王と妃-178話-あらすじネタバレ感想
王と妃178話あらすじと感想 罪人の子という烙印
燕山君は晋城大君(チンソンテグンのちの中宗)にどちらかの酒には毒が入っているので選んで飲めと強要しました。震える信城君(シンソングン)を尻目に燕山君は先に酒を飲みました。
「勝負は終わりだ。誰か居るか。内人(ネイン)をここへ呼べ。」
燕山君はもうひとつの盃を内人に飲ませました。
「飲め。飲めと言っておるのだ。」
内人が酒を飲むと口から血を吐いて死にました。
「見たか。そなたのかわりに死んだ。はっはっはっは。ジャウォナー。ネイノンチャウォナー。この女が晋城大君(チンソンテグン)の代わりに死んだのだーはっはっはっは。」
「お手におつかまりください。」
晋城大君はシン・スグンに差し出された手を掴みました。
「母上の魂が私を守ってくださっておる。私は罪人の子だー。」
燕山君は部屋の中から外に聞こえるように言いました。
シン・スグンは大妃ユン氏にのこことを報告しました。
燕山君は震えるジャウォンにも酒を呑むよう命じるとジャウォンは泣きました。
「お前までもが私の死を望んでいる。罪人の子という足かせをつけたまま死ぬわけにはいかぬ。お祖母様が足かせを付けたのだから外してください。」
燕山君の非道な行いは宮殿の内外に知れ渡りました。
チョン貴人とオム貴人は自分たちの身を案じました。
居昌府院君(コチャンプウォングン、シン・スグン)は燕山君の部屋を訪ねました。高齢で病気のシン・スンソンは(あの世に行く前に)別れの挨拶がしたいと言いました。燕山君はシン・スンソンが仁粋大王大妃に逆らうなと比喩を用いて言いました。燕山君は罪人の子という烙印を仁粋大王大妃に消してもらいたいと言いました。
ハン・チヒョンは仁粋大王大妃に会い廃妃を復位し罪人の子という足かせを外してほしいと言いました。仁粋大王大妃は勢いのある王の足かせを外せばもっと横暴になると怒りました。
「主上は乱心者です!」
燕山君の義父の居昌府院君(コチャンプウォングン、シン・スンソン)が世を去りました。人はシン・スンソンのことを気骨がなく国王の言いなりなだけの無能な男と呼ぶ者もいました。廃妃の問題に起因する燕山君と仁粋大妃の問題に決着が付いたのは彼の温厚で落ち着いた人柄のおかげだったという人もいます。シン・スンソンとハン・チヒョン。シン・スンソンが燕山君の代弁者だったとすればハン・チヒョンは仁粋大妃(インステビ)の代弁者であり助言役でした。この二本柱によって朝廷の平穏は何とか保たれていました。その柱の片方が折れてしまったのです。(ナレーション)
シン・スンソンの葬儀が終わりました。ハン・チヒョンはシン・スンソンがいなくなったら誰が王を諌めるのかとシン・スグンに言いました。シン・スグンは血の嵐だけは阻止しなければならないと臨終の際に言い残していました。
シン・スグンは官職を辞任しました。燕山君はチャン・ノクスを侍らせて父の喪の仕事をしなければならないので仕方がないと斉安大君(チェアンテグン)と酒を飲んでいました。
「義父上を弔うためにも酒を飲まねば。なあジャウォンや。そなたも弔いの酒を飲め。ネイノン。国王の酒が飲めんのか。近くに来い。」
尚膳のキム・チョソンは燕山君に王の威厳を保つように諫言すると燕山君は剣を抜いてキム・チョソンを斬ろうとしました。
「殿下。一度抜いた剣を収めたら恥ですわ。お斬りください。」
チャン・ノクスは言いました。
「そなたの勇気に免じて一度だけ許してやろう。だが二度と言うな!」
キム・チョソンとジャウォンは並んで小さくなり平伏しました。
ジャウォンは「慎言牌(シノンペ)」を首にかけるよう内官たちに命じました。キム・ジャウォンはこれを首にぶらさげないと死罪にするぞと言いました。
慎言牌(シノンペ)には燕山君がこのような文を書きました。
口は災いの門であり舌は身を斬る剣だ。口を閉じ舌を深くしまっておけば身を守ることができる。
「官僚にも慎言牌(シノンペ)を配ろうと思うがそんなことをしたら王が言路を閉ざしたと騒がれる。」
燕山君は臣下たちに言いました。燕山君はハン・チヒョンに意見を述べさせるとハン・チヒョンはぽかんと口をあけていました。ユン・ピルサンは忠臣なら命をかけても諫言するだろうと発言しました。燕山君は当時の大司憲チェ・スだけが王妃の廃位に反対したので成宗のたった一人の忠臣だと言いました。
月山大君夫人朴氏は興福寺(フンボクサ)に入るのでと仁粋大王大妃に別れの挨拶に現れました。
「自決でもするのと思ったわ。」
仁粋大王大妃は意地悪く言いました。
「お義母さま。死ぬより生きることのほうがつらいという言葉もあります。私は死などおそれていません。主上とお義母様に迷惑がかかるので死ねないのです・・・・・・。」
月山大君夫人は涙を拭いました。
仁粋大王大妃は伏せた顔からじろりと月山大君夫人を睨みました。
夜になりました。
淑媛(スゴン)チャン・ノクスはイム・サホンの家を訪ねました。
王宮では燕山君が重臣らに宴を開いていました。重臣たちは表情硬く誰一人笑おうとはしませんでした。
月山大君夫人は大王大妃殿に拝礼するとイム尚宮は涙を拭きました。
燕山君は重臣らに酒を汲んでやりました。
イム・サホンの家。
チャン・ノクスは廃妃の死について聞いてくるよう燕山君に頼まれたと言いました。
王宮。
燕山君は廃妃に毒薬を与えた礼曹判書に酒を振る舞いました。礼曹判書は恐ろしくなり燕山君の服に酒をこぼしてしまいました。礼曹判書は兵士に連れだされました。燕山君は今度は酒が飲めないという右議政に無理やり酒を飲ませました。
イム・サホンの家。
廃妃尹氏の母シン氏は認知症を患っているようでありチャン・ノクスを娘と思い込み血染めの衣の箱を片手に話しかけました。
宮殿。
「死ぬ前に殿下から墓に酒をそなえてもらえた気分です。そんな殿下ですから私の亡骸を斬首したりなさらないでしょう。どうか聖君におなりください。」
ハン・チヒョンは涙ぐみ燕山君からもらった酒を飲み干しました。
「もう一杯やろうか。これはお祖母様にあげる酒だ。はっはっはっは。ふはははははは。」
燕山君はハン・チヒョンの盃に酒をあふれさせました。
感想
ユ・ジャグァンに処刑の蜜の味を教えてもらった燕山君は権力の暴力的な使い方を学習して楽しくなったようですね。どこまでが記録の通りなのかはわかりませんけど、燕山君が臣下を支配する方法はまさに太祖や世祖と同じ手法です。