王と妃 第136話 母から離れる時
あらすじ
ハンミョンフェ(韓明澮)は成宗に左議政の辞職上疏を差し出しました。
イム・サホンは心配そうにハンミョンフェに歩み寄りましたがハンミョンフェは心配いらぬと言い宮殿から去りました。
女命婦(ネミョンブ)。
成宗の子を宿したユン淑儀は女命婦の集まりに遅れて出席しました。チョン貴人とオム貴人は嫉妬で憤慨しました。高貴なほうのユン淑儀はユン淑儀(廃妃ユン氏)に対し慎み深く振舞いました。オム淑儀はもうじき(毒薬の)効果があらわれるわとチョン貴人に言いました。
大王大妃ユン氏は部屋に成宗を呼びました。成宗はハンミョンフェが安楽に余生を暮らせるよう礼を尽くすと言うと大王大妃は成宗を褒めました。睿宗の妃も大王大妃の慈悲深さを称えました。仁粋大妃も渋々大王大妃の言葉を認めましたが不機嫌でした。
成宗は大王大妃の部屋の前でユン淑儀と出会いました。成宗は「おなかの子が腹を蹴るのです」とユン淑儀が言うとたいへん喜びました。大妃たちも部屋の前の会話を聞いていました。
ユン淑儀は大妃たちに拝礼しました。大王大妃と王大妃はユン淑儀を気遣いました。
「謙虚になるのよ。嫉妬をしてはならぬ。得を積みなさい。」
王大妃の求めで仁粋大妃は淑儀ユン氏に助言しました。王大妃は仁粋大妃の「内訓」に厳しい人柄がでておりますわと褒めました。仁粋大妃はユン淑儀がもし女児を生んだときは王妃に冊立したくないと言いました。
「憎らしい年寄りね。大妃の間者よ。チェ尚宮は私の行動をつぶさに大妃に伝えているはずよ。娘ならどうする?余計な心配よ。」
ユン淑儀は側近の女官に言いました。
チョン貴人は呪いの藁人形を手にして意地悪な笑みを浮かべました。
ユン・ピルサンは親戚のユン淑儀(高貴なほう)に会い娘が王妃になることを期待していました。
「一族のためです媽媽。媽媽が中殿になれば一族は栄えるでしょう。」
ユン・ピルサン淑儀ユン氏のはとこである。淑儀ユン氏とユン・ピルサンは父親が従妹同士でした。ユン・ピルサンは廃妃ユン氏の追放を主導しのちに士林派から奸臣とののしらせることになる。ユン氏の一族が廃妃ユン氏の事件に深くかかわっていたと思われるのはこうした理由からである。
吏曹判書のホン・スンは「世宗朝のアン・スンソンと世祖朝のノ・サシンは才所に優れていたため都承旨になった」と成宗に言いました。
成宗は左副承旨のヒョン・ソッキュはそつなく仕事をしており高い評価をしているので都承旨にしたいと言いました。
「院相(ウォンサン)らはソン・ヒョッキュを嫌っております。」
「私には志がある。いまだに臣下たちは大王大妃や院相の顔色を窺っている。これではやりたいことができぬ。」
左副承旨だったヒョン・ソッキュが都承旨に大抜擢されました。成宗は新進の士大夫(サデブ)を重用し始めたのである。
夜。成宗は新しく人事を発表し、今回任命したソン・ヒョッキュと知中枢府事(チチュンチュブサ)ソン・イム、そして陽川君ホ・ジョンと東莱君(トンネグン)チョン・ナンジョンを部屋に招いて酒と食事を与えました。ハン・チヒョンは成宗の部屋の中から漏れ聞こえる殿下と側近たちの笑い声が気になりました。ハン・チヒョンに自分が部屋に入らなかったのはイム・サホンは自分は間に合わせで任命されたのですと謙遜しました。チョン・ナンジョンは大妃と距離を置くように成宗に言いました。ソン・ヒョッキュは無礼であろうと言いましたが成宗は続きを述べさせました。チョン・ナンジョンは「大妃様らが下している懿旨(ウィジ)を廃止なさっては?」と提案しました。ほかの三人はたじたじとしましたが成宗は懿旨(ウィジ)の廃止を約束しました。
仁粋大妃の部屋。
「経験も浅く口先ばかりの士大夫に何ができますか。」
仁粋大妃はハン・チヒョンに言いました。ハン・チヒョンはしばらく殿下の親政の様子を見ようと言いました。
「私がいなければ殿下は一日も持ちません。ソン・ヒョッキュなどに何ができますか。はっはっは。」
成宗の部屋。
「どちらが正しいか。そなたならどうする?」
成宗は尚膳のキム・チョソンに尋ねました。
「母上に逆らわねば道を進むことはできぬ。」
「大妃媽媽を避けて通ることはできません。都承旨の言う通りゆっくりとお進みください。」
「私は母上が怖いのだ。」
「母子の縁は切ることはできません。」
「みな陰では私をあざ笑っているだろう。」
成宗は酒をあおりました。
領議政チョン・チャンソンの家。
キム・ジルとユン・ゲギョムたちは集まっていました。キム・ジルは今後は名分なく上党君(サンダングン、ハン・ミョンフェ)を弾劾したユ・ジャグァンを弾劾せねばならぬと言いました。チョン・チャンソンはユ・ジャグァンを何とかせねばわれらが弾劾されてしまうと言いました。
「大妃は次に領議政殿を排除するおつもりだ。」
キム・ジルはユン・ゲギョムに言いました。
チョン・チャンソンはまずはキム・スオンとチョ・ドゥンニムを弾劾すべきだと言いました。そうすれば仁粋大妃はユ・ジャグァンを救うことはできないと言いました。
「このあたりで大妃の気勢を削がねばならぬ。」
大王大妃の部屋。
大王大妃のもとにキム・スオンとユン・サフンが謁見していました。ユン・サフンは側近のキム・スオンを弾劾することをお許しくださいと言いました。ユン・サフンは殿下が懿旨(ウィジ)の廃止をするのは仁粋大妃の命令で仁粋大妃が権勢を振舞うつもりだろうと言いました。
仁粋大妃の部屋。
「ユ・ジャグァンとチョ・ドゥンニムに何の罪があるというのですか。」
仁粋大妃はハン・チヒョンに言いました。仁粋大妃はユン・ゲギョムにけしかけられていると思いハン・チヒョンはこらえるように言いました。
便殿。
ユン・ゲギョムはユ・ジャグァンが嘘の上疏をしたと言い問題になりました。
ハンミョンフェを辞職に追いやったユ・ジャグァンの上疏が再び問題になりました。
ハン・ミョンフェの家。
「ユン・ゲギョムはいらぬことをしている。」
ハン・ミョンフェはせっかく命が助かったのにと迷惑に思いました。
「上党君(サンダングン、ハン・ミョンフェ)大監にとってまたとない機会じゃないですか。」
左賛成のノ・サシンは言いました。
「当分仁粋大妃の気勢を削ぐことはできぬ。」
巴山君(パサングン)チョ・ドゥンニムは仁粋大妃にお助けくださいと部屋の外から地面にひれ伏して叫びました。
「はっははっは。チョ・ドゥンニムは億万長者とのうわさなのであきれた限りです。」
ハン・チヒョンは言いました。
「ドゥンニムのかわりにユ・ジャグァンを差し出せということか。」
仁粋大妃は言いました。
便殿。
武霊君(ムリョングン)ユ・ジャグァンは発言しました。
「ネイノン!貴様は上党君(サンダングン、ハン・ミョンフェ)が殿下を魯山君に例えるのを確かに聞いたと言ったではないか!私が殿下をだましたとでも言うのか!」
「武霊君(ムリョングン)ユ・ジャグァンこそ私を脅すおつもりですか!殿下に呼ばれた場でうそなどつきません!」
青色の服を着た官僚は言いました。
「あーはーはー。貴様はハン・ミョンフェが殿下のことを魯山君に例えて失権するはずと・・・。」
「聞いたこともないし言ったこともないぞ。」
「天が怖くないのか。」
「絶対に言ってない。」
ユン・サフンは二人のやり取りを聞いて笑い成宗の部屋に報告に行きました。
成宗の部屋。
「ならこうしよう。ユ・ジャグァンを流罪としチョを罷免してキム・スオンも・・・。」
成宗は言いました。
「殿下。キム・スオンは大王大妃の側近です。大目に見てはどうでしょうか。」
都承旨のヒョン・ソッキュは成宗に助言しました。しかし成宗は自分は中殿すら自分で選べぬのに王と言えるかと言いました。
ユン淑儀の部屋。
ユン淑儀は腹を痛めていました。母が駆けつけました。
「おなかがちぎれそうに痛いです。何とかしておかあさん。おなかがちぎれそうなんです。」
チョン貴人の部屋。
チョン貴人は藁人形に針を打ちにやけました。オム貴人は満足そうにその様子を見て微笑みました。
仁粋大妃はユン淑儀の急病を成宗に知らせませんでした。
ユン淑儀はきっと呪いのせいよと部下に調べるよう命じました。
ハン・ミョンフェは土地の権利書を持ってくるよう妻とヒャンイに命じました。ヒャンイは「大監は分別がついたのよ」と仁粋大妃に献上する土地の権利書を渡しました。
「すぐに支度しろ。」
ハン・ミョンフェは輿に乗り宮殿に行きました。
「大妃殿に行かれたの?」
ミョンフェの妻は言いました。
「命乞いに行かれたのです。」
ヒャンイは言いました。
「兜を脱いだ武人の命は奪ってはなりませぬ。」
ハン・チヒョンは仁粋大妃に念押ししました。
ハン・ミョンフェは仁粋大妃に謁見しました。
仁粋大妃はハン・ミョンフェが拝礼する間横を向いていました。
「上党君(サンダングン、ハン・ミョンフェ)大監が、私に拝礼するのですか。あっはっはっは。あっはっはっは。」
仁粋大妃は高笑いしました。
感想
また情勢が動き権力地図が変わってきましたね。そういえばユン・ピルサンのはとこのユン淑儀を演じているのは「チャングムの誓い」でクミョン役を演じていた女性ですね。彼女はチャングムの誓いで悪役だったのでこのドラマでもまた何かしでかしそうで期待しています。朝廷の人事が刷新されました。本来なら新しい人材もユ・ジャグァンによって陥れられるはずなんですが、今回はどうなるでしょうね。