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イニョプの道-14話あらすじ「更なる陰謀」

韓国ドラマ-イニョプの道-14話のあらすじと感想

イニョプの道
韓国ドラマイニョプの道-ストーリーの理解を深める原語表記、たまに注釈つき。

イニョプの道キャスト

主人公イニョプ・・・チョン・ユミ
ムミョン・・・オ・ジホ
キム・ウンギ・・・キム・ドンウク
監督・・・チョ・ヒョンタク

あらすじ

下女が主人を告発したという噂は町の人々にも広まりました。イニョプとプンイは縄で縛られ処刑場に連行されました。
「ご主人様を告発しただと?これでも食らえ!」
イニョプとプンイに石が投げつけられました。サウォルはイニョプが心配で泣き叫びました。

ムミョンは馬を走らせ連行途中のイニョプをさらって逃げました。キム・ウンギはその様子を表情もなく見ていました。イニョプが馬上で後ろを振り返るとムミョンは覆面を取りました。

枯れ葉の積もる山中でイニョプとムミョンは馬を降りました小川で休憩しました。ムミョンは手ぬぐいをしめらせイニョプの額の傷の血をぬぐおうとしました。イニョプはムミョンの手を振り払い立ち上がるとムミョンは後ろから優しくイニョプを抱きしめました。
「弱気になるな。この程度でくじけるお前じゃない。お前は誰よりも気位が高くて下女になっても堂々としていた。これで死んだらもう何度も死んでる。」
「もう終わりよ。無理はできない。あなたは殿下の子だしあたしは今や追われる身。」
イニョプはムミョンの胸で泣きました。二人はしばらく抱き合いました。

イニョプとムミョンは晩秋の森の中を一緒に歩きました。
「お父様には会えた?」
「お前が思うような、感動の再会じゃなかった。」
「息子と認めてくれないの?」
「刃を向けたやつだから。」
「その上こんなことまでしてこれであなたも追われる身。いったいどうするつもり?」
「私は、生まれて一度も父上と呼んだことはない。今更父上だなんて呼べない気がする。」
「私もお母さまと呼んだことがない。私を生んですぐに亡くなった。母親がいなかった分何もかも父に頼って生きてきたから父とのきずなが強くなったと思う。うらやましいわ。あなたはお父様に会えたのだから。お父様をなくしたんじゃなくて、いなかったお父様ができたのよ。ねえ。私たち、どこへ行くの?」
「・・・・・・。」
夜のホ家。
ムミョンはホ家の地下室にイニョプを連れて現れました。
「ちょっと、正気なの?」
「ここに戻ったとは考えないはずだ。ご主人様にさえ気づかれなければ安全だ。逃げた奴婢がここにいるとは誰も考えないはずだ。」
「どうかしてるわ。ずっと隠れてはいられない。」
「少しだけだ。ここならサウォルに頼れるし飢えと寒さをしのげる。」

キム家。
「計画の失敗は想定のうちだ。しかしムミョンが捕まるとは。思ってもいなかった。お前は父を裏切ったのか?」
キム・チグォンはキム・ウンギに言いました。
「ムミョンは何者ですか?奴の正体を教えてください。それがわからなければ敵と味方の区別がつきません。」
キム・ウンギは父に尋ねました。
「ムミョンは朝鮮の国王イ・バンウォンの息子だ。」
「そんな・・・まさか。ならばなぜ下男として働いているのです?」
「何も知らなかったからだ。」
「ならばいまに裏切るはず。」
「裏切りも、利用価値がある。」
「なぜそんな危険を冒してまで?」
「高麗の国を取り戻すためだ。家を奪うのとはまるで訳が違う。」
「父上は何を考えていらっしゃるのですか?」
「父親に捨てられ兄弟を殺めた王は誰も信じはせぬ。息子の出現を手放しに喜べぬ。」
「太上王(バンウォンの父イ・ソンゲ)との仲を引き裂いたように主上とムミョンとの仲を利用するのですね?」
「そうだ。息子に殺されるという恐怖を、自分の子も王座を奪うと思わせるのだ。」

ホ家のウンチャムの部屋。
「あなた様がイニョプをさらったのですか?」
ホ・ウンチャムはムミョンに尋ねました。
「今までの言葉遣いにしてください。」
ムミョンはホ・ウンチャムに言いました。
「一体何の真似だ!・・・・・・ただでさえ逆賊という過去があるのになぜそのようなことを?」
「イニョプがしたことは死に値する罪ではありません。家門を不当につぶされ命まで狙われたのです。」
「あなた様(ナウリ)のことは私め(ソーシン)がお守りしますがイニョプまでは守れません。」
「貼り紙をしたとき私もいました。だから同罪です。私を処刑なさいますか?奥様(チョンブイン)をかばって無理をしていませんか?」
「それは・・・・・・。」
ホ・ユノクの部屋。
「正直に白状しなさい。イニョプの居場所を知ってるわね?」
ホ・ユノクはサウォルを呼び出し問い詰めていました。サウォルの隣にケットンが座りました。
「私がどうして知りえましょうか。みんなと同じようにさらわれるのを見ただけです。」
「さらわれただと?助けられたのだ。」
「その方には感謝しています。」
「所詮追われる身だ。いつかは捕まる。居場所さえわかれば私が助けてやれるかも。」
「お嬢様がほうっておいてくだされば・・・助かります。」
「私たちのサウォルや。お前は若様の家に帰るか?今でもお前はあの家の奴婢だ。」
「いいえお嬢様。私はこの家が好きなんです。みんなと親しくなりましたし仕事にも慣れました。だからここにいます。」
「そうなの?」
ケットンは喜びました。
「気持はわかった。下がりなさい。」
ホ・ユノクはサウォルを見張るように命じました。
「サウォルを見張りなさい。サウォルが行くところにイニョプがいるはずだから。」

ホ家の厨房。
タンジはお母さんに金のために密告したことを黙ってるように言いました。タンジのお母さんは自分を責めていました。タンジは吐き気をもよおし、タンジのお母さんは月のものがなかったことに気づきました。

ホ・ユンソは母のユン氏の肩をもんでごまをすりました。
「私は一年中母上の健康を気にかけています。」
ホ・ユンソは母に言いました。
「肩をもむときは何かしでかした時よね。今回は何をしでかしたの?」
「あの・・・母上・・・タン・・・タン・・・タンジが・・・・。」
「この子はまだそんなことを?まったく、何なのだ!」
「タンジのことはもう忘れました。きれいさっぱりです。妻との仲もいいですし。」
「まだ目が覚めぬか!この!」
ユン氏はホ・ユンソを叩きました。

タンジのお母さんはすぐにどこかに嫁ぐようにタンジに言いました。
「トクセに嫁いで産めばいい。子供とともに死ぬ気?そうなったら私はとても生きていけない。オギは他人事じゃないよ。」

サウォルは器に肉などをたくさん盛りつけました。
「私大食いだから。はははは。」
サウォルが器を持っていくとケットンは後をつけました。

「ヘサンが消えてイニョプも消えた。近頃、変わりはないか?」
ホ・ユノクは厨房に現れました。ケットンは見張ってたけど何も変わらなかったといいました。タンジもサウォルをかばおうとしましたがホ・ユノクはサウォルを見つけると地下に行きました。

ホ・ユノクが地下室に行くとイニョプがいました。
「居を構えたようだな。連れ出せ。」
ユノクは下女に命じました。
「お嬢様。一度だけお見逃しください。外に出たら殺されます。」
サウォルはユノクに懇願しました。

イニョプは庭に連れ出されました。
ユン氏はイニョプを見て国が逃がした罪人をどうするか考えました。イニョプはオギを殺すよう命じたのはユン氏だと言いました。
「貼り紙を書いたのは私でも奥様の指示で殺されたとは書いてません。ただの無念の死と書いただけなのに、それを主人告発剤とおっしゃるのは奥様は自白したも同じです。」
イニョプが言うとユン氏は怒りました。ムミョンもユン氏を告発しておらずイニョプは無罪となったと言いました。
「イニョプの件はちょうど今旦那様が処理なさってます。」
ムミョンは言いました。

ホ・ウンチャムは家に呼んだ武官に「愛の痛みは愛で消し事件は事件でもみ消す。もみ消しには慣れているだろう。」と言って財物を渡しました。武官は「裁きが正された」という噂を大げさに広めようと約束しました。

ホ・ユノクはイニョプを問い詰めているとキム・ウンギが現れイニョプの態度は無礼だと冷たく言いました。
「お前の言葉だけで信じると思うか?私は何も聞いてない。二人ともまだ罪人のままだ。」
キム・ウンギが言うとユノクは喜びました。プンイも放免され家に戻ってきました。

ホ・ウンチャムはユン氏に、妻の罪を帳消しにするかわりにイニョプたちを開放したのだと話しました。そしてムミョンは王命を受けたので雑に扱ってはならないと言いました。
「もう手を出すな!私の言う通りにしないと位を失うだけで済みません。あなたであれ誰であれ命がなくなります!この家で一番重要なのは夫人でも私でもなくまさにムミョンです!!!はあ・・・。はあああ・・・・。もうたくさんだ!早く出て行ってくれ!」
秘密を抱えたホ・ウンチャムは妻に怒鳴りました。ユン氏はキョトンとしました。

タンジの母はイニョプに泣いて謝りました。
「イニョプ。許しておくれ。あんたのことを告発したのは私なんだ。イニョプ。ごめんよ。どうかしてたんだ。正気じゃなかった。奥様の支持とはいえ、人を殺したプンイとおなじだ。」
「私を守るために必死でやったの。恨むならこの私を恨んで!」
タンジは母をかばいました。
イニョプは黙って行きました。

サウォルはイニョプに母親とはああいうもので仕方ないと言いました。イニョプは飲み物を用意するとタンジのお母さんに勇気を出して謝ってくれたことを感謝しました。
「タンジがうらやましい。娘のためならどんなことだってするお母さんがいるから。」
「ありがとうイニョプ。ありがとう。ありがとう。」
タンジのお母さんは泣きました。

プンイはトクセやヨンチュンら下男に取り囲まれました。
「お前と一緒に寝るなんてまっぴらだ。」
ヨンチュンは言いました。
「母屋に行って奥様にかわいがってもらえ。」
トクセは言いました。
「お前ら・・・こんなことしていいのか。俺は絶対忘れないからな!」
トクセは言いました。
プンイは下僕たちから嫌われました。

タンジはホ・ユンソの部屋に行きもうすぐおなかが大きくなったらバレると言いました。
ホ・ユンソは屋敷からタンジと一緒に友人の家に逃げると言いました。頼りにならないホ・ユンソにタンジは自分の言う通りにするように言いました。

ムミョンは裏庭でキム・ウンギに言いました。
「私的な感情は、抑えてはいかがですか?いやでも私たちは同志なのですから。」
「お前の出自は聞いた。王を殺さずともお前は自由に生きられる。なぜ任務を続ける。」
「私はマヌォル党の党員です。己のためでなく党のために生きます。」
「お前が党を離れぬのは結局イニョプのためではないか。結局己のために生きているのに党への忠誠心を振りかざすなんて反吐がでる。」
「だったら若様はイニョプのためにマヌォル党に。」
「お前が、どう変わるか楽しみだ。」
「党首の子としてイニョプを殺せぬなら打ち明けてください。あなたが誰の子かマヌォル党の党首は誰なのか。後でイニョプが知れば深い傷を負います。」
「魂胆が見え見えだ。お前と同じ立場になれというのか。」
「イニョプは騙せても真実は騙せません。最初から我々は同じ立場でした。違うのは私は打ち明け、若様は騙している。それだけです。」
夜のホ・ウンチャムの部屋。
「人知れず使用人に仕えるお義父様のご苦労、知っています。ムミョンのことはすべて知っています。ムミョンの目的は何ですか?」
キム・ウンギはホ・ウンチャムの晩酌をしました。
「最初は寄る辺もなく逆賊となったのだろう。だが殿下に会って王室の力になろうとしている。」
「ムミョンの目的は、殿下に気に入られることではありません。殿下を追い出しこの国の王となることです。」
「何?」
「お義父様はいま、ムミョンに利用されています。ムミョンの件で殿下にお目通りを願います。」
「いくら婿殿でも登用されていないのに謁見させるわけには・・・。」
「思わぬ内容に、殿下も驚きになるでしょう。」

妓楼。
「お前はこの国ではなく高麗の子だ。王のもとに行けば王子の身分だ。世継ぎになれるかもしれぬ。」
キム・チグォンはムミョンをそそのかしました。
「所詮は庶子にすぎません。」
ムミョンは冷静に答えました。
「この国の王になることも不可能ではない。」
「高麗の、再興が目的では?」
「高麗の子が王となれば目的は果たしたも同然だ。我々はお前をこの国の王にしてやる。当分はむこうの言う通りにせよ。奴婢でも王子でもなれと言われたものになれ。完全に信用を得るまで待つのだ。」
カヒアは二人の話を立ち聞きしていました。

ホ家の廊下。
「私の助けを断ったのはほかにあてがあったからか?」
キム・ウンギは酒を運んできたイニョプに言いました。
「助けてくださると言われたとき、すがりたいと思いました。助けてほしいと心の奥底から。ですが旦那様を突き放しておきながら殺されるからと甘えられませんでした。旦那様のためにできるのは気持ちを突き放すこと。それだけでした。それが私にできるすべてでした。なのに、旦那様の救いの手を拒んだからと残忍にふるまうのですか?おやめください。旦那様らしくありません。」
「私らしいとは?私らしく生きて私が得たものは何だ?恥ずかしくないのか?お前はいま逆賊と戯れている。父の仇を取るという誓いはどこへ行った。」
「忘れてなんか。胸に刻んで毎日思い出してる。」
「じゃあなぜあいつと・・・。」
「人は変わるわ。ムミョンは変わりつつある。悔い改めて私の力になってくれてる。」
「ならどれだけ変わったか見ているがいい。僕があいつの本性をすべて暴いてやる。」

ホ・ユノクとカン氏がいる部屋にタンジとケットンも一緒にいました。タンジとケットンはどこかの若奥様が博打ですった品物が売られていたので二人で一つずつ買ったのだとカン氏に言いました。カン氏はとりあえず笑ってその場をしのぎました。
「きれいよ。よかったね。」
「これ。うちからお姉さまに送ったものと同じね。」
とホ・ユノク。
「まさか、そんなはずありませんよね。若奥様。いらぬ誤解をされたら困りますので持っておきますか?」
とタンジ。

王の部屋。
「ムミョンという者が再び殿下のお命を狙っております。あやつは殿下のお命を狙う任務をあきらめておりません。それがわかるのは、私も、ムミョンと同じく、マヌォル党だからです。」
キム・ウンギはイ・バンウォンに言いました。
「わが婿、キム・ウンギに逆心はありません。王子を見張り党の動きを探ろうと党に潜入したのです。」
ホ・ウンチャムはマヌォル党に潜入したと王に言いました。
「それをどう信じろと?」
太宗は言いました。
「私が、すべてを明らかにします。父は無実だという娘の訴えも。殿下を討とうとして名乗り出た奴婢の正体まですべて、明らかにして差し上げます。ムミョンという者に殿下を討つ機会をもう一度お与えください。」
キム・ウンギは王に言いました。
「余の命を懸けろと?お前は何を申しておるのかわかってるのか?」
「あの者は単に富や名誉を欲しているのではありません。おそれながらムミョンは王の座を狙っています。」
「余がそちの話を信じ得るものとは何だ?」
「真実です。殿下の味方が誰か。殿下を苦しめる首謀者が明らかになります。」
「戸曹判書(ホジョパンソ)で兵曹判書の婿のそちに兵曹の任務を命じる。成均館で主席ゆえ資格は十分のはず。義父とともに逆賊をせん滅せよ。」
「身に余る、光栄にございます。」

太宗はクク・ユの遺言を見ながらつぶやきました。
「真実を明かすだと?それがお前の父であってもか。」

ホ・ウンチャムは妓楼で親子の情を分かち合いたいとムミョンに王と会う機会があることを言いました。

キム家の先祖の霊廟。
「ご先祖様に報告か。夜更けにどうした。」
キム・チグォンはウンギに言いました。
「殿下に兵曹の任務を任されました。特命を与えられたのです。王子ムミョンの目的を突き止めマヌォル党を潰せと。」
キム・ウンギは答えました。
「なぜそこまで急ぐのだ。」
「なぜためらうのですか。怖いのではありませんか?」
「お前なぞに何がわかるというのか?」
「亡き高麗を取り戻せていないのは父上のせいです。死ぬのが怖くて機をためらっていたのでは?」
「はっ・・・今まで何も知らずのうのうと生きてきて、この父に説教するとは。」
「ご自分は隠れ人を利用したから計画が失敗したのです。私は、怖いものはありません。今後は父上にかわり私がやります。命は惜しくはありません。」

ハン氏はホ家に来ました。
ユン氏とホ・ユノクはキム・ウンギの登用を祝いました。ハン氏はウンギの心を掴むためには察することだと教えました。
「男子が出世するためには家じゅうが全力で支えねば。また息子が夜中にうちに来るようなことがあればわたくしもう我慢しません。」
ハン氏とユン氏の間に火花が飛びました。

キム・ウンギは武官の服に着替え妓房の部屋を調べるためカヒアに案内させました。キム・ウンギは外に席を用意させるようカヒアに命じました。カヒアは身の安全を考えていつもは部屋を用意していると言いましたが屋外に宴席を設けることを承諾しました。

マヌォル党の砦。
「これを王に渡しわれらの敵を王に処罰させよう。」
キム・チグォンはムミョンに手紙を渡しました。

キム・ウンギはチボクに合図をしたら動くように命じました。

イニョプはサウォルと野菜を運んでいるとマヌォル党の剣客チボクがいたのでイニョプはチボクの後を追いました。イニョプはチボクが妓房で部下に命じている様子を目撃しました。

カヒアは胡弓の弦が切れて嫌な予感がしウンギを怪しみました。

夜の妓房。
ムミョンが現れキム・ウンギとカヒアが出迎えました。
護衛を引き連れた太宗も妓楼の見晴らしのよい東屋に現れホ・ウンチャムに案内され王の椅子に腰かけました。
「まずはご挨拶を。」
ホ・ウンチャムはムミョンに促しました。ムミョンは地面に座り両手を突いて王に拝礼しました。
「再び会えてうれしい。」
太宗はムミョンに言いました。
「私もです。」
ムミョンは答えました。
「して、狩りに進展はあったか?」
太宗が言うと、ムミョンは懐に手を入れました。護衛の武官が剣をムミョンに突き付けました。
キム・ウンギがマヌォル党のチボクに合図すると黒装束の男たちは弓を放ちました。キム・ウンギは胸に矢を受けました。
「お逃げください。」
キム・ウンギは太宗に言いました。武官たちは騒ぎ立てるもムミョンは座ったまま微動だにしませんでした。
「このために、余の前に現れたのか?信頼を得てから、このようなことをするために余に近づいたのか?余の息子となるより、王座のほうがほしかったか?」
太宗はムミョンを疑い剣を抜きました。
「そうではありません。」
ムミョンはキム・ウンギを見つめました。カヒアは屋外に宴席を設けるよう指示したキム・ウンギを怪しみました。
「一度は許した。だが二度目はない。最後に言いたい事は?」
イ・バンウォンは剣を振り上げて構えました。
「こうして、私の母上のことも?母は父に殺されたと聞きました。殿下が殺したのですか?その手で!」
ムミョンは目に涙をためて父王に言いました。
「なりません殿下!他人ではありません。殿下のご子息です。長い年月を経て巡り合えた殿下のご子息です!」
塀の外で様子を見守っていたイニョプは走るとムミョンの前に両手を広げて立ちはだかりました。
「もうやめろ。」
ムミョンはイニョプに言いました。
「そのご子息が、余を殺そうとしたのだ。」
太宗はイニョプに言いました。
「確かですか?自らの出自を知らなかった時でさえ動揺して刀を振り下ろせなかった人です。今は殿下との間柄も自分が誰のお子とはっきりわかっているのにそのようなことをするはずありません。どうぞお考え直しください。この世に生まれて一度も父上と呼んだことがないととても寂しそうでした。そんなご子息がやっと出会えた父に向け、矢を放ったと刃を向けたとまことにそう思われるのですか?」
イニョプは膝をついて太宗に訴えました。
「つまみ出せ。」
太宗は部下に命じました。
「殿下!殿下!殿下ーーーっ。」
イニョプは勢いよく刀を振り上げた王に向かって叫びました。

感想

キム・ウンギはとうとう悪の道を選んでしまいました!絶対やってはいけないことなんですよね・・・。恋敵を殺そうとするためなのか、高麗を取り戻してイニョプを手に入れたい欲望だとしても。韓国の脚本家さんもそこはよくわかってらっしゃるようで。カヒアまでキム・ウンギが怪しいことに気が付きました。イ・バンウォンも人間ですから突然現れた息子を信じ切ることができないのも納得です。でもちょっとうらやましくも思いますね、キム・ウンギの自分に正直なところは。ふつうは恋が思い通りにならないと我慢して苦悩して鬱になったりあきらめますけど、キム・ウンギはイニョプがほしくて自分を偽っていること自体はとても苦しいことなんだと思います。ムミョンは不幸で希望のない人生ながらもイニョプに安らぎを見つけてちょっぴり幸せも手に入れました。あと6話くらいでしょうか?タンジも妊娠しちゃって状況が動き出しましたね。儒教崇拝の朝鮮王朝時代に両班であれ人が心に幸せを感じることは難しいと思います・・・それでも生きてこられたなんて人間の逞しさは凄いですね。イニョプとムミョンは幸せになれるのかな?そういえばムミョンの声優さんは藤真秀さんといって「007」のジェームズボンドのダニエル・クレイグの吹き替えなどをされているらしいですよ。どこかで聞いたことあるかも!?イニョプの樋口あかりは1976年生まれなんだって。それなのにチョン・ユミさんよりも高く透明感のある声で美少女のように美しい声!!素敵ですね。

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