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サイムダン10話のあらすじ 師任堂-比翼堂(ピイクダン)が開設され宜城君(ウイソングン)は密命を賜る Saimdang, Light's Diary Episode10

サイムダン(師任堂)色の日記 10話のあらすじと感想<完全版>

サイムダン(師任堂)10話のあらすじ 韓国ドラマ

目次

サイムダン10話のあらすじ 芸術の場 比翼堂(ピイクダン)

キム・ミンソクは不正に関する情報をコピーした後、ソンギャラリーの理事長室に隠れていました。ソン・ミギョンはノートパソコンが閉じてあることに違和感を覚えました。キム・ミンソクは恐ろしくなり気配を消すため口を手で覆って耐えました。ギャラリーの職員が部屋に入ってきてミギョンに記者が集まり過ぎて作品が傷ついたことを報告するとソン・ミギョンと夫のホ・ヨンドは怒りながら部屋を出て行きました。

夜のアパート。
ジユンは机に伏せて眠っていました。ジユンは夢の中で師任堂(サイムダン)がイタリアの城の中にいる夢を見ていました。宜城君(ウイソングン)は二人の詩を添えた金剛山(クムガンサン)図を燃やしていました。美人画を描き終えて叫ぶイ・ギョム(宜城君)を見ると驚いて目を覚ましました。
「はぁ。金剛山図?夢にしてはリアルだった。変だわ。どうして・・・。」

朝のソンギャラリーの理事長室。
掃除婦はミンソクが落として行った「ソウル市玉仁(オギン)通り240番地」と書かれたメモを理事長の机の上に置きました。

理事長室に出勤してきたソン・ミギョンはメモを手に取ると何者かが部屋に侵入したのではないかと疑い秘書の女にメモに書かれた住所を調べるように命じました。メモの裏側には数字がたくさん書かれてありました。

ジユンは身支度を終えると義母のキム・ジョンヒに「もうすぐ生活が楽になるから」と言ってでかけて行きました。ジユンは「ミンソクさんの後輩から電話がかかってきたんです」と言いました。ジユンが出かけるとジョンヒは息子ミンソクの服をアイロンにかけました。ジョンヒは息子が帰って来たらすぐに着られるようにと思っていました。ウンスは幼いながらも英会話の練習をしていました。

待ち合わせ場所。
ジユンがカフェに座っているとミンソクの後輩が後ろの席に座りました。
「ソ・ジユンさん。振り向かないでください。先輩(ミンソク)からの伝言です。家族のためにできるだけ遠くにいる。危険だから軽率な行動はするな。何もするなと。」
「少し待ってください。夫は大丈夫ですか?」
「はい。」
「私たちは大丈夫だと、心配いらないと伝えてください。」
「はい。」
男はすぐに去りました。
ジユンは涙を拭いました。

昼間の誰もいない倶楽部。
ソ・ジユンとハン・サンヒョン、コ・ヘジョンは合流しました。
「ここです!」
ハン・サンヒョンは奥の物置き部屋に二人を案内しました。
「ここに必要な機材を揃えれば使えると思います。」
サンヒョンは言いました。
「顕微鏡があれば大丈夫と思うわ。温度と湿度は調整すればいいし。」
ヘジョンは言いました。
「オーナーが知り合いで店を手伝うかわりに自由に使わせてくれるので安心してください。」
サンヒョンは言いました。

「ここはミン教授と部下は絶対に入店させません。三十歳以上の入店はお断りです。先輩たちも・・・。本来は入れないけど、私が特別に許可しました。」
しばらくするとサンヒョンはジユンとヘギョンにスイカなどの果物を振舞いました。
「ホリック!何度も電話したのにどうなってるの?今度くれる曲はまだなの?」
サンヒョンと親しそうな若い女性が詰め寄ってきました。
サンヒョンは女性を追い出すと知り合いのシンガーソングライターだと言いました。
朝鮮時代。
中宗と重臣は安国坊(アングクバン)の宜城君の屋敷を訪れました。
イ・ギョム(宜城君)は王を迎え、部屋を案内しました。
「そなたの絵が朝廷で議論を引き起こしている。どのような絵か確かめに来た。」
中宗(チュンジョン)は言いました。
「今までに見たことのないような絵です。」
領議政は絵を手にして言いました。
「誉め言葉ですか?」
宜城君(ウイソングン)は言いました。
中宗(チュンジョン)は掛け軸を手に取りました。
「一体何があったのだ?ハッハッハ!これでいつものキョムに戻った。はっはっはっは。はっはっはっは。いつの頃だったか。宜城君が描いた犬の絵に癒されたことがある・・・。」
中宗(チュンジョン)は言いました。

回想シーン。
15歳の宜城君(ウイソングン)は中宗に貧しい少年が自らも食事を食べながら犬に分け与える絵をその場で描いて献上しました。イ・ギョムの腹が鳴ると中殿は「人間らしさに触れたのは久しぶりだ」とたいへん喜びイ・ギョムに食事を振舞いもてなしました。宜城君(ウイソングン)は長い旅の間、食事を摂っていませんでした。
「ここに人が暮らしている気配がする。さあ茶と菓子を与えよ。いや。もう食事時だ。膳を準備せよ。」
中宗(チュンジョン)は愉快になりました。

時が経ち、19歳になったイ・ギョムは王の私室で食事を食べました。部屋にはその場で描いた絵をが贈られていました。
中宗(チュンジョン)は(わざと?)下手に描かれた尚膳の絵を見て喜びました。

「キョムのことも覚えている者もいるだろう。あれは見たことのない絵だった。ギョムは恵まれた少年時代ではなかった。だがその分、自由に考えて描けるのだ。余は心が慰められた。人を傷つけるものではなかろう。」
中宗は重臣たちを説得しました。
「ところで泰平の世では詩文や絵が花を咲かせるものです。それもまた王族としての義務かと思います。」
ミン・チヒョンは中宗に言いました。
「王族としての義務か。これから忙しくなるぞ。朝鮮の芸術を花開かせるのだからな。ハッハッハ。そうなるとこの屋敷は狭すぎる。ああ。寿進坊(スジンバン)に王室の屋敷がある。明日にでもすぐ移るがよい。」
中宗はイ・ギョムに言いました。
「ありがたき幸せ。」
イ・ギョムは礼を言いました。
「そういえば門に掛ける扁額も必要だろう。朝鮮の芸術らしい言葉を掛けたらどうだ?」
中宗(チュンジョン)は言いました。
比翼堂(ピイクダン)。比翼堂にします。」
イ・ギョムは即答しました。
「比翼堂か・・・。」
中宗はすぐにその名前を気に入りました。比翼鳥(ピイクチョ)は二十年前にサイムダンがイ・ギョムに贈った愛の証でした。
中宗はイ・ギョムのために比翼堂という文字を書いて贈りました。

「比翼堂は二つの目と翼が合わさって飛べる比翼鳥。その名を冠した比翼堂は貧しい者に比翼堂は差別なく機会を与える朝鮮の芸術の場となるでしょう。」
イ・ギョムは比翼堂に思いを込めました。

比翼堂(ピイクダン)は二つの目と翼がひとつに合わさって初めて飛べる比翼鳥(ピイクチョ)。その名前を取った比翼堂(ピイクダン)は才能はあるが貧しい者に差別なく機会を与える芸術の場になるでしょう。
(宜城君のナレーション。)


比翼堂(ピイクダン)の門前に人々が集まりました。
イ・モンニョンです。絵でも歌でもなんでも・・・あふ~。ごほっごほっ・・・。」
薄緑色の衣を来た男は求人に応募しました。
「サンジャです。絵を描けるのですが実は奴婢でした。」
男は言いました。
「私も奴婢です。」
奴婢の男たちが名乗ると応募者を記録している役人は渋い表情を浮かべました。
「奴婢であろうと両班であろうと熱心に取り掛かる気持ちがあれば画人であり楽人だ。入りなさい。」
宜城君(ウイソングン)は甥のイ・フとともに様子を見に現れました。
「あのう。どなたですか?」
元奴婢の男は宜城君(ウイソングン)に尋ねました。
「入らぬのか?」
宜城君(ウイソングン)が言うと、元奴婢はそれ以上尋ねずに門をくぐりました。
奴婢の男たちは入門を許されました。
宜城君(ウイソングン)はイ・フとともに門の中に入りました。
フィウムダンは門前までイ・ギョムを見に来ていました。

イ・ギョム(李岒)とイ・フは比翼堂(ピイクダン)庭を通り中の人々の様子を見て回りました。イ・ギョムは優雅に扇を仰いでいました。

屋敷の前にセキセイインコが閉じ込められている籠が置かれていました。

ミン・チヒョンの家。
「比翼堂(ピイクダン)に入る者をすべて知らせよ。貧しい者を受け入れている。宜城君(ウイソングン)は、意味のない志を抱いているようだな。」
ミン・チヒョンは部下に言いました。

寿進坊(スジンバン)のサイムダンの家。
「河の水と海の水にしばし尋ねてみよう。そなたと私の心はどうしてかようにも心が同じであろうか。この模様は何?鳥かしら?」
サイムダンの娘、イ・メチャンは金剛山図に書かれた愛の詩を読んでいました。
「お嬢様!お嬢様!」
ヒャンはイ・メチャンを呼びました。
「お母さま。お帰りなさい。」
メチャンは母に挨拶しました。
「兄たちはどうしてるの?」
師任堂(サイムダン)は淡々と娘に尋ねました。
「さあどうかしら。どこかをぶらついているんじゃないの?」
メチャンは答えました。
「その言い方は直しなさい。」
師任堂(サイムダン)はきつい調子で言いました。
「はい・・・。」
メチャンはがっかりしました。
「早く呼んで来なさい。」
サイムダンは兄を連れて帰るように言いました。
「はい・・・。」
メチャンは渋々従いました。

街。
李元秀(イ・ウォンス)は通りで娘を見かけると木の陰に隠れました。
イ・メチャン兄を捜していました。
「なぜ家で大人しくできないの?お母さまも私をこき使ってばかり。お父さま?」
イ・ウォンスはみすぼらしい姿となり果て娘から身を隠してシャックリを我慢していましたがメチャンに見つかってしまいました。
「お父さま!会いたかったです!」
イ・ウォンスとメチャンは再会を喜び抱き合いました。
「メチャン。会いたかったよ。顔を見せておくれ。」
李元秀(イ・ウォンス)は娘を可愛がりました。
「お父さま。なんという姿です。帰りましょう。皆が待っています。」
メチャンは父の手を引っ張りました。
「待っている?夫人もか?私の話などでないだろ。」
李元秀(イ・ウォンス)は少し嫌がりました。

寿進坊(スジンバン)。
メチャンは父の手を引っ張り家に帰りました。
「ここが新しい家かぁ。」
「誰もいません。入ってください。」
「いやいや。厠に隠れているから先に食べ物をくれ。腹がすいて気まで弱っている。たくさん頼む。」
李元秀(イ・ウォンス)は娘に頼みました。
「わかったわ。隠れていて。私が取って来る。」
「待て待て。たくさん持って来てくれ。」
李元秀(イ・ウォンス)は隠れました。

メチャンは大きなおむすびを手に取りました。
「お嬢様!」
使用人の娘ヒャンはまだ夕食ではないのでダメだと言いました。
「小腹がすいたの。」
「だめですよ。人数分しかありません。」
「だめですよ。昨日もそう言って二つ召し上がりました。」
メチャンとヒャンはおむすびを取り合いました。
「ちょうだいよ!お父さまに持っていくの!」
メチャンは言いました。

「ヒャンに見つかってしまいました。」
メチャンは李元秀(イ・ウォンス)に言いました。
「だからヒャンを都に連れて来たくなかったんだ。」
李元秀(イ・ウォンス)は言いました。
「こうなったら中に入ってください。早く。」
ヒャンはイ・ウォンスを睨むとメチャンとともに手を引っ張りました。
イ・ウォンスはとうとうサイムダンに見つかってしまいました。
「お入りください。」
師任堂(サイムダン)は上品に李元秀(イ・ウォンス)に言いました。

部屋。
師任堂(サイムダン)は李元秀(イ・ウォンス)を着替えさせて食事を与えました。
李元秀(イ・ウォンス)はものすごい勢いで飯を口の中へとかき込みました。
父の様子を見守っている子どもたちは呆れていました。
李元秀(イ・ウォンス)もっと欲しいと言いました。
師任堂(サイムダン)は数日ぶりに召しあがったのだからそのくらいにしておいたほうがいいと言いました。

夜になりました。
李元秀(イ・ウォンス)は子どもたちをひげ面の牛食いお化けの演技で笑わせました。
師任堂(サイムダン)は両班らしくない夫の振舞いを部屋の外でしばらく黙って聴いていました。師任堂(サイムダン)は扉を開けました。
「ああいたのか。夫人。」
李元秀(イ・ウォンス)は師任堂(サイムダン)を恐れて尻餅をつきました。
「お父さんはお部屋へお戻りください。」
師任堂(サイムダン)は言いました。

李元秀(イ・ウォンス)の部屋。
師任堂(サイムダン)は子どもたちを寝かせつけると夫と久しぶりに話し合いました。
李元秀(イ・ウォンス)は土地を買えばそこに離宮が建つので金が何倍にもなると騙されたことについて話しました。
「あいつとは数十年来共に学んだ仲なのにどうしてくれるんだ。夫人にも子どもたちにも面目が立たなくて奴を捕まえようと漢陽中を捜しまわっているのだ。」
「もう無駄な事です。手遅れです。明日から科挙の勉強に専念してください。子どもたちも大きくなりました。次こそは必ず合格せねばなりません。暮らしのことは何とかします。一晩お休みになったらすぐに山にこもってください。静かな庵を見つけました。お話ください。あなたの仕事は勉強です。肝に銘じてください。」
師任堂は夫に詐欺師を捜すことをあきらめるように言いました。
李元秀(イ・ウォンス)はあと一日あれば犯人を捕まえると言いましたが、師任堂(サイムダン)に従いました。
朝のミン家。
ミン・チヒョンは長男ミン・ジギュンと次男と食事を摂っていました。
「食べなさい。」
フィウムダンは息子に言いました。
「嫌です。」
次男は言いました。
「キュウリを食べると頭がよくなる。」
ミン・チヒョンは息子たちに言いました。
長男のミン・ジギュンは黙ってキュウリを食べました。
「兄を見なさい。なんでも食べるから一番なのよ。」
フィウムダンは次男に言いました。
「中部学堂(チュンブハクダン)の一番などたいしたことではない。油断せずに勉学に励め。いいな。ミン一族に敗者はいらぬ。」
ミン・チヒョンはミン・ジギュンに言いました。
「はい。しっかり精進いたします。」
ミン・ジギュンは心を固く閉ざしたように答えました。
「寝る間も惜しんで努力しています。」
フィウムダンは長男を庇いました。
「勝たねば無意味だ。」
ミン・チヒョンは箸を置き口を拭うと部屋を出て行きました。
フィウムダンと息子たちはすぐに立ちあがって父に礼をしました。
父がいなくなるとミン・ジギュンはすぐに食べたものを吐き出しました。
「無理をしないで。食べるふりだけでいいのよ。」
フィウムダンはジギュンの口を手ぬぐいで拭いました。
「大丈夫です。」
ジギュンは母と視線を合わせずに言いました。

寿進坊(スジンバン)の朝。
師任堂(サイムダン)は子どもたちが見守る中、一人で餅をついていました。ヒャンは師任堂(サイムダン)を手伝おうとしましたが、他の用事を言いつけられました。李元秀(イ・ウォンス)はこっそりその様子を見ていました。
「餅のつき方に棘がある。いっそ殴られたほうがマシだ。どうせ許してないことはわかってるんだ。」
李元秀(イ・ウォンス)は経卓に書を開けて勉強しつつ、障子の隙間から妻の様子を観察すると、肩身の狭い気持ちになりました。

師任堂(サイムダン)は美しい花びら(※ビオラという現代の植物)を餅の表面に貼りました。師任堂(サイムダン)は子どもたちに餅を持たせてお隣の両班の屋敷に挨拶をするように指示しました。すると、子どもたちは驚きの声をあげました。

師任堂(サイムダン)の子どもたちは「夜に塀の向こうに白い影のおばけを見た」と母に言いました。近所の人たちも家に近づくなと噂をしているとヒャンは言いました。すると窓が開いて李元秀(イ・ウォンス)がこう言いました。
「夫人。私が餅を持って行ってやる。わかった。」
すると師任堂(サイムダン)は冷ややかな視線を夫に送りました。
李元秀(イ・ウォンス)は再び窓を閉じました。

四人の子どもたちは花で飾られた餅をお盆に乗せて隣の家の門まで行きました。メチャンは嫌々門を六回叩きました。
「ごめんください。」
すると門が開きました。
「あのう。隣に引っ越してきました。どうぞ召し上がってください。お邪魔いたしました!」
メチャンたちは白い服の夫人に餅を渡すと逃げるように帰りました。

廃妃(ペビ)シン氏(端敬王后、元中宗の妃で父が王宮を追われた)は女官から餅を受け取りました。

川辺の楼閣。
中宗はお忍びでイ・ギョムと会いました。
二人は川の見える楼閣で酒を飲みました。
「久しぶりに外出できて心が晴れた。」
中宗(チュンジョン)は宜城君(ウイソングン)に酒を注ぎました。
「私がどれほど会いたかったかわかるか?」
中宗(チュンジョン)は言いました。
「申し訳ございません。」
イ・ギョム(李岒)は謝りました。
「広い宮には心を開いて話せる者がおらぬ。私はただの飾りの王だ。」
中宗(チュンジョン)は言いました。
「どうしてそのようなことをおっしゃるのですか。」
イ・ギョム(李岒)は静かに言いました。
「老いた勲旧大臣とその一族が権力を握り、数十年間政治を独占している。」
中宗は臣下の顔色を伺うばかりの日々が続いている苦悩を告白しました。
「殿下。殿下はこの国の君主です。恐れずにお気持ちを強くお持ちください。」
イ・ギョムは中宗を励ましました。
「私に何ができるというのだ。満朝百官(マンジョベックァン)も殿下殿下と私に媚びてはいるが陰では用済みだと思っておる。キョムや。私には、お前だけだ。お前は二十年間そなたは王宮の外で気ままに過ごしてきた。大臣たちも気にも留めないだろう。私の目となり手足となってほしい。三政丞(サンジョンスン)らとミン・チヒョンの不正を暴きたい。調べてくれ。特にミン・チヒョンだ。あの者は見るからに怪しい。間違いなく多くの不正をしているだろう。」
中宗(チュンジョン)は密命を下しました。

寿進坊(スジンバン)。
李家の秀才イ・ヒョルロン(次男)は約束通り中部学堂(チュンブハクダン)で学びたいと母に駄々をこねました。
師任堂(サイムダン)は部屋で本を読んでなさいとヒョルロンに言いました。
ヒョルロンは入学して学びたいという熱い思いを強調しました。
師任堂(サイムダン)は子どもたちを部屋に集めると中部学堂(チュンブハクダン)に入学する余裕がないと言いました。
ヒョルロンは泣きそうになりながら入学したいと訴えました。
メチャンはヒョルロンを叩くと食べるだけで精一杯なのに学校に行く余裕が無いと言いました。
師任堂(サイムダン)は弟を叩いたメチャンを叱りました。
「さあ見なさい。残りの蓄えを知ればなぜ入学無理なのかわかるはずよ。二月は食べていけるけどそれ以上はもたない。これからは庭の野菜を育てて自給自足しなければならない。」
師任堂(サイムダン)は子どもたちに言いました。
「私は一日一食でも、いや、食べなくてもいいから学堂(ハクダン)に入学させてください母上!」
ヒョルロンは懇願しましたが師任堂(サイムダン)は認めませんでした。
不機嫌になったヒョルロンはウと一緒に町に行きました。

ヒョルロンはウと手をつないで歩いていました。すると、本を山積みにした男たちや、さまざまな人たちがある方角に向かっていました。ヒョルロンはその中の一人に尋ねると、男は比翼堂(ピイクダン)に行くと答えました。

ヒョルロンは比翼堂の門前に行き見学を願い出ましたが受付の男に「子どもはダメだ」と追い返されました。

李元秀(イ・ウォンス)は詐欺師で友人の男を見つけてると「どうしてくれるんだ!この家がどれだけ大事かわかってるのか?妻の実家から次男(ヒョルロン)が譲り受けた家なんだぞ!」と頭を叩いて怒りました。
「許してくれ友よ!絶対に儲かると思ったんだ。尻に敷かれているお前が不憫で助けてやりたかったんだ。」
友人は騙されて殴られた痕を見せて泣きました。
「飯は食っているのか?」
李元秀(イ・ウォンス)は友を哀れに思いました。
友「ウォンスや。お前が失った屋敷を取り戻してやれそうにない。俺は生きていてもいいのか?金になりそうなのはこれだけだ。華草ジャン(木へんに藏)(ファチョジャン、花模様の箪笥)を持っていけ。」
友人は李元秀(イ・ウォンス)に箪笥をあげました。


「重いな。また騙されたかも。あいつは詐欺師だぞ。それにしても遠いな。」
李元秀(イ・ウォンス)は箪笥を背負いながら道を歩いていました。
「吏曹参議(イジョチャミ)のお通りである。道をあけよ。」
ミン・チヒョンの行列がイ・ウォンスの背後に迫りました。
李元秀(イ・ウォンス)は慌てて行列をよけました。
ミン・チヒョンが運ばせている荷物のひとつに孔雀が檻に入れられていました。

家に帰ったイ・ウォンスは箪笥を妻に披露しました。ヒャンは「どこがファチョジャンですか?古びた米櫃です」と言いました。師任堂(サイムダン)は喜びもせず「ご苦労でした」と一言労うと、山に行く準備をするように言いました。

比翼堂(ピイクダン)。

優雅なコムンゴ(玄琴)の調べが風流さをいっそう際立たせていました。
イ・ギョム(李岒)は絹に芍薬の絵を描いていました。そこにミン・チヒョンがやって来て孔雀を贈ろうとしました。イ・ギョムは贈り物を断りました。
「高価な贈り物はお断りします。」
「宜城君(ウイソングン)大監(テガム)にではなく朝鮮の芸術に贈るのです。」
「あなたは芸術を両班のものだとお思いだ。」
「失礼をしましたか?」
「いいえ。何でも構いません。比翼堂(ピイクダン)は貴賤ではなく皆のものですから。」
「何を描いているのですか?」
「芍薬です。」
「芍薬。なじみのない花かと。」
「士大夫(サデブ)にはなじみのない花でも皆にはなじみ深い花です。」
「宜城君様の考える芸術とは民家の庭にあるのですか。」
ミン・チヒョンは言いました。
「どこにでもあります。」
宜城君(ウイソングン)は少し沈黙すると顔を上げました。

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感想

1回目の視聴感想

サイムダン10話の内容ではまた比翼堂(ピイクダン)という実在するかどうかわからない建物が登場しました。朝鮮で片翼の羽というか、そういったシンボルはどの程度の言われがあるのでしょうね。片翼というとFF7の悪役セフィロスやゼノギアスの天使を思い出すのですが(笑)日本ではセフィロスが有名すぎて元ネタまでたどり着くことができません。話は戻ってサイムダンは感情的にならない女性でいつも理性を保っています。賢い女性だと思いますが、感情の処理は一体どのようにしているのでしょうね。賢いから自分の気持ちも理解できるので冷静でいられるということでしょうか。激情に揺さぶられるイ・ギョムとは正反対の性格のように思います。イ・ギョムはとても感情を大事にしていて行動の基準が自分の感情です。サイムダンの行動の基準は家門を安泰にすることであるように思えます。ドラマの中で一度もサイムダンの本当の名前が呼ばれることはないので、なんだか名無しの権兵衛みたいで違和感があります。イ・ギョムが民に門戸を開いて・・・というエピソードも当時の価値観ではあり得ない。しかも中宗はそんなイ・ギョムが重臣は敵視していないと思い込んでいるのですからアホそうな男です。ミン・チヒョンは勝てなければ我が子ですらゴミだ、という価値観で家族に強いストレスを与えるタイプですね。でもミン・チヒョンの気持ちも意外とわかりやすくて単純!現実によくある権力者の思考パターンです。イ・ウォンスは投資で一発逆転!といった思考パターンはまさに田舎者の考えですね。士大夫らしくありません。果たしてイ・ウォンスは官職を得られるのでしょうか。でもイ・ウォンスの子どもたちに対する姿勢はまさに優しいパパ、善いパパそのもので実を言うと妻子への態度は平凡以上に非暴力的なんじゃないかと思います。そこは高い評価があってよいと思います。心配なのは次男のヒョンロンが勉学に没頭しすぎて肝心の「心」がわかっていないことです。なぜ母に叱られたのか、あの時はわかってなかったように思いますが、10話ではしっかりウの手を繋いでやってます。もしもヒョンロンが心がわかるようになれば賢者になれるでしょう。

人妻となったサイムダンはイ・ギョムのことをどう思ってるのでしょうね。そこはまだ語られていません。

2017年8月25日視聴。

2回目の視聴感想

初回視聴から3年後に再び見ました。宜城君(ウイソングン)は中宗(チュンジョン)に与えられた邸宅を比翼堂(ピイクダン)と名付け、そこで芸術や文化振興を志す人々を受け入れはじめました。噂を聞いて地方から旅をして来た人々が列をなし、入門を希望しました。

宜城君(ウイソングン)は中宗(チュンジョン)のそば仕えを命じられていましたが、政治に加わるつもりがない様子が描かれています。

しかし中宗(チュンジョン)は勲旧大臣(フングテシン)とミン・チヒョンの不正を密かに調べる密命を下しました。

でもちょっと考えればそんな仕事は義禁府(ウイグムブ)や司憲府(サホンブ)がやればいいじゃないですか。風流人で仕事もしたことのない宜城君(ウイソングン)に頼むには明らかな能力不足です。これはドラマの都合上、そのようにしたようですが、背景としては大臣の勢力が各部署に及んでいることを示唆しています。

学校に行くお金が無い李家。イ・ヒョルリョンの勉強への熱意は衣食を我慢してでも行きたいほど。しかし学校に行くだけが勉強といえるのでしょうか?確かに学友や師などさまざまな人と交流しないと引き立てて貰えないのも事実です。

一方、ミン・チヒョンは息子に「キュウリを食べれば頭がよくなる」と厳しくしつけています。どうやらミン・チヒョンは長男を首席レベルに育てたい様子。妻のフィウムダンは息子のことが本当にかわいいらしく、そこまでつらい思いをさせてくないみたい。他人に冷酷なフィウムダンも、我が子だけは可愛いようですね。

逆に李元秀(イ・ウォンス)は優しいお父さんです。子どもたちにバカにされつつも好かれているお父さん。李元秀(イ・ウォンス)も子どもたちをとても可愛がっています。でも師任堂(サイムダン)は子どもたちに感情的な優しさを見せることはなく、あくまで理性を説いています。師任堂(サイムダン)はメチャンに女性らしく振舞うよう決まった形式を守るように厳しく指導しています。ソンやヒョルリョンに対しても弟の面倒を見るように、人としての道理を説いています。子どもが甘えるのは通常、母親ですが、母は甘えをいつまでも許してくれません。子どもとべったりのフィウムダンとは子育ての方針が正反対のようです。

そういえば、宜城君(ウイソングン)は芍薬の絵を描いていました。彼が芍薬にこだわりがあるのはドラマを見ていた人にはもうお分かりでしょう。

2020年6月16日視聴。

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薯童謠(ソドンヨ)1話~最終回あらすじとネタバレ感想まとめ ソドンヨ 1話~66話 あらすじと感想 長文注意。薯童謠はよかったので感想もあらすじもしっかり書いてます!薯童謠とは新羅に伝わる童謡で物語がすすむにつれて意味がわかってきます。百済は三韓のうちのひとつを引き継ぎ前の国の王を倒す際にとある約束をしました。百済の技術師モンナス博士は仲間を連れて新羅に亡命します。そして新羅でしばらく過ごした後に・・・詳しくはソドンヨ各話あらすじをご覧ください。 薯童謠(ソドンヨ) 1話 薯童謠(ソドンヨ) 2話 薯童謠(ソドンヨ) 3話 薯童謠(ソドンヨ) 4話と5話  新羅へ亡命 薯童謠(ソドンヨ) 6話 薯童謠(ソドンヨ) 7話 薯童謠(ソドンヨ) 8話 薯童謠(ソドンヨ) 9話 薯童謠(ソドンヨ) 10話 11話 薯童謠(ソドンヨ) 12話 薯童謠(ソドンヨ) 13話 薯童謠(ソドンヨ) 14話 薯童謠(ソドンヨ) 15話 薯童謠(ソドンヨ) 16話 薯童謠(ソドンヨ) 17話 薯童謠(ソドンヨ) 18話 薯童謠(ソドンヨ) 19話 薯童謠(ソドンヨ) 20話 薯童謠(ソドンヨ) 21話  木羅須百済に帰国 薯童謠(ソドンヨ) 22話 薯童謠(ソドンヨ) 23話 薯童謠(ソドンヨ) 24話 薯童謠(ソドンヨ) 25話 薯童謠(ソドンヨ) 26話 薯童謠(ソドンヨ) 27話 薯童謠(ソドンヨ) 28話 薯童謠(ソドンヨ) 29話 薯童謠(ソドンヨ) 30話 薯童謠(ソドンヨ) 31話 薯童謠(ソドンヨ) 32話 薯童謠(ソドンヨ) 33話 薯童謠(ソドンヨ) 34話 薯童謠(ソドンヨ) 35話 薯童謠(ソドンヨ) 36話 薯童謠(ソドンヨ) 37話 薯童謠(ソドンヨ) 38話 薯童謠(ソドンヨ) 39話 薯童謠(ソドンヨ) 40話  武康太子の誕生 薯童謠(ソドンヨ) 41話 薯童謠(ソドンヨ) 42話 薯童謠(ソドンヨ) 43話  威徳王逝去 薯童謠(ソドンヨ) 44話  惠王即位 薯童謠(ソドンヨ) 45話 薯童謠(ソドンヨ) 46話 薯童謠(ソドンヨ) 47話 薯童謠(ソドンヨ) 48話  法王即位 薯童謠(ソドンヨ) 49話 薯童謠(ソドンヨ) 50話

朱蒙(チュモン)全話1から最終回81話までのあらすじと感想

朱蒙(チュモン)のあらすじ一覧 朱蒙(チュモン)の1話から最終回81話までのあらすじを解説し感想も述べています。途中でちょっと面倒になったこともありましたが、何とか最後まで視聴することができました。朱蒙(チュモン)は感情移入するようなドラマではないと侮っていたのですが、最後らへんになると思わず登場人物の結末に涙してしまいました。 チュモンの全話あらすじ詳細とネタバレ感想 チュモン 1話 あらすじネタバレ感想 チュモン 2話 あらすじネタバレ感想 チュモン 3話 あらすじネタバレ感想 チュモン 4話 チュモン 5話 あらすじネタバレ感想 チュモン 6話 チュモン 7話 あらすじネタバレ感想 チュモン 8話 チュモン 9話 あらすじネタバレ感想 チュモン 10話 あらすじネタバレ感想 チュモン 11話 あらすじネタバレ感想 チュモン 12話 あらすじネタバレ感想 チュモン 13話 あらすじネタバレ感想 チュモン 14話 あらすじネタバレ感想 チュモン 15話 あらすじネタバレ感想 チュモン 16話 あらすじネタバレ感想 チュモン 17話 あらすじネタバレ感想 チュモン 18話 あらすじネタバレ感想 チュモン 19話 あらすじネタバレ感想 チュモン 20話 あらすじネタバレ感想 チュモン 21話 あらすじネタバレ感想 チュモン 22話 あらすじネタバレ感想 チュモン 23話 あらすじネタバレ感想 チュモン 24話 あらすじネタバレ感想 チュモン 25話 あらすじネタバレ感想 チュモン 26話 あらすじネタバレ感想 チュモン 27話 あらすじネタバレ感想 チュモン 28話 あらすじネタバレ感想 チュモン 29話 あらすじネタバレ感想 チュモン 30話 あらすじネタバレ感想 チュモン 31話 あらすじネタバレ感想 チュモン 32話 あらすじネタバレ感想 チュモン 33話 チュモン 34話 あらすじネタバレ感想 チュモン 35話 チュモン 36話 チュモン 37話 あらすじネタバレ感想 チュモン 38話 あらすじネタバレ感想 チュモン 39話 あらすじネタバレ感想 チュモン 40話 あらすじネタバレ感想 チュモン 41話 あらすじネタバレ感想 チュモン 42話 あらすじネタバレ感想 チュモ

薯童謠(ソドンヨ)最終回第66話恋の成就のあらすじとネタバレ感想

薯童謠(ソドンヨ)最終回 あらすじ 夜の百済王宮。 女性たちが華やかに舞い、貴族の男とメクトスたちは庭で酒と食事を楽しんでいました。 「こんなに楽しい日は生まれて初めてだ。ははは。」 メクトスは有頂天でした。 「親父、俺も結婚したいよ。」 ポムノはメクトスに言いました。 「何だと。」 「チョギとだよ。陛下がうらやましいよ。」 「父親を片付けてから結婚しろ。」 「あー!ちくしょう。」 「ところで陛下は男女の営みをご存知だろうか。事前に教育するのを忘れてたよ。」 メクトスは卑猥な想像をしていました。 「そんなの心配いりませんよ。(未経験の)俺でも知っています。」 トゥイルはメクトスに言いました。 「そうか?」 「今頃うまくやってますよ。」 「はっはっはっはっはっは。」 男たちは笑いました。 「紙に穴をあけてのぞきたいところだけど、陛下にそれはできないな。」 メクトスは笑いました。 寝所の控室。 「結髪(キョルバル)の用意はできた?」 モジンはウンジンとウスに言いました。三人は桃色に白地の縁取りの刺繍の絹を着て初夜の営みの準備をしていました。 「はい。」 「香油は?」 「用意しました。」 ウンジンはモジンに言いました。 「櫛は?」 「置きました。」 ウスが答えました。 「浄化水は?」 「用意しましたー。」 チョギは明るく言いました。 「分かったわ。」 三人は王の寝所を出ました。 「準備が整いました。」 寝所の前で控えていたボミョンが外に出てきたモジンに言いました。 「はい。では五歩下がるように。」 モジンは侍従と侍女たちに命じました。 ウンジンとチョギとウスは口に手を当てて照れ笑いして顔を見合わせました。 「陛下。初夜の儀式を始める時間です。今から申し上げる順序でなさいませ。」 モジンは寝所の中に向かって話しかけました。 「まず、生涯を共にすると誓う意味の結髪をしてください。」 ベッドの上には白地の縁に金の刺繍が施された衣に着替えたチャンと白い絹に薄桃色の縁取りの絹を着たソンファ公主が腰かけていました。二人の髪が少し切られて絹の敷物の上に赤い紐で結ばれ置かれていました。 チャンは置