朱蒙(チュモン)80話あらすじ
あらすじ
夜、朱蒙(チュモン)は扶余の国境付近の陽村に来ているクムワ先王に会い大きくなったユリ(瑠璃)王子を紹介しました。
「ユリか。お前がほんとうにあのユリなのか。」
クムワ先王はユリの手を取りました。
「私はお前とイエソヤに酷いことをしてしまった。すまなかった。どうか許してほしい。」
ユリ王子はまっすぐクムワ先王を見つめました。
チュモン大王とクムワ先王は宿屋で話し合いました。チュモンはテソ王子に心を開いて同士になることまでは期待していないが正しい判断をしてもらえるように力を貸してほしとクムワ先王に頼みました。クムワ先王はやれるところまでやってみるとチュモンに約束しました。
チュモンはヨン・チェリョン(と吹き替えでは言ってました)とヤンタクの兵士に狙われていました。ヤンタクがチュモン一行を襲おうとしたらソソノとサヨン率いる兵が弓矢を放ち戦いました。ソソノはヨン・チェリョンとヤンタクらを捕まえました。
「私にはおばさまというお方がわかりません。」
ソソノがヨン・チェリョン言うとヨンタバルはこの手で始末するといいました。
サヨンは沸流(ピリュ)王子を捕まえて連れてきました。
ソソノは幕舎に縛られたヨン・チェリヨンとヤンタクに事情を尋ねました。ヨン・チェリョンは沸流(ピリュ)王子を王にするためだと言うとヨンタバルはどうせ沸流(ピリュ)王子も殺す気だったのだろうと妹を許しませんでした。
ソソノはヨン・チェリョンとヤンタクを高句麗から追放するようサヨンに命じました。ソソノは沸流(ピリュ)王子を幕舎に呼びました。沸流(ピリュ)王子はチュモンを殺すことが母上と私たちが助かる道だったと言いました。
「大王様への信頼はその程度だったのですか!」
「私は怖かったのです。父上がユリを見るまなざしを見て母上と私が捨てられるのではないかと。私が高句麗の大王になるためにどれほどの努力を重ねてきたか母上もよくご存じでしょう。教えてください。私のこれまでの努力はすべて無駄だったのですか。母上が心底私のことを思ってくださっていたなら絶対に王位を譲るなどというはずがありません。母上は満足かもしれませんが私は違います。なぜご自分の気持ちだけですべて決めてしまうのですか!どうして温祚と私の将来を奪うのですか!」
ピリュ王子は涙を流しました。ソソノも泣きました。
高句麗の宮殿。
イエソヤはユリにどうしているか尋ねました。ユリは古書を読んで父がどれほどの苦労を重ねてきたかわかったと言い誤解が解けそうだと言いました。イエソヤはユリに自分たち母子がいることで混乱がおきかねないので身を慎みチュモンに迷惑をかけないように言いました。ソソノは彼らの様子を隠れて見てピリュの言葉を思い出していました。ヨンタバルは娘の苦悩を察しました。ソソノは涙を流しました。
「まさかあの沸流(ピリュ)が。あんなにも深く思い詰めていたなんて。情けない母です。沸流(ピリュ)と温祚の気持ちを察してやれませんでした。ユリ王子が現れてあの子たちがどれほど大きな不安に苛まれたかわかってやれませんでした。何も気づかないまますべてを捨てろと無理強いしていたのです。」
「いつか王子様にも王妃様のお気持ちがわかるときが来るでしょう。」
ヨンタバルは言いました。
「わたくしは一体何をしていたのでしょうか。ピリュに大きな心の傷を負わせてまで一体何を成し遂げようとしていたのでしょうか。どうすればよいですか。どうすれば大王様にお仕えしながら子供たちを守ってやれるでしょう。いったいどうすれば怒りと絶望に苛まれたピリュを救ってやれるでしょう。」
ソソノは苦悩しました。
「私には王妃様の苦しみはとうてい理解できません。でもこの年よりには何かしら天に思うところあっての運命だと信じたいです。」
ヨンタバルは娘を慰めました。
遼東。
ファン・ジャギョン太守は高句麗が武器を順調に製造して扶余が太守を裏切ったと報告しました。
「よくもだましたなー。テソめがー。」
高句麗。
ユリ王子は烏伊(オイ)相手に剣の稽古をしていました。烏伊(オイ)はユリの剣を弾き飛ばして勝ちました。オイは武術大会のときよりずいぶん上達したとユリ王子に言いました。そこに沸流(ピリュ)王子が現れました。オイはピリュ王子にユリ王子と手合わせしてみてはどうかと言いました。ピリュ王子はユリ王子には手合わせをするまでもなくとうてい叶わないと言いました。
「私はもう武芸に興味はなくなった。お前は精進を重ね漢との戦で大手柄を立てろ。」
ピリュは去りました。
「ご機嫌斜めなのは何かあったのですか?」
ムゴルはオイに尋ねましたがオイも理由は知りませんでした。
サヨンはソソノの部屋にピリュ王子とオンジョ王子を連れてきました。
「お前たち二人に役目を与えます。兵糧確保の商団がまもなく出発して船で南方に向かいます。二人で力を合わせて商団を引率しなさい。ピリュ。厳しい旅になると思いますがこれまで自分のことより高句麗第一に努力していたあなたなら十分役目を果たせます。オンジョ。つらい旅ですよ。お前にできますか?では行きなさい。」
ソソノは二人に言いました。
「王妃様。私にはお考えがわかりません。いったいどんな理由でお二人をこんな危険な目に合わせるのですか?」
「テサイン。私はあの二人に外の広い世界を見せてやりたいのです。」
ソソノはサヨンに言いました。
遼東。
ヤンジョンはクムワ先王が国境付近を見て回っていると報告を受けました。
扶余の遼東との国境。
クムワ先王はここでは作れる作物が何もないと民たちに言いました。民は穀物が横流しされて貰えないので冬を越すのがたいへんだと言いました。そこにヨンポ王子が現れました。
夜になりクムワ先王は宿屋にヨンポ王子を招いて酒と粗末な食事を供しました。
「なぜわざわざこんなご苦労を?どうか宮殿におかえりください父上。」
「これほど心やすらかな毎日は初めてだ。執着する心を捨てたら世の中がよく見えるようになった。ヨンポもすべてを捨てて楽になってはどうか。」
「私は兄上が恨めしくてたまりません。兄上は役目さえ与えてくれないんですよ。」
「私と一緒に国中を見て回ってはどうか。おのずと進むべき道も見えよう。」
夜が更けると遼東軍が宿屋を襲撃しました。
クムワ先王とヨンポ王子は囲まれました。ヨンポ王子と護衛のソンジュは必至で戦いました。クムワ先王は刺客の剣を受け止めましたが短刀で腹を刺されました。
「王様!」
ソンジュは叫びました。
「父上!父上!」
ヨンポ王子はクムワ先王に駆け寄りました。
「ヨンポ・・・。」
「父上・・・。」
扶余。
皇太后は重症のクムワ先王が宮殿に戻ってきたと報告を受けました。テソ王とヨンポ王子はクムワ先王に付き添っていました。クムワ先王は苦しんでいました。皇太后は「目を開けてくださいまし、私はまだまだ恨み言が言い足りませぬ」と言い涙を流すとクムワ先王が目を覚ましました。
「王様。」
クムワ先王はテソ王に言いました。
「はい父上。」
「私は・・・若かりし日に・・・抱いた・・・夢を・・・ついに成し遂げることができなかった。この扶余を強い力を持つ大国に育て上げ漢の勢力を撃退するという私の夢を叶えることができるのは王様しかいない。王様・・・高句麗と力を合わせねばなりません。そうすればきっと・・・きっと漢を打ち破ることができるでしょう。」
クムワ先王は亡くなりました。
「父上ー父上ー。」
「先王様・・・。」
高句麗。
クムワ王の逝去はチュモンも知るところとなりました。チュモンは弔問の使節を扶余に送るよう陝父(ヒョッポ)に指示しました。
扶余。
テソ王はプドゥクプルを呼び高句麗に行くので供するように命じました。
高句麗。
ピリュ王子とオンジョ王子は南から戻ってきました。ソソノは二人を褒め南方はどうだと尋ねました。ピリュ王子は広くて肥沃で驚いたと南朝鮮について言いました。オンジョ王子も暖かかったと言いました。
「いつかお前たち二人が暮らす土地ですよ。いつかその時が来たらお前たちにもわかるわ。」
夜。テソ王はお忍びでチュモンを訪ねてきました。
チュモンは「先の王のご逝去、お悔やみ申し上げます」というと、テソ王も感謝を述べました。
「私はチュモン王と手を組み漢を成敗したい。そう考えています。本心からの提案です。この気持ちに偽りはありません。何としても漢を倒し先王の恨みを晴らしたい。」
「実に賢明なご判断です。高句麗と扶余が力を合わせれば、必ずや漢を打倒できるでしょう。」
チュモンは陝父(ヒョッポ)にすぐ地図を持ってくるよう命じテソ王とプドゥクプルとナロと一緒に遼東征伐の会議を開きました。
「大将軍。これより先制攻撃を行う。出陣の準備を。」
感想
とうとうクムワ王が亡くなりテソ王子がチュモンと同盟を結びました。テソやプドゥクプル、ナロのあの恨み用ではとうていチュモンを受け入れられないと思うのですが、殺意を抱く相手と手を組むという男心はわかりませんね。ソソノはこれから息子と一緒に南へ行くことになるのかな?最終回は行くぞーおーっ!というところで終わりそうな気がします。ドラマでは気軽に南へゴーっと言ってましたが、まるでそこが空き地みたいな言い方でしたねw