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サイムダン24話のあらすじ 師任堂-Saimdang, Light's Diary Episode24

サイムダン(師任堂)色の日記 24話のあらすじと感想<完全版>

サイムダン(師任堂)24話のあらすじ 韓国ドラマ

目次

サイムダン24話のあらすじ 甦る才能

師任堂(サイムダン)は中部学堂(チュンブハクタン)の姉母会(チャモエ)でフィウムダンに糾弾されました。サイムダンはヒョルリョンのために学ぶ資格は親の裕福さで決まるものではないと言い返しました。
「そういえばあなたの父親は己卯士禍(キミョサファ)で牢を出た後都落ちしたのよね?」
ソ氏夫人が言いました。
「謀反だなんて。」
他の夫人たちは驚きました。
「それに逆賊居昌府院君(コチャンプウォングン、シン・スグン)の娘の廃妃が隣に住んでいる。そうですよね。ヒョルロンのお母さま。またお母さまが今お召しになっているチマは入手困難な唐緞子です。」
フィウムダンは言いました。
「今着ていらっしゃるジギュンのお母さまの臙脂色も一部の者しか作れません。」
師任堂(サイムダン)は言い返しました。そのえんじ色はイ・ギョム(宜城君)がサイムダンに贈った帯の芍薬の花の色でした。
「中部学堂(チュンブハクタン)に通えるには由緒ある家の子弟だけだ。ここで作った人脈が成均館や官庁でも役に立つ。」
フィウムダンは言いました。
「その通りですわ。」
ソ氏夫人は言いました。
「逆賊の孫が通えば中部学堂(チュンブハクタン)の名は地に落ちますわ。」
ソ氏夫人の子分の夫人が言いました。
「シン・ミョンファの名を持つ私の父は、己卯士禍(キミョサファ)の際に調べは受けたものの、無罪とされました。私の父は無実です。」
師任堂(サイムダン)が言うとチャン・テリョンの母コン氏夫人は北坪村(プクピョンチョン)で一緒に学んでいたサイムダンのことを思いだしました。
「シン・ミョンファ先生?師任堂(サイムダン)だわ。」
二十年前に師任堂(サイムダン)の隣で居眠りしていたコン氏夫人は昔を思い出し手で口を覆うとサイムダンと再会したことに胸が躍りました。
「たとえ父に罪があっても、その罪を隠すことが子として正しい道であり人情であると孔子はおっしゃいあました。なのにどうして祖父の罪を孫に問うのでしょうか。」
サイムダンは主張しました。ソ氏夫人の隣に座っている夫人は頷きました。
「秦の商鞅(しょうおう)は厳罰を科して連座制を敷けば、争いが減ると論じた。」
フィウムダンは言い返しました。
「孔子だの商鞅だのそれはいいとして、この恥さらしな風情が我々の中部学堂(チュンブハクタン)の汚点となるのは事実です。」
ソ氏夫人は力を込めて言いました。
「そうですわ。」
幾人かの夫人たちは同意しました。
「決着をつけましょう。ここにいるお母姉方の過半数が同意したら、学堂を退学させましょう。」
鷹狩の幕舎。
「はっはっはっは。認めよう。余の矢より領相(ヨンサン、領議政)の矢が先に当たったのではないか?」
中宗(チュンジョン)は死んだ野兎を前にして領議政に笑いかけました。
「たかが小さな兎ではありませんか。はっはっは。次は殿下の矢が必ず大きな猪を射抜くかと。」
領議政は中宗をおだてました。
「領相(ヨンサン、領議政)大監は雉なくば鶏でなく鶏なくば兎でしたな。はっはっは。」
右議政は領議政をおだてました。
「狩りを楽しめたのは宜城君のおかげですな。」
領議政は中宗に言いました。
「ところで宜城君はどこへ?」
右議政は言いました。
「今戻ってこられました。」
領議政は宜城君を指さしました。
イ・ギョム(宜城君)は幕舎の中に入りました。
「私を誘った本人がどこへ行っておったのだ。」
中宗は茶を飲むとイ・ギョムに言いました。
イ・ギョム(宜城君)はおじぎをすると、自らが描いた鷹の絵を見せました。
「鷹ではないか。はっはっは。漆ははげても生地ははげぬ。宜城君は生まれながらの絵描きだな。」
中宗は言いました。
「実に見事な筆遣いです。つややかな奈根に鋭い爪。猛々しい嘴・・・。」
右議政は宜城君をおだてはじめました。
「すぐにも絵の中から飛び立ちそうです。」
左議政も言いました。ミン・チヒョンは緊張した様子で黙って話を聞いていました。
「殿下に私の真心を受け取って欲しいです。」
イ・ギョムは中宗(チュンジョン)に言いました。
「余が天下の一品を拒むわけがない。はっはっはっは。」
中宗は笑いました。
「鷹には魔除けの意味があるそうです。宋の時代にある女が徽宗(きそう)の鷹の絵を見た瞬間、その女に憑いていた狐が落ちたそうです。それ以来、鷹は魔除けの象徴になりました。この絵を飾っておけば殿下のお傍に住む魔物が本性を表すかもしれません。」
イ・ギョムはミン・チヒョンをちらりと見ながら中宗に説明しました。
「はっはっはっは。そうか。そうかもしれぬ。ところでどうして目が無いのだ?」
中宗(チュンジョン)はイ・ギョム(宜城君)に尋ねました。
「画竜点睛を欠くですな。殿下のためでございます。」
左議政は王に言いました。
「殿下のためです。」
イ・ギョムは言いました。
「余のため?」
「はい。殿下が完成させてください。」
「はっはっは。ああそうか。鷹の目で民の実情を見ていただくためですか。殿下。すぐに鷹に目をお描きください。」
領議政は言いました。
「そうしようか?はっはっはっは。」
中宗が言うとイ・ギョムは促すように丁寧におじぎをしました。
中部学堂(チュンブハクタン)の姉母会(チャモエ)。
「退学!」
ソ氏夫人は票を読み上げました。子分の母たちが矯正を上げました。
チャン・テリョンのお母さんは同じ村出身の同胞が迫害される様子が気に入らない様子でした。
「・・・許可。」
「誰なの?」
「あきれた。」
「退学!」
「やった〜。」
「当然ですわ〜。」
「許可。」
「まあ。何てこと!七対七の同点ですわ。どういうことです?」
「やり直します。決まるまで続けましょう。」
ソ氏夫人は言いました。
「まずはお茶をどうぞ。姉母会(チャモフェ)の皆さまも喉が渇いたでしょう?明国から取り寄せた銘茶をお楽しみください。入れ札など面倒ですわ。やり方を変えて挙手にしましょう。」
フィウムダンは言いました。
「挙手?素晴らしいわ!さあ。挙手しましょう。挙手。」
ソ氏夫人とその子分たちは喜びました。コン氏夫人は隣の夫人と目を合わせました。
「お茶にしましょう。」
「あなた、許可に入れたの?」
「いいえ。」
「ご主人は左遷されたんでしょ?身の振り方を考えなさい。はじめてジギュンさんから優を奪ったのはさっき見たヒョルリョンなのよ?」
ソ氏夫人の子分はコン氏夫人の隣にいた夫人を脅しました。
「ヒョルロンはフィウムダン様に二回も頬を叩かれたそうですね。」
夫人は言い返しました。
「今、なんとおっしゃいましたか?」
サイムダンは夫人に尋ねました。
「いいえ・・・。」
「ヒョルリョンが叩かれたのですか?」
「何かの間違いです。」
脅された夫人は答えませんでした。
フィウムダンは茶を飲みながら回りに目配せしていました。
鷹狩の幕舎。
中宗(チュンジョン)は鷹の目を描き入れました。
「殿下。このような名画には詩を添えるべきではありませんか?殿下がお詠みください。」
領議政は言いました。
「そうか?」
中宗は詩を書きはじめました。ミン・チヒョンはイ・ギョムを睨みました。
「狩りで疲れたせいか墨のかすれが酷いな。」
中宗は言いました。
「鷹を描く際にやむなく膠を混ぜました。昔なら一筆で描けた線も重ねて塗らざるを得なかったのです。技術は進歩するものですが、紙だけは例外のようです。」
イ・ギョムは中宗を立てて言いました。左議政と右議政とミン・チヒョンは言葉の棘に気が付きました。
「事実なら問題だな。まだ日が高い。もう一度狩りに出かけよう。」
中宗は言いました。

中宗とイ・ギョムと大臣らは馬で野を掛けました。

中部学堂(チュンブハクタン)。
「白い服にぶちまけなさい。」
ソ氏夫人は茶を運んできた使用人に命じました。
話を聞いていたチャン・テリョンのお母さんは許せない気持ちになりました。
コン氏夫人は使用人の足を引っかけました。使用人が倒れて気の弱い別の夫人の服に茶がこぼれました。
「きゃ〜。どうしましょう。これは隣の家のお宅から借りたチマなんです。どうすればいいの?」
黄色い上着を着ていた夫人は子どもみたいに泣き出しました。
「まあ大変。」
コン氏夫人は大げさに同情しました。
「おや?借りたチマだったの?」
ソ氏夫人は驚きました。
「裕福ぶってたけど見せかけだったのね。おたくが退学すべきだわ。」
ソ氏夫人の子分は意地悪そうに言いました。
「どうしましょう。私はもう終わりです。終わったんだわ〜。」
夫人は正体もバレて泣きじゃくりました。
「あなた。筆と墨を持ってきてちょうだい。早く。」
サイムダンは使用人に命じました。
「筆を?」

夕方の山。
飛んでいた雉が着地しました。
イ・ギョムは馬から降りました。イ・ギョムの跡をつけてきたミン・チヒョンは懐から小さな壺を取り屋に毒を塗りました。

イ・ギョムが矢を放つと雉は逃げました。イ・ギョムが後ろを振り返るとミン・チヒョンが矢を構えていました。

中部学堂(チュンブハクタン)。
サイムダンはチョゴリに墨を垂らしました。
「(サイムダンが筆をとった。どういうつもり?)」
フィウムダンは表情を変えずに動揺しました。
サイムダンは布地の上に激しく筆を動かしました。夫人たちはざわめきました。

山。
ミン・チヒョンが矢を放つとイ・ギョムの後ろにいた猪が一撃で息絶えました。
「危ないところでしたな。宜城君。」
ミン・チヒョンは猪を取りに行きました。

「はっはっはっは。宜城君はミン殿に大きな借りができたな。」
話を来た中宗は笑いました。
「猪が一撃で死ぬとは、矢に草鳥の毒を塗ったのですか?鳥兜ですよ?」
イ・ギョムはミン・チヒョンに言いました。
「たまたま急所に命中しただけです。」
ミン・チヒョンは答えました。
「本当の標的は猪ではなく、私だったのでは?」
イ・ギョムが言うと大臣たちは動揺しました。
「命の恩人に対して言葉が過ぎますぞ。」
ミン・チヒョンは言い返すとイ・ギョムは茶を飲みました。

しばらくして陣にソン・セヤンが走ってきました。
「殿下。お変わりありませんか?」
ソ・セヤンは中宗に挨拶しました。
「ソ・セヤンではないか。なぜお前が明から戻ったのだ?」
「明の使者が来られます。すぐに王宮にお戻りくださいませ。」
「明の使臣だと?そんな話は聞いておらぬ。」
「皇帝の勅書を携えた使臣です。」
「何だと?勅書?」
中宗が立ち上がると皆も立ち上がりました。
中部学堂(チュンブハクタン)。
「あ〜ら、やっぱり〜天才少女画家は健在だったのね〜!」
コン氏夫人はたいへん喜びました。
「お知り合いなの?」
「そんな噂を聞いただけです。」
「まるで旧友みたいですよ?」
「売りに出せば高値がつきます。私は婚家で絵を見る目が肥えたんです。これは高く売れますよ!よかったわね夫人。」
コン氏夫人は両手を振って言いました。チョゴリを借りていた夫人は胸をなでおろしました。
「醜さと美しさの間には境界などないのです。このチマを返しても叱責は受けずに済むかと。皆さんにお話しがあります。今日、ヒョルリョンを退学させます。」
サイムダンは筆を置くと言いました。
「ヒョルリョンのお母さん。退学させるとはどういうことですか?」
部屋に入ってきたペク・インゴルはサイムダンに言いました。
「母姉(チャモ)の会は関係ありません。ここでは子どもよりも父親の力を重視し国を支えている民を軽視します。科挙のためだけの学堂で教わることはありません。失礼ばかりですみませんでした。」
サイムダンは夫人と先生におじぎをすると部屋から出て行きました。コン氏夫人とペク・インゴルは残念な気持ちになりました。
「待ちなさい。やめるのではない。私に追い出されるのよ。誤解しないで?」
フィウムダンはサイムダンを脅しました。
「昔雲平寺(ウンピョンサ)で私を助けてくれましたね。必ず礼を言わねばと思っていました。今更ですがありがとうございました。どうやって両班の正室夫人になったかわかりませんが、心は汚れてしまったようですね。」
サイムダンはフィウムダンに礼をしました。
「何だと?」
「外見は華やかな蝶のつもりでも中身は幼虫のままです。」
「はっ。」
「中部学堂(チュンブハクダン)の母姉(チャモ)の長という地位を利用して人の心を踏みにじってでも守りたいなら、そうやって生きてください。」
サイムダンは母姉(チャモ)会の門の外に出ました。
「はっ。はっ。」
フィウムダンは悔しがりました。

寿進坊(スジンバン)のイ家。
「ヒョルリョン。」
サイムダンはヒョルリョンを呼びました。
「母上。どうなりましたか?」
「部屋に入りましょう。」
サイムダンはヒョルリョンの頬に触れ、肩に手を置きました。

「自ら退学を?私の気持ちはどうなるのですか?」
ヒョルリョンは困惑しました。
「叩かれたことを黙っていたそうね。」
「・・・・・・。だけど心配させたくなかったのです。母上が大変な時なのに。」
「あなたが叩かれて私の胸は張り裂けそうになったわ。」
「私は大丈夫です。二度と喧嘩しません。学堂をやめさせないでください。」
ヒョルリョンは泣きました。
「理由はそれだけではない。今日の講義を見たわ。あなたは先生に質問ばかりしていた。わからなくて聞いたの?自分の力を誇示するためではないか?無論中部学堂(チュンブハクダン)の雰囲気も問題だけどあなたの態度もよくなかった。ヒョルリョンや。あなたは頭がよくても皆が皆同じではないの。どんなに頭がよくても人をばかにするようではとても誉められないわ。人として大切なことを学ばねばなりません。」
「今後は気を付けるから・・・。」
「明日から私と一緒に紙を作りなさい。」
「紙を作るって?」
「私のもとで学ぶのよ。」
「母上・・・・・・。」
朝廷。
「少し前に明国の使臣は帰国したばかりだぞ?何があったのだ?」
中宗は便殿に入りました。重臣たちは頭を下げて王を迎えました。
「私は高麗紙の問題と聞いています。」
ソ・セヤンは言いました。
「高麗紙にどんな問題があるというのだ。何が起きていのだ!」
中宗は(ブチ切れて)怒鳴りました。
「朝鮮で作った高麗紙が二十年とたたず色褪せて、皇帝の怒り甚だしいのです。」
ソ・セヤンは答えました。
中宗はイ・ギョムが昔のように一筆で描けなかった紙に膠を塗らざるを得なかった言っていた話を思い出しました。
「すぐに造紙署(チョジソ)の長官を呼んでくるのだ!」

ミン・チヒョンが中宗に呼ばれました。
「それがミン参議(チャミ)お前の言い訳か!」
中宗はミン・チヒョンに怒鳴りました。
「何か誤解が生じているようです。納品した紙は朝鮮で最高の物でございます。問題となるはずがございません。」
「ならばなぜ明国の勅使が急に来るのだ!」
「これが誤解でないなら、罠かと思います。造紙署(チョジソ)への納品権や我が紙物店を狙う者が多くいます。」
「ならば明国の使臣が来れば明らかになる。原因によってはお前を許さぬからな。」
中宗はミン・チヒョンを指さしました。左議政と領議政は首をかしげました。

王の部屋。
「一体何が起きているのだ。紙のことで明の使臣が来るはずがない。」
中宗は焦りました。
「殿下。確かに紙の問題と使臣が言っておりました。」
内禁衛将(ネグミジャン)は中宗を落ち着かせようとして言いました。
「見過ごせぬ。すぐに国中に触れを出せ。すぐに高麗紙を作れる職人を探してくるのだ!1日でも早く勅使を送り返さねば!」

ミン・チヒョンの家。
「どうして明国の高麗紙が問題になったのだろうか。明国に戻った使臣が斬首となったそうだ。朝鮮で袖の下を貰ったことが原因が。ただ事では…。」
大臣の一人(おそらく造紙署(チョジソ)の提調)は茶を飲み干すとミン・チヒョンに言いました。
「静かにしてください。袖の下ではなく心を込めて接待したのです。違いますか?」
ミン・チヒョンは低い声で言いました。
「それはそうだが・・・。」
「紙も問題ありません。なんにせよ朝鮮にこれ以上の紙はないのですから。」
「令監(ヨンガム)。最高の紙というのは事実か?殿下がお怒りだ。下手をしたら令監(ヨンガム)と我々は・・。」
「廃君燕山君のせいです。譲位と偽って何年になりますか?廃君(ペグン)が生きていると欺き続けるために、使臣が来るたびに怯える。提調には官吏の口止めをお願いします。この件については私が必ず片を付けます。」
「そうしてくれ。」
「例の物を積み終えました。前の使臣に渡した十倍以上です。」
扉が開き、ホンが入って来てミン・チヒョンに報告しました。 

ミン家の庭。
「朝鮮でも明国でも金が物を言います。金を嫌う者には吐き出すほど押し込みます。行くぞ。」
ミン・チヒョンはぜいたく品と金を積んだ荷車を見て提調に言いました。
ミン・チヒョンは馬に乗り出発しました。
比翼堂(ピイクダン)の一角。
「蛇を藪からつつき出す気か。」
ソ・セヤンはイ・ギョムに言いました。
「その通りです。」
イ・ギョムはセヤンに茶を注ぎました。
「気を付けろよ。そなたにも害が及ぶやもしれぬ。」
セヤンは茶を飲みました。
「覚悟の上です。」
「今頃使臣は贈り物の山を見ておろう。だが今回は明の使臣も簡単には落ちまい。」
「不正と暴力を使ってのし上がってきた者です。どんな手を使ってくるか。」
「無理はするなよ。このような戦いで勝負がつけば、共倒れになることもある。」
「構いません。あの者が築き上げてきた富と権力を取り上げねば。」
イ・ギョムは言いました。
「叔父上!シン氏夫人が墨葡萄(ムクポド)を描いたそうです!画家なのですか?」
イ・フが嬉しそうに駆け寄って来ました。
「今、言ったのは紙を作っているシン氏夫人か?」
「そうですよ。墨葡萄(ムクポド)を見るために人が集まっています!」
「本当に、サイムダン、シン氏夫人か?」
「本当にシン氏夫人ですって!」

街。
「あそこです。通してください。」
イ・フはイ・ギョムを店に連れて行きました。店には両班の人だかりができていて一目見たいと言いました。
「買い手が決まりました。」
「だから見せてくれと言ってるのに!買えるなら買ってるさ。どこかの屋敷に入れば二度と見られなくなる。」
絵を買いに来た男たちは悔しがりました。
「見せてください。」
そこにイ・ギョムが来ました。
「すばらしい墨葡萄(ムクポド)です。
両班の男はイ・ギョムに言いました。
「見たことのない迫力だとか。」
「突然天才が現れたのです。」
比翼堂(ピイクダン)の門弟が言いました。
「見せてくださいよ。」

「もう売り切れです。」
店の男は言いました。
「一目だけでも見せてください。」
駆け付けたイ・ギョムも絵が見たくなりました。
「このお方を誰だと思ってるの?宜城君大監なのよ!」
なぜかイ・モンニョンもそこに居ました。
「わかった。わかった。少しだけだですぞ?」
男が言うと店の奥に引っ込み戻ってくると萌え木色のチョゴリを拡げました。
「おお・・・・・・。」
「うおおおお。実に安定感のある構図だ。」
「薄墨で描かれた葉。そしてあの葉脈を見よ。」
「こんな画法があるのか。
「実に素晴らしい!」

「再び筆を取ったのだ。生きていた。絵の才が甦ったのだ。」
イ・ギョムは墨葡萄(ムクポド)に見とれました。
「さあおしまいです。」
男は墨葡萄(ムクポド)を畳みました。
「待ってくれ。もう少し見せてくれ!」
イ・ギョムは大きな声を出しました。
「売れたのです。」
「買ったのは誰だ。私はその二倍出す!」
イ・ギョムは言いました。
「いけません。」
「三倍は?」
「お売りしたいのですが今回はだめです。残念ですがお帰りください。」

店の男は墨葡萄(ムクポド)を箱に入れました。その部屋にはフィウムダンがいました。
フィウムダンはイ・ギョムの声を聞いて気持ちを募らせました。

夜になりました。
フィウムダンは火の中に墨葡萄(ムクポド)を投げ入れて木の枝でかき混ぜました。
「燃えて!全部燃やしてやる!きゃーっ。きゃーっ。」
フィウムダンは泣きました。

比翼堂(ピイクダン)。
「あの子がまた来て書を読んでいます。」
イ・フはイ・ギョムに言いました。
「あの子?」
「ヒョルリョンですよ!」
「ヒョルリョンが?」

「こんな時間にどうした?ん?また家族を心配させるのか?ん?」
イ・ギョムは本を読んでいるヒョルリョンに言いました。
「自主退学とは自らやめることですよね?」
「そうだ。」
「私が知らぬ間に退学になりました。」
「どうして?」
「母上が勝手に退学を決めたのです。そして紙づくりをすぐ手伝えと言われました。」
「そんなことがあったのか?大変だったな。」
「最初は母上の勝手な決定に腹が立ちました。中部学堂(チュンブハクダン)が期待していたほどよくなくてがっかりしているんです。秀才だけが学べる所と思ってました。」
「違うのか?」
「孔子と孟子の言葉に親しみ心に刻むのが君子の道理です。そのために努力する生徒はひとりもいませんでした。さらに・・・。」
「さらに?ん?」
「・・・・・・。母姉(チャモ)夫人会で、母上は父上とおじい様を侮辱されました。そんな親を持つ子とは一緒に学べません。」
「おう。もちろんだ。付き合ってはならぬ。朱に染まれば赤くなる。そんな子を友としたらお前も染まるぞ。ん?おう。」
イ・ギョムはヒョルリョンの背中をさすりました。
「だけど、急に学堂をやめることになるとは思ってもいませんでした。私の人生は終わりました。及第すれば堂上官(タンサングァン)にもなれると思っていたのに。学堂を出るなんて。荒地で働きそのまま死ぬのです。」
ヒョルリョンは悲しくなりました。
「アイゴー。」
「宜城君大監。ここに集まった人は朝鮮で名のある文士(ブンサ)や芸術家ですよね。」
「まあ、そうだが。なぜ聞くのだ?」
「本当に悲しいです。」
「なぜ?」
「父上のことで心が痛みます。」
「どういう意味だ?」
「最近は父上のことが小さく感じられます。恨めしくもあり可哀そうでもあります。頭の中がごちゃごちゃします。それでここに来たのです。ここで本を読んでいたら少しは落ち着きましたから。」
ヒョルリョンは本を開きました。

日中の寺。
サイムダンの夫、イ・ウォンスは他の両班とともに寺で勉強していました。イ・ウォンスが怠けていると僧侶が木の棒でイ・ウォンスを軽く叩いて目で叱りました。
「あ〜。夫人。」
イ・ウォンスは夢を見て寝ぼけていました。
「塔を二百周!」
僧侶はイ・ウォンスに言いました。
「ちょうど回ろうと思ってました。」

「精神。統一。精神。統一。足が痛いし。今日は塔お回り明日は百八礼。」
イ・ウォンスは手を合わせて小さな石積みの塔をぐるぐる回りました。

その様子を宜城君は見ていました。
「どう思われますか?及第の見込みはありますか?」
イ・ギョムは僧侶にイ・ウォンスの様子を尋ねました。
「科挙を受ける者を二十年見てまいりましたが、分かりませぬ。書を抱えた姿を見るだけでこの人は初試(ちょし)まで。あの人は覆試(ポクシ)まで。この人は首席だとわかりるものですが、あの方のことは読めません。」
「はぁ。」
イ・ギョムはため息をつきました。

感想

あれれ〜。「師任堂(サイムダン)、色の日記」は全20話なのに、まだ続いています。広告が多いから話数が多くなっているのですね。一体何話まであるのでしょうか。

今回はヒョルリョンを退学させたサイムダン。そして貧乏な両班の夫人のために絵を描いてあげたサイムダン。その絵に惚れこんだイ・ギョム(宜城君)は何だか恥ずかしいでね!好きな人が描いた絵がどうしても欲しいと(笑)そりゃそうですが、あまりに話が出来すぎています。まさか絵を抱えて眠るわけじゃないでしょうし。その宜城君はミン・チヒョンを倒すために行動に出るのですがミン・チヒョンに脅かされ・・・最後の戦いの幕が開かれたようです。フィウムダンも殺意ある嫉妬心でいつサイムダンを殺そうとするかわかりません。キーキー叫ぶフィウムダンは面白いです。漫画みたいに本当に「キーキー」言うとはこのことなんですね。

イ・ギョムはただの羨ましい男で終わってしまうのか?続きが楽しみです。

サイムダン各話のあらすじと感想

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朱蒙(チュモン)全話1から最終回81話までのあらすじと感想

朱蒙(チュモン)のあらすじ一覧 朱蒙(チュモン)の1話から最終回81話までのあらすじを解説し感想も述べています。途中でちょっと面倒になったこともありましたが、何とか最後まで視聴することができました。朱蒙(チュモン)は感情移入するようなドラマではないと侮っていたのですが、最後らへんになると思わず登場人物の結末に涙してしまいました。 チュモンの全話あらすじ詳細とネタバレ感想 チュモン 1話 あらすじネタバレ感想 チュモン 2話 あらすじネタバレ感想 チュモン 3話 あらすじネタバレ感想 チュモン 4話 チュモン 5話 あらすじネタバレ感想 チュモン 6話 チュモン 7話 あらすじネタバレ感想 チュモン 8話 チュモン 9話 あらすじネタバレ感想 チュモン 10話 あらすじネタバレ感想 チュモン 11話 あらすじネタバレ感想 チュモン 12話 あらすじネタバレ感想 チュモン 13話 あらすじネタバレ感想 チュモン 14話 あらすじネタバレ感想 チュモン 15話 あらすじネタバレ感想 チュモン 16話 あらすじネタバレ感想 チュモン 17話 あらすじネタバレ感想 チュモン 18話 あらすじネタバレ感想 チュモン 19話 あらすじネタバレ感想 チュモン 20話 あらすじネタバレ感想 チュモン 21話 あらすじネタバレ感想 チュモン 22話 あらすじネタバレ感想 チュモン 23話 あらすじネタバレ感想 チュモン 24話 あらすじネタバレ感想 チュモン 25話 あらすじネタバレ感想 チュモン 26話 あらすじネタバレ感想 チュモン 27話 あらすじネタバレ感想 チュモン 28話 あらすじネタバレ感想 チュモン 29話 あらすじネタバレ感想 チュモン 30話 あらすじネタバレ感想 チュモン 31話 あらすじネタバレ感想 チュモン 32話 あらすじネタバレ感想 チュモン 33話 チュモン 34話 あらすじネタバレ感想 チュモン 35話 チュモン 36話 チュモン 37話 あらすじネタバレ感想 チュモン 38話 あらすじネタバレ感想 チュモン 39話 あらすじネタバレ感想 チュモン 40話 あらすじネタバレ感想 チュモン 41話 あらすじネタバレ感想 チュモン 42話 あらすじネタバレ感想 チュモ

薯童謠(ソドンヨ)最終回第66話恋の成就のあらすじとネタバレ感想

薯童謠(ソドンヨ)最終回 あらすじ 夜の百済王宮。 女性たちが華やかに舞い、貴族の男とメクトスたちは庭で酒と食事を楽しんでいました。 「こんなに楽しい日は生まれて初めてだ。ははは。」 メクトスは有頂天でした。 「親父、俺も結婚したいよ。」 ポムノはメクトスに言いました。 「何だと。」 「チョギとだよ。陛下がうらやましいよ。」 「父親を片付けてから結婚しろ。」 「あー!ちくしょう。」 「ところで陛下は男女の営みをご存知だろうか。事前に教育するのを忘れてたよ。」 メクトスは卑猥な想像をしていました。 「そんなの心配いりませんよ。(未経験の)俺でも知っています。」 トゥイルはメクトスに言いました。 「そうか?」 「今頃うまくやってますよ。」 「はっはっはっはっはっは。」 男たちは笑いました。 「紙に穴をあけてのぞきたいところだけど、陛下にそれはできないな。」 メクトスは笑いました。 寝所の控室。 「結髪(キョルバル)の用意はできた?」 モジンはウンジンとウスに言いました。三人は桃色に白地の縁取りの刺繍の絹を着て初夜の営みの準備をしていました。 「はい。」 「香油は?」 「用意しました。」 ウンジンはモジンに言いました。 「櫛は?」 「置きました。」 ウスが答えました。 「浄化水は?」 「用意しましたー。」 チョギは明るく言いました。 「分かったわ。」 三人は王の寝所を出ました。 「準備が整いました。」 寝所の前で控えていたボミョンが外に出てきたモジンに言いました。 「はい。では五歩下がるように。」 モジンは侍従と侍女たちに命じました。 ウンジンとチョギとウスは口に手を当てて照れ笑いして顔を見合わせました。 「陛下。初夜の儀式を始める時間です。今から申し上げる順序でなさいませ。」 モジンは寝所の中に向かって話しかけました。 「まず、生涯を共にすると誓う意味の結髪をしてください。」 ベッドの上には白地の縁に金の刺繍が施された衣に着替えたチャンと白い絹に薄桃色の縁取りの絹を着たソンファ公主が腰かけていました。二人の髪が少し切られて絹の敷物の上に赤い紐で結ばれ置かれていました。 チャンは置