サイムダン(師任堂)色の日記 10話のあらすじと感想<完全版>
目次
サイムダン10話のあらすじ 芸術の場 比翼堂(ピイクダン)
比翼堂(ピイクダン)は二つの目と翼がひとつに合わさって初めて飛べる比翼鳥(ピイクチョ)。その名前を取った比翼堂(ピイクダン)は才能はあるが貧しい者に差別なく機会を与える芸術の場になるでしょう。
比翼堂(ピイクダン)の門前に人々が集まりました。
「イ・モンニョンです。絵でも歌でもなんでも・・・あふ~。ごほっごほっ・・・。」
薄緑色の衣を来た男は求人に応募しました。
「サンジャです。絵を描けるのですが実は奴婢でした。」
「私も奴婢です。」
奴婢の男たちが名乗ると応募者を記録している役人は渋い表情を浮かべました。
「奴婢であろうと両班であろうと熱心に取り掛かる気持ちがあれば画人であり楽人だ。入りなさい。」
宜城君(ウイソングン)は甥のイ・フとともに様子を見に現れました。
奴婢の男たちは入門を許されました。
フィウムダンは門前までイ・ギョムを見に来ていました。
イ・ギョム(李岒)とイ・フは比翼堂(ピイクダン)庭を通り中の人々の様子を見て回りました。イ・ギョムは優雅に扇を仰いでいました。
ミン・チヒョンの家。
「比翼堂(ピイクダン)に入る者をすべて知らせよ。貧しい者を受け入れている。宜城君(ウイソングン)は、意味のない志を抱いているようだな。」
ミン・チヒョンは部下に言いました。
寿進坊(スジンバン)のサイムダンの家。
「河の水と海の水にしばし尋ねてみよう。そなたと私の心はどうしてかようにも心が同じであろうか。この模様は何?鳥かしら?」
サイムダンの娘、イ・メチャンは金剛山図に書かれた愛の詩を読んでいました。
街。
イ・メチャン兄を捜していました。
「なぜ家で大人しくできないの?お母さまも私をこき使ってばかり。お父さま?」
イ・ウォンスはみすぼらしい姿となり果て娘から身を隠してシャックリを我慢していましたがメチャンに見つかってしまいました。
「メチャン。会いたかったよ。顔を見せておくれ。」
李元秀(イ・ウォンス)は娘を可愛がりました。
メチャンは父の手を引っ張り家に帰りました。
「ここが新しい家かぁ。」
「誰もいません。入ってください。」
「いやいや。厠に隠れているから先に食べ物をくれ。腹がすいて気まで弱っている。たくさん頼む。」
李元秀(イ・ウォンス)は隠れました。
メチャンは大きなおむすびを手に取りました。
「お嬢様!」
使用人の娘ヒャンはまだ夕食ではないのでダメだと言いました。
メチャンとヒャンはおむすびを取り合いました。
「ちょうだいよ!お父さまに持っていくの!」
メチャンは言いました。
「ヒャンに見つかってしまいました。」
ヒャンはイ・ウォンスを睨むとメチャンとともに手を引っ張りました。
部屋。
師任堂(サイムダン)は李元秀(イ・ウォンス)を着替えさせて食事を与えました。
父の様子を見守っている子どもたちは呆れていました。
夜になりました。
「ああいたのか。夫人。」
「お父さんはお部屋へお戻りください。」
師任堂(サイムダン)は子どもたちを寝かせつけると夫と久しぶりに話し合いました。
「あいつとは数十年来共に学んだ仲なのにどうしてくれるんだ。夫人にも子どもたちにも面目が立たなくて奴を捕まえようと漢陽中を捜しまわっているのだ。」
「もう無駄な事です。手遅れです。明日から科挙の勉強に専念してください。子どもたちも大きくなりました。次こそは必ず合格せねばなりません。暮らしのことは何とかします。一晩お休みになったらすぐに山にこもってください。静かな庵を見つけました。お話ください。あなたの仕事は勉強です。肝に銘じてください。」
師任堂は夫に詐欺師を捜すことをあきらめるように言いました。
ミン・チヒョンは長男ミン・ジギュンと次男と食事を摂っていました。
「食べなさい。」
フィウムダンは息子に言いました。
「嫌です。」
次男は言いました。
「キュウリを食べると頭がよくなる。」
ミン・チヒョンは息子たちに言いました。
「兄を見なさい。なんでも食べるから一番なのよ。」
フィウムダンは次男に言いました。
「中部学堂(チュンブハクダン)の一番などたいしたことではない。油断せずに勉学に励め。いいな。ミン一族に敗者はいらぬ。」
ミン・チヒョンはミン・ジギュンに言いました。
「はい。しっかり精進いたします。」
ミン・ジギュンは心を固く閉ざしたように答えました。
「寝る間も惜しんで努力しています。」
フィウムダンは長男を庇いました。
「勝たねば無意味だ。」
ミン・チヒョンは箸を置き口を拭うと部屋を出て行きました。
「無理をしないで。食べるふりだけでいいのよ。」
フィウムダンはジギュンの口を手ぬぐいで拭いました。
「大丈夫です。」
ジギュンは母と視線を合わせずに言いました。
寿進坊(スジンバン)の朝。
師任堂(サイムダン)は子どもたちが見守る中、一人で餅をついていました。ヒャンは師任堂(サイムダン)を手伝おうとしましたが、他の用事を言いつけられました。李元秀(イ・ウォンス)はこっそりその様子を見ていました。
李元秀(イ・ウォンス)は経卓に書を開けて勉強しつつ、障子の隙間から妻の様子を観察すると、肩身の狭い気持ちになりました。
師任堂(サイムダン)は美しい花びら(※ビオラという現代の植物)を餅の表面に貼りました。師任堂(サイムダン)は子どもたちに餅を持たせてお隣の両班の屋敷に挨拶をするように指示しました。すると、子どもたちは驚きの声をあげました。
すると師任堂(サイムダン)は冷ややかな視線を夫に送りました。
四人の子どもたちは花で飾られた餅をお盆に乗せて隣の家の門まで行きました。メチャンは嫌々門を六回叩きました。
「ごめんください。」
すると門が開きました。
「あのう。隣に引っ越してきました。どうぞ召し上がってください。お邪魔いたしました!」
メチャンたちは白い服の夫人に餅を渡すと逃げるように帰りました。
廃妃(ペビ)シン氏(端敬王后、元中宗の妃で父が王宮を追われた)は女官から餅を受け取りました。
川辺の楼閣。
中宗はお忍びでイ・ギョムと会いました。
「殿下。殿下はこの国の君主です。恐れずにお気持ちを強くお持ちください。」
イ・ギョムは中宗を励ましました。
「私に何ができるというのだ。満朝百官(マンジョベックァン)も殿下殿下と私に媚びてはいるが陰では用済みだと思っておる。キョムや。私には、お前だけだ。お前は二十年間そなたは王宮の外で気ままに過ごしてきた。大臣たちも気にも留めないだろう。私の目となり手足となってほしい。三政丞(サンジョンスン)らとミン・チヒョンの不正を暴きたい。調べてくれ。特にミン・チヒョンだ。あの者は見るからに怪しい。間違いなく多くの不正をしているだろう。」
中宗(チュンジョン)は密命を下しました。
寿進坊(スジンバン)。
師任堂(サイムダン)は子どもたちを部屋に集めると中部学堂(チュンブハクダン)に入学する余裕がないと言いました。
「さあ見なさい。残りの蓄えを知ればなぜ入学無理なのかわかるはずよ。二月は食べていけるけどそれ以上はもたない。これからは庭の野菜を育てて自給自足しなければならない。」
「私は一日一食でも、いや、食べなくてもいいから学堂(ハクダン)に入学させてください母上!」
ヒョルロンは懇願しましたが師任堂(サイムダン)は認めませんでした。
不機嫌になったヒョルロンはウと一緒に町に行きました。
ヒョルロンはウと手をつないで歩いていました。すると、本を山積みにした男たちや、さまざまな人たちがある方角に向かっていました。ヒョルロンはその中の一人に尋ねると、男は比翼堂(ピイクダン)に行くと答えました。
ヒョルロンは比翼堂の門前に行き見学を願い出ましたが受付の男に「子どもはダメだ」と追い返されました。
李元秀(イ・ウォンス)は詐欺師で友人の男を見つけてると「どうしてくれるんだ!この家がどれだけ大事かわかってるのか?妻の実家から次男(ヒョルロン)が譲り受けた家なんだぞ!」と頭を叩いて怒りました。
「重いな。また騙されたかも。あいつは詐欺師だぞ。それにしても遠いな。」
李元秀(イ・ウォンス)は箪笥を背負いながら道を歩いていました。
「吏曹参議(イジョチャミ)のお通りである。道をあけよ。」
ミン・チヒョンの行列がイ・ウォンスの背後に迫りました。
家に帰ったイ・ウォンスは箪笥を妻に披露しました。ヒャンは「どこがファチョジャンですか?古びた米櫃です」と言いました。師任堂(サイムダン)は喜びもせず「ご苦労でした」と一言労うと、山に行く準備をするように言いました。
比翼堂(ピイクダン)。
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感想
1回目の視聴感想
サイムダン10話の内容ではまた比翼堂(ピイクダン)という実在するかどうかわからない建物が登場しました。朝鮮で片翼の羽というか、そういったシンボルはどの程度の言われがあるのでしょうね。片翼というとFF7の悪役セフィロスやゼノギアスの天使を思い出すのですが(笑)日本ではセフィロスが有名すぎて元ネタまでたどり着くことができません。話は戻ってサイムダンは感情的にならない女性でいつも理性を保っています。賢い女性だと思いますが、感情の処理は一体どのようにしているのでしょうね。賢いから自分の気持ちも理解できるので冷静でいられるということでしょうか。激情に揺さぶられるイ・ギョムとは正反対の性格のように思います。イ・ギョムはとても感情を大事にしていて行動の基準が自分の感情です。サイムダンの行動の基準は家門を安泰にすることであるように思えます。ドラマの中で一度もサイムダンの本当の名前が呼ばれることはないので、なんだか名無しの権兵衛みたいで違和感があります。イ・ギョムが民に門戸を開いて・・・というエピソードも当時の価値観ではあり得ない。しかも中宗はそんなイ・ギョムが重臣は敵視していないと思い込んでいるのですからアホそうな男です。ミン・チヒョンは勝てなければ我が子ですらゴミだ、という価値観で家族に強いストレスを与えるタイプですね。でもミン・チヒョンの気持ちも意外とわかりやすくて単純!現実によくある権力者の思考パターンです。イ・ウォンスは投資で一発逆転!といった思考パターンはまさに田舎者の考えですね。士大夫らしくありません。果たしてイ・ウォンスは官職を得られるのでしょうか。でもイ・ウォンスの子どもたちに対する姿勢はまさに優しいパパ、善いパパそのもので実を言うと妻子への態度は平凡以上に非暴力的なんじゃないかと思います。そこは高い評価があってよいと思います。心配なのは次男のヒョンロンが勉学に没頭しすぎて肝心の「心」がわかっていないことです。なぜ母に叱られたのか、あの時はわかってなかったように思いますが、10話ではしっかりウの手を繋いでやってます。もしもヒョンロンが心がわかるようになれば賢者になれるでしょう。
人妻となったサイムダンはイ・ギョムのことをどう思ってるのでしょうね。そこはまだ語られていません。
2017年8月25日視聴。
2回目の視聴感想
初回視聴から3年後に再び見ました。宜城君(ウイソングン)は中宗(チュンジョン)に与えられた邸宅を比翼堂(ピイクダン)と名付け、そこで芸術や文化振興を志す人々を受け入れはじめました。噂を聞いて地方から旅をして来た人々が列をなし、入門を希望しました。
宜城君(ウイソングン)は中宗(チュンジョン)のそば仕えを命じられていましたが、政治に加わるつもりがない様子が描かれています。
しかし中宗(チュンジョン)は勲旧大臣(フングテシン)とミン・チヒョンの不正を密かに調べる密命を下しました。
でもちょっと考えればそんな仕事は義禁府(ウイグムブ)や司憲府(サホンブ)がやればいいじゃないですか。風流人で仕事もしたことのない宜城君(ウイソングン)に頼むには明らかな能力不足です。これはドラマの都合上、そのようにしたようですが、背景としては大臣の勢力が各部署に及んでいることを示唆しています。
学校に行くお金が無い李家。イ・ヒョルリョンの勉強への熱意は衣食を我慢してでも行きたいほど。しかし学校に行くだけが勉強といえるのでしょうか?確かに学友や師などさまざまな人と交流しないと引き立てて貰えないのも事実です。
一方、ミン・チヒョンは息子に「キュウリを食べれば頭がよくなる」と厳しくしつけています。どうやらミン・チヒョンは長男を首席レベルに育てたい様子。妻のフィウムダンは息子のことが本当にかわいいらしく、そこまでつらい思いをさせてくないみたい。他人に冷酷なフィウムダンも、我が子だけは可愛いようですね。
逆に李元秀(イ・ウォンス)は優しいお父さんです。子どもたちにバカにされつつも好かれているお父さん。李元秀(イ・ウォンス)も子どもたちをとても可愛がっています。でも師任堂(サイムダン)は子どもたちに感情的な優しさを見せることはなく、あくまで理性を説いています。師任堂(サイムダン)はメチャンに女性らしく振舞うよう決まった形式を守るように厳しく指導しています。ソンやヒョルリョンに対しても弟の面倒を見るように、人としての道理を説いています。子どもが甘えるのは通常、母親ですが、母は甘えをいつまでも許してくれません。子どもとべったりのフィウムダンとは子育ての方針が正反対のようです。
そういえば、宜城君(ウイソングン)は芍薬の絵を描いていました。彼が芍薬にこだわりがあるのはドラマを見ていた人にはもうお分かりでしょう。
2020年6月16日視聴。
サイムダン各話のあらすじと感想
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