がされしまいには殺されようとも本分は果たしたい。世弟(セジェ)らしく生きて世弟(セジェ)らしく最期を迎える。それだけが私の唯一の夢だ。」
イ・グムは涙を拭いました。
「三十年前のあの頃、私にすべてを打ち明けてくれれば・・・。」
パク・ムンスはイ・グム(英祖)に言いました。
「私は逆賊として殺されただろう。少論(ソロン)の手によってな!あそこに座ることもなかった。王になることは、なかったのだ。私は夢を持っていた。だが、今もまだ夢のままだ。均役法、まだ産声を上げたにすぎぬ。こんな時に突然猛毅(メンイ)が現れたら朝廷は政争によって混乱を極めるだろう。そうなれば民はどうなる。そなたはなぜ御史(オサ、地方を巡視する管理)を続けたのだ。地方wを転々としなくてもいいと私が言ったはずだ。それなのになぜ盗賊がのさばる地方に行かせてくれと懇願しだのだ?助けを求める民の手を振り払えなかったせいではないか?ムンスや。難しく考えるな。私のことはどうでもいい。ひたすら民のことだけ考えろ。そうすれば、答えはおのずと見えてくるだろう。」
イ・グムは言葉の後を続け泣きながらパク・ムンスの手を取り懇願しました。
「君主でなく、役者がお似合いですね。三十年間見てきたその涙に・・・まただまされましょう。」
「ムンスや。私を助けておくれ・・・。」
イ・グム(英祖)はパク・ムンスに抱きつきました。
世子イ・ソンの部屋。
三人の女官は世子の部屋を探っていました。
「何をしているのだ。答えなさい。」
チェ尚宮は女官に言いました。
「邸下が不眠でお悩みなので白檀のお香と。」
女官は答えました。
「わかった。続けてくれ。」
世子の執務室。
世子イ・ソンはシン・フンボクの画帳をチェ・ジェゴンとともに見ながらソ・ジダムのかわいい言葉を思い出し嬉しそうにしました。
「ほかの分は諺文(オンムン、ハングル語)で書かれているのにそれは漢字ですね。」
チェ・ジェゴンは指摘しました。
「口訣(クギョル、漢文をよむための文字)・・・。まさか。」
「母さん、妹、ひどくご立腹、悲しみ・・・。」
イ・ソンは画帳のページごとに書かれている文字を見ました。
「ファブタドは刀ではないのだ。ついに犯人の手がかりが?図画署(トファソ)に行こう。」
世子イ・ソンとチェ・ジェゴンが二人で部屋を出ると別監のカン・ピルジェがその様子を見張っていました。
妓房。
「顔を見せろ!」
「きゃ~。」
捕盗庁の武官ピョン・ジョンインらが乗り込んできて妓生を庭に並べました。チダムも連れて来られました。ピョン・ジョンインはチダムが人相書きに似てると言いましたが行首のウンシムは似ていない、国法に背いた者を妓生に雇うことはないと言いました。ピョン・ジョンインは「私の相手をしてもらおう」とチダムを指名しました。
妓房の部屋。
ピョン・ジョンインがチダムに手を触れようとすると突然扉が勢い良く開きました。
「何だ!」
「今日はこれで閉店いたします。」
ウンシムは従事官に言いました。
ピョン・ジョンインは暴れると世子イ・ソンが庭にいました。ピョン・ジョンインはすぐに地面に平伏しました。
「邸下はどうしてこちらに?」
「妓生と暇つぶししようと思ったのだ。そなたは非番か?行首。妓生の中が怪しいようだ。有能な従事官が出向いてじかじかに捜査するのだからな。さあ。入ろう。今日は思う存分楽しませてもらうぞ。」
キム・テクの家。
別監カン・ピルジェはキム・テクに世子が秘密を解いたと言いました。キム・テクはカン・ピルジェに世子とチダムを殺すよう命じました。
夜道。
世子イ・ソンとキム・テクは複数人の刺客に襲われました。世子は剣を取り応戦し、チダムは家の軒下に隠れると壺を刺客に投げました。チダムが斬られそうになるとイ・ソンは刺客を蹴り飛ばしました。そこに謎の黒装束の男たちが現れ刺客と戦いました。世子はチダムを連れて逃げました。
「私達を襲ったのは誰だろう。救ってくれたのは誰だろう。とにかく逃げよう。」
その様子を両班の格好をした男(大殿内官の尚膳キム・ソンイクに似てなくもない感じ)は見守っていました。
図画署(トファソ)。
イ・ソンとチダムとチェ・ジェゴンと内官のチャン・ホンギは紙を拡げました。
「火阝他刀(ファブタド)は口訣(クギョル)だ。」
世子イ・ソンは言いました。
「では火阝他刀(ファブタド)と読むのではなく・・・。」
チダムは自分の帳面を開きました。
「火(ファ)はパ、阝(ブ)はン、そして他刀(タド)は・・・。」
「パンタド?」
「班次図(パンチャド)だ。王室の行事を記録した書物を儀軌(ウィグェ)という。儀軌(ウィグェ)に収められた絵が班次図(パンチャド)だ。」
イ・ソンは王室の行事を記録した図を見ました。
便殿。
「班次図(パンチャド)。」
英祖(ヨンジョ)はつぶやきました。
図画署(トファソ)。
「これはフンボクが遺した班次図(パンチャド)だ。犯人はこの中にいる。」
イ・ソンは言いました。
「犯人は、誰ですか?」
ソ・ジダムは世子イ・ソン(思悼世子)に言いました。
「犯人は・・・・・・。この者だ。」
感想
ドラマを見てると英祖(ヨンジョ)は人間として終わった者として、自分だけが大事な悪役描かれています。秘密の扉5話まででわかったのが思悼世子イ・ソンの味方がソ・ジダムとソ・ギュン、妓房の行首ウンシム、そして南人のチェ・ジェゴンと東宮内官のチャン・ホンギと東宮尚宮のチェ尚宮、剣契東方(コムゲトンバン)のナ・チョルチュだけということです。しかし今回世子を助けたのは国王のイ・グムの命令で動いている内侍府長なんじゃないかと疑惑も生じました。見せ場としてチダムの美しい妓生の姿とそのチダムを見つめる世子イ・ソン。ラブシーンというほどではありませんが、それと同じ役目を演出しているようですね。あたかも世子イ・ソンとチダムが恋愛をしているかのような演出です。
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