スキップしてメイン コンテンツに移動

イニョプの道【最終回】20話あらすじ感想「新しき人生」

韓国ドラマ-イニョプの道-最終回20話のあらすじと感想

イニョプの道
韓国ドラマイニョプの道-ストーリーの理解を深める原語表記、たまに注釈つき。

イニョプの道キャスト

> 主人公イニョプ・・・チョン・ユミ
ムミョン・・・オ・ジホ
キム・ウンギ・・・キム・ドンウク
監督・・・チョ・ヒョンタク

最終回のあらすじ

マヌォル党の砦。小屋から出てきたイニョプとキム・ウンギ。ムミョンはウンギにイニョプを渡すように言いました。イニョプは安全な場所までウンギを送りたいとムミョンに言いました。
「お願い。安全な場所まで行かせて。お願い。これだけはやらせて。」
ムミョンは黙ってイニョプとウンギを見送りました。

夜の妓房。
イニョプと負傷したウンギが妓房に到着すると部屋にはウンギの母ハン氏とカヒアがいました。カヒアはキム・チグォンは捕らえられたがチグォンの計画に従えば都城を抜け出せるといいました。ハン氏はウンギを見て血相を変えてイニョプを責めはじめました。
「一体何をしたのだ!この疫病神め!お前が何もかも悪いのだ。お前がウンギを破滅させたのだ!!!」
「母上。今の我々にイニョプを責める資格はありあせん。イニョプの家門を滅ぼしイニョプを奴婢にしたのは私たちなのです。たとえ母上でもイニョプに指一本でも触れたらこの私が先に死にます。」
ウンギが母に言うとハン氏は悔しくて泣きました。
義禁府(ウィグムブ)の牢屋。
「これでようやく終わった。これもそなたのおかげだ。父上にやっと都城へお越しいただけたのだから余が玉璽を受け取れたのはそなたの手柄だ。息子を育ててくれたことにも礼を言う。余はああも立派に育てられたか・・・。聡明で鷹揚ゆえおおいに国の力となろう。」
李芳遠(太宗)は牢の中にいるキム・チグォンに言いました。
「お祝いします。玉璽を受け取られたそうで。王子を重大な任務に就けるおつもりですか。ムミョンを評価しつつも信用できず死ぬまで苦しまれるでしょう。王子に刃を向けられたあの日の悪夢にうなされ王座にいる限りお心は休まらぬでしょう。邸下の真意はいかに再び殿下を討とうとするでしょう。記憶してください殿下。私が消えてもマヌォル党の意思は消えません。」
キム・チグォンは言い返しました。
「志が消えるかどうかはそなたは知りようもない。じきに捕らえられるウンギとともにあの世へ旅立つのだから。」
李芳遠(太宗)は言いました。
「殿下!殿下ーーー!」
今度は牢の中にいるホ・ウンチャムが李芳遠を呼び止めました。
「殿下にまことに感謝いたします。死罪も当然のところを寛大なお心で流刑にとどめていただきありがとうございます。私は必ず戻り殿下に残りの人生を捧げます。私の命は既に殿下のものでございます。」
ホ・ウンチャムは李芳遠に取り入ろうとしました。
「心配要らぬ。もはやそなたが漢陽に戻ることはない。」
「殿下!殿下!どこにおりましても殿下を思っております。殿下!殿下ーーーーー!」

女性専用の牢。
「だれかおらぬか。兵判大監に会わせなさい!」
ユン氏は叫んでいました。
「もううるさーい。お義父様も牢なのにどうやって会うのですかぁ。」
嫁のカン氏はユン氏に言いました。兵士が表れピョンヤンまで歩けと役所の妓女か妓生にすると三人に言いました。カン氏夫人は両親が迎えに来ていると牢屋から出されました。
「逆徒の家と知らずに嫁になったら場合は離縁できるとあんたたちに教わった。ろくでなしの夫とは縁を切るわ。一緒に私が罰を受けるなんてごめんよ。遊びに行くことがあれば会いに行くかもね。」
カン氏夫人は両手をたたいて喜びました。

妓房。
イニョプはウンギに付き添い傷の手当をしていました。
「もう帰りなさい。もう十分だ。」
「傷口が広がっているわ。私じゃ無理。お金を積んで医院に・・・。」
「帰りなさい。」
「船に乗るのを見届けてから・・・。」
「私を哀れんでいるのか?」
「・・・・・・。」
「同情はいらない。この近くをムミョンがうろついてる。目障りだ。行きなさい。」
「これが最後だと、わかるから。生きていてももう会えないとわかるから。お兄様に、少しでもいいところを見せたかったの。下女になってからお兄様はいつも怒ってばかりで嫌な顔しか見せてくれなかった。それじゃあまりにも悲しいと思って。最後にお兄様にいい思い出を少しでも残したいから。」
「礼を言う。最後は、背を向けないでくれて・・・。」
「無事に、都城を出てね。どこにいても、元気でいて。」
イニョプは汚れた手ぬぐいをもって部屋を出ました。

「これ以上は危険だ。ここまでだ。」
妓房の廊下でムミョンはイニョプに言いました。

「大逆罪人キム・ウンギはここか?」
イニョプとムミョンが庭に出ると兵士たちが表れ妓房の中に入って行きました。
カヒアは裏口からウンギとハン氏を逃がしました。
「大丈夫です母上。行きましょう。」

「別れたほうがよさそうです。兵士は母と息子の二人組を捜しています。」
ウンギはハン氏に言いました。
「一人にはできません。ひどいけがをしてるんですよ・・・。」
「渡し場で会いましょう。私が走り出たら一目散で渡し場へ行ってください。」
「だめです。私一人ではいけません。」
「ずっと母上を苦しめてきました。危険な目に遭わせるわけにはいきません。」
「一人で生き延びたくはありません。あなたが、わが息子がいなければ・・・。」
「いう通りにしてください。渡し場で会いましょう。」
「息子や!息子や!」
キム・ウンギは走り出しました。
「いたぞ!追え!捕らえろ!」
松明を持った兵士たちはウンギを追いかけました。ウンギは傷む腹を抑えながら路地を歩いていると、ムミョンがウンギの腕を掴み引き寄せました。イニョプは再び小屋の中でウンギと再会しました。ウンギの傷は深く口から血を流していました。ウンギは懐から書簡を出してイニョプに渡しました。
「これは、何?」
「咸興で太上王(テサワン)殿下にいただいた。・・・父と私が殿下に赦免され君は復権できなかった。身分を回復できるよう太上王(テサワン)殿下に特別に頼んだ・・・。」
過去の咸興。
「府院君が謀反の罪を着せられ亡くなったことは殿下もご存知ではありませんか。」
「その苦労した娘も慰めてやろう。」
李芳遠はウンギに言いました。
「万一に備え殿下にキョウ示(キョウジ)を一部賜れないかと・・・。大事を成さんとする我々ですが、我々もいつ計画がどうなるかわかりません。無実の民が苦しまぬよう配慮いただきたいのです。」
ウンギはイ・ソンゲに頼んでいたのでした。
「つまり、我々が失敗してもイニョプを助けたいと?」
「お許しください。」
「アハハハハ。お前も純情でないとな。よし。いくらでも書いてやる。おーい。筆を持ってまいれ。」
イ・ソンゲは両手を叩いて純愛に喜びました。

「君の亡くなられたお父上が太上王(テサワン)殿下の密命を受けていることを証明している。この太上王(テサワン)のキョウ示なら王様もお認めになるはずだ。」
「お・・・お兄様・・・。」
イニョプはウンギの配慮に声を詰まらせました。
「頼みがある。」
ウンギはせき込みました。
「やっぱりこのままではだめよ。医員に診せなきゃ。」
ウンギはイニョプの手を取り言いました。
「約束してくれ・・・。生まれ変わったら、別れたりせずに・・・ずっと一緒にいると。平凡な家に生まれて、こんなふうに世の中に振り回されることなく・・・一生添い遂げよう・・・。」
ウンギは苦しそうにせき込みました。イニョプはウンギを抱きしめました。
「つらい思いをさせたな。」
「いいえ。いいえ・・・。」
「君には・・・愛情だけをあげたかった・・・・・・。すまない・・・・すまないイニョプ。」
「いいの・・・いいのよ・・・・・・。」
イニョプはウンギを抱きしめているとウンギの体から力が抜け落ちました。
「あ・・・おにい・・・お兄様・・・・。だめ・・・・・。」
イニョプはウンギを抱きしめて泣きじゃくりました。
ムミョンは小屋の壁を見つめていました。

王の部屋。
カヒアはイ・ソンゲに酌をしていました。
「そちが知らせてくれたのに見つかったのは奴の亡骸だけだと?」
「妓楼に来たときには深手を負っていました。」
「そなたはキム・チグォンに連れられ宮殿へ参った。奴を裏切ったのか?それともほかに目的があるのか・・・?」
「主上ではなくほかの殿方を選ぶおなごがいるでしょうか。」
「常により高みをよりよい座を求めているのか?」
「否定はしません。しかしこの地で殿下より高い場所にいる者がおりましょうか。これが、私の最後の選択です。」
「いかなる選択より忠実だ。では、今後は余のために生きるか?」
「喜んで。」

夜更けの都城の町。
カヒアは路地を歩ていました。そして毒薬の壺を取り出し栓を抜いて地面に捨てました。

義禁府(ウィグムブ)の牢。
「奥様は船に乗って逃げました。ですがご子息は船に乗れませんでした。」
イニョプはキム・チグォンに言いました。
「ならば投獄されたのか?いまだ逃げておるのか?」
キム・チグォンは尋ねました。
「ご子息は渡し場へ着く前に息絶えました。イニョプを連れて実家を出る時には致命傷を負っていました。」
ムミョンは答えました。
イニョプはキム・チグォンに血染めの息子の服を渡しました。
「満足ですか?大監の夢が、野心が、欲が、お兄様を死なせてしまいました。王子と知らずにムミョンは育ち私は父を亡くし、大監も多くを失ったはずです。いったい、多くを失って、大監は何を得たのでしょうか。」
イニョプはキム・チグォンに言いました。
「朝鮮の者にはわかるはずもない。」
「信義を貫いた大監はどうなろうと耐えられるでしょうがウンギ様や、私の人生はどうしたら取り戻せるのでしょうか。この無念は、どこへぶつければよいのでしょうか。」
ムミョンは静かに言いました。
「国を取り戻せれば何もかも解決したはずだ。」
「ウンギお兄様は最後にこう言いました。この次に、生まれるときは平凡な家に生まれたいと。お兄様の人柄をご存じですよね。誰よりもまっすぐで温かくて情の厚い人でした。親孝行で恋人には優しくていちずで、成均館では将来有望な人でした。大監はそんな尊い息子を亡くされたのです。なぜ平然としていられるのですか。?」
イニョプは涙ぐみながら言いました。
「行こう。既に重い罰を受けている。」
ムミョンはイニョプに言いました。
「あの世に逝ってもお兄様には近づかないでください。大監はお兄様のお傍に行く資格がありません。」
イニョプは毅然とキム・チグォンに言いました。
「ムミョン。党首として最後の頼みがある。死ぬ前に屋敷に戻りたいのだ。高麗王室への礼儀として処刑される前に最後の拝礼をしたい。殿下もお許しになるはずだ。」
キム・チグォンはムミョンに言いました。イニョプは一足先に牢を後にしました。キム・チグォンはムミョンの服を抱きしめました。
日中のキム家。
「むしろを敷け。」
青い服の官僚が庭で処刑の指示を出していました。
キム・チグォンは高麗王室の霊廟で先祖に拝礼し、箱の中から高麗聖源録という厚い本取り出し踏み台にしました。キム・チグォンは自ら首を吊りました。

義禁府(ウィグムブ)の庭。
「罪人ホ・ウンチャムの妻と娘、ピョンヤンの官婢に。プンイはチョン参議の奴婢に。ついてるな・・・この漢陽に残れるとは。ホ・ウンチャムの娘は都城に残れ。」
義禁府の都事はチョン参議に耳打ちされて言い直しました。
「だめです。お考え直しください。娘と離れるわけにはいきません。」
ハン氏は抗議しました。
「奥様(マーニ)。娘と離れたくないお気持ちはわかります。」
都事は優しく言いました。
「都事こそうちから受けた恩を考えるとこんな扱いはできぬはずです。恩を知ってこそ人なのです。」
ハン氏が言うと都事はハン氏の頬を叩きました。
「お前のような身の程知らずがよく言えたものだ!」
「ネイノン!大監(夫)が戻ってきたらただではおかぬ!」
「大監?チェジュに流刑になった者か?あの者がチェジュから戻ることは二度とない。運がよかったな。寛大な主人が母娘そろって面倒を見てくれるはずだ。タンジとその母とケットンはそのまま待っていろ。」
チョン参議に耳打ちされた都事は再び方針を変えました。

王の部屋。
「私は王室に入る気はありません。」
ムミョンは父王の前で正座して言いました。
「父上から玉璽を受け取れマヌォル党をせん滅できたのはお前の手柄というに何を考えておる。」
「王の息子といえども粗野な生き方をしてきました。王室に入って迷惑をかけるよりこれまで通り身を潜めて生きてまいります。」
「国はいまだ安定しておらぬ。父とともに国の基盤を築かぬか?」
「太上王(テサワン)殿下との仲をとりもつときにもお願いしたようにこの私が望むものは自由です。」

クク家。
イニョプは桃色の両班の美しい身なりをして汚い雑巾で縁台を拭いていました。
「一人なのか?なぜ掃除をしてる?」
ムミョンが庭に表れました。
「だって私の家だもの。」
「お嬢様に戻ったからもう家事はしないのかと。」
「何かしないと落ち着かないの。」
イニョプはムミョンに微笑みました。

イニョプとムミョンは縁台に座りました。イニョプは膝を抱えました。
「身分を回復して気分はどうだ?」
「実感がない。まだ下女でいる気分よ。」
「家事ばかりしてるから。」
「ありがとう。」
「礼なんて。」
「あなたがいたからこの日が来た。」
「俺がいなければ苦労せずに済んだかもしれない。」
「もう罪の意識は捨てて。」
「忘れないし君を悲しませたこと、どんなに苦しめたか思い出しながら、君を大切にする。そうだ。使用人はいらないと断ったとか。もらって当然なのに没収された財産も、以前持っていた物もすべて取り戻せるのに、イニョプは大きな屋敷にひとりで住むのか?」
扉が開きました。
「イニョプ。」
手を振るタンジとケットンとタンジの母とトクセが笑顔で庭に現れました。
「迷わなかった?」
イニョプは四人に言いました。
「このお屋敷有名なんだ。犬も牛でも知ってるよ。」
タンジは言いました。
「言葉に気をつけな。もうお嬢様なんだから。」
タンジの母は言いました。
「お嬢様だなんて。イニョプでいい。」
「それは無理です。俺たちは使用人ですから。」
トクセは言いました。
「やめて。よそで苦労しないようにお兄さんたちを呼んだの。こき使うためじゃない。」
「私がサウォルのかわりにおつきの下女になろうと思うの。」
タンジが言いました。
「あなたが?とんでもない。水に唾を吐いてお知りにつけた肉を出すんでしょ?」
「やだ。あれは憎たらしい主人だけよ。誰にでもやるわけじゃない。」

チョン参議(チャミ)の家。
「ふー。ぬううう!参判(チャンパン)?あいつらめ。ワシより上の地位になりおって!」
チョン参議は酒を飲み干すと酒が空になった壺を投げ割りました。
「あの、人事の異動のことでしょうか。すみません。出過ぎたことを。この時期に夫が礼曹に敏感になっていたのを思い出しまして。さあ。無能な者に限って昇進する。そういっては悔しがっていました。」
ハン氏は酌をしました。
「まったくだ。あのろくでなしが少し前から人事の者に取り入っていたというのになぜ気づかなかったのだ。」
「令監(よんがむ)様。これぞまさに絶好の機会ではありませんか。賄賂の受け渡しを明らかにすれば邪魔者を追い出せます。」
「ところで、仕事はどうだ?慣れたか?」
「ああ・・・才を生かせず残念でありません。」
「才能だと?」
「私は、大勢の使用人を取り仕切る名家の女主人でした。旦那様の所帯なら大いに繁栄させられるのに新入りと見くびられ雑用ばかりで・・・。」
「下女頭になるつもりか?」
「お任せいただければやれぬことはないかと。もう一杯どうですか?」
ユン氏はチョン参議に媚びました。

ホ・ユノクは薪割りをしながら泣いていました。
「過去はすべて捨て、生き残れ。残飯を食べおむつを洗ってでも生き残れ。そうすれば復讐できる。・・・・・・。違うか?」
プンイはおこげをユノクにあげるとかつてムミョンがイニョプに言った言葉を真顔で言いました。
「きゃぁああああ。あーーーーーーっ。」
ユノクは悲鳴を上げました。
「シーッシッシッシ。みんなが起きたら復讐も何もないぞ!下女がそんな大声出したら。」
「下女じゃないわ。」
「下女だろ!」
「私は両班なの!奴婢じゃないの!あ~っ。」
クク家の庭。
ムミョンは庭掃除をして輿を整えていました。
イニョプも家具を磨いていました。

クク家の厨房。
「女の私が告白したのに何の進展もないなんて。タンジを見て。ユンソ様に告白して子供まで・・・。次はあんあたからよ。進展させて。」
ケットンは肉を切っているトクセの頬にキスをしました。

ホ家の墓。
「お父様。私よ。お父様の娘、イニョプです。言わせてください。生きてここまで来ました。死なないであきらめないで、必死で耐えて。ここまで来たのに・・・。なのに、誰もそばにいません。お父様もいない。サウォルも。」
イニョプは父の墓に拝礼しました。
「誰もいないって俺は君のそばにいる。大監様。私はムミョンといいます。学も財産もありませんがイニョプへの変わらぬ想いはあふれるほどあります。この世に生き残ったイニョプを、私が守ります。」
ムミョンは言いました。
「勝手に決めて。私はまだ認めてない。」
ムミョンはイニョプに王の髷止めを渡そうとしました。
「殿下が母上に贈ったものだ。」
「大事なものでしょ。大切にして。」
「私の両親は愛を貫けなかった。でも俺たちは違う。俺の気持ちだ。もらってくれ。せかしたりしない。俺はいつまでも待つ。」
イニョプは金の髷止めを受け取りました。
「サウォルが言ってた。私には二つ人生がある。(両班の)お嬢様だったころはウンギおにい様を愛し、下女になってからは、あなたを愛した。」
「もう下女じゃない。キム・ウンギもこの世にいない。」
「あなたも二つの人生を。マヌォルとうの刺客として、奴婢として。私たち三つめの人生を迎えたのよ。」
「じゃあその選択を決める時だ。」
「・・・・・・。」
イニョプはうつむいて髷止めを見つめました。

夜の妓房。
「王子様が王室に入るのを拒んでいるのはご存知ですか?ご存知なかったようで・・・。」
カヒアはイニョプに言いました。
「言いたいことは何ですか?」
「殿下はそれをお嬢様のせいだと思っています。」
「だから再び私を脅そうと?」
「一度婚姻し身寄りがなくては嫁ぐのは難しいので、王命でよい新郎を探してくださると。さすれば王子様も変わられるとおっしゃっていました。」
「お気持ちはわかります。ですが決断は私がします。」
「あの方ははこの国の王子様です。過去はめぐまれていませんでしたがお嬢様の手の届くお相手ではありません。」

真夜中のクク家のイニョプの部屋。
イニョプはムミョンと自分の将来について悩んでいました。
「なぜ暗闇にいるんです?」
サウォルがイニョプに言うと、ろうそくに火をつけました。
「私が、去るべきよね。」
「お嬢様。私、お嬢様を助けられてどんなにうれしかったか。ウンギ様も同じだと思います。ムミョンお兄様も王子様になるよりお嬢様といるほうがうれしいはずです。みんな自分で望んで決めたんです。自分が幸せになる道を決めたんです。」
「・・・・・・。」

翌朝のクク家の厨房。
イニョプは料理を膳に盛り付けていました。
「あ~。またご自分で。そんなに働くのが好きなの?やらせて。友達でお遊んでいるわけにはいかないわ。」
タンジが厨房に入ってきました。
「終わった。ムミョンに食事を用意したくて。自分でやりたかったの。」
「式はいつ?」
「式なんて。」
イニョプは照れました。
「式を挙げないつもり?」
「もう・・・。」
「あ~?」

ムミョンの部屋。
イニョプはムミョンに膳を差し出しました。
「下女のころも食事を用意してくれたけど、今日は違うな。」
「今日は違う気持ちで用意したから。」
「一緒に食べよう。」
「いいえ。全部あなたのだから。食べて。」
「ありがとう。うまい。」
ムミョンは匙で食事を食べました。
イニョプはムミョンをいとおしそうに見つめました。

夜になり、イニョプは縁側から切なげに庭を見つめ涙ぐみました。

次の日・・・。
ムミョンは目を覚ましました。枕元に置手紙があることに気が付きました。

「ウンギお兄様にもらった愛。あなたにもらった人生。あまりにもありがたく尊い時間だった。だからこんなふうに去るしかない私をわかってほしい。あなたの気持ちは信じてる。あなたの望みもわかってる。でもこうして去ることもまた私の愛だとわかってほしい。イニョプ(仁葉)。」

「イニョプは?」
ムミョンはすぐに厨房に行きタンジに尋ねました。
「ゆうべ出かけましたけど。お寺に行くって。」
「私たちに留守番頼んでいったよ。」
タンジの母は言いました。

寺にはクク・ユとキム・ウンギとサウォルの位牌がありました。イニョプは仏前の位牌に向かって拝礼し微笑む父とサウォル、そして婚礼の日の幸せそうなウンギを思い出して涙ぐみました。
「イニョプ。」
イニョプが振り返るとウンギが微笑んでいました。
「おにいさま・・・。」
イニョプはウンギと手をつないで川を渡ったことを思い出しました。
「礼を言う。最後まで・・・背を向けないでくれて・・・。」
イニョプはウンギの深い愛を思い出しました。

ムミョンは寺に着きましたがイニョプはいませんでした。

一年後。

「これが噂の春画です。」
ホ・ユンソは露店で絵を売っていました。

賭博場。
ヨンチュンは質入れの仕事をしていました。
「お肌のつやがいいじゃない。儲かってるの?」
カン氏がかんざしを質に入れました。
「身を滅ぼしますよ?」
「全部賭けで買ったのよ。お金に換えに来たのよ?うん?」
カン氏はプロのばくち打ちになっていました。

民家。
タンジは男の子の赤ん坊をあやしていました。
「アイゴ~チャムや。全部こぼしちゃって。」
「タンジや。旦那様がかえって来たぞ。」
ユンソがタンジの前に現れました。
「旦那様!」
タンジはホ・ユンソに抱き着きました。
「アイゴ~。俺の子か?名前は?」
「チャムです。」
「チェンがよかったのに。」

タンジはホ・ユンソを部屋に案内しました。タンジはイニョプがいなくなってムミョンがずっと捜してると言いました。
「タンジや。もう心配いらないからな。ちょっと待て。驚くのはまだ早い。さあこれもだ。あ、これもだ。お前にやる。」
ユンソは稼ぎをすべてタンジに差し出しました。
「これは何ですか?いくら流刑地で何を覚えたんですか。元両班だったお方が泥棒はいけません」
「全部俺の才能だ。絵を描いている。」
「旦那様が稼いだんですか?どんな絵をこれ(筆)で?」

葉も枯れ落ちた山奥。
イニョプはサウォルの幻影と一緒にネコヤナギの枝を積んで歩いていました。イニョプはサウォルの墓前に酒と食事とネコヤナギを供えました。
「ネコヤナギがたくさん咲いたな。もう四年か・・・。」
ムミョンは酒をサウォルに汲んでやりました。
「・・・・・・。」

最終回の感想

「イニョプの道」最終回が終わってしまいました!結論は「各々が幸せになる決断をしている」のでイニョプも決めて。ということになり、イニョプはムミョンに王室に入ってもらうためにムミョンのもとを去ることを決めました。それがムミョンの幸せになると思って。でもムミョンは(おそらく)王室に入らずにイニョプを捜し続けました。その間イニョプは一体何をどうやって暮らしていたのでしょうか?イニョプはそんなにみすぼらしい服も来ていなかったので、不労所得なのか、服が汚れないお仕事をしていたのでしょうね???当時のリアルではとても両班のお嬢様がひとりで暮らすなんて不可能だったはずですが。奴婢の身分でも家族となり幸せなタンジとホ・ユンソは貧しくても愛があれば幸せと言いたげです。カヒアはイ・バンウォンの女となることを選び断罪されずに生き延びました。そして「イニョプの道」最終回で韓国人(朝鮮人)が肯定していることは「復讐のためならどんなことをやっても仕方がない」という見解は、やはり残念に思いました。朝鮮の人は復讐が大好きで大義のひとつなのだろうか?と・・・。復讐のテーマは価値観が日本と180度違うので違和感が。日本は歴史で支配者が権力が覆らぬように復讐は禁止してるんですよね、ずっと昔から今の法律でも。だけど人の道にもとる悪いやつをコテンパンにやっつけたい気持は全世界共通していますね。どこの国にもキム家やホ家みたいな悪いやつがいっぱいいますから!!!イニョプはムミョンと結ばれるだろうという想像に導くハッピーエンドでスッキリしたね。西洋の文化・価値観なら主人公がウンギからムミョンに傾くことは滅多にないだろうけど。私としては侍みたいなムミョンに乗り換えるだけの納得できるだけのシーンが欲しかったですね(笑)どう見てもウンギ坊ちゃま君のほうが一途でかわいいです。さて、「イニョプの道」の次のドラマは何なのでしょうね?あまりねつ造してないドラマがいいな!「華政ファジョン」みたいにその時代にいないはずの登場人物が何人も出てるドラマはドン引きかな~。ファジョンでも本来のチョンミョン公主は光海君(クァンへグン)を慕う側にはなり得ないのに慕ってますからむちゃくちゃなんですよ。2016年9月17日から新しく「クイーン・メアリー」という海外ドラマがNHKで始まるようですよ!

関連コンテンツ

このブログの人気の投稿

薯童謠(ソドンヨ)(全66話)1話~最終回あらすじとネタバレ感想まとめ

薯童謠(ソドンヨ)1話~最終回あらすじとネタバレ感想まとめ ソドンヨ 1話~66話 あらすじと感想 長文注意。薯童謠はよかったので感想もあらすじもしっかり書いてます!薯童謠とは新羅に伝わる童謡で物語がすすむにつれて意味がわかってきます。百済は三韓のうちのひとつを引き継ぎ前の国の王を倒す際にとある約束をしました。百済の技術師モンナス博士は仲間を連れて新羅に亡命します。そして新羅でしばらく過ごした後に・・・詳しくはソドンヨ各話あらすじをご覧ください。 薯童謠(ソドンヨ) 1話 薯童謠(ソドンヨ) 2話 薯童謠(ソドンヨ) 3話 薯童謠(ソドンヨ) 4話と5話  新羅へ亡命 薯童謠(ソドンヨ) 6話 薯童謠(ソドンヨ) 7話 薯童謠(ソドンヨ) 8話 薯童謠(ソドンヨ) 9話 薯童謠(ソドンヨ) 10話 11話 薯童謠(ソドンヨ) 12話 薯童謠(ソドンヨ) 13話 薯童謠(ソドンヨ) 14話 薯童謠(ソドンヨ) 15話 薯童謠(ソドンヨ) 16話 薯童謠(ソドンヨ) 17話 薯童謠(ソドンヨ) 18話 薯童謠(ソドンヨ) 19話 薯童謠(ソドンヨ) 20話 薯童謠(ソドンヨ) 21話  木羅須百済に帰国 薯童謠(ソドンヨ) 22話 薯童謠(ソドンヨ) 23話 薯童謠(ソドンヨ) 24話 薯童謠(ソドンヨ) 25話 薯童謠(ソドンヨ) 26話 薯童謠(ソドンヨ) 27話 薯童謠(ソドンヨ) 28話 薯童謠(ソドンヨ) 29話 薯童謠(ソドンヨ) 30話 薯童謠(ソドンヨ) 31話 薯童謠(ソドンヨ) 32話 薯童謠(ソドンヨ) 33話 薯童謠(ソドンヨ) 34話 薯童謠(ソドンヨ) 35話 薯童謠(ソドンヨ) 36話 薯童謠(ソドンヨ) 37話 薯童謠(ソドンヨ) 38話 薯童謠(ソドンヨ) 39話 薯童謠(ソドンヨ) 40話  武康太子の誕生 薯童謠(ソドンヨ) 41話 薯童謠(ソドンヨ) 42話 薯童謠(ソドンヨ) 43話  威徳王逝去 薯童謠(ソドンヨ) 44話  惠王即位 薯童謠(ソドンヨ) 45話 薯童謠(ソドンヨ) 46話 薯童謠(ソドンヨ) 47話 薯童謠(ソドンヨ) 48話  法王即位 薯童謠(ソドンヨ) 49話 薯童謠(ソドンヨ) 50話

薯童謠(ソドンヨ)最終回第66話恋の成就のあらすじとネタバレ感想

薯童謠(ソドンヨ)最終回 あらすじ 夜の百済王宮。 女性たちが華やかに舞い、貴族の男とメクトスたちは庭で酒と食事を楽しんでいました。 「こんなに楽しい日は生まれて初めてだ。ははは。」 メクトスは有頂天でした。 「親父、俺も結婚したいよ。」 ポムノはメクトスに言いました。 「何だと。」 「チョギとだよ。陛下がうらやましいよ。」 「父親を片付けてから結婚しろ。」 「あー!ちくしょう。」 「ところで陛下は男女の営みをご存知だろうか。事前に教育するのを忘れてたよ。」 メクトスは卑猥な想像をしていました。 「そんなの心配いりませんよ。(未経験の)俺でも知っています。」 トゥイルはメクトスに言いました。 「そうか?」 「今頃うまくやってますよ。」 「はっはっはっはっはっは。」 男たちは笑いました。 「紙に穴をあけてのぞきたいところだけど、陛下にそれはできないな。」 メクトスは笑いました。 寝所の控室。 「結髪(キョルバル)の用意はできた?」 モジンはウンジンとウスに言いました。三人は桃色に白地の縁取りの刺繍の絹を着て初夜の営みの準備をしていました。 「はい。」 「香油は?」 「用意しました。」 ウンジンはモジンに言いました。 「櫛は?」 「置きました。」 ウスが答えました。 「浄化水は?」 「用意しましたー。」 チョギは明るく言いました。 「分かったわ。」 三人は王の寝所を出ました。 「準備が整いました。」 寝所の前で控えていたボミョンが外に出てきたモジンに言いました。 「はい。では五歩下がるように。」 モジンは侍従と侍女たちに命じました。 ウンジンとチョギとウスは口に手を当てて照れ笑いして顔を見合わせました。 「陛下。初夜の儀式を始める時間です。今から申し上げる順序でなさいませ。」 モジンは寝所の中に向かって話しかけました。 「まず、生涯を共にすると誓う意味の結髪をしてください。」 ベッドの上には白地の縁に金の刺繍が施された衣に着替えたチャンと白い絹に薄桃色の縁取りの絹を着たソンファ公主が腰かけていました。二人の髪が少し切られて絹の敷物の上に赤い紐で結ばれ置かれていました。 チャンは置

朱蒙(チュモン)全話1から最終回81話までのあらすじと感想

朱蒙(チュモン)のあらすじ一覧 朱蒙(チュモン)の1話から最終回81話までのあらすじを解説し感想も述べています。途中でちょっと面倒になったこともありましたが、何とか最後まで視聴することができました。朱蒙(チュモン)は感情移入するようなドラマではないと侮っていたのですが、最後らへんになると思わず登場人物の結末に涙してしまいました。 チュモンの全話あらすじ詳細とネタバレ感想 チュモン 1話 あらすじネタバレ感想 チュモン 2話 あらすじネタバレ感想 チュモン 3話 あらすじネタバレ感想 チュモン 4話 チュモン 5話 あらすじネタバレ感想 チュモン 6話 チュモン 7話 あらすじネタバレ感想 チュモン 8話 チュモン 9話 あらすじネタバレ感想 チュモン 10話 あらすじネタバレ感想 チュモン 11話 あらすじネタバレ感想 チュモン 12話 あらすじネタバレ感想 チュモン 13話 あらすじネタバレ感想 チュモン 14話 あらすじネタバレ感想 チュモン 15話 あらすじネタバレ感想 チュモン 16話 あらすじネタバレ感想 チュモン 17話 あらすじネタバレ感想 チュモン 18話 あらすじネタバレ感想 チュモン 19話 あらすじネタバレ感想 チュモン 20話 あらすじネタバレ感想 チュモン 21話 あらすじネタバレ感想 チュモン 22話 あらすじネタバレ感想 チュモン 23話 あらすじネタバレ感想 チュモン 24話 あらすじネタバレ感想 チュモン 25話 あらすじネタバレ感想 チュモン 26話 あらすじネタバレ感想 チュモン 27話 あらすじネタバレ感想 チュモン 28話 あらすじネタバレ感想 チュモン 29話 あらすじネタバレ感想 チュモン 30話 あらすじネタバレ感想 チュモン 31話 あらすじネタバレ感想 チュモン 32話 あらすじネタバレ感想 チュモン 33話 チュモン 34話 あらすじネタバレ感想 チュモン 35話 チュモン 36話 チュモン 37話 あらすじネタバレ感想 チュモン 38話 あらすじネタバレ感想 チュモン 39話 あらすじネタバレ感想 チュモン 40話 あらすじネタバレ感想 チュモン 41話 あらすじネタバレ感想 チュモン 42話 あらすじネタバレ感想 チュモ