サイムダン(師任堂)色の日記 30話のあらすじと感想<完全版>
目次
サイムダン30話のあらすじ 勝利を手にするために
ミン・ジョンハク教授はホ・ヨンドに呼ばれてギャラリーソンに現れ巻いた。ホ・ヨンドは中国の要請で金剛山図を五か国首脳会議で展示し国宝指定を確実にすると言いました。ソン・ミギョンは日本や中国の古美術の専門家の集まる場で贋作とバレたらと反対しました。ミン・ジョンハクはあれは真作だと言い切りました。
夜、ソ・ジユンは泥酔して実家に帰りました。同じく泥酔しているコ・ヘジョンとハン・サンヒョンもジユンの実家に泊まりました。
ジユンは眠りながらミン・ジョンハクの悪夢を見ていました。
ミン・ジョンハクはジユンが持っていた真作を前にしていました。
回想シーン。
ミン・ジョンハクはジユンが持っていた真作を手本に贋作を絵師に作らせていました。
「アン・ギョンの絵の特徴は短点線の皺なのだ。」
ミン・ジョンハクは絵師に囁きました。
「私はアン・ギョンではありません。依頼時には遠目に似ればいいと。」
絵師は立ち上がりそうになりました。
ミン・ジョンハクは絵師を着席させ絵を描かせました。
朝になりました。
ジユンが目を覚ますと隣でヘジョンが大きないびきをかいて寝ていました。
「ああ・・・・ああ・・・・。」
ジユンは頭を押さえました。
ジユンは冷蔵庫から水を取り出すと庭で飲みました。
庭にはサンヒョンが腰掛けていました。
「大丈夫?」
「先輩は?この町の酒を飲み尽くす勢いでした。無理しないでください。先輩が戦いから身を引いたってかまいません。今大事なのは先輩とウンスです。一年でも二年でも待ちます。」
「は〜。ありがとう。サンヒョナ。」
しばらくしてヘジョンが帰る用意をして家から出てきました。ウンスとジユンの父も見送りに来ました。サンヒョンとヘジョンは車でソウルに帰りました。
ジユンの父はソフトクリームを片手にウンスと散歩に出かけました。
「ウンスや。ママが恨めしいのか。それで避けてるのか?」
ジユンの父が言うとウンスは頷きました。
「ママはお前を愛してる。もちろんパパもだ。」
ジユンは公園を歩いていました。
弱気のジユンはサンヒョンが戦おうと言っていたことを思いだしました。
ジユンを黒い服を着た男が撮影していました。気が付いたジユンは男を追いかけました。壁に紙が挟まれていました。
「勇気とは祈りを終えた恐れ。」
紙にはメッセージが書かれていました。
朝鮮時代。
イ・ギョム(宜城君)は王宮の廊下を歩いていました。
人々は作った紙を役所に登録していました。
ミン・チヒョンが営む壮元紙店が鳴り物入りで役所に入ると官僚たちは立ち上がり礼をしました。
「受け付けた者の中にシン氏夫人はおりませんでした。」
下の役人はミン・チヒョンに報告しました。
「ご苦労だった。」
ミン・チヒョンは言うと妻のフィウムダンに目配せしました。
ミン・チヒョンは丞承(ジョンスン)らがたむろしている場所に行きました。
「紙の問題が解決せぬことには民政に取り掛かれぬ。」
領議政は言いました。
「まったくです。」
右議政も言いました。
「どうして他人事のように言うのです。紙比べが終わった後、朝廷にどんな血の嵐が吹き荒れるか、わかりませぬぞ。」
ミン・チヒョンは三人を脅しました。
比翼堂(ピイクダン)。
「そなたたちは何をしているのだ〜今日は高麗紙の質比べですよ〜!」
イ・フは門下生たちに声を掛けました。
「今日だったか。面白い勝負を見逃すところだった。」
人々は役所に向かいました。
役所。
「文書と見本紙の審査により参加が認められた工房は十件だけだった。うち二軒が紙の量の不足などにより辞退した。それゆえ本日の質比べに参加する工房はここに集まった八軒だけだ。造紙署(チョジソ)に納める紙は実録の製本に使われる。」
ソ・セヤンは皆に言いました。
イ・フたちが駆け付けました。
「代々受け継がれる書ゆえ紙の質は丈夫でなければならぬ。さあこれより質比べを行う。」
銅鑼が鳴らされました。
紙は水に浸されました。
「イェイン紙房、落第。」
「誠心紙房(ソンシンシバン)。落第。」
ソ・セヤンは水の中で破けた紙を見て言いました。
「チョンジュ紙房、及第。」
「次は木版に試し刷りして紙の質を比べる。」
ソ・セヤンは言いました。
墨で版が刷られました。
王宮。
「思いのほか長引いているので窮屈ではありませんか。」
中宗は明国の使臣に言いました。イ・ギョム(宜城君)も行列に続いて廊下を歩いていました。
「いいえ殿下。私は朝鮮の文物への関心が高く高麗紙の質比べをしに参ったのです。」
「はっはっは。そう思ってくれるとありがたい。本日は必ず最高の高麗紙が見つかります。役目と思わず楽しまれよ。」
「はい。期待しています。」
王の御前。
「最後に残った紙は二つです。壮元紙物店の長は前に出なさい。」
ソ・セヤンが言うとフィウムダンが前に出て中宗に礼をしました。
「また楊柳紙所(ヤンニュジソ)の長も前へ出なさい。」
ソ・セヤンは言いました。
知らぬ名前に大臣たちは顔を見合わせました。
しばらくして、サイムダンが名乗りを上げました。
フィウムダンは驚きました。
「どういうことだ?」
ミン・チヒョンは心の中で思いました。
「私が楊柳紙所(ヤンニュジソ)の代表です。」
サイムダンは中宗に頭を下げました。
「(どうやって?どうやってここに!?)
フィウムダンは動揺しました。
「始めなさい。」
中宗は命じました。
「おお!墨葡萄(ムクポド)を描いたシン氏夫人ではないか!」
比翼堂(ピイクダン)の門下生や絵心のある者たちはざわめきました。
「楊柳紙所(ヤンニュジソ)の長だって?」
「壮元紙物店の長もすごいぞ。ミン・チヒョン殿の正室で草虫図のフィウムダンだ。」
「朝鮮最高の女画家が二人並んだわけだ。」
「面白みが増してきました。」
紙の上に墨が垂らされました。
大臣たちは紙を見比べました。
イ・ギョム(宜城君)は固唾をのんで質比べを見守っていました。
紙に文字が書かれました。
「どうだ?」
中宗は言いました。
「質の高さは優劣がつけられません。双方とも墨のにじみがちょうどよく墨を乗せた時に紙が適度に吸水します。文士や画家が欲しがる紙といえましょう。どちらがよいか結論を下せません。どういたしましょう?」
ソ・セヤンは言いました。
「殿下。絵を描かせては?皇帝陛下が問題にされたのは高麗紙に書かれた絵の色が褪せたためでした。それぞれに絵を描かせ色の出方や乗り方を見ましょう。」
明の使臣は言いました。
「よい考えだ。図画署(トファソ)の絵師を呼べ。」
「二人の女人(にょにん)だけで十分です。画家のようですから。」
「そうしよう。」
「すばらしいご判断です。紙を作った者こそ紙の良さがわかりましょう。」
ソ・セヤンも言いました。
「二人の女人(にょにん)は前に出よ。」
中宗は命じました。
卓上に紙と顔料と絵皿が用意されました。
サイムダンとフィウムダンはその場で絵の制作に取り掛かりました。
サイムダンは朱を溶こうとして何かに気が付きました。
フィウムダンは緑青と藍を溶きながらサイムダンを睨みました。
「おかしいわ。水と油のようにうまく混ざらない。」
サイムダンは心の中で思いました。
イ・ギョム(宜城君)はサイムダンの異変に気が付きました。
フィウムダンは墨で絵の輪郭を描きはじめました。赤い牡丹を描きました。
「まことに美しい。絵が光っておる。」
大臣の一人がフィウムダンの絵を見て言いました。
「高麗紙はきめが細かく素早く色を吸収すると言うが、色が際立っている。」
「ところで楊柳紙所(ヤンニュジソ)の夫人はなぜ筆を持たぬのだ?」
「落ち着かなきゃ。落ち着くのよ。大丈夫。何か手があるはず。は・・・山茱萸(サンスユ)?」
サイムダンの顔に汗がにじみでました。サイムダンは横を見ると木の実が飾られていました。サイムダンは山茱萸の実を取り始めました。
「何をしておるのだ?」
大臣たちはざわめきました。
サイムダンは山茱萸の実を潰すと赤い色が染みだしました。サイムダンは筆を取り墨で木の枝を描きはじめました。そして指で山茱萸の染料を紙につけました。
中宗も明の使臣も大臣たちも身を乗り出しサイムダンたちを取り囲みました。
サイムダンは指で山茱萸の色で木を彩りました。そして漢文で詩を添えました。
フィウムダンはちらちらとサイムダンを盗み見て焦りました。
「楽しく拝見しました。」
明の使臣は言いました。
「それはよかった。使臣殿がご判断ください。」
中宗は言いました。
明の使臣はフィウムダンの絵の評価をはじめました。
「五色の色を使った見事な絵だ。この紙は五つの顔料をうまく吸収し色を自由に表現できる。質の高さを証明しています。」
明の使臣はサイムダンの絵の評価をはじめました。
「赤と墨だけを使いましたね。たんぱくに見えながらごつごつとした枝の感じが伝わってくる。風雪に負けることなく梅の花が気高く咲いています。」
「はっはっはっは。勅使殿は目が肥えてらっしゃる。」
中宗は言いました。
「ところで、色の乗りが悪いようだが、本当に紙のせいか?」
勅使言いました。
「どちらの紙が優れていますか?」
中宗は勅使に言いました。
「私は、あちらを選びます。」
勅使はサイムダンを選びました。
「どうしてです?」
中宗は言いました。
「肌の美しい女人(にょにん)は化粧が薄いと言います。愛しい高麗紙に出会えたのだ。」
勅使が言うと大臣たちは手を叩きました。
「自分たちの紙に対する自信を表したのか?」
中宗はサイムダンに言いました。
「まことに恐れ入ります。梅の気高さと優雅さを表現しようと思い鮮やかな色を捨て墨と赤い実の色だけで表現しました。」
サイムダンは言いました。フィウムダンは悔しがりました。
「無数の凍える手 撫でて春を成す。どういう意味だ?」
「多くの人の冷たい手で春を成した。楊柳紙所(ヤンニュジソ)では多くの流民が働いています。紙づくりはたいへんな作業ですが、流民たちのおかげで完成しました。」
「流民か。そなたの名前は?」
「サイムダンと申します。」
「サイムダン。サイムダンか。高麗紙の勝利をたたえよう。」
中宗はサイムダンを認めました。
大臣やイ・フたちは手を叩いてサイムダンの勝利を祝いました。
城門の外。
「お嬢様だ!」
待っていた流民たちは集まりました。
「どうなりましたか?憎らしいチャンウォン紙物店に負けたんですか?」
「一番だったわ!私たちが頑張ったもの。当然よ。楊柳紙所(ヤンニュジソ)の高麗紙が認められました!!!」
サイムダンはとびきりの笑顔で答えました。
流民たちは歌って踊り、喜びました。
サイムダンとヒャンは流民たちと工房に戻りました。
便殿。
「はっはっはっは!こたびの高麗紙の件は宜城君のおかげだ。これで余は手足を伸ばして眠れる。よくやった。」
中宗は大臣らの前で喜びました。
「殿下。明国との高麗紙の問題は解決しても国内の高麗紙の問題は解決していません。殿下がミン・チヒョンを放免したのは処罰を延期するだけだとおっしゃいました。」
イ・ギョム(宜城君)は言いました。
「そうだった。ミン・チヒョンの姿が見えぬな。」
中宗は言いました。
「吏曹参議(イジョチャミ)ミン・チヒョンの罪を問うべきです。」
イ・ギョム(宜城君)は言いました。
「吏曹参議(イジョチャミ)ミン・チヒョンの罪は報告を受けた他にも罪があるのか?」
「あの者の罪をご報告したのはごく一部です。高麗紙で勝利を収めた楊柳紙所(ヤンニュジソ)で火事が起きました。」
「火事だと?」
「昨晩楊柳紙所(ヤンニュジソ)がすべて燃えました。」
「ではなぜ高麗紙を出せたのだ?」
「入りなさい。」
イ・ギョム(宜城君)が言うと元チュジソの紙職人が武官に突き出されました。
「ひいっ。とんでもないことをいたしました!殿下。」
元職人は四つん這いになって謝りました。
回想シーン。
元職人が工房から逃げるように山を下りるところを山賊のイム・コッチョンたちが後をつけていました。元職人はミン・チヒョンの家に入りました。イム・コッチョンは宜城君にこのことを伝えました。流民たちは宴を開いて祝っていました。戻ってきた元職人は「もったいないな。もったいない。は〜。仕方ない。許してくれ。」と言いながら紙の倉庫に火打石で火をつけようとしました。
「なぜ点かない?ん!」
「ダメか?石が悪いんだ。」
流民が背後から元職人に話しかけました。
「あ〜ついた!ん?わ〜〜!」
元紙職人は流民たちに取り押さえられました。
滝つぼに元紙職人は頭を漬けられました。
イ・ギョム(宜城君)とサイムダンはその様子を見守っていました。
「許してくれ〜手足を斬ると脅されたんだ〜。俺だって心苦しかった〜。」
元職人は泣きました。
「嘘つけ〜。」
流民たちは元紙職人を静めました。
「俺が火をつけなきゃあんたらを皆殺しにすると言われたんだ〜。今も見張ってるはずだ。」
「騙されるな!」
「紙を燃やしたほうがあんたらが殺されるよりましだって!」
「お前は黙って水でも飲んでいろ!」
「私をどうか信じてくれ。ミン・チヒョンを捕まえる唯一の手だ。火事が起きなければミン・チヒョンが何をしてくるかわからない。紙を隠して火をつけさせよう。」
イ・ギョム(宜城君)は作戦を考えていました。
「流民の生活の場を燃やすなんて・・・。」
サイムダンは心を痛めました。
元職人は予定通りに小屋に火をつけ工房が燃え尽きました。ミン・チヒョンの手下ホンは撤退しました。
元紙職人は話し終えると便殿から連れ出されました。
「赦されぬ罪を犯しました〜!」
「余は高麗紙を作るよう命じたのにこれは余に対する反逆だ!」
「続きがございます殿下。」
「宜城君はミン・チヒョンの罪を残らず明らかにせよ。」
「ミン・チヒョンの罪を明らかにする証人がもう一人おります。」
宜城君が言うと領議政の息子が武官に突き出されました。
「殿下ぁ〜。」
息子は地面に腹ばいになりました。
「何者だ。」
「殿下。私の息子でございます。」
領議政は言いました。
「領相(ヨンサン、領議政)の息子が証人とはどういうことだ。」
「私の息子は、幼いころより心身に重い病にかかり普通の暮らしができません。それを知ったミン・チヒョンあの者から療養の提案を受けました。それで私と縁ができたのです。」
「ではミン・チヒョンの暗部にも詳しかろう。話してみよ。」
「ミン参議(チャミ)が、わたしからちちが話せと。父上は領議政の力で出世を果たし、好きなことをさせてやると、ミン参議は父上に賄賂を・・・。」
感想
やはり高麗紙の対決は師任堂(サイムダン)が勝たないと話しにならないと言った感じでわかりきっていましたね。ミン・チヒョンはサイムダンの顔料に細工をするなど手が込んでいます。そして高麗紙が無事だったのはイム・コッチョンの活躍によるところが大きく・・・。紙が無事でめでたしめでたしです。
そういうわけで、今回は特別な感想はありません(笑)
ミン・チヒョンのパターンも見飽きてしまいましたし、宜城君の高鳴る気持ちも落ち着いてきたもようで、ひと段落っぽいです。
師任堂(サイムダン)が流民たちに自分たちの高麗紙が勝ったと言った瞬間の場面は素晴らしかったです。なぜサイムダンが紙を匿名で出品することができたのかは、やはり宜城君の協力によるところが大きいのでしょう。
山茱萸という赤い実。実は漢方薬にも使われている木なのです。種子には毒性があるので果肉だけを使います。その木の実を染料とするとは、思いもよりませんでした!偶然赤い実が飾られてるなんて!
あと何話で終わるのかさっぱりわかりませんが、ここまで見たからには続きが気になります。
そういうわけで、今回は特別な感想はありません(笑)
ミン・チヒョンのパターンも見飽きてしまいましたし、宜城君の高鳴る気持ちも落ち着いてきたもようで、ひと段落っぽいです。
師任堂(サイムダン)が流民たちに自分たちの高麗紙が勝ったと言った瞬間の場面は素晴らしかったです。なぜサイムダンが紙を匿名で出品することができたのかは、やはり宜城君の協力によるところが大きいのでしょう。
山茱萸という赤い実。実は漢方薬にも使われている木なのです。種子には毒性があるので果肉だけを使います。その木の実を染料とするとは、思いもよりませんでした!偶然赤い実が飾られてるなんて!
あと何話で終わるのかさっぱりわかりませんが、ここまで見たからには続きが気になります。
サイムダン各話のあらすじと感想
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