王と妃-183話-あらすじネタバレ感想
Title:王と妃
Episode Title:仁粋大王大妃の崩御 Episode no.183 Season:1 Year: 1998-2000 キャスト: チェ・シラ 監督:キム・ジョンソン レーティング4(5段階中) |
王と妃183話あらすじと感想 仁粋大王大妃の崩御
夜に燕山君は輿に乗り祖母を罰するために仁粋大王大妃の寝殿に現れました。仁粋大王大妃はイム尚宮に食事を食べさせてもらっていました。
「早く通さぬか。私がお祖母様を見舞いに来た。」
燕山君の声が仁粋大王大妃の部屋の中まで聞こえました。
燕山君は内官を押しのけて祖母の寝殿に上がりました。
「扉を開けよ。」
燕山君が扉を開けると月山大君夫人が立ちはだかりました。
「お帰りください主上。媽媽は重湯を頂かれたばかりです。」
月山大君夫人は厳しい表情で言いました。
「お祖母様孫のユンです。」
「お入りください主上。病人には拝礼せぬしきたりです。床へ拝礼するのは相手が死んだ時だけです。主上は見舞いに来られたのではなく弔問しに来たのでしょう。」
仁粋大王大妃は入室を許可し拝礼しようとする燕山君に言いました。
「とんでもない。お祖母様。長生きしてください。長生きしてもらいませんと斉献王后(チェホンワンフ、燕山君の母)を追尊する盛大な儀式をご覧いただくためにもです。お祖母様も斉献王后(チェホンワンフ、燕山君の母)を祝う宴に出られて千千歳を唱え母上の墓前に酒を供えていただかねばなりません。」
燕山君は言いました。
「どこの国に追放された嫁の墓前に酒を供える姑がいるの!息子が王であろうと皇帝であろうとその母親の犯した罪を消すことはできぬ。廃妃を斉献王后(チェホンワンフ、燕山君の母)に追尊するですって?この私に祝賀の儀式に出席しチョンチョンセーを唱えよと?廃妃の墓前にもう一杯毒薬を供えてやります!」
仁粋大王大妃は起き上がるなり呪いの言葉を吐くと苦しみ出しました。
「毒薬を供えると?私の母上斉献王后(チェホンワンフ、燕山君の母)もお喜びになります。はっはっはっは。ええ。母上に毒薬を備えれば墓の中で血を吐くことでしょうね。血を吐きながらお祖母様をあの世へ連れて行くはずです。どうぞ毒薬をお供えください。私の母上が墓の中で喜び踊るでしょう。母上聞こえますか?酒の代わりに毒薬を供えるそうです。非業の死を遂げた母上に酒ではなく毒薬を供えてくださるそうです!」
燕山君は寝殿を出ると夜空に向かって叫びました。
「覚悟なさるがいい。必ずやお祖母様には母上の墓前に酒を供えさせてみせます。私の体が地獄の炎に焼かれようともそうします。お祖母様の墓前に酒を供え許しを請う姿を母上に必ず見せてみます。それまで生きていてくださいお祖母様ー!ははははははは。」
「私を文昭殿へ連れて行ってちょうだい。早く文昭殿へ行く支度をなさい。」
仁粋大王大妃は命じるとイム尚宮は仁粋大王大妃を背負って走りました。
燕山君はチャン・ノクスと酒を飲み、廃妃尹氏の母シン氏は仁粋大王大妃を呪いました。
文昭殿(ムンソジョン)。
「世祖が苦労して得た王統です。睿宗が継ぎ成宗が受け継ぎました。受け継げなければここで終わらせるわけにはいかないのです。王統を守るためあまりに多くの人々が傷つき殺されました。詫ましょうか?私が許しを請えば孫は聖君になれますか?どうすればこの国は千年万年続きますか。」
仁粋大王大妃は世祖の位牌に語りかけ涙を流しました。
シン・スグンが大王大妃殿に行くと皆は静まり返っていました。
仁粋大王大妃は女命婦(ネミョンブ)の夫人と晋城大君(チンソンテグン)を部屋に呼びました。今年で十七歳となる晋城大君(チンソンテグン)に仁粋大王大妃は世の中の道理がわかる年頃だと言いました。
「私はそなたを守れぬままあの世へ旅立つかもしれぬ。しかし主上をこの上ない不孝者にしたのだから私のすべきことはすべて終わったといえる。ひゃっはっはっは。ひゃっはっはっは。」
仁粋大王大妃は笑いました。
便殿。
「四月二十八日仁政殿(インジョンジョン)で斉献王后(チェホンワンフ、燕山君の母)の位牌を奉り百官による拝礼を終えた後王族の位牌堂に泰安する。また孝思廟(ヒョサミョ、燕山君が実母のために建てた祠堂)で斉献王后(チェホンワンフ、燕山君の母)の霊を供養するため身分の上下関係なく一人残らず出席せよ。」
燕山君は重臣らに命じました。
「すぐにまんがかうにだ。(一同)」
「大王大妃様の容体がすぐれないそうだ。万一の場合斉献王后(チェホンワンフ、燕山君の母)の追尊の儀はどうすればよいのだ?」
「恐れながら、祭祀を行う準備を全部整えた後、大臣の訃報を受けた場合は儀式は取りやめになります。一方儀式を行う前は危篤と聞いたら中止にします。ましてや大王大妃様なら尚更です。万一大王大妃様が急変なさった場合は祭祀を行うことができません。慶次と弔事ともに行えません。追尊の儀を延期するのが道理です。」
礼曹判書のキム・ガムは答えました。
「ならばお祖母様には長生きしてもらわんとな。」
大王大妃の部屋。
「世祖大王は座ったまま亡くなられましたが私にはとても真似はできません。やってみたいのですが腰が曲がってしまいます。」
仁粋大王大妃は夫人とシン・スグンに言いました。シン・スグンは横になるようにすすめましたが仁粋大王大妃は断りました。
「主上は文武百官をくまなく集め仁政殿(インジョンジョン)の庭で廃妃を追尊する儀式を挙げてから位牌を宮殿内に泰安するとか。そしてその後廃妃の墓で祭祀を行うそうですね。はっはっは。私は幸い儀式までは生きられそうにないのでそんなものを見ずに済みそうです。不孝者です。君主が身内に不孝をしながら民に孝行せよといえますか。そんな君主は君主と言えません。殿下はこの上ない不孝者です。覚えておいてください。いつか天の裁きが下ります!」
仁粋大妃(インステビ)は言うと胸を押さえて泣きました。
祭祀の準備が進められました。
燕山君はキム・チョソンに仁粋大王大妃の容体を尋ねました。
「危篤でございます。」
キム・チョソンは答えました。
燕山君はもう一度調べてくるよう命じました。
「御医のくせにどれだけ生きられるかわからないのか。祭祀まで生きられなかったらお前の命はないと思え。」
燕山君は御医(オイ)を脅しました。
「お祖母様。長生きしてください。百年は生きねばなりません。そうして母上に毒薬を飲ませたことを悔やんでもらわないといけません。」
仁粋大妃(インステビ)は自力で起き上がれずに食事も喉を通らぬほど衰弱していました。
廃妃尹氏を斉献王后(チェホンワンフ、燕山君の母)に追尊する儀式が明日に迫っていました。この儀式こそ仁粋大王大妃に対する燕山君の酷い復讐でした。頭を下げずに生きてきた仁粋大王大妃に消せない汚点と恥辱を残すことが燕山君の復讐でした。
祭祀前夜の王の部屋。
斉安大君(チェアンテグン)は燕山君に祝いの言葉を述べに来ました。
「私が負っていってでも母上の墓前に酒を供えてもらいます。お祖母様が死んだら亡骸を負っていきます。」
燕山君はいまだ大王大妃の支配下にある朝廷に怒りを覚えました。斉安大君(チェアンテグン)は燕山君に大王大妃の権力を削いでこそ真の王になれると言い笑いました。キム・チョソンは心配そうに話を聞いていました。
大王大妃の部屋。
御医は仁粋大王大妃の鼻の前にこよりを当てました。
「微弱ながら・・・生きておいででございます。」
シン・スグンが王の寝殿に行くと部屋の中から燕山君と斉安大君(チェアンテグン)の笑い声が聞こえて来ました。
燕山君はチャン・ノクスを侍らせ叔父と酒を飲んでいました。キム・チョソンは王が酔っているので大王大妃の臨終の場に行けなさそうだとシン・スグンに言いました。チャン・ノクスは大王大妃に勝ったと燕山君を褒めました。
「殿下。大王大妃様が危篤でございます。」
シン・スグンは大きな声で部屋の中の王に言いました。
「なんだと?お祖母様が危篤だと?」
「殿下。大王大妃殿へ行かれるべきです。殿下。これ以上不孝を働いてはなりませぬ。臨終に立ち会うべきです。」
「危篤と言ったか?なりません。明日斉献王后(チェホンワンフ、燕山君の母)の追尊の儀式があるのです。死なれては困ります!」
燕山君は部屋を飛び出しました。
「一日だけ生きてください。」
燕山君は急いで大王大妃殿に歩いて向かいました。
王の部屋。
「大君は王族でしょう。国の将来をお考えください!」
シン・スグンは斉安大君(チェアンテグン)に怒りました。
「この国のためには仁粋大妃(インステビ)の影を消すのが先決だ!」
斉安大君(チェアンテグン)は酒を飲むとシン・スグンを睨みました。
燕山君は千鳥足で夜道を歩いていました。
「こちらに向かっている。きっとこちらに来る。でなければ汚名をそそげないからだ。この祖母を突き飛ばし成宗の遺言に逆らったこの上ない不孝者だから。お前はそれでも王なのか。」
仁粋大王大妃は孫の気配を感じました。
「母上を無残に殺したのはお祖母様と言ってくれれば汚名をそそげます。」
燕山君は言いました。
大王大妃の寝所に燕山君は着きました。
「世祖大王が手に入れた王統なのに・・・。」
仁粋大王大妃は目を見開いたまま事切れました。月山大君夫人たちはおいおいと泣きました。
「おままま・・・・。」
女官と内官も皆泣いたふりをしました。
燕山君は力なく座り込みました。
仁粋大王大妃は昌慶宮の慶春殿(キョンチュンジョン)で息を引き取りました。六十九歳で亡くなりました。世祖から睿宗、成宗、燕山君い至るまで仁粋大妃(インステビ)は強い影響力を持っていました。いずれの時代にも仁粋大王大妃は権力の中心に立っていました。
晋城大君(チンソンテグン)は仁粋大王大妃の目を閉じました。
廃妃尹氏の母は悔しがりました。
「天は無慈悲ね。あんな極悪人を安らかに逝かせるとは。」
王命により宮殿の門が閉じられ政丞らは中に入れませんでした。
「母上のために用意した祭壇です。文武百官からの祝いの拝礼を受けられるように私が用意させた祭壇です。」
燕山君は祭壇を前に泣き崩れました。イム・サホンは燕山君の気持ちを察して見守っていました。
「もう無駄になってしまいました!うわ~!」
燕山君は卓上の祭祀道具を払いのけました。
感想
なんとまあちょうど儀式前夜に仁粋大妃(インステビ)がお亡くなりになったんですね。燕山君が殺しただのという記述があるそうですが、そんなことはあり得ないということですね、このドラマを見てみると。燕山君は仁粋大王大妃を生かしておく必要があったようですので。燕山君がとりわけ残虐だったかどうかは何かと拷問したり虐殺していた朝鮮の王国ですからそうとは言えないかもしれませんのでどうなんでしょうね。