王と妃 第149話 親蚕礼(チンジャムネ)の波紋
あらすじ
親蚕礼(チンジャムネ)が始まりました。
王妃は黄色い衣に着替えて輦(輿)に乗ると王妃の輦の足元に鎌と箱がおかれました。
「輦(チン、日本語でレン)をお出しせよ~。」
内官が掛け声を出しました。鳴り物で囃子が立てられ王妃と側室を輿に乗せた行列が行進しました。
成宗8年春たけなわの陰暦3月14日に宮殿で親蚕礼(チンジャムネ)が行われました。朝鮮王朝では開国以来親蚕礼(チンジャムネ)が行われてきましたがこの時の儀式は本格的で盛大でした。王子を産み血気盛んだった王妃が飛ぶ鳥落とす勢いになった瞬間でした。
仁粋大妃は部屋にこもっていました。月山大君夫人は楽しそうだといいましたが仁粋大妃は厳しい顔をして本を読んでいました。
「まだ子供はできないの?主上はすでに二人も子供をもうけたのに兄には息子ができないとは。夫婦の営みはあるの?まだ子供がいないなんて。不幸だこと。私も孫ができたから静かに裏にひいて余生を送ろうと思ったのに。」
重臣たちの夫人が王妃に侍りました。
「中殿媽媽は輦から降りて殿にお入りくださいー。」
尚宮が号令をかけると輦は地面に下されました。王妃は赤い敷物の上を歩いて寝殿にいったん上がりました。チョン貴人は出産したばかりで姿を見せませんでした。
チョン貴人は赤子をあやしていました。
「何があろうと長男より長生きするのよ。」
「礼ー。」
尚宮が号令すると囃子が鳴り下の者たちは王妃に頭を下げました。尚宮は庭に用意された台の上の鎌を王妃に渡しました。王妃は桑の葉を一枚刈り取り絹が敷かれた箱の中に入れました。王大妃は華やかな儀式を楽しそうに見ていました。大王大妃も部屋の中で側近のキム・スオンから様子を聞いて喜びました。
「権力とは不思議なものです。摂政のときはあれこれ命令を出して面倒に思いました。ですが今は寂しくてなりません。」
王妃をはじめ、側室や重臣の夫人たちも桑の葉をほほえみ雑談しながら刈り取りました。
仁粋大妃は部屋に閉じこもり王妃に対する憎しみを募らせていました。
「うっ・・・うっ・・・うっ・・・うっ・・・。」
仁粋大妃は吐き気をもよおしました。
桑の葉の狩り取りが終わると成宗は王妃を迎え、一緒に席に着きました。
「かつてはまず王様が農作業を行うよう民を奨励なさいました。そして王妃様がこれに続き養蚕と機織りを勧めて盛大な儀式が執り行われました。つまりこの儀式が行われるということはこの国の文明が進み養蚕文化があることを示しておりますー。」
「かつてはまず王様が農作業を行うよう民を奨励なさいました。そして王妃様がこれに続き養蚕と機織りを勧めて盛大な儀式が執り行われました。つまりこの儀式が行われるということはこの国の文明が進み養蚕文化があることを示しておりますー。」
チョン・チャンソンは孝寧大君と並び祝詞を述べました。
「余が文献を調べたところでは王が自ら田畑を耕し民に農業を勧めた後、王妃が桑の葉を摘み蚕業を奨励した。民にとって最も大事なのは衣食である。衣食の根本は農業と蚕業にある。寒いときに耕し暑いときに草を刈るのは大層つらいことである。棘をよけて桑の葉を摘み蚕を飼うのはなおたいへんである。今日王妃は内外の命婦を率いて親蚕礼(チンジャムネ)を執り行った。」
成宗は庭に侍る官僚たちに言いました。
仁粋大妃は悔しそうにわんわんと泣きました。
王妃は根外命婦(ウェミョンブ)と会食の宴を開きました。韓明澮夫人が皆に王妃の徳をたたえました。踊り子が優雅に舞い夫人たちはこれを鑑賞しました。
夜になり親蚕礼(チンジャムネ)は終わりました。
王妃の母は孝寧大君まで敬意を表していたわと感激して泣きました。
韓明澮の妻は王妃はただならぬお方だと評価しました。
「大監。やはり宮殿の女主人は中殿媽媽です。大王大妃と王大妃も満足そうなお顔でした。」
「そうか。」
成宗は王妃の赤ん坊をあやしていました。王妃はイム尚宮に大妃のどこが悪いのか尋ねました。尚宮は朝食べたものがもたれたのだといいました。王妃は仁粋大妃の見舞いに行くよう成宗に促しました。
王妃はチョン貴人の乳母からチョン貴人の息子が王妃の息子より長生きするよう言ったという話は本当か尋ねました。
成宗が母を見舞いに行くと仁粋大妃は寝込んでいました。仁粋大妃は親蚕礼(チンジャムネ)の邪魔をしないよう黙っていたのだと涙を流しました。
「主上。私はいつ死んでも悔いはありません。長生きするほど恥になります。」
仁粋大妃は成宗の心を揺さぶりました。
王妃は自分を呪っているチョン貴人を処刑したいと側近の女官に言いました。
「大妃は私の勢力が妬ましくて食もたれと仮病を使ったのよ。」
「媽媽。チョン貴人に席藁待罪をお命じください。歩けるのに親蚕礼(チンジャムネ)に出なかったのは礼儀に反します。」
女官は妙案を吹き込みました。
「誰かいるか。ホン内官と監察尚宮(カムチャルサングン)を呼びなさい。今に見ていなさい。」
成宗は「母上の病が治るまでここにいます」と大妃のそばから動きませんでした。仁粋大妃は成宗の孝行ぶりに涙を流しました。
「母上よりお美しい女性はおりません。お許しください。母上をなおざりにしました。私は思いやりがなく自分勝手でした。」
仁粋大妃は成宗からこの言葉を引き出せて満足しました。
「無念です。私がなんの罪を犯したというのですか。」
チョン貴人は衣をはぎ取られ筵の上に座らされましたが席藁待罪をせずに王妃に逆らいました。
大王大妃と仁粋大妃と成宗はこのことを知りました。
「王妃は主上をねたんでいるのよ!」
仁粋大妃は怒りました。
「余が文献を調べたところでは王が自ら田畑を耕し民に農業を勧めた後、王妃が桑の葉を摘み蚕業を奨励した。民にとって最も大事なのは衣食である。衣食の根本は農業と蚕業にある。寒いときに耕し暑いときに草を刈るのは大層つらいことである。棘をよけて桑の葉を摘み蚕を飼うのはなおたいへんである。今日王妃は内外の命婦を率いて親蚕礼(チンジャムネ)を執り行った。」
成宗は庭に侍る官僚たちに言いました。
仁粋大妃は悔しそうにわんわんと泣きました。
王妃は根外命婦(ウェミョンブ)と会食の宴を開きました。韓明澮夫人が皆に王妃の徳をたたえました。踊り子が優雅に舞い夫人たちはこれを鑑賞しました。
夜になり親蚕礼(チンジャムネ)は終わりました。
王妃の母は孝寧大君まで敬意を表していたわと感激して泣きました。
韓明澮の妻は王妃はただならぬお方だと評価しました。
「大監。やはり宮殿の女主人は中殿媽媽です。大王大妃と王大妃も満足そうなお顔でした。」
「そうか。」
成宗は王妃の赤ん坊をあやしていました。王妃はイム尚宮に大妃のどこが悪いのか尋ねました。尚宮は朝食べたものがもたれたのだといいました。王妃は仁粋大妃の見舞いに行くよう成宗に促しました。
王妃はチョン貴人の乳母からチョン貴人の息子が王妃の息子より長生きするよう言ったという話は本当か尋ねました。
成宗が母を見舞いに行くと仁粋大妃は寝込んでいました。仁粋大妃は親蚕礼(チンジャムネ)の邪魔をしないよう黙っていたのだと涙を流しました。
「主上。私はいつ死んでも悔いはありません。長生きするほど恥になります。」
仁粋大妃は成宗の心を揺さぶりました。
王妃は自分を呪っているチョン貴人を処刑したいと側近の女官に言いました。
「大妃は私の勢力が妬ましくて食もたれと仮病を使ったのよ。」
「媽媽。チョン貴人に席藁待罪をお命じください。歩けるのに親蚕礼(チンジャムネ)に出なかったのは礼儀に反します。」
女官は妙案を吹き込みました。
「誰かいるか。ホン内官と監察尚宮(カムチャルサングン)を呼びなさい。今に見ていなさい。」
成宗は「母上の病が治るまでここにいます」と大妃のそばから動きませんでした。仁粋大妃は成宗の孝行ぶりに涙を流しました。
「母上よりお美しい女性はおりません。お許しください。母上をなおざりにしました。私は思いやりがなく自分勝手でした。」
仁粋大妃は成宗からこの言葉を引き出せて満足しました。
「無念です。私がなんの罪を犯したというのですか。」
チョン貴人は衣をはぎ取られ筵の上に座らされましたが席藁待罪をせずに王妃に逆らいました。
大王大妃と仁粋大妃と成宗はこのことを知りました。
「王妃は主上をねたんでいるのよ!」
仁粋大妃は怒りました。
感想
もう笑うしかありませんね。息子の王位がかかっているので王妃は手加減しません。チョン貴人は我慢しきれずにキレてしまいましたから墓穴を掘ってしまいました。なんともこんなことが実際にあったそうですから妻がたくさんいるとたいへんですね。そして親蚕礼(チンジャムネ)とうい儀式ですが、日本の皇后陛下の儀式と同じですね!なぜ朝鮮と同じ儀式を日本の陛下がやっているのか!?真相が気になります。