韓国ドラマ-イニョプの道-2話のあらすじと感想
韓国ドラマイニョプの道-ストーリーの理解を深める原語表記、たまに注釈つき。
イニョプの道キャスト
主人公イニョプ・・・チョン・ユミムミョン・・・オ・ジホ
キム・ウンギ・・・キム・ドンウク
監督・・・チョ・ヒョンタク
韓国ドラマ-イニョプの道-2話-あらすじ 父と娘 プロローグ
ホ家の縁台。
両班の高官、兵曹判書(ヒョンジョパンソ)ホ・ウンチャムの娘ホ・ユノクは絹を持ち出し包をイニョプの前に投げ落としました。ユノクの母ユン氏もその場に現れました。
「敷きなさい。下女のしつけがなってないと言われるよりもてなしが手厚いと言われるほうがいいと思いませんか?」
ホ・ユノクは意地悪い笑みを浮かべ母ユン氏に言いました。
「それだけで足りるのか?家中の絹を持って来なさい。お客様の望み通り足先の触れるところへ敷き詰めよ。」
ユン氏とユノクは先に庭に降りてイニョプがどう出るかを期待しました。
「お嬢様。おやめください。どうして意地をお張りになるのですか。」
イニョプは絹に足を踏み出そうとした時、サウォルはイニョプの足先に手を当てました。
「どきなさい。お嬢様ぁ。」
「早くおどきなさい。」
ホ家の下働きの者たちまでもが見守る中、イニョプは絹の道をゆっくり歩きました。イニョプは夫人とユノクを一瞥すると速い足取りで輿に向かいました。
「たいしたもんだわ。」
夫人の隣で見ていたカン氏夫人(ユン氏夫人の長女)はつぶやきました。下女たちは騒ぎを聞きつけて集まってきてイニョプを見て噂しました。
イニョプは輿に載って家に帰りました。
キム家の夫人の部屋。
「なぜご自分の息子を不誠実な人間にしたいのですか。」
キム・ウンギは派手派手しいピンクの着物を来ている母に言いました。
「イニョプを嫁にしても何の得もにもなりません。破談は当然です。」
「結婚は取引ですか?家門の得にならなければ約束を反故にしてもよいのですか。私は必ずイニョプと結婚します。」
キム・ウンギは部屋を出ました。
するとウンギ父で戸曹判書(ホジョパンソ)のキム・チグォオンが廊下で立ち聞きをしていました。ウンギは父に頭を下げました。
「現実的に考えよ。」
キム・チグォンは息子に言いました。
「人の縁は天から授かったものです。」
「たとえ天から授かっても決着をつけるのは人だ。」
「父上が手を打ってください。ハムン(咸興)へ使者を送りプウォングン(府院君、イニョプの父の尊称)を助けてください。それが無理なら消息を尋ねてください。ハムンの女官を買収すれば安否はわかるはずです。」
キム・ウンギは廊下で正座して父に頼みました。
「なぜ、私がそこまでするのだ。何であろうと親には逆らうな。まだ成均館(ソンギュングァン)に通う分際で偉そうに。私の屋敷で母が作る物を食べているうちは一人前ではない。」
キム・チグォンはウンギを見下ろしました。
「大監(テガム、高官の尊称)。ウンギはまだ純粋で・・・。」
キム・チグォンの妻ハン氏は夫に言いました。
「男の純粋(スンス)は恥だ。男なら野望を持て。天下を取ればイニョプであれ望むおなごは皆お前の足元にひれ伏す。」
キム・チグオンンは言うと自分の部屋に入りました。
クク氏の家。
イニョプが乗った輿が家に到着しました。サウォルは慌ててきれいな履物をイニョプが乗った輿(こし)の前に用意しました。
「さあどいてどいて。話しかけないで。お嬢様。お嬢様。今靴をお持ちしますから。さあ靴です。どうぞ。」
サウォルが言うとイニョプは疲れた様子で靴を履いて屋敷に上がろうとしてよ
」
」
「少し?い安全にやらかしましたよ!」
サウォルは両手を広げて強調しました。
「お兄さま(キム・ウンギ)のご両親に知れたらたいへんだわ。」
「今頃気づかれたのですか?」
「はぁ~。」
夜になりました。
イニョプの部屋。
「お召し上がりください。宴では何もお召し上がりになれませんでしたから。」
下女のサウォルはイニョプの部屋に食事を持ってきました。
「私に食べる資格はない。」
イニョプは首を小さく傾げ落ち込んでいました。
「早く食べてくださいよ。食べなきゃお倒れになりますよぉ。」
「お父様・・・ご無事かしら。」
「お嬢様。」
「まったく音沙汰がないわ。」
「便りがないのはよい便りです。」
「もしも・・・お父様までお逝きになられたら私は・・・どうなるの?」
「お嬢様。そんなこと言わないでくださいよぉ。」
「今日言われた事が、胸に刺さるの。」
「お召し上がりください。さあ、どうぞ。」
サウォルはイニョプに食事をすすめました。
イニョプも食べる気力を取り戻しました。
「お嬢様。兵判(ピョンパン、兵曹判書)宅からの使いが参りました。」
プンイは庭からイニョプに声をかけました。
イニョプが表に出るとムミョンと二人の奴婢が庭に立っていました。
「これは何なのだ。」
イニョプはムミョンに言いました。縁台の上にたくさんの絹が積まれていました。
「ユノクお嬢様からです。敷かれた絹は使えないが貴重な絹なので捨てられずお返しになるそうです。」
ムニョンはイニョプに答えました。
「今私をからかっているのか?」
「使いにまいっただけなもので。」
ムニョンは帰りかけました。
「ここをどこだと思っている!」
イニョプは絹をムミョンに投げつけました。
「私に恥をかかせたいなら気持ちは伝わった。だから持って帰りなさい。」
「送り返したいなら新しい絹を持ってきてください。それが道理というものです。」
「何だと?」
イニョプはムミョンに詰め寄りました。
「お気に召さないならどうぞ。両班(ヤンバン)のお嬢様が下男を殴ろうと首を斬って山へ埋めようとお咎め無しです。殺した下男がよその家の者でも金で片付く世の中です。卑しい身分の者は両班のお方に触れることは許されませんがお嬢様はいくらでも私に罰を与えることができます。」
ムミョンは開き直ったようにイニョプに言いました。
「私が、できぬと思うてか。」
「お出来になることはわかってます。どうぞしてください。ご存じですか?お嬢様の靴を履いたあの下女は重い罰を受けています。お嬢様の自尊心も重要でしょう。ですが人一人の命を奪うほど大事ですか?」
ホ家の地下室。
タンジは天井から吊り下げられてタンジの母に叩かれていました。
「謝りなさい。なんてことしたんだい!謝って。早く謝って。」
タンジの母は泣きながら娘の足の裏を棒で何度も叩きました。下女たちは恐ろしくて皆目をそむけました。
「タンジ、謝りなよ。」
オギは言いました。
「やめなさい。ユノクお嬢様のお世話はケットンがしなさい。降ろせ。」
下女長のヘサンは言いました。
下女たちはタンジに集まり拘束を解こうとしました。すると指輪が地面に落ちました。下女長が振り返るとタンジの母は指輪を踏んで隠しました。
「もうお下がりください。私が後をし
の指輪が何だっていうの?これは貰ったの。私のよ。」
の指輪が何だっていうの?これは貰ったの。私のよ。」
「貰った?アイゴー(あらまあ)。お前って子は!ご主人様に手をつけられたらダメだって言ったでしょう?どうすんだい。殺されちまうよ。」
「ちょっと!もう叩かないでよ!さんざん打ったでしょ?それでも母親?あんなにひどく打って。」
「ヘサン様が見てたからよ。その程度で済んだのは私のおかげだ。」
「
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「堕胎の薬だ。」
「奥様(マーニ)。大変な罪を犯しました。ですがお腹の子供に罪はありません。私はひとりでひっそり生きていきますから子供だけはお助けください。赤ん坊だけはどうか・・・。」
オギは平伏しました。
「食事と寝床と食事を与え、よその者が凶作で飢えていてもうちの使用人の皆にはいっぱい食べさせた。その恩返しがこれか。飲ませよ。」
「しかたありませんでした。おわかりのはずです奥様。」
「奥様・・・。」
夫人のそばで仕えているタンジの母は言いました。
「何だ?同じ身分だから同情しているのか?」
「いいえ・・・。」
タンジの母は小さくなりました。
「どうかお助けください。どうかお助けください。」
オギは両手をこすり合わせて頼みました。
「飲ませろ。」
ユン氏はタンジの母に命じました。
「嫌です。飲めません。やめてください。」
オギは湯薬の入った茶碗を払いのけました。薬が床にこぼれました。
「大監の若様(テガムマーニー)この事を知っているのですか!」
オギは目に涙をためてユン氏に抗議しました。
「なんだと?」
「このこは若様のお子です。こんなことは許されません!」
オギはユン氏を睨みました。
「そこにムミョンはいるか?この者を連れて行け。」
ムミョンが部屋に現れました。
「子を堕ろさぬというなら仕方ない。お腹の子と運命を共にしてもらう。」
「若様!若様!若様ー!」
オギは叫びました。オギはムミョンに引きずられて行きました。
「何をしている。」
「あ、はい。すぐに片付けます。」
「オギは私の実家に送ったのだ。わかったな?」
「はい。」
タンジの母は震えながら床を拭きました。
どこかの山奥。
「あ~!」
オギの悲鳴が聞こえ、沢の水が赤く染まりました。
ハムン(咸興)の李成桂の御所の門前。
キム・ウンギは馬で到着しました。
「府院君はご無事か?」
キム・ウンギは下男のトックに訪ねました。
「若様。わかりません。いつも私が食事を差し入れているのですが今日はどういう訳か入れません。」
「お前は何者だ?」
門番の兵士がキム・ウンギに槍を突き付けました。
「戸曹判書(ホジョパンソ)キム・チグオン大監も息子でキム・ウンギだ。太上王殿下(イ・ソンゲのこと)にお会いしたい。」
キム・ウンギは身分証を兵士に見せました。
「殿下は簡単にお目にかかれません。」
「いいえ殿下にお会するために来たわけではない。府院君大監に会いに参った。私の義父になる人です。何ヶ月も便りがないので連れ帰りに参った。」
「そなたは噂を知らぬようだな。ここハムンに来た使者は生きて帰ったためしがない。」
キム・ウンギはトックを台にして塀を乗り越えて忍び込みました。
ハムンの御所の庭。
「兄弟を殺しそして父親まで追い出した悪(イ・バンウンン)の手下め。我が息子より先に地獄へ行くが良い。」
イ・ソンゲ(朝鮮初代王、太祖、李成桂)はクク・ユに囁きました。
「朝鮮と殿下に預けたこの命。今ここで尽きようとも惜しくありません。ですが殿下。いつまで国政を混乱させるおつもりですか?」
「黙れ!不届き者が何を生意気な。」
イ・ソンゲは怒りました。
「殿下~。や~っ!」
キム・ウンギが乗り込んできました。
「何者だ!」
兵士は武器を向けした。
「お義父様。」
「ウンギや。なぜお前がここにいる。」
「殿下。府院君に罪はありません。なぜ無実の者を殺めようとするのですか。」
「そちは誰だ。バンウォンがまた使者を送ってきたのか?」
イ・ソンゲはしゃがみ込むとキム・ムンギの帽子のつばを上げました。
「使者ではありません。父親の安否を案ずる娘のために府院君様をお迎えにまいりました。」
「ハハハハハハ。この朝鮮すべてバンウォンの手中に帰したかもしれんが、ハムンは余の地だ。
一度入り込むと生きては出られぬ。」
イ・ソンゲは言いました。
「殿下への腹いせで無念に死んでゆく者にも家族がいることをご存知ですか?」
「フフフ。なんだと?よほどそちは府院君をあの世に送りたいようだな。なにをしておる。大将軍(テジャングン)さっさと斬らぬか。」
「うあ~っ。」
大将軍は刀を振り下ろしました。
夜の妓房。
カヒアはカヤグムの演奏をしました。ホ・ウンチャムは鼻の下を伸ばして喜びました。キム・チグォンは思い通りに行き満足していました。ホ・ウンチャムはカヒアになぜ都城に来たのか尋ねました。
「おなごは英雄豪傑についてゆくものです。」
キム・チグォンは冗談を言いました。
「妓生はお心付け次第。お心付けをたくさんくださる方次第です。」
「名言だ。」
ホ・ウンチャムは満足しました。
「なき高麗の都(開城、ケソン)に嘆きの声を聞くことに嫌気が差しました。ハニャン(漢陽)なら活気があるだろうと思い来ました。」
カヒアが答えるとさらにウンカH無は満足そうにしました。
「媚も飾りもしない。それがこの女の魅力です。」
キム・チグォンは言いました。
ムミョンはすっかり寄ったキム・ウンギを輿に乗せて帰りました。
キム・チグォンはカヒアにホ・ウンチャムは疑り深いので過度に愛情を示さぬように、そして自分を通じた便り以外には応じないように命じました。
「隙を与えてはならん。ホ・ウンチャムをものにせよ。無駄な過去の縁にしがみついてしくじる事のないように。」
「未練はありません。ご安心ください。」
「未練よりも欲が見える。すべてを手に入れたい欲が。」
「大監に十分に頂いております。」
日中の寺。
イニョプとサウォルは仏に祈りを捧げました。
「イニョプ。」
後ろから男の声がしました。
キム・ムンギはみすぼらしい血で汚れた姿で現れました。キム・ムンギはイニョプを馬に乗せて駆けました。
王宮。
「ハムンへ新たな使者を送る時が来たようだ。誰が行く?吏判(イパン)でなければ刑判(ヒョンパン)か?民に陰口を叩かれ明国から疑いの目をむけられこの事態を解決できる臣下はおらんのか!」
イ・バンウォンは官僚たちに怒鳴りました。
「殿下ぁ。府院君がハムンから戻られました。」
内官が知らせを持ってきました。
クク・ユはイ・ソンゲは老けこみ怒りもおさまったので再会するためにまもなく戻るということを伝え戸曹判書の息子に救われたと言いました。キム・ムンギは大将軍の剣を手で受け止め上王に訴えたのでした。
「死など怖くはありません。ですが愛する人を天涯孤独にできません。家族を失う悲しみを殿下は一番ご存知ではありませんか。」
イ・バンウォンはクク・ユとキム・チグォンにすぐに子供たちの婚礼を挙げるように言いました。
王宮の門前
「元気であったか?つらかったであろう。ありがとう。待っていてくれて。」
クク・ユはイニョクに言いました。イニョクは父に抱きつき泣きました。
「ありがとうだなんて。何もいりません。名家の家柄も両班の身分もお父様がいなければ何の意味もありません。お父様が亡くなられたと・・・あきらめろと言った人のなまえを書いておきました。こらしめてください。」
「ははは。こやつ・・・。」
クク・ユはイニョプを抱きしめました。
クク家。
下男と下女にごちそうが与えられました。トックはキム・ムンギの武勇伝をサウォルに語りました。
夜のホ家。
ユン氏夫人は夫のホ・ウンチャムにクク・ユが生還したことでうちが笑い者であると言いました。
「府院君が帰ったせいで恥をかかされました。あなたの体面と嫁入り前のユニョクの評判はどうなるのです?」
「といって奴の死を望むわけにもいかんだろ。それにしても惜しいことをした。戸判(ホパン)の息子は一気に名声を上げたな。」
ホ・ウンチャムは下女を呼んで晩酌をさせようと言いました。するとユン夫人はオギのなまえを上げました。
「なまえも知らずに抱いたの?私の実家へやったから二度と会えないわ。」
「私は寝ても冷めてもそなただけですよ。」
「その舌を抜いてやる!」
日中のホ家。
下男と下女たちにイニョプからの靴が与えられました。
サウォルはイニョプによく考えてから行動するように釘を差しましたがイニョプは聞いていませんでした。
「もう怖いものはないわ。お父様も帰ってきたし。私の婚礼が済んだらお前も嫁に出すから安心して。」
「私はこのまま一生お嬢様にお仕えします~。」
イニョプと下女は仲良く市場で買い物をしました。
夜のホ家。
ホ・ユンソはタンジにきれいな靴を買ってあげました。
クク家。
クク・ユはキム・チグォンを呼び酒を飲みながらマヌォル党という高麗の秘密結社の決着をつけたいと言いました。マヌォル党は太上王(テサワン、だいじょうおう)への使者と関わりがありクク・ユは残党ではないかと疑われていたのでした。クク・ユはマヌォル党の首謀者に近づくために謀反勢力を演じてみるのでキム・チグォンに証人となってほしいと頼みました。
マヌォル党の砦。
トックはチボクに拷問されていました。ムミョンはその様子を見ていました。
クク家。
イニョプは父に晩酌しました。クク・ユは嫁ぎ先で酒を飲んではならず匂いを嗅いだら初めてのふりをするように言いました。イニョプは父に毎月一着は礼服を作り散歩をするようにと自分がいなくなったときのことを頼んでいました。
「もうよい。それくらいにせぬか。私の娘に生まれてきてくれてありがとう。一緒に多くの時を過ごせずすまなかった。」
クク・ユはイニョプの手を取り感謝しいつもイニョプのことを思い出すと約束しました。
キム・ウンギとイニョプの婚礼の準備が進められました。
キム・チグォンは幸せそうな息子をのぞき見て何かを考えていました。
イニョプは婚礼の衣装に着替えて次はサウォルがお嫁に行く番よと言いました。
ホ・ユノクはイニョプと会いおめでとうと言いました。イニョプはこの間のことを詫ました。ホ・ユノクはもし何もしらなかったら自分がキム・ウンギと結婚してお姉さまを不幸にするところだったと嫌味を言いました。
「お姉さまを見て心に決めたの。かならず望む人のお嫁さんになる。」
険悪な雰囲気になるとサウォルがイニョプを連れ出しました。
結婚式が行われました。
町の人達も勇者キム・ウンギとイニョプの美しい花嫁姿に見とれました。すると兵士が現れクク・ユが大逆罪人として捕まりました。ムミョンはユノクを抱きかかえて守りました。
イニョプとキム・ムンギは引き裂かれました。
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「お黙り。見つかる前に返してきな。言ったわよ。」
クク家のイニョプの部屋。
「お嬢様おやめください。おやめください。」
サウォルはイニョプを止めようとしていました。
「止めないで。ハムン(咸興)へ行くんだから。ハムンでお父さまを捜して生死をともにするんだから。」
イニョプは箪笥から服を取り出し旅支度をして庭に出ました。
「お嬢様。いったいどうなさたですか?」
サウォルはイニョプを引き留めようとしました。
「馬は用意できたか?」
イニョプはプンイに言いました。何人もの下働きの者たちがイニョプの前でかしこまりました。
「お嬢様。あの、それが、もう夜も遅いですし・・・。」
「私を馬鹿にするのか!」
「お嬢様。とんでもございません!」
「よその使用人ばかりかお前まで私を見くびるのか。馬を用意なさい!いいでしょう。私一人で歩いて行くわ。」
「お嬢様!お嬢様!お嬢様!歩いて行くなんて無理ですよ!」
使用人たちはおいおいとイニョプを引き留めようと騒ぎました。
イニョプは門を開けると地面に一輪の小菊の花と文が置かれていました。サウォルは手紙を拾うとイニョプに渡しました。
「婚姻前は指輪を一つしかはめられない。だから婚礼を挙げるまではひとつずつ待っていてくれ。ハムンへ行ってお父上をお連れするから帰ったら会おう。キム・ウンギ。」
キム・ウンギの手紙の中には指輪が包まれていました。
イニョプは花を手に取り涙ぐみ震えました。
キム・ウンギは夜道を馬で駆けました。
イニョプは涙を流しハムンの方角に向い何度も(仏教方式で)拝みました。
日中のホ家のユン氏夫人の部屋。
「飲みなさい。」
ユン氏は部屋に呼んだオギに命じました。
「これは何でしょうか奥様。」「堕胎の薬だ。」
「奥様(マーニ)。大変な罪を犯しました。ですがお腹の子供に罪はありません。私はひとりでひっそり生きていきますから子供だけはお助けください。赤ん坊だけはどうか・・・。」
オギは平伏しました。
「食事と寝床と食事を与え、よその者が凶作で飢えていてもうちの使用人の皆にはいっぱい食べさせた。その恩返しがこれか。飲ませよ。」
「しかたありませんでした。おわかりのはずです奥様。」
「奥様・・・。」
夫人のそばで仕えているタンジの母は言いました。
「何だ?同じ身分だから同情しているのか?」
「いいえ・・・。」
タンジの母は小さくなりました。
「どうかお助けください。どうかお助けください。」
オギは両手をこすり合わせて頼みました。
「飲ませろ。」
ユン氏はタンジの母に命じました。
「嫌です。飲めません。やめてください。」
オギは湯薬の入った茶碗を払いのけました。薬が床にこぼれました。
「大監の若様(テガムマーニー)この事を知っているのですか!」
オギは目に涙をためてユン氏に抗議しました。
「なんだと?」
「このこは若様のお子です。こんなことは許されません!」
オギはユン氏を睨みました。
「そこにムミョンはいるか?この者を連れて行け。」
ムミョンが部屋に現れました。
「子を堕ろさぬというなら仕方ない。お腹の子と運命を共にしてもらう。」
「若様!若様!若様ー!」
オギは叫びました。オギはムミョンに引きずられて行きました。
「何をしている。」
「あ、はい。すぐに片付けます。」
「オギは私の実家に送ったのだ。わかったな?」
「はい。」
タンジの母は震えながら床を拭きました。
どこかの山奥。
「あ~!」
オギの悲鳴が聞こえ、沢の水が赤く染まりました。
ハムン(咸興)の李成桂の御所の門前。
キム・ウンギは馬で到着しました。
「府院君はご無事か?」
キム・ウンギは下男のトックに訪ねました。
「若様。わかりません。いつも私が食事を差し入れているのですが今日はどういう訳か入れません。」
「お前は何者だ?」
門番の兵士がキム・ウンギに槍を突き付けました。
「戸曹判書(ホジョパンソ)キム・チグオン大監も息子でキム・ウンギだ。太上王殿下(イ・ソンゲのこと)にお会いしたい。」
キム・ウンギは身分証を兵士に見せました。
「殿下は簡単にお目にかかれません。」
「いいえ殿下にお会するために来たわけではない。府院君大監に会いに参った。私の義父になる人です。何ヶ月も便りがないので連れ帰りに参った。」
「そなたは噂を知らぬようだな。ここハムンに来た使者は生きて帰ったためしがない。」
キム・ウンギはトックを台にして塀を乗り越えて忍び込みました。
ハムンの御所の庭。
「兄弟を殺しそして父親まで追い出した悪(イ・バンウンン)の手下め。我が息子より先に地獄へ行くが良い。」
イ・ソンゲ(朝鮮初代王、太祖、李成桂)はクク・ユに囁きました。
「朝鮮と殿下に預けたこの命。今ここで尽きようとも惜しくありません。ですが殿下。いつまで国政を混乱させるおつもりですか?」
「黙れ!不届き者が何を生意気な。」
イ・ソンゲは怒りました。
「殿下~。や~っ!」
キム・ウンギが乗り込んできました。
「何者だ!」
兵士は武器を向けした。
「お義父様。」
「ウンギや。なぜお前がここにいる。」
「殿下。府院君に罪はありません。なぜ無実の者を殺めようとするのですか。」
「そちは誰だ。バンウォンがまた使者を送ってきたのか?」
イ・ソンゲはしゃがみ込むとキム・ムンギの帽子のつばを上げました。
「使者ではありません。父親の安否を案ずる娘のために府院君様をお迎えにまいりました。」
「ハハハハハハ。この朝鮮すべてバンウォンの手中に帰したかもしれんが、ハムンは余の地だ。
一度入り込むと生きては出られぬ。」
イ・ソンゲは言いました。
「殿下への腹いせで無念に死んでゆく者にも家族がいることをご存知ですか?」
「フフフ。なんだと?よほどそちは府院君をあの世に送りたいようだな。なにをしておる。大将軍(テジャングン)さっさと斬らぬか。」
「うあ~っ。」
大将軍は刀を振り下ろしました。
夜の妓房。
カヒアはカヤグムの演奏をしました。ホ・ウンチャムは鼻の下を伸ばして喜びました。キム・チグォンは思い通りに行き満足していました。ホ・ウンチャムはカヒアになぜ都城に来たのか尋ねました。
「おなごは英雄豪傑についてゆくものです。」
キム・チグォンは冗談を言いました。
「妓生はお心付け次第。お心付けをたくさんくださる方次第です。」
「名言だ。」
ホ・ウンチャムは満足しました。
「なき高麗の都(開城、ケソン)に嘆きの声を聞くことに嫌気が差しました。ハニャン(漢陽)なら活気があるだろうと思い来ました。」
カヒアが答えるとさらにウンカH無は満足そうにしました。
「媚も飾りもしない。それがこの女の魅力です。」
キム・チグォンは言いました。
ムミョンはすっかり寄ったキム・ウンギを輿に乗せて帰りました。
キム・チグォンはカヒアにホ・ウンチャムは疑り深いので過度に愛情を示さぬように、そして自分を通じた便り以外には応じないように命じました。
「隙を与えてはならん。ホ・ウンチャムをものにせよ。無駄な過去の縁にしがみついてしくじる事のないように。」
「未練はありません。ご安心ください。」
「未練よりも欲が見える。すべてを手に入れたい欲が。」
「大監に十分に頂いております。」
日中の寺。
イニョプとサウォルは仏に祈りを捧げました。
「イニョプ。」
後ろから男の声がしました。
キム・ムンギはみすぼらしい血で汚れた姿で現れました。キム・ムンギはイニョプを馬に乗せて駆けました。
王宮。
「ハムンへ新たな使者を送る時が来たようだ。誰が行く?吏判(イパン)でなければ刑判(ヒョンパン)か?民に陰口を叩かれ明国から疑いの目をむけられこの事態を解決できる臣下はおらんのか!」
イ・バンウォンは官僚たちに怒鳴りました。
「殿下ぁ。府院君がハムンから戻られました。」
内官が知らせを持ってきました。
クク・ユはイ・ソンゲは老けこみ怒りもおさまったので再会するためにまもなく戻るということを伝え戸曹判書の息子に救われたと言いました。キム・ムンギは大将軍の剣を手で受け止め上王に訴えたのでした。
「死など怖くはありません。ですが愛する人を天涯孤独にできません。家族を失う悲しみを殿下は一番ご存知ではありませんか。」
イ・バンウォンはクク・ユとキム・チグォンにすぐに子供たちの婚礼を挙げるように言いました。
王宮の門前
「元気であったか?つらかったであろう。ありがとう。待っていてくれて。」
クク・ユはイニョクに言いました。イニョクは父に抱きつき泣きました。
「ありがとうだなんて。何もいりません。名家の家柄も両班の身分もお父様がいなければ何の意味もありません。お父様が亡くなられたと・・・あきらめろと言った人のなまえを書いておきました。こらしめてください。」
「ははは。こやつ・・・。」
クク・ユはイニョプを抱きしめました。
クク家。
下男と下女にごちそうが与えられました。トックはキム・ムンギの武勇伝をサウォルに語りました。
夜のホ家。
ユン氏夫人は夫のホ・ウンチャムにクク・ユが生還したことでうちが笑い者であると言いました。
「府院君が帰ったせいで恥をかかされました。あなたの体面と嫁入り前のユニョクの評判はどうなるのです?」
「といって奴の死を望むわけにもいかんだろ。それにしても惜しいことをした。戸判(ホパン)の息子は一気に名声を上げたな。」
ホ・ウンチャムは下女を呼んで晩酌をさせようと言いました。するとユン夫人はオギのなまえを上げました。
「なまえも知らずに抱いたの?私の実家へやったから二度と会えないわ。」
「私は寝ても冷めてもそなただけですよ。」
「その舌を抜いてやる!」
日中のホ家。
下男と下女たちにイニョプからの靴が与えられました。
サウォルはイニョプによく考えてから行動するように釘を差しましたがイニョプは聞いていませんでした。
「もう怖いものはないわ。お父様も帰ってきたし。私の婚礼が済んだらお前も嫁に出すから安心して。」
「私はこのまま一生お嬢様にお仕えします~。」
イニョプと下女は仲良く市場で買い物をしました。
夜のホ家。
ホ・ユンソはタンジにきれいな靴を買ってあげました。
クク家。
クク・ユはキム・チグォンを呼び酒を飲みながらマヌォル党という高麗の秘密結社の決着をつけたいと言いました。マヌォル党は太上王(テサワン、だいじょうおう)への使者と関わりがありクク・ユは残党ではないかと疑われていたのでした。クク・ユはマヌォル党の首謀者に近づくために謀反勢力を演じてみるのでキム・チグォンに証人となってほしいと頼みました。
マヌォル党の砦。
トックはチボクに拷問されていました。ムミョンはその様子を見ていました。
クク家。
イニョプは父に晩酌しました。クク・ユは嫁ぎ先で酒を飲んではならず匂いを嗅いだら初めてのふりをするように言いました。イニョプは父に毎月一着は礼服を作り散歩をするようにと自分がいなくなったときのことを頼んでいました。
「もうよい。それくらいにせぬか。私の娘に生まれてきてくれてありがとう。一緒に多くの時を過ごせずすまなかった。」
クク・ユはイニョプの手を取り感謝しいつもイニョプのことを思い出すと約束しました。
キム・ウンギとイニョプの婚礼の準備が進められました。
キム・チグォンは幸せそうな息子をのぞき見て何かを考えていました。
イニョプは婚礼の衣装に着替えて次はサウォルがお嫁に行く番よと言いました。
ホ・ユノクはイニョプと会いおめでとうと言いました。イニョプはこの間のことを詫ました。ホ・ユノクはもし何もしらなかったら自分がキム・ウンギと結婚してお姉さまを不幸にするところだったと嫌味を言いました。
「お姉さまを見て心に決めたの。かならず望む人のお嫁さんになる。」
険悪な雰囲気になるとサウォルがイニョプを連れ出しました。
結婚式が行われました。
町の人達も勇者キム・ウンギとイニョプの美しい花嫁姿に見とれました。すると兵士が現れクク・ユが大逆罪人として捕まりました。ムミョンはユノクを抱きかかえて守りました。
イニョプとキム・ムンギは引き裂かれました。
韓国ドラマ-イニョプの道-2話の感想
は~長かった、会話のボリュームが普通の韓国ドラマより詰まってて濃かったです。まだ登場人物のことがよくわからなくて顔が似たような人ばかりですのでタンジなのかオギなのか、サウォルなのかもう一人の下女なのか、瞬間的に見分けがつきませんでした。もう時代劇用語の解説もあきらめようかと思っていたところに、秘密結社という謎の勢力が現れちょっと気になりました。はっきりいって謎の勢力がない状態ではつまらなかったので2話で見るのをやめようかと思い始めていました。イ・ソンゲもアホそうに描かれてますし、イ・バンウォンも狂気じみた男として単純化されて描かれているし登場人物の衣服も当時のものとは違って朝鮮王朝後半の出で立ちですので作りこまれていないドラマだなと直感いたしました。そしてこのドラマは私、続きは全然気になりません。イニョプの道、果たして最終回まで楽しく見られるかな!?時代劇の中でもかなり馬鹿らしい部類に属するドラマだと思います。でも「剣と花」や「ペク・ドンス」よりはマシかも。俳優さんはクク・ユはチョン・ノミンという「馬医」や「根の深い木」「ホ・ジュン」「武神」「ケベク」に出ていた俳優さんで「善徳女王」でミシルの愛人を演じていた男性ですね。現代劇でもよく見かける人です。タンジを演じている女優さんはなんと「王と妃」でチャン・ノクスを演じていたチョン・ソミンという女優さんです。全然気づかなかった~。キム・ウンギのお母さんはどこかで見たと思ったら「朱蒙(チュモン)」でヨミウル巫女を演じていたチン・ヒギョンという女優さんなんですね~。
作品名 イニョプの道 シーズン 1 エピソード 2 評価 3 (5段階中)
韓国ドラマイニョプの道あらすじとタイトル一覧
- イニョプの道 全話あらすじと感想(総合)
- イニョプの道 1話説 波乱の幕開け
- イニョプの道 2話 父と娘
- イニョプの道 3話 非情な現実
- イニョプの道 4話 裏切りの連鎖
- イニョプの道 5話 悲しき決意
- イニョプの道 6話 懐かしき再会
- イニョプの道 7話 無実を信じて
- イニョプの道 8話 迫られる選択
- イニョプの道 9話 下女の悲哀
- イニョプの道 10話 深まる謎
- イニョプの道 11話 明かされた謎
- イニョプの道 12話 告発の代償
- イニョプの道 13話 苦悩の果てに
- イニョプの道 14話 新たな陰謀
- イニョプの道 15話 驚きの事実
- イニョプの道 16話 反逆のはじまり
- イニョプの道 17話 最後の決戦へ
- イニョプの道 18話 別れ再び
- イニョプの道 19話 変わらぬ心
- イニョプの道【最終回】 20話 新しき人生