王と妃 第141話 女同士の戦い
あらすじ
仁粋大妃はチョン・チャンソンとキム・ジルとキム・グックァンとハン・チヒョンに力になるよう頼みました。鈍い光山府院君のキム・グックァンは木のような余生を送られますかと仁粋大妃に尋ねました。仁粋大妃は隠居前にすることがあると言いました。チョン・チャンソンは領議政の辞任を申し出逃げようとしましたが仁粋大妃は皆で権力を持ち合えば負担は少ないと言いました。
上洛君キム・ジルは義父のチョン・チャンソンに「あれは仁粋大妃が政治に干渉する意思表示では?」と言いました。キム・グックァンはそれは「なりません。いけません。」と韓明澮が仁粋大妃の政治干渉に反対したことは正しかった「私なら大妃様の前でお茶を吐き出してやろうかと思った。」と言いました。「大妃をおだてておいたくせに。」とキム・ジルはキム・グックァンに言いました。キム・グックァンは怒って帰りました。
「文宗王は弱気なことこの上ない方でした。聡明で賢いお方でしたが王の資質に欠けていたのです。だからキム・ジョンソとファンボ・ユンに振り回されたのです。早く義父の世祖大王と手を組むべきでした。政治はたやすくありません。本音と建て前を使い分け悪戦苦闘し時には策を練らなければなりません。泥仕合と言いますがそれより汚いのが政治です。そんな世界に息子をほうり込めません。世祖大王が文治政治が行えたのは太宗大王のおかげです。太宗が人を殺したから世宗は治績を残すことができたのです。弱い者は力を維持できません。そして権力の均衡が破れれば国王すら座を奪われます。それが権力です。重臣が結託したなら王は世間との接触を断たれ世情を知らされず笑いも者になるでしょう。息子をそのような王にはさせません。おにいさま。汚れ仕事は私がします。私の息子は世宗に匹敵する聖君になる方法だけを考えればよいのです。私の仕事です。息子を聖君にするのは私の役目です。」
仁粋大妃は従兄のハン・チヒョンに言いました。
成宗の部屋。
王妃ユン氏は仕事中の成宗の部屋を訪ね「殿下が仕事をするお姿を見たいのです」と居座りました。都承旨のユン・ギギョンとイム・サホンは迷惑そうにしていました。
「都承旨よ心配いりません。上疏を広げるほど無作法ではありません。大妃媽媽は特別でしょうが。殿下。私は自ら政務を執られる殿下をお傍で見られました。この上ない喜びでございます。」
王妃ユン氏は成宗に言いました。
成宗は笑顔で答えました。
仁粋大妃は成宗の部屋の庭でその様子を知りつつ待っていましたが成宗を訪ねることなく帰りました。
王妃ユン氏はいつまでも成宗の傍にいました。成宗はおおきなおなかをさする王妃ユン氏に迷惑とは言えませんでした。王妃ユン氏は部屋を出るとイム・サホンに今は孤独ですが王子を産めば大妃も自分を見下せないだろうと言いました。イム・サホンは「はい」と畏まりました。
大王大妃の部屋。
大王大妃ユン氏は王大妃ハン氏と大妃ハン氏と会食しながら談笑しました。大王大妃はこの頃は膝が痛むのよと言いました。王大妃はほがらかに場を和ませもっと大王大妃の部屋を訪ねて一緒にお酒を飲もうと言いました。
ユ・ジャグァンは都承旨のイム・サホンを呼びとめました。ユ・ジャグァンは皆は私を無視するのになぜ足を止めたのかと言いました。ユ・ジャグァンは自分も中殿媽媽との縁に連ねてくれと頼みました。
「いくら本を読んでも庶子の身分は変わらん。だからいっそ卑しく生きることにした。どうする。中殿媽媽と引き合わせてくれぬか。」
「しばらく考えさせてくれ。」
ハン・ミョンフェの妻は王妃ユン氏の部屋を訪ねました。
「私も貧しい家に生まれ中殿になりました。ゆえに上党君(サンダングン、ハン・ミョンフェ)と似ています。私が上党君が受けた屈辱を晴らします。上党君に伝言を。私に協力してくれと。私は大妃と戦います。大妃が息子を守ったように私も息子を守らねば。」
夜。
ヒャンイは恩知らずな仁粋大妃に王妃を利用して反撃しないのかと言いました。
「だが若い中殿が大妃に勝てるはずがない。」
仁粋大妃の部屋。
仁粋大妃は成宗や側室たちの行動を監視させ報告を受けていました。
成宗の部屋。
王妃ユン氏はまだ成宗の仕事を見て仁粋大妃の配下チョ・ドゥンニムの罪も調べれば大王大妃の配下のキム・スオンと公平な措置になると笑いました。成宗はキム・チョソンにそうすれば平等か尋ねましたらキム・チョソンは時間をかけたほうがよいと言いました。
「まだ私に力が足りぬのか。」
成宗は焦りました。
仁粋大妃の部屋。
「殿下は変わった。前なら私を気遣って私が眠りについたか確かめさせたのに。もう私には興味はないのね。大切に育ててきたのに。あっはっはっは。あっはっはっは。」
仁粋大妃は高笑いをしました。
ユン・ギギョンの家。
大妃の命令で米と豆が運び込まれ空の倉庫が満たされました。ユン・ギギョン夫人はとても喜びました。
「王妃様が大妃様から憎まれている噂はでたらめなのね。」
王妃ユン氏の部屋。
「織物と高麗人参も送るよう命じられました。」
チョ尚宮が王妃ユン氏に言うとユン氏は得意げになりました。
「なんてケチなの。私なら田畑と奴婢を下賜するわ。」
仁粋大妃。
「にくい子ほどかわいがるふりをしろと言うのよ。」
チョ・ドゥンニムを弾劾する上疏が宮廷に届きました。仁粋大妃は命乞いをするチョ・ドゥンニムにあれほど欲をかくなと言ったのに恥知らずなと激怒しました。キム・スオンは濡れ衣だから助けてほしいと大王大妃に命乞いをしました。
便殿。
成宗はキム・スオンとチョ・ドゥンニムの不正蓄財を弾劾する上疏が届きました。大司憲のユン・ゲギョムは世祖の寵臣だからといって見過ごすことはできぬので調べさせてほしいと言いました。
成宗は急がなくてもよいだろうとキム・チョソンの言った通り態度を保留しました。
成宗の部屋。
成宗が部屋に戻ると大王大妃が腰が痛いのだと言いました。
「主上。私は年を取りました。そのことはよいのです。主上。キム・スオンを助けてください。キム大監は私の少ない話し相手です。どうか救ってください。」
仁粋大妃の部屋。
ハン・チヒョンはチョ・ドゥンニムを救うよう懇願しました。仁粋大妃は成宗にキム・スオンを助けるよう頼んだ大王大妃を軽蔑していると言いました。
「皆を主上にひざまずかせます。彼らが主上に従うまで。」
再び大王大妃貞熹王后ユン氏と仁粋大妃の対立が激化しました。
大王大妃は孝寧大君にどうすればいいか尋ねましたが孝寧大君は答えませんでした。
仮病で王妃に無礼な態度をとっているチョン貴人のところに王妃ユン氏は見舞いに行きました。チョン貴人とオム貴人は食事をほおばり王妃を出迎えませんでした。王妃ユン氏は仮病を使いながら食事を楽しんでいたチョン貴人の頬を叩きました。
感想
うん。これが王室の日常だったのですね。常に戦っているのが普通なのでしょう。もう驚きはありません。誰もが悪いことをしていましたから告発してライバルを処刑することも朝鮮では簡単なことだったのでしょう。何もこういったことは朝鮮だけの話ではありません。