屋根部屋のプリンス最終回20話
最終回あらすじ 真実!三百年を超えた愛
李氏朝鮮。
世子は鶏小屋に戻りました。民たちは怪訝そうに世子を見ました。すぐに捕盗庁の兵士が来て世子を追いかけました。世子はチサンと合流して逃げました。チサンはお気に入りのサンダルを落としてしまい惜しい気持になりました。チサンは口から赤い汁を流して倒れていました。世子はチサンの心配をしましたがチサンはケチャップを口につけて死んだふりをしていました。
一足早く戻ったウ翊賛(イクチャン)とマンボは町民の服に着替えビールを飲みながら屋台で食事をしていました。世子はビールを飲もうとしましたがビールはもうありませんでした。包みのケチャップでしのいでいたのでひもじかったとチサンは鶏肉をほおばりました。どうやって食事を頼んだのだと世子は尋ねるとウ・ヨンスルはガムを女将にひとつあげると即オーケーだといいました。
ムチャン君、テムの前世は世子を始末したはずが戻ってきたという報告を受けてしくじった刺客を殺し次こそは世子を殺すと決めました。
宮殿に戻った世子はマンボたちを呼び、ソウルでの数か月がこちらの世界では一晩であったことを知りました。
「冗談きついなー。パク・ハさんと屋根部屋のことをはっきり覚えているのに夢だなんて。」
マンボは言いました。
「それはありえないっしょ。」
チサンは言いました。
「夢なら・・・やべーな。」
ウ・ヨンスルは言いました。
「またまた。冗談きつい。やばい。」
世子は三人の言葉遣いを指摘しました。
「申訳ありませぬ。」
「朝鮮には朝鮮の言葉を使え。」
「申訳ありません世子様。」
世子は嬪宮の父と母を捕ら尋問しましたが何も知らないようでした。嬪宮の母はプヨンは疫病にかかって覆面になったのだと言いました。世子は嬪宮の事件の真相を探りはじめました。
嬪宮殺害前。
プヨンは宮中でいとおしそうに世子の後ろ姿を見つめていました。プヨンがつまづくとおしろいをこぼしてしまいました。
「動くでない。これは・・・プヨンではないか。」
「とんだご無礼を。」
「動くなというに。」
世子はプヨンに手を差し伸べました。
「立つがよい。またも転んだのか。」
「恐れ入ります世子様。」
「手にあるものは何だ。白い粉を見るにおしろい粉か。」
「さようでございます。嬪宮様にわが兄がお贈りした品物です。」
プヨンはおしろいを嬪宮に届けおしろいに触れようとすると「むやみに触るでない」とプヨンを叱りました。プヨンは嬪宮に世子様の手ぬぐいを作ったというと「帰れと言ったであろう」と激昂しました。プヨンは父に「おしろい箱と書状」を嬪宮に渡してきたと報告しました。その場にはムチャン君という世子の腹違いの兄が同席していました。
プヨンはおしろい箱からかぐわしい香りがしなかったことを怪しみ父の書状を読みました。
「嬪宮様。いよいよ決行の日です。父がここに書くことを胸に刻み事を仕損じることのなきように」
プヨンは慌てて家を出ました。ムチャン君がプヨンの部屋に行くと書状が落ちていました。ムチャン君はプヨンを捕らえ殺してもよいと部下に命じました。
夜になりました。
世子と嬪宮は膳を囲んでいました。
「世子様。手ぬぐいをこしらえました。」
嬪宮は赤いボタンの手ぬぐいを世子に渡しました。
「おお。やはり美しい。」
世子が手ぬぐいに見入っていると嬪宮はおしろい箱の中の粉を干し柿に振りました。世子は干し柿に手を伸ばそうとしたらプヨンが謁見を望みました。プヨンは世子の干し柿を見つめました。
「かような夜更けにどうした。」
「世子様。急ぎ申し上げたく夜道を駆けてまりいました。」
「プヨン。作法がなっておらぬ。下がるのだ。」
嬪宮はプヨンに言いました。
世子はプヨンを許すとプヨンはなぞかけが解けたといいました。
「では答えを聞くとしよう。」
「プヨンです。」
「でたらめを言うなら家に帰りなさい。」
嬪宮はプヨンを追い払おうとしました。
「なぜ芙蓉なのだ。」
「芙蓉は蓮の花を指す言葉でございます。」
「いかにも。蓮の花はみなプヨンという。」
「生けるものは死せば土の中に埋められます。しかしプヨンは泥に埋められて死してこそ花を咲かせることができます。死しても生きるとはまさにこのことでございます。生きても花が死なねば種は地に落ちません。生きても死ぬとはこのことを指しております。生きても死に、死しても生きるものとはプヨンでございます。」
「それだけか。」
「仏教において命あるものが生死を繰り返す輪廻を象徴するものもまたプヨンでございます。」
「あっはっは。正解だ。私の負けだ。またも負けた。」
「恐れ入ります。」
「プヨン。用が済んだら早く帰りなさい。」
嬪宮は冷たく言いました。
「世子様。見事答えを当てましたのでお約束通り褒美をお与えください。世子様。褒美に・・・子の干し柿をくださいませ。」
「この干し柿を褒美にくれとは?それではあまりにささやかであろう。たかが干し柿でそれでよいのか?」
「はい世子様。今の私にはこの世のどんなものよりも必要であり貴重なものでございます。」
「まこと風変りなことを申す。よかろう。腹が満たされるまで存分に干し柿を食すがよい。」
「ありがとうございます。」
プヨンは震える手で干し柿に手を伸ばして三つを残してすべてたいらげました。
「夜道は危険だ。用心して帰れ。」
「世子様。どうかご自愛くださいませ。」
プヨンは部屋を出ると倒れそうになりました。
「ああ。どうなさいました。お加減がお悪いならお供をおつけしましょうか。」
女官はプヨンに気を使いました。
「結構よ。もし嬪宮様が私をお捜しになったらプヨン池の東屋に来てとお伝えください。」
プヨンは苦しみながらもプヨン池に向かいました。
世子が眠ると嬪宮は部屋を出ました。
プヨンは目に涙をためながら世子を思い出していました。
♪挿入歌♪歌詞
「私が生きる理由はあなた。どうかこの想いとともにおぼろげな記憶があなたへ伝わりますように。あなたと出会ったこの道の果てに今は・・・あなたを愛した私がひとりたたずむばかり。愛が流れ落ちてしまえば残るは恋しい心の傷だけ。元気でと告げ去ったあなたが今も忘れられない。」
嬪宮はプヨン池の東屋に行きました。嬪宮は苦しんでいるプヨンを見つけました。
「嬪宮様。」
「干し柿に毒をもったのがわが一族と知れたら無事で済むと思うのか!」
「嬪宮様。なんと恐ろしいことを企てたのですか。」
「よくも台無しにしたな!」
「お姉さま。最後の頼みをきいてちょうだい。世子様を守って。夜が明ければ宮殿で私の亡骸が見つかる。毒で死んだことがすぐにわかるわ。暗殺を企てたことで一族はみな殺されてしまうわ。お姉さまも死を免れないはず。」
「こうなったのはあなたのせいよ。」
「私がお姉さまの衣を着てプヨン池に身を投げれば嬪宮が溺死したと思われる。そうすればお姉さまも一族の皆も助かるはず。お姉さまがそうして嬪宮の座から退けばお父様も二度と世子様のお命を狙えなくなる。そうして。世子様をお守りできる。」
東屋で待っていた女官たちはムチャン君に殺されました。
嬪宮はプヨンの服を着て逃げました。それをムチャン君は見つけました。
嬪宮の衣を着たプヨンは東屋の中で血を吐きながら手紙をしたためました。プヨンは最後の力を振り絞り屏風の裏に手紙を隠し涙を流してプヨン池に身を投げました。
(´;ω;`)
(回想ここまで)
「ホン殿。黙っておらずに答えぬか!」
世子はプヨンの父に尋問しました。
「プヨン池であの日死んだのが嬪宮様でなくプヨンであったことはとうてい考えられぬことです。」
「チョンギョン夫人。本日家でプヨンの姿を見たか?」
「世子様。娘は疫病にかかり部屋で臥せっておりますので・・・。」
「それはまことにプヨンか!ただちにホン・マンピルの屋敷を捜索する。包囲網を掃え。家の中や敷地内をくまなく捜しプヨンを見つけ出せ!」
世子はホン家まで捜索に乗り出しました。マンボとチサンとウ・ヨンスルも一緒に行きました。すると嬪宮が納屋に隠れていました。刺客が世子を襲いました。ムチャン君は世子に弓を放ちました。世子の胸に弓が刺さりウ・ヨンスルはムチャン君に剣をつきつけました。世子はパク・ハからもらったネックレスのおかげで助かりました。
「世子様。どうかお助けください。」
嬪宮は世子の足に捕まりました。
「命乞いはプヨンにするのだな。この者を義禁府に連れていけ!」
「またも命を救われたな。・・・あんぽんたん。」
世子はパク・ハを思いました。
裁きの場。
「ホン・マンピルはかつて権力を手にしたいがためわが母を陥れ処刑に至らしめた。私が即位した後の報復を恐れ毒殺を謀った。ホン・マンピルとホン・ナッキョンを打ち首に処す。ムチャン君はわが兄であるが幼き頃より私に反感を抱き私を毒殺し王位を奪おうと企てた。ムチャン君、貴様も打ち首に処す。ファヨンとその母も打ち首が妥当だが亡きプヨンの思いを酌み命だけは助けよう。嬪宮を廃位とし母親と一緒に流刑先から一歩も出られぬようにせよ!こやつらの首をはねよ!」
「はい。世子様。」(マンボとチサン)
プヨン池の東屋。
世子は屏風の裏からプヨンの手紙を見つけました。
「このふみを見られたなら世子様がご無事である証拠ゆえ、プヨンはうれしく存じます。死して幸いと思うことは生涯胸に秘めてきた言葉を表せることでございます。私は世子様をお慕いしておりました。幼き頃より想いを寄せておりました。」
世子は寂しく芙蓉池に立っていました。
「死しても生き、生きても死に、何百年後もあなた様を愛します。」
世子は涙を流しました。
世子は部屋でふみをしたためました。
「パク・ハ。私は無事に戻った。暮らしはどうだ。」
世子は芙蓉池の東屋の柱の下、パク・ハと玉を見つけた場所にパク・ハへの手紙を埋めました。
現代の韓国。
パク・ハは芙蓉池の東屋を訪れました。そして柱の下から世子の手紙を見つけました。
「そなたがこれを読むとすれば実に三百年後になるのだな。このふみを見つけることができたらそなたをあんぽんたんと呼んだことを取り消そう。商いは繁盛しておるか。私にできるのは働く姿を思い描くだけ。そなたは手が届かぬところにおる。そなたに会いたくてたならぬ。そなたの声がききたい。そなたに触れたい。死してそなたに会えるのならすぐに命を絶ちたい。愛してるともっと言えばよかった。愛してる。そなたの笑顔がたまらなく恋しい。どうか元気で。そして幸せに。」
パク・ハは世子と従者からもらった喫茶店で働いているとヨン・テヨンがリンゴジュースを注文しました。
朝鮮時代の屋台。
マンボは注文を受け、チサンは配達係、ウ・ヨンスルはオムライスを作るかかりでオムライスの店を経営していました。マンボとチサンとヨンスルは宮殿の世子にオムライスを持っていきました。
「遅いではないか。」
「配達も楽ではないのです。いらしてください。」
「それにお代も払ってください。」
「金などあるものか。食すぞ。」
世子と従者たちはジャージに着替えてオムライスをほおばりました。
「うまい。」
世子は涙ぐみました。
「このオムライスがあまりに美味でな。」
「世子様。デザートに薄荷飴をどうぞ。」
「おお。」
ヨンスルは黙って世子より先に薄荷飴をほおばって皆に叱られました。
現代。
パク・ハはヨン・テヨンからパク・ハの似顔絵のスケッチを受け取りました。パク・ハはテヨンとの待ち合わせの場所に行きテヨンと出会いました。
「ずいぶん遅かったね。長い間待っていたのに。」
テヨンは言いました。
「どこにいたの?私はずっとここにいたのに。」
パク・ハがいうとテヨンは手を差し伸べました。パク・ハはテヨンの手を取りました。パク・ハの目にはテヨンが世子の服を着た世子に見えました。
「三百年が過ぎても。(世子)」
「あなたを愛します。(パク・ハの声)」
完
マンボは言いました。
「それはありえないっしょ。」
チサンは言いました。
「夢なら・・・やべーな。」
ウ・ヨンスルは言いました。
「またまた。冗談きつい。やばい。」
世子は三人の言葉遣いを指摘しました。
「申訳ありませぬ。」
「朝鮮には朝鮮の言葉を使え。」
「申訳ありません世子様。」
世子は嬪宮の父と母を捕ら尋問しましたが何も知らないようでした。嬪宮の母はプヨンは疫病にかかって覆面になったのだと言いました。世子は嬪宮の事件の真相を探りはじめました。
嬪宮殺害前。
プヨンは宮中でいとおしそうに世子の後ろ姿を見つめていました。プヨンがつまづくとおしろいをこぼしてしまいました。
「動くでない。これは・・・プヨンではないか。」
「とんだご無礼を。」
「動くなというに。」
世子はプヨンに手を差し伸べました。
「立つがよい。またも転んだのか。」
「恐れ入ります世子様。」
「手にあるものは何だ。白い粉を見るにおしろい粉か。」
「さようでございます。嬪宮様にわが兄がお贈りした品物です。」
プヨンはおしろいを嬪宮に届けおしろいに触れようとすると「むやみに触るでない」とプヨンを叱りました。プヨンは嬪宮に世子様の手ぬぐいを作ったというと「帰れと言ったであろう」と激昂しました。プヨンは父に「おしろい箱と書状」を嬪宮に渡してきたと報告しました。その場にはムチャン君という世子の腹違いの兄が同席していました。
プヨンはおしろい箱からかぐわしい香りがしなかったことを怪しみ父の書状を読みました。
「嬪宮様。いよいよ決行の日です。父がここに書くことを胸に刻み事を仕損じることのなきように」
プヨンは慌てて家を出ました。ムチャン君がプヨンの部屋に行くと書状が落ちていました。ムチャン君はプヨンを捕らえ殺してもよいと部下に命じました。
夜になりました。
世子と嬪宮は膳を囲んでいました。
「世子様。手ぬぐいをこしらえました。」
嬪宮は赤いボタンの手ぬぐいを世子に渡しました。
「おお。やはり美しい。」
世子が手ぬぐいに見入っていると嬪宮はおしろい箱の中の粉を干し柿に振りました。世子は干し柿に手を伸ばそうとしたらプヨンが謁見を望みました。プヨンは世子の干し柿を見つめました。
「かような夜更けにどうした。」
「世子様。急ぎ申し上げたく夜道を駆けてまりいました。」
「プヨン。作法がなっておらぬ。下がるのだ。」
嬪宮はプヨンに言いました。
世子はプヨンを許すとプヨンはなぞかけが解けたといいました。
「では答えを聞くとしよう。」
「プヨンです。」
「でたらめを言うなら家に帰りなさい。」
嬪宮はプヨンを追い払おうとしました。
「なぜ芙蓉なのだ。」
「芙蓉は蓮の花を指す言葉でございます。」
「いかにも。蓮の花はみなプヨンという。」
「生けるものは死せば土の中に埋められます。しかしプヨンは泥に埋められて死してこそ花を咲かせることができます。死しても生きるとはまさにこのことでございます。生きても花が死なねば種は地に落ちません。生きても死ぬとはこのことを指しております。生きても死に、死しても生きるものとはプヨンでございます。」
「それだけか。」
「仏教において命あるものが生死を繰り返す輪廻を象徴するものもまたプヨンでございます。」
「あっはっは。正解だ。私の負けだ。またも負けた。」
「恐れ入ります。」
「プヨン。用が済んだら早く帰りなさい。」
嬪宮は冷たく言いました。
「世子様。見事答えを当てましたのでお約束通り褒美をお与えください。世子様。褒美に・・・子の干し柿をくださいませ。」
「この干し柿を褒美にくれとは?それではあまりにささやかであろう。たかが干し柿でそれでよいのか?」
「はい世子様。今の私にはこの世のどんなものよりも必要であり貴重なものでございます。」
「まこと風変りなことを申す。よかろう。腹が満たされるまで存分に干し柿を食すがよい。」
「ありがとうございます。」
プヨンは震える手で干し柿に手を伸ばして三つを残してすべてたいらげました。
「夜道は危険だ。用心して帰れ。」
「世子様。どうかご自愛くださいませ。」
プヨンは部屋を出ると倒れそうになりました。
「ああ。どうなさいました。お加減がお悪いならお供をおつけしましょうか。」
女官はプヨンに気を使いました。
「結構よ。もし嬪宮様が私をお捜しになったらプヨン池の東屋に来てとお伝えください。」
プヨンは苦しみながらもプヨン池に向かいました。
世子が眠ると嬪宮は部屋を出ました。
プヨンは目に涙をためながら世子を思い出していました。
♪挿入歌♪歌詞
「私が生きる理由はあなた。どうかこの想いとともにおぼろげな記憶があなたへ伝わりますように。あなたと出会ったこの道の果てに今は・・・あなたを愛した私がひとりたたずむばかり。愛が流れ落ちてしまえば残るは恋しい心の傷だけ。元気でと告げ去ったあなたが今も忘れられない。」
嬪宮はプヨン池の東屋に行きました。嬪宮は苦しんでいるプヨンを見つけました。
「嬪宮様。」
「干し柿に毒をもったのがわが一族と知れたら無事で済むと思うのか!」
「嬪宮様。なんと恐ろしいことを企てたのですか。」
「よくも台無しにしたな!」
「お姉さま。最後の頼みをきいてちょうだい。世子様を守って。夜が明ければ宮殿で私の亡骸が見つかる。毒で死んだことがすぐにわかるわ。暗殺を企てたことで一族はみな殺されてしまうわ。お姉さまも死を免れないはず。」
「こうなったのはあなたのせいよ。」
「私がお姉さまの衣を着てプヨン池に身を投げれば嬪宮が溺死したと思われる。そうすればお姉さまも一族の皆も助かるはず。お姉さまがそうして嬪宮の座から退けばお父様も二度と世子様のお命を狙えなくなる。そうして。世子様をお守りできる。」
東屋で待っていた女官たちはムチャン君に殺されました。
嬪宮はプヨンの服を着て逃げました。それをムチャン君は見つけました。
嬪宮の衣を着たプヨンは東屋の中で血を吐きながら手紙をしたためました。プヨンは最後の力を振り絞り屏風の裏に手紙を隠し涙を流してプヨン池に身を投げました。
(´;ω;`)
(回想ここまで)
「ホン殿。黙っておらずに答えぬか!」
世子はプヨンの父に尋問しました。
「プヨン池であの日死んだのが嬪宮様でなくプヨンであったことはとうてい考えられぬことです。」
「チョンギョン夫人。本日家でプヨンの姿を見たか?」
「世子様。娘は疫病にかかり部屋で臥せっておりますので・・・。」
「それはまことにプヨンか!ただちにホン・マンピルの屋敷を捜索する。包囲網を掃え。家の中や敷地内をくまなく捜しプヨンを見つけ出せ!」
世子はホン家まで捜索に乗り出しました。マンボとチサンとウ・ヨンスルも一緒に行きました。すると嬪宮が納屋に隠れていました。刺客が世子を襲いました。ムチャン君は世子に弓を放ちました。世子の胸に弓が刺さりウ・ヨンスルはムチャン君に剣をつきつけました。世子はパク・ハからもらったネックレスのおかげで助かりました。
「世子様。どうかお助けください。」
嬪宮は世子の足に捕まりました。
「命乞いはプヨンにするのだな。この者を義禁府に連れていけ!」
「またも命を救われたな。・・・あんぽんたん。」
世子はパク・ハを思いました。
裁きの場。
「ホン・マンピルはかつて権力を手にしたいがためわが母を陥れ処刑に至らしめた。私が即位した後の報復を恐れ毒殺を謀った。ホン・マンピルとホン・ナッキョンを打ち首に処す。ムチャン君はわが兄であるが幼き頃より私に反感を抱き私を毒殺し王位を奪おうと企てた。ムチャン君、貴様も打ち首に処す。ファヨンとその母も打ち首が妥当だが亡きプヨンの思いを酌み命だけは助けよう。嬪宮を廃位とし母親と一緒に流刑先から一歩も出られぬようにせよ!こやつらの首をはねよ!」
「はい。世子様。」(マンボとチサン)
プヨン池の東屋。
世子は屏風の裏からプヨンの手紙を見つけました。
「このふみを見られたなら世子様がご無事である証拠ゆえ、プヨンはうれしく存じます。死して幸いと思うことは生涯胸に秘めてきた言葉を表せることでございます。私は世子様をお慕いしておりました。幼き頃より想いを寄せておりました。」
世子は寂しく芙蓉池に立っていました。
「死しても生き、生きても死に、何百年後もあなた様を愛します。」
世子は涙を流しました。
世子は部屋でふみをしたためました。
「パク・ハ。私は無事に戻った。暮らしはどうだ。」
世子は芙蓉池の東屋の柱の下、パク・ハと玉を見つけた場所にパク・ハへの手紙を埋めました。
現代の韓国。
パク・ハは芙蓉池の東屋を訪れました。そして柱の下から世子の手紙を見つけました。
「そなたがこれを読むとすれば実に三百年後になるのだな。このふみを見つけることができたらそなたをあんぽんたんと呼んだことを取り消そう。商いは繁盛しておるか。私にできるのは働く姿を思い描くだけ。そなたは手が届かぬところにおる。そなたに会いたくてたならぬ。そなたの声がききたい。そなたに触れたい。死してそなたに会えるのならすぐに命を絶ちたい。愛してるともっと言えばよかった。愛してる。そなたの笑顔がたまらなく恋しい。どうか元気で。そして幸せに。」
パク・ハは世子と従者からもらった喫茶店で働いているとヨン・テヨンがリンゴジュースを注文しました。
朝鮮時代の屋台。
マンボは注文を受け、チサンは配達係、ウ・ヨンスルはオムライスを作るかかりでオムライスの店を経営していました。マンボとチサンとヨンスルは宮殿の世子にオムライスを持っていきました。
「遅いではないか。」
「配達も楽ではないのです。いらしてください。」
「それにお代も払ってください。」
「金などあるものか。食すぞ。」
世子と従者たちはジャージに着替えてオムライスをほおばりました。
「うまい。」
世子は涙ぐみました。
「このオムライスがあまりに美味でな。」
「世子様。デザートに薄荷飴をどうぞ。」
「おお。」
ヨンスルは黙って世子より先に薄荷飴をほおばって皆に叱られました。
現代。
パク・ハはヨン・テヨンからパク・ハの似顔絵のスケッチを受け取りました。パク・ハはテヨンとの待ち合わせの場所に行きテヨンと出会いました。
「ずいぶん遅かったね。長い間待っていたのに。」
テヨンは言いました。
「どこにいたの?私はずっとここにいたのに。」
パク・ハがいうとテヨンは手を差し伸べました。パク・ハはテヨンの手を取りました。パク・ハの目にはテヨンが世子の服を着た世子に見えました。
「三百年が過ぎても。(世子)」
「あなたを愛します。(パク・ハの声)」
完
感想
面白かった!とても面白かったです。純粋な気持ちになれるドラマが好きな人にはおすすめのドラマでした。実は嬪宮じゃなくてプヨンが死んでいたなんて、とても可哀想でしたね。過去の世子はプヨンが死んでしまってかわいそう。まさかケチャップを考案してオムライス店を開くとは意外な結末でした。時代劇好きでも受け入れられるストーリーでした。これは日本語吹き替えのほうが面白いんじゃないかと思います。