サイムダン(師任堂)色の日記 20話のあらすじと感想<完全版>
目次
サイムダン20話のあらすじ 雲平寺の悲劇の真相
サイムダンは流民の大将に二十年前に自分のせいで流民が死んでそれ以来償いを続けていると語りました。大将はサイムダンのために火を起こしました。流民のパルボン(紙職人)は二人の会話を聞いて思わず口を押えてすすり泣きました。サイムダンは祭壇を設置すると何度も拝礼しました。
「お嬢様(アッシ)。お嬢様のせいではありません。奥様のせいではありません。雲平寺にいた流民が殺されたことです。雲平寺の高麗寺の技法を奴らに渡しました。紙づくりの技法を知ったら皆殺しにする計画だったのです。高麗紙の技法を手に入れた後は、技術を知る者だけでなくその家族まで皆殺しにするつもりだったのです。私は何も知らずに渡してしまい、私のせいで皆殺しになったのです。私のせいなのです。お嬢様のせいではありません。私のせいなのです。」
パルボンはサイムダンの前に現れ両手を突いておいおいと泣き始めました。
サイムダンは衝撃を受けると崖の端に歩み出し両耳を押さえ叫びました。
「あ〜〜〜〜〜。」
夜になりました。
フィウムダンは小指で唇に紅を塗りました。
回想シーン。
ソクスンはミン・チヒョンの正妻が死産したことを知り、宿屋に宿泊したミン・チヒョンと領議政の雲平寺についての話を盗み聞きしました。
「そちの妻には気を付けろ。妻の父は謀反の兆しがあるとの噂だ。そちは自分のことだけ考えろ。」
ソクスンは川で身を清め、赤い絹に刺繍を施しました(ピイクダンに行くための仮装をしました)。
「水をお持ちしました。」
ソクスンはミン・チヒョンの部屋に入り器とともに赤い頭帯(韓国語でモリッティ머리띠)を差し出しました。
「狩りでお使いください。鷹は暗闇でもすべてを見抜く目を持ちます。辟邪(ピョクサ)の意味もあります。鷹の目を持ち悪運を払えるよう心を込めて刺繍しました。」
「悪運を払う?」
「あなた様の息子を生みます。」
「無礼者め。卑しい女が。」
ミン・チヒョンはそっぽを向きました。
「世愛牧丹紅 栽培滿院中 誰知荒草野 亦有好花叢 ※世は紅き牧丹(モクタン=牡丹)を栽培す。荒れ野の叢に良い花(私)があるとも知らずに。志まで卑しくありません。聞き覚えて学びました。私は必ずやあなた様の息子を生みます。」
ソクスンは上衣を脱ぎ胸をはだけました。
「どうせならこれを入れる袋も作ってみろ。毒だ。これを塗った矢で大きな猪も倒れる。よいか。心して扱うように。」
ミン・チヒョンが小さな壺を見せるとソクスンはそれを手に取りました。
ミン・チヒョンは赤い鉢巻きを身に着けて狩りに出かけました。
ソクスンは男(おのこ)を生みました。
「今日からそちは正室夫人だ。」
ミン・チヒョンは買ってきた族譜を布団の上に投げました。
「ありがとうございますナウリ。」
「堂号は?」
「フィウム・・・フィウムダンと申します。」
「命じられるまま尽くして耐えてきたのだ。なのに見返りが、このような仕打ちだと?」
フィウムダンは涙を流して恨みを募らせ左顎にホクロを描きました。
夜の比翼堂(ピイクダン)。
女は見事なコムンゴ(玄琴)を演奏していました。イ・フとイ・モンニョンや人々はうっとりと女性にみとれていました。
「あの女人(にょにん)は一体誰なんだ?」
イ・フは妖艶なコムンゴの音色にすっかり虜になりました。
「胸に響く音色をどう表せばよいのだろう。涙がでそう。あらま。宜城君ナウリ。」
イ・モンニョンもうっとりしていました。
「悲しい音色だ。背負うものが多い女人(にょにん)なのだろう。」
イ・ギョム(宜城君)は言いました。
フィウムダンはイ・ギョムを盗み見しました。
日中の山奥の仕事場。
流民たちは歌いながら働いていました。
「甕売りは甕を背負って亀のように進む♪器売りは器を背負ってうろうろと歩む♪皿売りは皿を背負ってさらりと出かける♪」
流民の子どもはおじいちゃんがいないと言いました。夫人たちはお嬢様(サイムダン)がいないと言いました。大将はまじめに働き皆を働かせていました。
「誰の許可を得ておる。ここは住居として登録されておらぬ。」
突然捕盗庁(ポドチョン)の武官と兵士が現れました。
サイムダンとパルボンが作業場近くに戻ると武官と流民が騒いでいました。流民たちは捕らえられて連行されました。サイムダンは武官の前に立ちはだかりました。
「この人たちが何の罪を犯したというのですか。昔は流れ者でも今は働く善き人です。」
「善人だと?こいつらは過去に何をしでかしたかわからん。」
捕盗庁(ポドチョン)の武官は言いました。
「流民になるのも居を構えるのも生きるためです!」
「あんたが流民を煽って儲けようってシン氏夫人か。」
「流民を扇動して儲けようなど思ってません!」
サイムダンは抵抗しましたが武官は流民を連れて行き子どもたちだけが取り残されました。
吏曹参議(イジョチャミ)ミン・チヒョンは自宅に捕盗大将(ポドテジャン)を呼び宝箱に入った銀子を渡し集団の排除を依頼しました。捕盗大将(ポドテジャン)は笑って銀子を受け取りました。
朝廷。
「宜城君が不正を明かすと承政院(スンジョンウォン)や漢城府に乗り込んでいます。官吏を脅し公文書を調べるとは越権行為です。」
領議政は中宗に言いました。
左議政は比翼堂(ピイクダン)に芸術家を装った不審者が集まっていると告発しました。
「政治から離れ自由に生きている宜城君をを余に抗議してどうする。毒薬を与えるか流刑にするか?」
中宗は大臣らに怒鳴りました。
「重臣を調べよと宜城君にお命じになったのですか?」
ミン・チヒョンは言いました。
「ありえぬ。余が調べて何になるのだ。」
「王族を担当する知敦寧府事(チドンニョンブサ)を解任してください。宜城君のそばで朝廷を批判したペク・インゴルも解任してください。」
右議政は言いました。
「・・・・・・。」
中宗は大臣らを観察しました。
朝廷の庭。
「だから慎重にと言ったのだ。そなたは目立ちすぎる。」
中宗はイ・ギョム(≠李巌)に言いました。
「申し訳ありません。ですが殿下。ペク・インゴル令監(ヨンガム)は関係ありません。立派な忠臣です。」
「立派な忠臣か。ペク・インゴルは己卯(きぼう)の年に死ぬべきだった。自分だけ助かろうと仲間を捨てて金剛山に逃げたのだぞ!減俸で済んだだけでもありがたく思え。自分の物差しで人を測ってはならぬ。群れるのもよくない。仲間を集めて正義をふりかざしてもならぬ。正義を謳う者は、最後には、権力を望み余を侮辱した。宜城君。今のお前は余にとって大事な存在だ。失いたくない。私たちの間に変わることは何もない。あってはならぬ。はっはっはっは。」
中宗はイ・ギョムの肩に両手を乗せました。
流民たちは牢屋に閉じ込められました。捕盗庁(ポドチョン)の役人は物乞いに住みつかれても困るとサイムダンに言いました。
サイムダンは彼らは物乞いではないと訴え流民に会えるよう頼みました。役人は号牌(ホペ)を持っていないだけでも百叩きだと言いました。
サイムダンは流民に会い身元を証明するものが必用だと言いました。
大将は号牌(ホペ)は隠してあるが税金を払わず逃げてきたのだと言いました。
サイムダンは税なら自分が代わりに払うと言い差し入れを配りました。
夜になりました。サイムダンは家に子どもたちを集めて励ましました。
「はあ。乞食の世話をするなんて。」
メチャンは言いました。
「メチャン。」
サイムダンは子どもたちの前で暴言を吐きました。
「乞食だと?」
少年は言い返しました。
「乞食なんかじゃない。私たちを手伝ってくる子どもたちなの。」
「世話はともかく臭くてたまらん。」
イ・ウォンスは言いました。
「あなたに話しがあります。」
サイムダンは部屋にイ・ウォンスを呼びました。
「荒地と家を担保にします。申し訳ありませんが法事を引き受ける条件で北坪村(プクピョンチョン)の母から頂いた寿進坊(スジンバン)の家を売ったのはあなたです。」
「いやそれは・・・そうだが。」
「荒地があるのはあの家のおかげです。」
「しかし身元の分からぬ者に全財産を投げ打つ気か。」
「私たち家族が食べていけるのは流民が働いてくれたおかげです。私たちが助けないと。」
「だがなぁ。・・・・・・。」
夜の比翼堂(ピイクダン)の一角。
「権力の源は何だ?ミン・チヒョンが紙の利権を抑えているということは本当か?」
イ・ギョムはペク・インゴルに尋ねました。
「政治に無関心なくせによく知ってるな。」
「知りたくもない。ところで地方の官吏だったミン・チヒョンが出世したのはあの火事が原因だとか。知ってるのか?」
「・・・・・・。」
「私も少し聞いておる。」
「お前は危険な橋を渡るのか?取り戻せぬ過去などあきらめろ。傷つく者が出る。」
「教えてくれ。それでも知りたい。兄者!」
「寺で起きた虐殺と火事の発端は一篇の詩だという。己卯士禍(キミョサファ)の前日に会合で席を立った者に、殿下が詩を贈られたとの噂があった。寺で虐殺があった頃と一致する。詩を贈られた者はことごとく殺されたそうだ。その中には、シン・ミョンファ様もいらっしゃった。」
「シン・ミョンファ殿が?」
「そなたが慕うシン氏夫人の父だ。私も尊敬していた。」
ペク・インゴルはシン・ミョンファに逃げるように言ったのでした。
「どんな詩だったのだ?」
「己卯士禍(キミョサファ)で殺された者を懐かしむ、そんな内容だったと聞くが、真相はわからぬ。死人に口なしだ。」
ペク・インゴルが話すとイ・ギョムはすぐに馬を走らせました。
イ・ギョムはサイムダンが急いで結婚させられた理由に気が付きました。
日中の捕盗庁(ポドチョン)。
サイムダンは土地と家の証文と号牌(ホペ)を差し出しました。武官は金が足りないと笑いました。サイムダンはひと月以内にお金を持ってくるので流民を釈放するように頼みました。そこに捕盗大将(ポドテジャン)が現れ釈放に反対しました。サイムダンは流民の行動は保証すると約束しました。捕盗大将(ポドテジャン)は約束を破ればサイムダンの罪を問うと言いました。流民たちは泣きながらサイムダンに心打たれました。
流民たちはいったん釈放されました。
米が900両、木綿が200疋以上の税を一か月以内にサイムダンが肩代わりしなければなりませんでした。イ・ウォンスはヒャンから聞いて自分より気前が良すぎるので逃げようと言いました。ヒャンはイ・ウォンスにいつ科挙に及第するのと言いました。イ・ウォンスは科挙に合格しても米が10斗と豆が5斗しか盛らないと言いました。
一部の流民は逃亡する準備をしていました。
大将は逃げたらサイムダンも皆も捕まると言いました。流民のひとりはもっと税を要求してくるかもしれないと言いました。
「助かる道がないわけでもない。私が、ずっと持っていました。雲平寺の高麗紙の製法です。」
パルボンは口を開きました。
「じいちゃんがしゃべった!」
流民たちは驚きました。
サイムダンは震える手で紙を読みました。
「明国では金齢(クムミョン)紙と高く評価しています。見て覚えているだけなので作る時の見本となる紙が必要です。」
イ・ギョムは夕方になり夜になっても馬を走らせました。
北坪村(プクピョンチョン)の鳥竹軒(オジュッコン)。
「誰かおらぬか!宜城君がお会いしたいと伝えてくれ!」
イ・ギョムは龍仁イ氏の屋敷の門を叩きました。
タムはサイムダンの母、イ氏に宜城君が来たと言いました。
イ氏は布団で寝ていたところでした。
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感想
案の定といいますか、宜城君がサイムダンがほかの男と結婚した理由に雲平寺の虐殺が関係あり、事件にサイムダンが関わっていることに気が付いたようです。大好きなサイムダン。でも人妻で子どももいて女らしいというより主婦のおばちゃんとして女性らしらを捨てて力強く生きている。好きなものは好きで、セクシーさが消えてもいつまでも忘れられない。昨今のドラマはどんな年齢の男もある程度金持ちになって若い美女と恋をするという多数派の男の欲望が定番となりがちですが、このドラマの場合そうではありません。サイムダンは宜城君だけを愛するよりも、子どもたちを育てなければならないし、イ・ウォンスが官職を得る手伝いもしないといけない、家を切り盛りして流民を養う責任があり、とても恋をしている暇はありません。今日のニュースで誰だっけ、女優のおパ●●を被った斉藤由貴の愛人の写真が流失したそうですが、あのお下品さと比べたら、このドラマのほうが比べるまでもなく美しいです。
そしていい男はいつまでたってもいい男。その逆も。恋愛となると相手のいい所しか見えませんから、そりゃそうですね。宜城君はいい男、サイムダンもいいお母さんであり妻であり、二人とも悪とは無縁の自立した女性。
今回はフィウムダンことソクスンがミン・チヒョンにキレてきたという演出がありました。フィウムダンはまた何かやらかしそうです。
あと4話しかありませんが、続きが楽しみです。
そしていい男はいつまでたってもいい男。その逆も。恋愛となると相手のいい所しか見えませんから、そりゃそうですね。宜城君はいい男、サイムダンもいいお母さんであり妻であり、二人とも悪とは無縁の自立した女性。
今回はフィウムダンことソクスンがミン・チヒョンにキレてきたという演出がありました。フィウムダンはまた何かやらかしそうです。
あと4話しかありませんが、続きが楽しみです。
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