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イニョプの道6話あらすじ「懐かしき再会」


韓国ドラマイニョプの道6話

イニョプの道
韓国ドラマイニョプの道-ストーリーの理解を深める原語表記、たまに注釈つき。

イニョプの道キャスト

主人公イニョプ・・・チョン・ユミ
ムミョン・・・オ・ジホ
キム・ウンギ・・・キム・ドンウク
監督・・・チョ・ヒョンタク

あらすじ

夜のホ家にキム・ウンギは酔った友人ホ・ユンソとともに訪ねてきました。ホ・ユンソは部屋で眠ってしまい食事を持ってきたイニョプとキム・ウンギは出会いました。クク・イニョプは元クク家の下僕で奴婢のプンイとの結婚を命じられて恋人のキム・ウンギに2つの指輪を返し自分のことを忘れるように言いました。キム・ウンギは庭に出てイニョプに理由を訪ねました。するとムミョンが現れてイニョプは自分と結婚するのだとキム・ウンギに言いました。
「私に嫁ぐおなごだ。」
キム・ウンギは怒ってムミョンの胸ぐらを掴みました。その様子を見て持ってきた茶の膳を落とすホ・ユノク。
「誰が誰に嫁ぐですって?」
ホ・ユノクは言いました。
「嫁ぐようにとのお申し付けに従いました。」
イニョプはユノクの前に進み出て言いました。
「お前の相手はムミョンでなかっただろう。」
「獣のように誰とでもというわけにはいかないので自分で決めました。」
「ご報告せずに申し訳ありません。つい最近決めたことなのでヘサン様にも伝えられていません。」
ムミョンはホ・ユノクに謝りました。
「お前が選んだの?お前が選んだのか聞いている。」
ホ・ユノクはムミョンの前に行くと睨みました。
「いいえ。私が選びました。」
イニョプが言うと、ホ・ユノクは恐ろしい形相でイニョプを見つめました。
キム・ウンギは目をうるませながらイニョプに歩み寄りました。
「嘘だろ?私に諦めさせようと嘘を・・・。」
キム・ウンギは放心したようにイニョプに言いました。
「本当です。私はムミョンと夫婦になります。それしかないんです。同じ境遇ですし助けあって生きています。ここへ来てからずっと世話をしてくれた人です。」
イニョプはキム・ウンギに言いました。
「やめてくれ。なぜだイニョプ。なぜこんなことを・・・お願いだ。」
キム・ウンギはイニョプの手を取りました。
「若様(トリョンニィ)がおつらそうだ。苦しまないようイニョプを連れて行きなさい。」
ホ・ユノクは得意げにムミョンに命じました。
「私はもう両班の娘ではなく・・・。」
イニョプはキム・ウンギに言いかけました。
「構わない。あなたが下女だろうとなんだろうと、私は構わない。」
イニョプへの情熱を伝えるキム・ウンギ。
「何をしているのだ。早く連れて行きなさい!」
ホ・ユノクはムミョンに命じました。ムミョンはイニョプを連れて行きました。
「イニョプ・・・。イニョプ!」
「もうおやめください。やんごとなきお方が卑しい者と競うのですか?」
キム・ウンギを引き止めるホ・ユノク。
ムミョンはイニョプの手をつなぎ離れの門を出ました。
イニョプは涙を流し口を抑えて座り込みました。ムミョンは痛ましいイニョプを見守っていました。
ホ家のホ・ウンソの寝所。
「トクセや。部屋を暖かくしろ。あ~寒い。温かいほうがよく眠れる。」
ホ・ウンソは下男のトクセに背負われて自分の寝室に運ばれました。トクセはホ・ウンソに布団を敷いてやり布団をかけてやりました。するとホ・ウンソはトクセに抱きつき布団の中に抱き寄せました。
「うん。ううん。うん。タンジや~。タンジや~。うん。ああ、気持ちいいい。タンジや~。タンジ~。俺のタンジ。ぐぅ。」
トクセはホ・ウンソに枕を投げつけて部屋を出ました。
「ケットンや!ケットンや!」
トクセが部屋を出るとユノクはケットンを呼んでいました。
ケットンはホ・ユノクの部屋に呼ばれました。
ホ・ユノクはいくつもの棒を床にばらまきそれでイニョプのふくらはぎを叩くよう嫌がるケットンに命じました。
「始めなさい!お前・・・ふざけているのか!」
ユノクの命令に渋るケットン。
ホ・ユノクは部屋の扉を開けると下女たちが聞き耳を立てていました。
「タンジや。来なさい。」
タンジは得意げにユノクの部屋の扉を閉めて中に入りました。
「ケットンではダメだわ。タンジがやりなさい。」
「はいお嬢様。」
タンジは棒を選ぶと太い棒でイニョプのふくらはぎを何度も叩きました。
「お前もぶたれたいのか!しっかり叩きなさい!」
タンジは力を込めて棒で叩きました。
イニョプは声を上げることも許されるふくらはぎが赤く腫れました。ケットンはイニョプが叩かれるたびに顔をしかめました。
「私の結婚相手に口を聞くとは無礼者め。まだ若様の許嫁と思っているのか!何様のつもりだ。私の邪魔をする。昔も今もなぜいちいち間に割り込んでくるのだ!」
ホ・ユノクは立ち上がるとイニョプに顔を近づけて強く睨んで怒鳴りました。
イニョプはホ・ユノクを見つめることも許されませんでした。
ホ・ユノクはタンジから棒を奪うと力一杯イニョプの足を叩きました。
イニョプは目に涙を溜めて堪えました。
「獣のようにはいかないだと?わかってないわね。お前たちは口の聞ける家畜よ!聞かれるまで話してはいけない。呼ばれるまで出てきてはいけない。お前は下女としてここに来たの。今はもう客ではないのよ。」
「肝に・・・命じておきます。」
「ムミョンもあきらめろ。使用人頭だ。いくら下男とはいえお前とは釣り合わぬ。いいな?」

朝の妓房(キバン)。
「おい。曲がやんだぞ。ほら。琴(クム)を弾け。何をしておる。」
キム・ウンギは豪華な食事と酒が置かれている机を叩きました。床には何本もの青磁の酒瓶が転がっていました。
妓生のひとりは机に伏して眠り、もうひとりの女は琴にもたれて眠っていました。
「若様(トリョンニィ)。もう指が切れてしまいそうです。もうこれくらいにしては?もうやめましょうよ。」
「飲むための酒だ。ちっとも酔ってないのにやめられるか。もっと酒を持って来い!」
キム・ウンギは器に酒を注ぎました。
「帰りましょう。奥様(マニ)がご心配されています。」
パウはキム・ウンギを迎えに現れました。
「これはパウではないか。さあ。どけ。パウやここに来い!」
キム・ウンギは妓生を押しのけました。
「お連れします。行きましょう。」
「ここに来い!来いって言ってるだろ!」
キム・ウンギが言うとパウは仕方なくキム・ウンギの右隣に正座しました。
「ああそうだ。ははは。さあ何をしている。酌をしないか?」
キム・ウンギは妓生に命じました。
「奴婢(ノビ)にお酌をしろとおっしゃるのですか?」
妓生は両班の掟に反するキム・ウンギに首をかしげました。
「若様は奴婢(ノビ)とはいえ私の客だ。酒をつげ。」
「若様。おやめください。飲み過ぎでは?え?」
「何だ?お前たちも相手の身分を考えて商売をするのか?両班にだけ笑顔で酒を注いで奴婢はお断りか?」
「妓生相手とはいえ、おふざけが過ぎます。」
「およしください。」
妓生の女たちは言いました。
「そうか。奴婢が何だ!両班が何だ!注げというに!生意気に客に文句を言うのか!おい。どこへ行くのだ!」
キム・ウンギは妓生の顔に酒をかけました。カヒアが部屋に現れると妓生は下がりました。
「申し訳ありません。うちの子が気に入らなかったら私がお注ぎします。
カヒアはパウの盃に酒を注ぎ、ウンギの盃にも酒を注ぎました。
「飲め。パウや。そう・・・考えてみればお前と私は十何年も一緒にいるのに酒を酌み交わしたことがない。」
「私が若様とお酒を一緒になんてどうして飲めましょうか・・・。」
「両班の娘が奴婢になる世の中だ。この私達だっていつ立場が逆転するかわからない。ふふ。下男の嫁になる両班のおなごもいるのに私がお前と酒を飲んで何が悪い。飲め。」
キム・ウンギが酒をすすめるとパウはウンギと反対方向を向いて酒を飲みました。
「そうだ。」
キム・ウンギは少し満足したように笑いました。
「若様。ご自宅では旦那様が心配なさっています。」
カヒアはキム・ウンギに言いました。
「ここは家のようなものではないか。父上がお建てになったのだから。なあ。私がここに居座ってお前の旦那になろうか?それが嫌ならお前が来るか?私が妾にしてやるぞ。」
「私はもうお父様と契を結びました。若様は私をぞんざいに扱ってはなりません。」
「父上はお前をぞんざいに扱っているのか?」
「若様をお連れしなさい。お苦しみのようだからお代はいらないと。」
「はっ・・・。」
キム・ウンギは酒を飲もうとしました。
「帰りましょう。若様。」
パウはキム・ウンギの腕を抱えました。
「こら離せ。」

ホ家のユン氏夫人の部屋。
「イニョプの嫁入を延期したいと?」
ユン氏夫人は娘のユノクを部屋に呼びました
「相手をもう一度よく考えたいのです。お姉さま(オンニ)はプンイが嫌いみたいです。以前の友人として気を配ってやりたいのです。」
ホ・ユノクは笑顔で母に釈明しました。
「ならばなぜ鞭打った?私の耳に入らぬと思ったか。事実を話しなさい。」
ユン氏夫人は娘に言いました。
「イニョプが勝手にムミョンと婚姻すると言い出したのです。主人である私の言いつけを聞かなかったので懲らしめました。」
「ムミョンだと?ムミョンはみだりに結婚するとは言わぬ者だが。」
「そうなんです。」
「ヘサン首長(スジャン)はムミョンは下男を仕切る男だ。忠義を尽くす者にはそれなりの相手がいると言っていた。」
「でしょう?」
「あとは下女長ヘサンに任せなさい。気をもむことはない。」
ホ家の廊下。
イニョプは痛む足を気にしながら床を磨いていました。イニョプはホ・ウンチャムの部屋に入ると戸棚や引き出しを捜して本を取り出し父の血文字の手紙と見比べました。
「はあ。書物にも載ってないし。これはどう解釈したらいいのかしら。」
すると扉が開いてタンジが部屋に入ってきました。
イニョプは掃除をしているふりをしました。
「まだ足、痛むの?どうしよう。また痛い目に遭いそう。覚悟したら?ヘサン様が今すぐ来いって?あ?」

ホ家の厨房。
「今後は洗濯はイニョプがせよ。下女が勝手に婚姻を決めたり拒否できると思うのか。」
下女長のヘサンはイニョプに命じました。
イニョプの前に下女たちが運んできた洗濯物が山のように積まれました。下女たちはイニョプの後ろに二列になって並びました。
「嫁ぐよう言われたので従いました。」
「お前に決められた相手はプンイだ。」
「相手くらいは自分で決めていいと思ってました。」
「使用人は自分で決められる事など何もない。婚姻もご主人様の意思に従ってするものだ。」
「どうしてですか?ご主人様はともかくヘサン様は気持ちをわかってくれると思っていました。ご主人様の理不尽な意思を強いるより私達の身になって考えてくれませんか?自分が卑しいからといって私達は人です。口の聞ける家畜ではなく人なのです。」
イニョプが言うとケットンは両手を叩き喜びました。タンジはケットンに注意しました。
「一体何様のつもりだ。私に説教をするつもりか!ムミョンとの婚姻はなくなった。自分で自分の道を決められない。それが下女の運命(ウンミョン)だ。ご主人様の言いつけは黙って聞け。ご主人様の一言で命が消えるのが使用人だ。オギが本当はどうなったかわかるか?私に守ってほしければ服従することだ。仕事であれ恋であれここでの事はすべて報告せよ。洗濯だけでは足りぬようだから今夜から寝ずの番を命じる。改めて指示が出るまで一人でせよ。」
下女たちは解散しました。ケットンはイニョプの肩をなでてから仕事に戻りました。

キム家。
気分が悪くなったキム・ウンギをパウが薬を飲ませて介抱していました。
「パウ。私の努力が足りないのか?イニョプのために何をすればいい?」
「十分なさいました。この世のどんな男でもそこまではできません。」
「なのに嫁ぐとあくまで嫁ぐと言う。私は・・・どうすればよいのだ。」
「あの・・・若様。お話があります。」

キム家の物置。
サウォルは目隠しされて物置に閉じ込められていました。
「誰なの?いるんですか?誰か・・・。」
扉が開く音がしてサウォルは起き上がりました。
キム・ウンギはサウォルの目隠しを解きました。
「サウォル。なぜここまでできる。忘れればよいのに。適当に生きればよいのに。昔の主人を捜してどうしてここまで・・・。」
「お嬢様はどこですか?若様はもう会われましたか?」
「すぐに会わせてやる。」
「本当にお嬢様に会えるのですか?」
「ああ。」

戸曹判書(ホジョパンソ)キム・チグォンの部屋。
キム・ウンギは父が部屋に入ってくるのを帽子をかぶり正装して待っていました。
「もう妓房めぐりも飽きたのか。すっかり遊び人になったと思っていたが。」
キム・チグォンが部屋に入るとキム・ウンギは立ち上がり父に礼を尽くしました。
「サウォルがなぜうちにいるのですか?」
「お前が気にすることではない。」
「イニョプのお付きだった者です。なぜそこまでするのです。」
「息子が言う事を聞かぬからイニョプを利用せざるを得ない。」
「ここまで残忍になさる理由があるのですか?」
「親は子のためなら悪鬼(アッキ)になれるというもの。今の私はまさにお前が作ったのだ。」
「これ以上イニョプの下女サウォルを傷めつけないでください。すべて父上の思い通りになっています。」
「ついに心を入れ替えたのか。」
「約束してください。他の女人と婚姻したらイニョプを助けると。どうか式が済んだら下女を免じてやってください。」
「王命(オウミョン)が要る。時期を待ちなさい。」
「長くは待てません。
「父を、脅しているのか?」
「父上から習いました。」

夜のホ家の門前。
ホ・ウンチャムはカヒアをともない家に輿で送られました。輿が降ろされカヒアも馬から降りました。
「カヒア~。カヒア~。ははは。もうよい。あっという間に家についてしまった。私は妓楼に泊まると言ったのになぜそなたは家に送り届けたのだ。」
「奥方様がお厳しいことは私も存じております。怒って妓楼に押しかけられたら商売どころではありません。」
「どうしてそんなでたらめを言うのだ。この家の主人はこの私だ。」
「それでは、一緒に中に入りましょうか?」
「遠慮するな。うちでも一杯やろう。」
門が開きムミョンが階段を降りて来ました。
「もう夜も更けたな。日を改めるとするか。一緒にいたいが・・・。」
「ではこれで・・・。」
「うん・・・。」
ホ・ウンチャムは先に家に入りました。
「もしかしたら兵判大監(ピョンパンテガム)の家に来たら会えると思って送ってきたの。今日はついていたようだ。私と手を組む気はまだないの?」
カヒアはムミョンに言いました。
「あなたは誰の女だ?あなたの主人は、戸判大監(ホパンテガム)では?」
「あの人の女じゃない。あの人の武器だ。」
「そなたはそんな生き方でよいのか?」
「じきに宮廷にも入る。妓生が王まで相手になるのだ。波のことでは・・・。」
「王の女になるのか。」
「そうなれば私があなたの力になれる。」
カヒアはムミョンに手を伸ばしました。
「危険かもしれない。」
ムミョンはカヒアの手首を掴みました。
「だから惹かれる。まだ欲しい物すべてを手に入れてない。それはあなたも同じでしょう?正直になって。」
「気をつけて帰れ。」
ムミョンは門を閉じて少し考えました。

日中の川。
イニョプは川で洗濯物を棒で叩いていました。
「お嬢様。」
サウォルはイニョプに声を掛けました。イニョプが振り返るとみすぼらしい姿のサウォルがパウに送られていました。
「サウォル!」
「お嬢様!」
サウォルは荷物を投げ捨ててイニョプに駆け寄りました。
イニョプはサウォルを抱きしめました。サウォルは泣きました。
「夢じゃないね。サウォル。お前がなぜここにどうやって来たの?」
「ウンギ若様のおかげなんです。お嬢様と暮らしなさいって。」
「お兄さま(ウォラボニ)が?」
「お嬢様が・・・うちのお嬢様がなぜこんなことに・・・その格好は何です?寒いのに・・・。」
サウォルはイニョプの両手に息を吹きかけました。
「サウォル・・・私、つらかった。死ぬことも自由にできなくて・・・。でも大丈夫よ。今はすごく嬉しい。お父様が亡くなられてから初めて幸せよ。今サウォルに会えたから。」
イニョプは涙を流してサウォルを抱きしめました。パウも嬉しそうに微笑みました。

ホ家。
「さあ。戸判大監から贈られた下女だ。サウォル。知ってるだろ?」
下女の一人がサウォルを下僕たちに紹介しました。タンジはむっとした表情で。ケットンとケットンの母は微笑みました。数人の男たちもかわいいサウォルににやけました。
サウォルは頭を下げました。下僕たちは「いらっしゃい」と拍手しました。
「イニョプにまたこの下女にあてがうの?」
タンジは言いました。
「わ~ウンギ若様もやるわね。」
ケットンは喜びました。
サウォルは笑顔で愛想を振りまきました。
「厨房(チャンバン)は埋まってるからサウォルには針仕事をやってもらう。皆さん仲良くしてね~。」
下女のおばさんは言いました。
「は~い(一同)。」
男たちもかわいいサウォルについ親切にしたくなり、咳払いをして我に返りました。
ムミョンはイニョプとサウォルの様子を確かめて行きました。
「お疲れでしょう?お嬢様がこんな事をしてるなんて。」
サウォルはイニョプの腕をなでました。
「サウォル。下女にかわりないのに何がそんなに嬉しいの?」
タンジが腕を組みサウォルをいびりました。
「お嬢様のそばにいられるもの。」
サウォルは嬉しそうに答えました。
「こら。何がイニョプお嬢様よ。イニョプをお嬢様と呼んだらぶつからね。」
タンジはサウォルの頭を叩きいじめました。
「お嬢様をイニョプですって?無礼な。まったく、あっち行って。」
サウォルはタンジを叩き返しました。
「新米のくせに何なの?イニョプをお嬢様と言ったら許さないからね!」
「ちょっと!何よ偉そうに!」
タンジとサウォルは髪を掴み合って喧嘩しました。下僕たちも一緒になって騒ぎました。
「きれいな顔をしているからって偉そうに!調子に乗ってんじゃないわよ!」
サウォルはタンジを懲らしめました。
「きゃ~。もう許して。わかったからもうやめてぇ。」
タンジは床に仰向けになって降参しました。

タンジは傷だらけの顔で食事を作ってました。
「サウォルったら。今度突っかかったら絶対許さない。」
夜のホ家。
イニョプはサウォルと同じ部屋で寝ることになりました。
「サウォル。いらっしゃい。ここで寝るといいわ。ここならまだあたたかい。入り口は隙間風で目覚めるの。」
イニョプはサウォルに布団を敷いてあげました。
「お嬢様は?」
「私は寝ずの番だから横にはなれないの。おいで。」
イニョプはサウォルの手を繋ぎました。
「どうやって耐えたんですか?こんな苦労をどうやって。」
「平気よ。」
「これもトックのせいです。今どこで何をやってんだか。」
「サウォル。言っておきたいことがあるの。トックが・・・トックが・・・死んだの。」
「トックが・・・死んだの?天罰ですよ。あんな奴、死んで当然です。」
「恨まないで。トックは脅されてああするしかなかったの。死んだのもお父さまの遺書を私に渡そうとして・・・。」
「本当ですか?」
「泣いていいのよ。悲しんでいいの。トックはいい人だったわ。」
イニョプは泣き出したサウォルを抱きしめて慰めました。

イニョプとサウォルは夜道を一緒に歩いてクク家に戻りました。
「何を探すんですか?文字も読めないし探せない。せめてどんな形か・・・。」
「座りなさい。」
イニョプはサウォルに父の手紙を見せました。
「これよ。」
「何て書いてあるのですか?」
之(チ)父(ブ)知(チ)人(イン)罪(ヂェ)吾(オ)情(チョン)無(ム)之(チ)
「どういう意味ですか?」
「ただの文字の羅列よ。これ父、知る人、罪、吾、情が無い・・・。
「あ~どういう意味ですが大監マニったら。」
「これを見てもわからないように意味を隠しているの。でも問題はその意味を私が見つけなきゃいけないって事。」
「思い出します。咸興(ハムン)に行かれる前のお嬢様の誕生日です。旦那様は贈り物をすぐに渡さず焦らしましたね。」

生前のクク・ユとイニョプとの会話。
「これはなんと書いてあるのですか。意味がわかりません。」
「この程度の物を解けぬのに贈り物を貰おうと考えているのか。」
「いいでしょ。ね。」
「今回だけだ。次からは自分で見つけなさい。これはこう読むのだ。生日禮物置在梔樹下(誕生日プレゼントはクチナシの木の下にある)。」
クク・ユは左上から時計回りに文字を読んでいきました。
「外から中へ読むのね。贈り物は・・・梔の木の下?」

イニョプは父の遺言を時計回りに読みました。
情人の父は無実を知っている。
「情人と父とは何ですか?情人はつまり恋人ですからウンギ若様のお父様、戸判大監ですか?」

イニョプとサウォルはホ家に戻りました。
日中の下女の部屋。
「お嬢様。こちらへ。髪をすいてあげます。」
サウォルはイニョプのもとに駆け寄りました。
「だったら私のを梳いてよ。」
タンジはサウォルの櫛を奪いました。。サウォルはタンジから櫛を奪い返そうともみ合いになりました。
「イニョプお嬢様の介添えをお前がやるように。もう一人の介添えは誰がするのだ?」
ヘサンはイニョプに命じました。
「私がします。」
タンジは嬉しそうに手をあげました。
「来なさい。」

キム家。
キム・ウンギは下女の手伝いのもと官服に正装させられていました。
「初めての事だと思いなさい。婚礼の衣装も初めてだと。」
ウンギの母ハン氏は息子に言いました。
「私も大人になったようです。大人がなぜああも心と裏腹のことを言うのか不思議だったのに今はわかる気がします。」
「この世に永遠のものだどない。すべては過ぎ去り新たな物を手にする。人生など大したものではない。また一から始まると思いなさい。今日がその門出だ。」
ハン氏は息子の手を取りました。

ホ家。
イニョプはユノクの両頬と額に丸く紅を差し終えました。ユノクは婚礼の衣装に着替えました。
「ねぇ。どうだ?あの婚礼の日、お姉さまはとても綺麗だった。」
ホ・ユノクはイニョプに尋ねました。
「今日のお嬢様もおきれいです。」
「正直(ソウジキ)、この婚礼はお姉さまのおかげ。私も認めないと。もう少し辛抱して。お姉さまを必ず嫁がせるから。」
ユノクはイニョプの手に手を置きました。
「若様と結ばれたのですからお嬢様は私の事など考えないでください。」
「まだわかってないようね。お姉さまに自分の意思はもういらないの。」
部屋の扉が開き下女たちが入ってきました。
「来ました。来ました。新郎様が来ましたよ~。」
中年の女で義理の姉(ホ・ウンソの妻)のカン氏は愛想よく言いました。
「早くおいでください。とってもおきれいです。」
タンジの母は愛想をつきました。
タンジは何かを隠し持って美しい布を乗せた盆を運び入れました。
イニョプは盆の上の布を取りユノクの腕にかぶせました。
ユノクと中年の下女は部屋を出るとタンジは指輪を落として足で踏みました。
「なんだ?」
ユノクは振り返りました。
イニョプはその隙にタンジが落とした指輪を拾いました。
「はい?」
「お前。今袖に何か隠しだでしょ?」
カン氏はイニョプに言いました。
「お嬢様。行きましょう。」
タンジはカン氏を連れて行きました。

ホ家の庭。

(両班の結婚式は嫁の家で行われるようですね)

結婚式が始まりました。
「新郎は前に進み出て東に向かいお立ちくださーい。新婦入場ー!」

鳴り物が鳴り着飾ったユノクが屋敷の中から庭に下り立ちました。

「新婦は前にお進みくださーい。」

キム・ウンギはイニョプを見つめました。

「挨拶交換ー。新郎ー新婦はー手をお清めくださーい。」

イニョプは銅のたらいをユノクに差し出しました。

「新郎はおじぎしー新郎新婦はー向き合ってくださーい。新婦ー拝礼ー。」

ムミョンも微笑まずに様子を見守っていました。

イニョプはユノクの拝礼を脇で支えました。

「新郎ー拝礼ー。」

キム・ウンギはユノクに拝礼しました。




婚礼が終わりイニョプは部屋でキム・ウンギの官帽を取り官服を脱がせました。サウォルは渋々着物を受け取りました。
「終わりました。お部屋に案内します。」
タンジはウンギを部屋に案内しました。
イニョプとウンギは二人きりになりました。
「本当によいのか。私が結婚して君も奴婢の妻になって。」
「聞いてませんか?私の婚姻はもう取りやめになりました。下女は夫も自由に選べませんし許可なくお嫁に行くことも許されません。」
「だからこんな形で私を・・・・・・。」
「一つだけ教えてください。お兄さまは・・・知っていたんでしょう?お父様が無実だって事。濡れ衣だって事。知っていたんでしょう?
「イニョプ・・・。」
「咸興で何を見たの?命がけでお父さまを助け出したのにどうして牢獄で無実を訴えなかったの?たの太上王(テサワン)殿下の前で刀を受け止めるほどお兄さまは勇ましいお兄さまはなぜ尋問では黙っていたの?お兄さまが牢獄にいる間お父さまの戸判大監が何もしないはずがない。会いに行かれたでしょ?その時一体何をおっしゃったの?」
イニョプはキム・ウンギを問い詰めました。キム・ウンギは父から助かりたければ何も言わずに黙っているよう命じられたことを思い出しました。
「・・・・・・。その・・・イニョプ。」
「トックが・・・・・・・目の前で死んだの。脅されていたの。私と会っている時に殺された。私は背後に誰かがいると思ってるわ。」
「そんな・・・まさか私の父を疑っているのか?」
「トックを殺した者がわかれば・・・それがわかればお父さまの潔白を証明できる。」
「違う。絶対に違う。」
「さあどうぞ。お部屋(寝房、シンバン)に入られるお時間です。」

夜のホ家の廊下。
タンジはイニョプに指輪を返すよう求めました。
「度胸あるわね。新郎と何をしてたの?」
「指輪は黙っててあげる。」
「何よ。」

「寝房(シンバン)に新郎がいない。どこへ行ったのだ!」
ホ・ウンチャムの妻ユン氏は下男を呼びました。
「申訳ありません奥様。あたりをくまなく捜して見つけ出します。」
トクセは釈明しました。
酒に酔ってどこかで倒れこんでいるか近くをさまよってるかもしれぬ。世間の噂になる前に捜して来なさい!」

ホ家の門。
「宴は終わりました。どなたをお尋ねですか。」
ムミョンは門前で待っている高貴な衣を着た男に言いました。
「主(あるじ)に伝えよ。トンイン洞から友が来たと。」
李芳遠(イ・バンウォン、太宗)は振り返りました。

ホ家の厨房。
「酒と肴を用意せよ。」
ユン氏はヘサンに命じました。
「寝房(シンバン)の新郎にお持ちを?」
「殿下がいらっしゃった。新郎が消えたことは殿下にも大監マニにも知られてはならぬ。お膳はお前が運べ。」
「マーニーがなさるべきでは?」
「そうしたいところだがお忍びで見えたので知らぬふりをせよとの事だ。お膳には気を遣うもののいつもの客が来たように振る舞いなさい。」
「わかりました。」

イニョプは二人の会話を聞いていました。

ホ家の洞窟。
「人目を避けるためこちらにご案内しました。もうしばらくここでお待ちください。大監からお呼びがかかります。」
ムミョンはみすぼらしい服を着た夫人(太宗のかつての妾の母)に言いました。

ホ・ウンチャムの部屋。
「宮殿ではあちこちで王妃の目が光っている。婿を迎えたそなたの祝言を名目に来た。今日・・・会えるのか?」
イ・バンウォンはホ・ウンチャムに酒を注いでもらいました。
「むさ苦しい所ですが・・・・・・。」

イニョプは酒を持ってイ・バンウォンに会おうとしました。
「何者だ。」
王の護衛はウンチャムの部屋の門の前でイニョプに言いました。
「酒をお持ちしようと思って。」
「下がれ。必要なら呼ぶ。」

ホ家のヘサンの部屋の前。
「王の顔を見たか?」
ヘサンはムミョンに言いました。
「門を開けましたので。」
「我々の敵だ。不意の訪問だったがこの機会にしっかり顔を覚えておけ。」
「またとない機会です。この機に実行を?」
「まだその機会ではない。」
ヘサンは扉を閉じました。

ホ・ウンチャムはイ・バンウォンと護衛を案内しました。イニョプは王の後について行き懐から父の遺書を取り出しました。

キム家。
キム・ウンギは実家の門を叩きました。

ムミョンは王の後をつけているとイニョプを見つけました。

キム家。
キム・ウンギは父の部屋の扉を勝手に開けました。
「何事だ。寝房にいる時間だろう。」
キム・チグォンは立ち上がりました。

イニョプは遺書を手に持ち王を追いかけました。

感想

やっぱり謎があると話が面白くなってきましたね。はじめは本当につまらないと思って見るのやめようと思っていました。私の家族はとっくに「イニョプの道」の視聴から脱落してしまい今は見ていません。「イニョプの道」は全20話ですからあと14話あるということですね。両班を女性が断絶した家門再興することはできませんから、両班の男子の誰かがクク家の養子になるしか道はないはずなんですが。サウォルが来ると一気に場面が明るくなりましたね。そしてイニョプを想っているキム・ウンギは一度は自分と父の保身のためにクク・ユを陥れて殺してしまったのに、どうしてイニョプは父が殺されるきっかけとなったキム・ウンギを愛していられるのでしょうね、その心理が理解に苦しみます。ふつうはどんなに愛していても父の敵(かたき)になるのですからそれで恋人を愛し続けられるというイニョプの気持ちがわかりません。キム・ウンギが証言してさえいればクク・ユは助かったかもしれないのに。今回もちょっとがんばって漢文でわかるところは漢字に書き直してみました。

作品名 イニョプの道 シーズン 1 エピソード 6 評価 4 (5段階中)

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