サイムダン(師任堂)色の日記 23話のあらすじと感想<完全版>
目次
サイムダン23話のあらすじ 失われた名画
ミン・ジョンハク教授は金剛山図の真作をジユンから奪って逃げました。ハン・サンヒョンとコ・ヘジョンは警察に訴えました。刑事は部下に監視カメラを確かめさせると工事で電源が停止していました。ジユンの夫、チョン・ミンソクは第二ギャラリーの旧予定地の近くで裏帳簿を見つけたと後輩の男に電話し警察に出頭すると言いました。
ジユンはソン・ミギョンに会い絵画が強奪されたことを訴えるとミギョンは驚くとともに表沙汰にできないのでしばらくおとなしくするように言いました。
本物の金剛山図を手に入れたミン・ジョンハク。
「真作だ。雄大さを感じさせる絶妙な構図。山ごとに対照をなして広がる無数の稜線・・・。淡彩の仲から生まれる躍動感。はぁ。アン・ギョンの作だ。ところで、この詩は何だ?いずれにせよ私が鑑定した例の絵は真作ではなかった。アン・ギョンの作品だと断言した時の不安は当たっていたのだ。」
ミン・ジョンハクは焼酎を飲みながら絵を確かめました。
ジユンは喫茶店でヘジョンとサンヒョンに合流しました。サンヒョンは追いかけて奪い返せばよかったと悔しがりました。するとジユンのスマートフォンにミン・ジョンハクから電話がかかってきました。
ギャラリーソンではソン・ミギョンのスマートフォンに夫のホ・ヨンドから面白い物が見られると脅しのメッセージが届きました。
チョン・ミンソクは後輩と落ち合いました。後輩の男はコンビニに入るとミンソクの様子を伺いました。
回想シーン。
ホ・ヨンドはミンソクの後輩を殴りました。
「会長!お許しください!」
後輩の男は土下座しました。
「なだ、Rテックに投資して潰れたJインベストメントの代表がお前の先輩だと?そいつがギャラリーの館長のパソコンをのぞくのをお前が助け、私の裏帳簿まで探らせた身で許しを請うだと?」
「会長っ。すみません。」
「助かりたければそいつをここに連れて来い。わかったな?」
車の中。
後輩は困った表情で飲み物に薬を入れました。
チョン・ミンソクは飲み物を飲みました。
「ありがとう。恩は忘れない。裏帳簿には株価操作時の記録も詳細に残されている。」
「検事に内容を話したんですか?」
「いや。なぜ?」
「いいえ。なんだか心配になって。巨人との戦いですから。」
「聖書でも羊飼いが巨人に勝った。」
「やつれたようです。食事にでもしましょうか。」
「そうだな。何も食べてない。」
ソンジングループの建物の中。
ジユンとヘジョンとサンヒョンはボディチェックを受けました。
三人が部屋に通されるとホ・ヨンドとミン・ジョンハクがソファに座っていました。ソン・ミギョンも同席していました。
「そなたがソ・ジユンか?」
ホ・ヨンドは余裕のある様子でジユンを指さしました。
「金剛山図を返してください!」
開口一番にジユンは言いました。
「すぐに返してください!」
サンヒョンは言いました。
「罪に問われるわよ!」
ヘジョンは怒鳴りました。
「これのことか?」
ミン・ジョンハクは金剛山図を素手で持って広げました。
ジユンたちは絵画の乱暴な扱いに慌てました。
ソン・ミギョンは思わず立ち上がりました。
チョン・ミンソクを乗せた黒い車は川沿いの崖の上を走っていました。ミンソクは眠ってしまいました。
「あ。寝てた。なあ。食事に行くんだろ?おいキム・ソヌ。」
ミンソクは後輩に言いました。
「裏帳簿を会長に返しに行く。ソンジングループにバレたんです。ゲームオーバーです。」
「すぐに車を止めろ。」
「嫌です。」
「すぐに止めるんだ!!!」
「手を離してください。」
車は蛇行しました。
「すぐに返してください!」
ジユンたちはもがきましたボディーガードに捕らえられて身動きができなくなりました。
ミン・ジョンハクは金剛山図に液体をかけました。
「あ〜っ!何するのよ!やめなさい!」
ジユンは悲鳴を上げました。
「復元したのに!」
ヘジョンも悔しそうに言いました。
チョン・ミンソクとキム・ソヌは車の中で揉み合いになりました。
「これは燃え残りだ。世に出るべきではなかった。この世で危険な者は失う物がない人間?私もそうだ。」
ミン・ジョンハクはジユンに言うと立ち上がり絵にライターの火をつけました。
ミンソクが乗った車はトラックを避けるとガードレールを突き破りました。
金剛山図の真作が燃えました。ジユンたちとミギョンは燃えていく金剛山図になすすべがありませんでした。
ジユンとヘジョンとサンヒョンはボディーガードに追い出されました。
「この悪党め!それでも人間か!」
サンヒョンは壁のように厚い扉を叩きました。すると警察からジユンのスマートフォンに電話がかかってきました。
「倉庫に泥棒が入るとは。盗まれた裏帳簿はもうじき私の手に戻る。また私を裏切ろうとしたら、アンナの母親も裸一貫にして追い出すぞ!」
ホ・ヨンドはソン・ミギョンに意地悪くささやきました。
「詐欺の罪を隠すための真作まで燃やすの?」
「詐欺だと?詐欺ではなく事業だ。偽の金剛山図で五百億ウォン借りた時に署名したのは君だぞ?真作の金剛山図を世に出すだと?正直者になりたかったのか?今真作が世に出たら、五百億は消えて私も君も路頭に迷う!」
「どの金剛山図が真作なのかは私たちが決めます。」
腕を組んで話を聞いていたミン・ジョンハクは大きな態度に出ました。
「絵の真贋など君にはわからん。担保に入れた絵が真作だ。今後はミン教授に任せなさい。わかったな。それから金剛山図の展示も再会しろ。国宝指定の作業も急がせろ。わかったな?わかったか!まったく。」
ホ・ヨンドは部屋から出て行きました。
「館長。私はこれで。」
ミン・ジョンハクも去りました。
ジユンとヘジョンとサンヒョンは警察署に行きました。
刑事はキム・ソヌが死んだと言いました。
「同乗者はいなかったようですが、車内からご主人の財布が出てきました。周辺の監視カメラに同乗者が映っていました。ご主人は指名手配されていますね。今後は担当者に任せます。日没と増水のため捜索は中断しました。お気の毒ですが二次災害の危険を考慮し捜索は明日で打ち切りです。」
「そんな。見つかるまで捜すべきです。」
サンヒョンは言いました。
「装備と人員に限界があるのです。」
刑事は答えました。
「あの。生存の可能性はありますか?車ごと二十メートル転落し急流に飲み込まれました。そうなると我々の判断は・・・・・・。」
刑事は言いました。
ヘジョンはジユンのかわりに嘆きました。
ジユンは涙を流し階段で崩れ落ちて泣き出しました。
夜になりました。
ジユンは家に帰り義母に話しました。義母のキム・ジョンヒはすぐに出かけようとしました。
「私が間違ってました。そばにいるべきでした。」
ジユンはジョンヒの手を掴んで止めました。
「ミンソク。いや。いや。だめよ。ミンソク。」
ジョンヒは座り込んで泣きました。
「わーっ。わーっ。わーっ。」
ウンスは耳を塞いで何度も叫びました。
朝鮮時代の中部学堂(チュンブハクダン)。
「壮大な志を立てたとしてもすぐに学ばないなら学びへの誠意がないといえる。考えをうまく述べたな。百年の計。人を樹(う)るに如くはなし。いずれ私は天下人となる。ミン・ジギュン。良。」
ペク・インゴルはミン・チヒョンの息子を評価しました。
「え?ジギュンが良?誰が優なの?」
子どもたちはざわめきました。
「管子(かんし)を引用した答案もよいが、今日は自分の考えを述べた答案を最優秀とする。イ・ヒョルリョン。優。」
「ええっ?あいつが優だって?ありえない。」
子どもたちは騒ぎ出しました。
「静かに。もうすぐ楽しい昼飯の時間だぞ。」
学堂の生徒たちは自分の家の使用人に世話されながら昼食を食べました。
「これが殿下の御前に出されるイシモチか?」
子どもの一人が言いました。
「王室ご用達の店で買ったからそうであろう。」
太っちょの御曹司チャン・テリョンは魚を左手で握りながら右手で飯を掻き込みました。
「おい。お前はいつも握り飯だな!しかも麦飯。」
生徒はヒョルリョンに言いました。
「食べやすい麦飯で十分だ。麦すら食べられない民も多い。」
ヒョルリョンは言い返しました。
「はあ。優も台無しだな。」
両班らしからぬ事をいうヒョルリョンに生徒はため息をつきました。
ミン・ジギュンは鋭い目でヒョルリョンを睨みました。
「物乞いだろ?優秀な物乞い。」
いじめっこがヒョルリョンをバカにすると子どもたちは笑いました。
チャン・テリョンは気持ちが沈んでしまいました。
ミン・ジギュンは満足したように視線を変えました。
ヒョルリョンは優という自分の成績表を眺めていました。するとミン・ジギュンと仲間が集まって来ました。ミン・ジギュンはヒョルリョンの成績表を奪うとくしゃくしゃに丸めて床に叩きつけました。ヒョルリョンとジギュンは取っ組み合いの喧嘩をはじめました。
「やれやれ!もっとやれ!」
ジギュンの仲間は煽りました。
「お前たち!何をしている!」
教官が庭から怒鳴りました。
ジギュンは起き上がって教官の方向を向きました。ジユンは鼻から血を出していました。
教官の表情がすぐに青ざめ後ろにいたフィウムダンを振り返り顔色を伺いました。
フィウムダンはジギュンとヒョルリョンと教官の部屋に入りまくし立てました。
「何のための訓導官ですか!」
フィウムダンは怒鳴りました。
「ジギュンのお母さま。落ち着いてください。」
ペク・インゴルはフィウムダンに言いました。
「落ち着いていられるものですか。ジギュンの顔を見てください。」
「謝りなさい。」
教官はヒョルリョンに言いました。
「嫌です。私に罪はありません。」
まだ怒っているヒョルリョンは怖気もせずに言いました。
フィウムダンはヒョルリョンの頬を叩きました。
「ジギュンのお母さま!」
ペク・インゴルは困惑しました。
「罪はないだと?」
「そうです!」
ヒョルリョンが言うとフィウムダンは再びヒョルリョンの頬を叩きました。ヒョルリョンはよろめきペク・インゴルが抱きとめました。
「今回ばかりは見過ごせません。」
フィウムダンはペク・インゴルを睨みました。ミン・ジギュンも母の背中に隠れてヒョルリョンを睨みました。フィウムダンは息子の手を引っ張り帰りました。
「大丈夫か?」
ペク・インゴルはヒョルリョンをかばうように抱いていました。
ヒョルリョンは顔を赤く晴らして涙を流していました。
フィウムダンは家に帰るとミン・ジギュンのふくらはぎを何度も叩いて折檻(=虐待)しました。
「優を取り損ねて許されると思うのか!父上に何と報告するのだ!今度良を取ったら覚悟なさい!下がりなさい。チギュンや。母はお前が・・・。」
フィウムダンは力いっぱいジギュンを鞭打ちました。ジギュンは何も言わずにただ耐えていました。ジギュンは母の言葉を聞かずに部屋から出て行きました。
「ヒョルリョン。ヒョルリョン。ヒョルリョン。中部学堂(チュンブハクダン)に入学直後に優を取るとは一体どんな勉強をしているのだ。食うのもままならぬ暮らしで家庭教師を雇えるはずもないのに。」
フィウムダンはジギュンの成績表を見てがっかりしました。
夜の廃妃シン氏の家。
端敬(タンギョン)王后は隣家のイ家を心配していました。
「何の音だ?」
シン氏と女官が門の外に出ると、ヒョルリョンが門前でうずくまって泣いていました。
「そなたはヒョルリョンね?何があったの?」
日中の山奥の工房。
サイムダンと流民は今日も高麗紙を漉いて働いていました。するとシン氏の女官がやってきました。
「媽媽がお呼びです。」
廃妃シン氏の家。
サイムダンはシン氏に会いました。
シン氏はサイムダンに優しく箱を渡しました。
「これは何ですか?」
「唐緞子(からどんす)のチマ・チョゴリだ。」
「このような高価な服を・・・。」
「ヒョルリョンは中部学堂(チュンブハクダン)に通っているそうだな。」
「はい。そうでございます。」
「ヒョルリョンは嚢中の錐。稀に見る賢い子だ。だが子どもは子どもだ。中部学堂(チュンブハクダン)は昔から名家の子弟が集まるのでそうでない子は肩身が狭いかと。」
「ヒョルリョンがあなた様にそのような話を?」
「学堂で騒ぎがあったようだ。母が呼ばれていることをそなたに伝えず塀の下ですすり泣いていた。」
「・・・・・・。ご迷惑をおかけしました。」
「これを着てお行きなさい。」
「いえ・・・お気遣いなく。」
「気落ちした息子を励ますためです。友の気持ちを受け取ってください。」
イ・ギョムは黒の鷹狩の衣服に着替えていました。
サイムダンはシン氏から貰った豪華なチマ・チョゴリに着替えました。
イ・ギョムは胸に比翼鳥(ピイクチョ)の印を掛けました。
サイムダンは美しい白のチマと深い赤のチョゴリに着替えました。
フィウムダンの呼び出しを受けた夫人たちは中部学堂(チュンブハクダン)に集まりました。ソ氏夫人たちはフィウムダンを褒めたたえました。夫人たちはサイムダンが来ていないと言いました。遅れてチャン・テリョンの母コン氏が現れました。コン氏は太っているから遅れたのでは?という夫人の悪口など気にしませんでした。
姉母会(チャモエ)の夫人たちは息子の授業の様子を庭から見守っていました。サイムダンが遅れて門をくぐりました。
「数万個の漢字うち最も胸に刻むべき字は?」
教官が生徒に言いました。
「誠の字です。」
生徒のひとりが答えました。
「ならば誠を尽くにはどうすべきか?」
「“妄語せざるより始まると”答えました。心にもないことは口にせず言葉と行動を一致せよという意味です。」
ミン・ジギュンは答えました。
「お〜。」
子どもたちは関心しました。ヒョルリョンは考えをまとめていました。
「君子が備えるべき最も大切な心構えだ。」
教官は言いました。
「師匠。質問があります。」
ヒョルリョンは手を挙げました。
「何だねヒョルリョンや。」
「万一君子の志を妨げる者が現れたら、その者を殺しても志を貫くのが正しいですね?」
「何だと?なぜそのようなことを。」
「言動の一致こそ君子の道とさっきおっしゃいました。」
「オホウ。それはそうだが人を殺してまで・・・。」
「天下に道なくば小は大に役(えき)し弱は強に役す。これは天の理(ことわり)なり。」
「お前さんにまだ孟子は早すぎる。」
「君子の徳の高さを論じずに大小や強弱で勝敗を決めることがどうして天の理なのですか?」
「あ・・・・・・。」
教官は返事に窮しました。
学堂の母たちはフィウムダンのもとに集結しました。
サイムダンが慎ましやかに部屋に入ってきました。夫人たちはサイムダンの優雅な振る舞いに息を飲みました。
「遅れて申し訳ありません。」
サイムダンは腰をゆるやかに曲げました。
「とても美しい方ね。どこかで見覚えがあるわ。」
チャン・テリョンの母コン氏夫人は正直な感想を言いました。
「賢いと噂のヒョルリョンのお母さんよ。」
「馬子にも衣裳。詩画展の時とは別人に見えるわ。」
夫人たちは囁きました。
「急を要したため突然お呼びしたことをご理解ください。」
フィウムダンが場をしきりはじめました。
「イ・ヒョルリョンのお母さん?」
ソ氏夫人はサイムダンに挨拶を促しました。
「イ・ヒョルリョンの母シン氏です。欠礼を重ねてきましたが今後は必ず・・・。」
サイムダンは挨拶し頭を下げました。
「今後は、会う機会はなかろう。」
フィウムダンはサイムダンを睨みました。
中宗はイ・ギョム(宜城君)と重臣たちと鷹狩に出かけました。鷹匠が空に鷹を飛ばすと馬に乗った中宗と高官たちは草原を駆けました。
「どういう意味ですか?」
サイムダンはフィウムダンに言いました。
「もう二度と。中部学堂(チュンブハクダン)の母として会うことはないのです。」
フィウムダンは意地悪く言いました。
「学堂(ハクタン)の姉母会(チャモエ)の規則を調べたところ、資格のない生徒がいるとわかりました。第十二条。中部学堂(チュンブハクダン)の品位を損ね害を及ぼした生徒は母姉(チャモ)会員の過半数の賛成で退学とすることができる。」
ソ氏夫人は言いました。ミン・ジギュンが盗み聞きしていました。
「品位を損ねたとはどういう意味ですか。」
サイムダンはソ氏夫人に言いました。
「中部学堂(チュンブハクタン)のお父さま方は皆官職に就いておられます。しかしヒョルリョンのお父さまは二十年間落第し続け遊んでおられるとか。」
ソ氏夫人は言いました。ヒョルリョンとジギュンの仲間たちも扉の外に集まってきました。
「そのような父親のもとで子どもは一体何を学びどんな志を立てますか?」
フィウムダンは言いました。
「子の学びに親の官位は関係ありません。」
サイムダンは言いました。
「おおいに関係ありますわ。」
夫人たちは言いました。
「中部学堂(チュンブハクタン)は特別な子弟の学び舎です。」
フィウムダンは勝ち誇ったように言いました。
「親のよしあしは官位では決まりません。」
「何を言ってるの?浪人の父親がよいとでも?」
ソ氏夫人は口を曲げて言いました。
「そうですわ。」
夫人たちも身をもだえました。
「ありのままの子を慈しみ笑顔を贈るよい父親です。」
サイムダンは言いました。
「きれいごとを並べても所詮は科挙浪人です。」
フィウムダンは言いました。
「それが問題になるのですか?戦国時代の思想家である墨子(ぼくし)も、生涯官職に就かずとも弱者を慈しむ姿勢が民の模範になりました。大詩人陶淵明(とうえんめい)もまた隠遁者として優れた詩文を残しました。」
「だから何なのです?ご主人が墨子や陶淵明とでも?二十年間落第を続けたただの落第居士ですわ。」
フィウムダンの話を聞いていじめっ子たちはヒョルリョンをからかいました。ヒョルリョンは怒りました。教官は子どもたちを追い払いました。
「同意も理解もできない決まりです。誰が決めたのですか?」
サイムダンは言いました。
「中部学堂(チュンブハクタン)の母姉(チャモ)です。代々守られてきた決まりです。」
ソ氏夫人は言いました。
「この際ですから言っておきます。家計が苦しいからと両班の夫人が流民に交じって力仕事をするのは中部学堂(チュンブハクタン)の名誉をけがす行いです。」
フィウムダンは言いました。
「紙を作る仕事です。紙は勉学に欠かせない大切な文具です。どうしてそれを作ることが恥なのでしょう。子に学ばせる四書三経も紙なしには読めません。春秋戦国時代に戻り竹簡(チュッカン)でも持ち歩かせますか?」
「両班の夫人が酷い身なりであくせく働くのは、中部学堂(チュンブハクタン)の品位を汚す行為です。恥を知りなさい!」
フィウムダンはサイムダンを攻撃しました。
「身なりはうわべだけのものです。先日は木綿の衣を、今日は絹の衣を着ました。でも私という人間の本質はかわりません。夕顔の花は地味でも実ひとつで家族の腹を満たします。蓮の花は華やかでも実は棗や栗に及びません。」
「断然棗の実のほうがいいわね!」
コン氏夫人は言いました。
「私たちのこと?華やかでも役立たずな蓮の実と?」
ソ氏夫人は不快になりました。
「誰かがすべき仕事を私がしているだけです。どうしてそれが品位を傷つけることになるのですか?」
「弁論学堂にでも通ったの?やたら弁が立つわね。」
ソ氏夫人は言いました。
「これは言わないでおこうと思ましたが・・・。」
フィウムダンは次の口火を切りました。
感想
今回はなんだか地味な展開になりました。現代では金剛山図の半分が燃やされジユンの夫が行方不明に。朝鮮ではサイムダンが廃妃から最高級の服を貰って保護者会に出席してヒョルリョンを守るためにがんばります。イ・ギョム(宜城君)は出番が少なくて、次回に頑張るといった感じで見せ場はなし。完全版といっても広告で編集されてるから中途半端な回となってしまいましたね。次回はそろそろ最終回でしょうか?
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