サイムダン(師任堂)色の日記 25話のあらすじと感想<完全版>
目次
サイムダン25話のあらすじ
師任堂(サイムダン)の夫、イ・ウォンスは寺での勉学に身が入りませんでした。イ・ウォンスの様子をイ・ギョム(宜城君)が僧侶に尋ねると科挙への及第は読めないと答えました。
「上に憎む・・・精神、統一。精神。統一。」
イ・ウォンスは小さな塔のまわりを手を合わせて回っていました。
「そなたは寝ていたのか?」
イ・ギョムはイ・ウォンスに会うと、ため息をついて通り過ぎました。
「知り合いでもないのに変な人だ。」
師任堂(サイムダン)は捕盗庁(ポドチョン)に行き大量の高麗紙を納入し時間が欲しいと言いました。ミン・チヒョンの命を受けた武官は期日を伸ばすことはできないと言いサイムダンを追い返しました。
山奥の紙工房では元造紙署(チョジソ)の紙職人が高麗紙をくすねて懐に入れました。
「おい。お前何をしていた。」
大将は元職人に言いました。職人は歌ってごまかしました。
元紙職人はフィウムダンに高麗紙を渡しました。
「これを作ったのか?流民と。」
「ええ。日々紙の質がよくなっています。」
都城(トソン)に御触れがだされました。お触れには最高級の高麗紙を作れる者は晦日の申の刻に造紙署(チョジソ)で紙比べを行うと書かれていました。
師任堂(サイムダン)は流民とともに触書を読みました。サイムダンは流民とともに本物の高麗紙を作ろうと意気込みました。
サイムダンが工房に向かっていると山中でイ・ギョムが待っていました。サイムダンはイ・ギョムと反対方向に視線をそらしました。イ・ギョムは摘んできた野の花をサイムダンに差し出しました。サイムダンは鼻を受け取りました。
「墨葡萄(ムクポド)を見た。」
「どうして?」
「私は嬉しかった。」
「私は困っている人を助けたけで深い意味はありません。」
「困っている人が次々と現れるとよい。腕が落ちるどころかより成熟した墨葡萄の絵を見て感動した。」
「今の私に絵は贅沢です。花をいただいても困ります。今後は遠慮します。」
「まだ贈る物がある。」
イ・ギョムは懐から絹の包みを取り出すとサイムダンに渡しました。
「これは・・・。」
「忠烈王(チュンニョルワン)時代の紙だ。二、三百年は経っている。苦労して手に入れた。」
「あ・・・これをどうやって?」
「明国ではこの質感が最高とされる。これを手本に高麗紙を再現してくれ。」
「でも・・・。」
「お触れを見たであろう。朝鮮八道にお触れが出る。雲平寺(ウンピョンサ)の高麗紙を作るのだ。その紙で絵を描いてほしい。では帰る。」
イ・ギョムは山を下りて行きました。
紙工房。
サイムダンはトロロアオイをパルボンに見てもらいました。パルボンは灰汁が鍵になるのではないかと、あと一歩何かが足りないと言いました。
深夜のソ・セヤンの家。
「牡丹に香りがないと誰が言ったのでしょうか。蝶という蝶は花を求め、蝶を待たぬ花は花ではありません。風流と詩を愛する方と聞きました。お会いして詩と琴を愛でてみませんか。」
イ・ギョムの友人ソ・セヤンは寝所でフィウムダンからの書状を受け取りました。
「黒牡丹?あの黒牡丹か。」
書状には黒牡丹の絵が添えられていました。
ソ・セヤンは黒牡丹の女と会いました。
「比翼堂(ピイクダン)で注目の女人(にょにん)に呼ばれるとは。他の者にさぞ恨まれることであろう。」
ソ・セヤンの向かいの席にフィウムダンが座っていました。
「とんでもありません。」
黒のベールで顔を隠したフィウムダンは言いました。
「なぜそちは私を呼んだのだ?」
「旦那様を、知りたいのです。」
「はっはっは。やはりただの牡丹ではないな。」
ソ・セヤンは立ち上がるとフィウムダンの盃に酒を注ぎました。ソ・セヤンはフィウムダンの手に傷があるのを見逃しませんでした。
「明国の様子はどうでしたか。朝鮮とは違い広い国と聞きました。興味があります。」
「人の住むところはどこも違いない。」
「ですが紙ごときで勅使を送るとは皇帝も心が狭いですね。皇帝が紙のことまで気を配られるのですか。」
「芸に秀でながら政治にも興味があるようだ。難しい話はやめて酒を楽しもう。」
セヤンは酒を飲みました。
「私にお役に立てることはありませんか。明国の使臣の接待はたいへんなものです。」
「初対面の女人(にょにん)が何を言う。酒の相手だけで十分な助けとなっている。」
ソ・セヤンは微笑みました。
イ・ギョムの家。
「妙な女が尋ねて来た。黒牡丹といったか。私が思うにミン・チヒョンと関係がある。」
ソ・セヤンは優雅に扇をあおぎながらイ・ギョムに言いました。
「黒牡丹がミン・チヒョンと?」
「高麗紙のことを知っていた。それから手の甲に深い傷跡があったな。上品な育ちの女人(にょにん)ではない。」
日中の寺。
イ・ウォンスは寺の門を出ようとしていました。
「ここにイ・ウォンスはおらぬか?もしや、イ・ウォンス?司訳官(サヨグォン)に任官が決まった。」
武官が寺に現れました。
「司訳(サヨグ)・・・別人かもしれません。」
イ・ウォンスは武官に言いました。
「寿進坊(スジンバン)のイ・ウォンスでは?」
「私がイ・ウォンスです。どうして・・・。あの筆のおかげか?」
イ・ウォンスは任命書を押し付けられました。任命書には「徳水(トクス)」と書かれていました。
「誰の後ろ盾だ?とにかくこんなことは初めてだ。」
「山に籠って二十年になりますが私もはじめてです。驚きました。」
「お祝い申し上げる。」
武官は帰りました。
「アイゴ。たまげたな。夫人〜!」
イ・ウォンスはのぼせあがりました。
サイムダンはパルボンと岩場を歩いていました。パルボンは雲平寺(ウンピョンサ)の和尚は毎朝山の上で汲んだ水を「水月観音菩薩図(楊柳観音)」に捧げて答えはその中にあると言いました。サイムダンは美しい楊柳観音(ヤンニュクァヌム)を思い出しました。
「もしかしてその絵に高麗紙の秘密が隠されているのでは?」
「ですが二十年前に焼けて灰になっているはずです。」
「和尚様がどこかに隠したかも。」
「和尚様の寝床に空間がありました。」
「すぐに雲平寺(ウンピョンサ)に行きましょう!」
夜になりました。
サイムダンはパルボンに道具を用意させ出発の支度をしました。その様子を元職人は聞いていました。
イ・ウォンスは七品の官吏になったと子どもたちに餅と菓子をあげました。
「そんなお金どこにあったの?」
「もう科挙の準備をしなくてよいから書物を売った。」
イ・ウォンスが言うとヒョルリョンは餅を落としました。
「カルビも毎日買ってこよう!」
イ・ウォンスは大きく出ました。
「解任されないように気を付けてください。」
ヒョルリョンは父を心配しました。
サイムダンが家に帰って来ました。
イ・ウォンスは司訳官(サヨグォン)の役人になったとサイムダンに買ってきた黒の刺繍の胸当て(官服の胸に貼ってある刺繍)を見せました。
「夫人。今までよく耐えてくれた。もう山へ行く必要は無い。これからは家で暮らせる。世話をかけたな。」
イ・ウォンスはサイムダンに言いました。
「江陵(カンヌン)へ出かけます。」
「母上に何かあったのか?」
「紙の秘密を探りに行きます。」
「私が帰ってきたのに出かける気か?」
「大事なことなんです。どうしても行かなくては。行かせてください。」
「それほど大事な用なら行くなと言えぬ。早く休みなさい。私が足をもんでやろう。」
「家事をしなければ。」
「ヒャンに任せればいいだろう。」
「ヒャンは山で紙を作ってます。」
サイムダンは部屋を出て行きました。
サイムダンは深夜に洗濯をしていました。イ・ウォンはその様子を見て夫人が部屋に早く来ないか待っていました。
「久しぶりだからな。灯かりを消そう。」
朝になりました。
イ・ウォンスが目覚めると部屋に置手紙とサイムダンが縫った官服がありました。手紙には就任を祝う言葉と子どもたちの世話を頼むと書かれていました。
「ばかにするな。私に死ねと言うのか!あれを片付けろ!」
ミン・チヒョンは使臣に賄賂を拒絶されました。
イ・ギョムとソ・セヤンが現れました。使臣の部下は二人を歓迎しました。
「王宮にいるはずのミン参議(チャミ)がなぜここに?」
ソ・セヤンはミン・チヒョンに言いました。
「久しぶりですね。会うと情が移る。」
イ・ギョムは言いました。
「私の仕事は皇使(ファンジ)の接待であり宜城君は・・・。」
「放蕩者で有名です。私は遊んでいても問題はありませんが、公私に忙しいミン殿は・・・。」
「王宮にいなければならぬはずだ。」
「もうしわけありません。勅使殿に用があったのです。」
ミン・チヒョンは言いました。
「ふっ。見事なご挨拶ですな。」
イ・ギョムは言いました。
明の使臣の部下はイ・ギョムとソ・セヤンを屋敷に案内しました。
サイムダンとパルボンはロバを引っ張っていました。荷物を背負ったロバはいう事を聞きませんでした。すると山賊が現れました。山賊のイム・コッチョンはロバをよこすように言いました。イム・コッチョンはシン氏を見るなり礼儀を正しました。
「どこへ行かれますか?お困りのことはございませんか?ロバが動かないようですから宿場に預けておきましょう。」
イム・コッチョンは言いました。パルボンは雲平寺(ウンピョンサ)にロバを連れて行くと時間がかかると言いました。サイムダンはイム・コッチョンにロバを預けて行きました。
イム・コッチョンはイ・ギョムにこのことを伝えに行きました。
明の使臣はイ・ギョムとソ・セヤンに三日以内に高麗紙を揃えるように言いました。ソ・セヤンは十日欲しいと言うと、使臣は五日だと言いました。
「半月。」
イ・ギョムは言いました。
「おい宜城君。無礼だぞ。」
ソ・セヤンは焦りました。
「皇帝の命を果たせねば勅使様もただではすみません。私たちが勅使の命を果たす必要があります。お時間をください。勅使様の前に高麗紙をご用意します。責任は私が取ります。」
「はっはっはっはっは!よいだろう。座ってください。」
ミン・チヒョンの家。
「これですべてが繋がった。王に扇を献上し、架鷹図(カウンド)の絵を献上し、高麗紙を話題にした。ソン・セヤンを使って皇帝まで動かした。このミン・チヒョンを引きずり下ろすために!!!」
ミン・チヒョンは激高し執事のホンに言いました。
「造紙署(チョジソ)の帳簿を何とかしておけ。シン氏夫人なる女人を捕らえておけ。虎退治の餌だ。」
ミン・チヒョンはホンに命じると外出しました。
明の使臣館。
「はっはっは。半月待ちましょう。王族らしく度胸がありますね。」
使臣は宜城君に安心しました。
宜城君は海の岩場に男が座っている絵を献上すると使臣は喜びました。
「これこそ豪放だ!」
「私は南宋国の馬遠(マウォン)が好きです。波は黄河逆流に倣っています。」
イ・ギョムは説明しました。
「私も馬遠が好きだ。静かな気品もいいが、豪放さを堪能できるようだ。はっはっはっは。宜城君。我々は似ているな。」
「光栄です。」
サイムダンとパルボンは雪が積もる山を歩いていました。
現代。
ソ・ユジンはウンスとバスに乗って平昌の実家へ向かっていました。夫のミンソクが川へ転落したことで息子のウンスが心の病にかかりました。義母は平昌へはいかずに息子の帰りを待っていました。
「一度だって希望をすてたことはないわ。母だからよ。」
「私も希望をうしなっていません。」
「それでも恨まないわ。」
「お義母様どしてそんな悲しいことを。」
「あなたにとって幸運だったわね。ごめんなさい。私力があれば息子を助けられたわ。私が悪いの。平昌でウンスを養生させなさい。」
ソ・ジユンはウンスを連れて実家に帰り実父と会いました。
「ウンスのためというより本当は私が逃げたかったのかも。お父さん。私は負けたくなくて戦いを挑んだの。正義じゃなくて自分のためだったの。プライドと欲のために。私は間違えていた。浮ついていたわ。夫がああなって急に目覚めたわ。怖いの。お父さん。自信もない。次はどんなことをされどんな挫折をするかたまらなく怖い。お父さんどうしたらいい?一生どうすれば?」
「やっと、本当の強さを持ち始めたんだな。恐れを知らずに挑むのは勇気でなく無謀だ。だが恐れを承知で挑むのは本当の勇気だ。」
感想
はぁ〜。今、推奴(チュノ)を見終わって推奴(チュノ)ロスのせいか師任堂が面白くありません。大きなテーマを扱ったチュノと比べるとサイムダンは小さなことでチマチマと人間がやり合ってる様がつまらないのです。
それはそうと、宜城君の行動はすべてサイムダンのためですね。それが政治を清くすることにも繋がっていて、ひとりよがりじゃなくて世の中をクリーンにするためになっています。しかも宜城君って実は腕っぷしも強いという完璧設定。なぜかイ・ウォンスがバカなのに無試験で引き立てられてますし、それってイ・ギョムのおかげということかしら。
人妻を愛する設定って、結構難しそうなテーマですよね。情事に及んではいけないという社会的ルールを守りつつ、それでも人妻を積極的に愛するのって、どうなんでしょうね。そういうことは稀ではないと思いますが、師任堂(サイムダン)同様に、視聴者の私も素直に受け取れません。この場合、サイムダンの命がかかってるからお助けする必要があるという設定は説得力があります。
視聴者としてはサイムダンと宜城君が心で結ばれることも無いとわかっているので恋愛での成就の期待はできません。
フィウムダンが新キャラのソ・セヤンという賢そうな人を誘惑する場面。ソ・セヤンはかっこよくフィウムダンを高貴な女性でないとあしらいました(笑)ソ・セヤンが高級すぎて何様なんでしょうね。このソ・セヤンはこのドラマで出て来た人物の中では最も高潔そうですね。
大胆な要素ばかりで視聴者を揺さぶりたいという目論見が、何となく不愉快に感じます。確かに宜城君はカッコいいですが、それだけの感想しかありません。あと少しで終わりそうです。続きがちょっと楽しみです。
それはそうと、宜城君の行動はすべてサイムダンのためですね。それが政治を清くすることにも繋がっていて、ひとりよがりじゃなくて世の中をクリーンにするためになっています。しかも宜城君って実は腕っぷしも強いという完璧設定。なぜかイ・ウォンスがバカなのに無試験で引き立てられてますし、それってイ・ギョムのおかげということかしら。
人妻を愛する設定って、結構難しそうなテーマですよね。情事に及んではいけないという社会的ルールを守りつつ、それでも人妻を積極的に愛するのって、どうなんでしょうね。そういうことは稀ではないと思いますが、師任堂(サイムダン)同様に、視聴者の私も素直に受け取れません。この場合、サイムダンの命がかかってるからお助けする必要があるという設定は説得力があります。
視聴者としてはサイムダンと宜城君が心で結ばれることも無いとわかっているので恋愛での成就の期待はできません。
フィウムダンが新キャラのソ・セヤンという賢そうな人を誘惑する場面。ソ・セヤンはかっこよくフィウムダンを高貴な女性でないとあしらいました(笑)ソ・セヤンが高級すぎて何様なんでしょうね。このソ・セヤンはこのドラマで出て来た人物の中では最も高潔そうですね。
大胆な要素ばかりで視聴者を揺さぶりたいという目論見が、何となく不愉快に感じます。確かに宜城君はカッコいいですが、それだけの感想しかありません。あと少しで終わりそうです。続きがちょっと楽しみです。
サイムダン各話のあらすじと感想
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