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サイムダン 37話のあらすじ 師任堂-Saimdang, Light's Diary Episode37

師任堂(サイムダン)、色の日記 37話のあらすじと感想<完全版>

師任堂(サイムダン)37話のあらすじ 韓国ドラマ

目次

サイムダン37話のあらすじ 御真影の制作

「は〜!女は御真画師(オジンファサ)になれないはずでは?」
貞順(チョンスン)翁主は部屋で憤っていました。
「媽媽。そのように私も理解しています。」
翁主の絵の師フィウムダンは言いました。
「ならばなぜ師任堂(サイムダン)がなぜ?私のほうが適任なのに。き〜っ!」

楊柳学堂(ヤンニュンハクタン)。
子どもたちが夢を語り合っていました。その様子をミン・ジギュンが門の外から隠れて見ていました。
「私は武官になりたい。」
「俺はチャン・ボゴになりたい。海賊と戦ってお宝を手に入れるんだ!」
「人。よく味を知る鮮(すく)なし。食べない人間はいないが真の味を知る者はいない。私は味の評論家で一番になるつもりだ。」
太っちょのチャン・テリョンは言いました。
「味の評論家って?」
ヒョルリョンはテリョンに尋ねました。
「漢陽(ハニャン)に来て最も腹が立ったのはまずいのに高い食べ物だった。これは食べ物に対する冒涜だ。私は評論家になってそういう問題を解決したい!」
「お〜。」
子どもたちは拍手しました。
「夢を書けたら甕に入れよう。」
ヒョルリョンは皆の夢を小さな甕に集めました。
師任堂(サイムダン)が寺子屋に戻ってきました。
「ジギュンじゃない?」
師任堂(サイムダン)はジギュンに声を掛けました。
「ジギュン君だ〜。」
コン氏夫人も優しく言いました。
「こんにちは。」
ミン・ジギュンは両手を前でつないでお辞儀をしました。
「久しぶりね。」
「これで失礼します。」
「あ。ジギュン。」
師任堂(サイムダン)はジギュンの手を取りました。
「母上〜。」
ヒョルリョンが門から出てきました。
「ジギュンが来たのか。」
テリョンも外に出てきました。
「私たちはご飯を食べに行くわ。」
コン氏夫人はテリョンと帰りました。
「またね〜。」
ヒョルリョンは手を振りました。
師任堂(サイムダン)も笑顔で見送りました。
「ヒョルリョンや。ジギュンを夕食に呼ばない?庭の茄子が食べごろなの。」
「そうですね。母上。ジギュン。行こう。」
「おいで。」

夕食の席。
「和えたばかりの茄子がおいしいわ。ジギュン。たくさん食べてね。」
師任堂(サイムダン)はジギュンのご飯の上に茄子料理を置きました。
「はい。」
「ソナ。包丁をありがとう。手の形によく合うわ。」
師任堂(サイムダン)はソンに言いました。
「母上の手に合わせたんです。次は鋏を作ります。」
ソンは言いました。
「どんどん腕が上がるわね。」
「鍛冶の仕事をしてるんですか?」
ジギュンはソンに尋ねました。
「欲しい物があれば作ってやるぞ。」
ソンはジギュンに優しく言いました。
「母上。今日は夢を紙に書いて甕に入れました。明日山に埋めようと思ってます。」
ヒョルリョンは嬉しそうに母に言いました。
「そう。」
サイムダンは頷きました。
「チギュンの夢は?」
ヒョルリョンはジギュンに聞きました。
「秘密。」
「なぜ友達なのに隠すの?」
「ヒョルリョン。人は誰でも秘密があるの。」
サイムダンは明るく言いました。
「何です?」
ソンは母に言いました。
「選ばれたの。御真画師(オジンファサ)に。」
サイムダンは子どもたちに言いました。
「御真画師(オジンファサ)は殿下の肖像画を?」
ヒョルリョンは驚きました。
「お母さま。女人(にょにん)にも道が開かれたのですか?」
メチャンは言いました。
「おめでとうございます。」
ソンは祝いました。
「お母さま。」
メチャンは母に抱き着きました。
「画員(ファウォン)として最高の名誉です。私たちも王宮に入れますか?経典を集めた建物と集賢殿(チッピョンジョン)を見たいです。」
ヒョルリョンは嬉しそうに言いました。
「私は五衛都摠府(オイドチョンブ、最高軍令機関)を見たいです。」
ソンは言いました。
「行ってみましょう。」
「お母さまが誇らしいです。大好きです。」
メチャンはサイムダンの首に腕をまきつけました。
「母上。おめでとうございます。」
ソンとヒョルリョンとウは手を叩きました。
酒場。
「赤布と青布の提灯に明かりをつけて♪忘れていたあの方がまたやってきた♪手ぶらで来て♪手ぶらで来て・・・。」
クォン氏は歌いながら青い女用の羽織物を拡げていました。
飯を食べている男たちは浮かれている女将を不思議そうに見ました。
そこにイ・ウォンスが現れました。
「おかえりなさい。」
「絹のチマか?」
「大きいお腹に合うチマが必要でしょ。本妻が御真影を描くでしょ。その話をしたらツケで買えたわ。」
「何?ツケだって?またか。」
「本妻の絵は値上がりするはずよ。あーははははは。楽しみだわ。私が言うのもなんだけどあなたは立派な妻を娶ったわね。」
「お前は金が一番なのか?」
「ええ。一番大事よ。お金に埋もれて死にたいくらいよ。」
「食事を頼む。」
「口を開けばそればっかりね。おなかに何か住んでいそう。ご飯を作っているのね♪」
クォン氏は歌いながら厨房に入りました。
イ・ウォンスはサイムダンが置いて行った荷物を拡げました。
「何だ?なぜこれがここにある。」
「この前届けに来たの。」
「私に知らせてくれないと。」
「忘れてたの!」

イ・ウォンスは手紙を拡げました。
「クォン氏へ。主人は元気そうに見えても夜中によく悪寒を感じることがあります。夕飯を食べても寝る頃には空腹で何か食べたがります。空腹では眠れないのです。ちょっとした食べ物と寝床には水が欠かせません。好物は豆腐や乾かした果物。そまた肌が弱いので下着に気を遣ってください。キョンジュ生地店のものがよいでしょう。よく湿疹ができていつもひと月以上苦しみます。三日ほどドクダミの汁で洗い流せば腫物は引くでしょう。」
「アイゴ。」
イ・ウォンスは涙を拭い我に返りました。

現代。
「ああ。わかったと言ってるだろ。切るぞ。」
美術協会長は電話を切りました。
「あの。協会長。どうでしょうか。」
ハン・サンヒョンは会長に伺いを立てました。ヘジョンも来ていました。
「ああ・これは、小説です。」
「え?小説って?」
ヘジョンは立ち上がりました。
「本当に確認しましたか?」
サンヒョンも言いました。
「間違いなく十六世紀のものです。」
ヘジョンは説明しました。
「十六世紀の紙に書かれてるだけかも。筆遣いも微妙で分かりません。」
「鑑定チームを作ってください。」
「出どころ不明の資料でチームは作れません。しかもシン・サイムダンの秘密の日記?ジョークかな。アイゴ。帰ってください。」
「ミン・ジョンハク。ミン・ジョンハクは知ってますよね。まさか電話しました?」
ヘジョンは会長に言いました。
「ミン・ジョンハクという人には会ったこともありません。」
会長はしらじらしい演技で知らないふりをしました。
「はー。協会長が変わって期待してました。」
サンヒョンは呆れました。
「もういいわ!人と違って遺物は嘘をつきません!これが本物なら真実は必ず明らかになる!帰るわ。こっちもあきれるわ!」
ヘジョンも怒りました。
サンヒョンとヘジョンは帰りました。
「追い返しました。」
協会長はミン・ジョンハクに電話しました。
「それはよかった。人をそっちに送る。」
ミン・ジョンハクは電話で協会長に言いました。
「はい。」

「無駄足だったわね。アイゴ。アイゴ。」
ヘジョンとサンヒョンはビルから出ました。
入れ替わり助教が協会長に会い包みを渡しました。
協会長は何かを助教に渡しました。

ソウルのカフェ。
ソウルに戻ったジユンはラドからメッセージを受け取りました。
「ラドです。会って話がしたいです。メールが来たことは仲間に話しても構いませんが、会うことは秘密にしてください。待ち合わせは・・・。」
「ジユン先輩。」
サンヒョンとヘジョンがジユンと落ち合いました。
「まったく韓国の美術界はどうなってるのかしら。協会長もミン教授も最低の人間だわ。」
ヘジョンは愚痴をこぼしました。
「メールが来たわ。ラドから。」
ジユンは言いました。
「ラドから?本当ですか?ラドも冷たいな。僕を無視してジユン先輩に返事するなんて。何度連絡したと思ってるんだ。」
サンヒョンは怒りました。
「寿進坊(スジンバン)日記や絵を誰が見つけたかラドは知ってるのよ。ラドは何だって?」
ヘジョンはサンヒョンをなだめました。
「メッセージは読んでるそうよ。また連絡するって。」
ジユンは言いました。
「よかった。返事が来たってことはラドは味方よね?少しほっとしたわ。」
ヘジョンは言いました。
「味方なら正体を明かしてくれたらいいのに。」
サンヒョンは不機嫌になりました。
「やめましょう。ラドに救いの手を差し伸べられた気分よ。ミン教授の汚さをひとつずつ暴きましょう。」
ヘジョンは言いました。
「ですよね。必ず暴かないと。」
大学の学長室。
「これは小説などではない。サイムダンシン氏の雅な随筆だ。金剛山図(クムガンサンド)の価値をさらに高める重要な証拠でもある。しかし・・・。」
ミン・ジョンハクは寿進坊(スジンバン)日記のコピーを見て思いました。

夜のレストラン。
「すみません。閉店の時間です。」
若い店員は駆け付けたジユンに言いました。
「待ち合わせです。」
「どうぞ。」
店員はテーブルにジユンを案内しました。
すると奥の席でパソコンを片付ける男がいました。
男は立ち上がりました。
「あの。私をご存知ですか?美しい。」
見知らぬ男はジユンに言うと去りました。
電気が消えました。
「どうぞ。実物のほうが美人だ。」
店員の男はジユンに言いました。

「ラドが韓国人とは思いませんでした。」
ジユンはラド(店員の男)に言いました。
「韓国人もいます。」
ラドは答えました。
「へ?」
「ラドは個人ではなく組織なんです。東洋の作品は東洋人が。小さなブーケはヨーロッパが担当しています。」
ラドは言いました。
「人数が多いんですね。」
「性格な人数も互いの正体も知りません。金剛山図は連絡を受けて以前から調査していました。ソ・ジユンさんの動画を見てね。ソ・ジユンさんが(サンヒョンの)質問に答える場面を見てピンときました。これは必ず何かある。」
「メールは送りましたが途方に暮れてます。どこから何をすればいいのか。」
「真作と贋作の両方があれば最高ですが、どちらか一方でも真実を明らかにできます。」
「しかし真作はミン・ジョンハク教授が燃やしました。」
「本当にミン・ジョンハク教授が燃やしたと思いますか?ミン・ジョンハクほど欲深い人間がしかも美術の専門家が真作を簡単に燃やしたりしますか?」
「では、あれは偽物だったと?」
「僕はミン教授が燃やした物は偽物だと思ってます。もし予想通り真作が残っていたら、どこにあるか突き止めなければなりません。それが判ればミン教授を追い詰められる。既にミン教授にメールを送ってます。もう少し続けば向こうが暴発するかも。その時を狙いましょう。」
「それで、なぜ私に姿を見せて話をしてくれるんですか?」
「僕の勝手です。」
「聞いてもいいですか?もしかして平昌(ピョンチャン)で息子の絵を手伝ってくれましたか?私にカードをくれたのはあなたですか?」
「どうでしょ。」
「息子の絵がラドのブログに。」
「あ〜。どうでしょう。」
「あなたでは?ラドはあなたですね?」
「いいえ。」
「ではだれが?」
「ソ・ジユンさんの前に現れるかもしれません。」

ジユンはレストランを出ると頭を悩ませました。

レストラン。
「ボスの指示通りしましたよ。なぜご自分でお会いにならないのですか?様子を見ながら必要な情報を渡していきます。ええ。お疲れ様です。」
ラドに扮した男は電話でラドに話しました。
朝鮮時代。
「これは?」
宜城君は天胤(チョンニュン)大君に呼ばれて図面を見ました。
「兵船の図本を制作中です。」
天胤(チョンニュン)大君は叔父に言いました。
「軍船を改造したものですね。太宗(テジョン)大王の時から伝わる亀甲船ですか。」
「そうです。」
「鉄板を用いた威容ある船になるでしょう。倭寇に脅威を与えられます。」
「そうです。図画署(トファソ)で同時に進めていますので、叔父上は注意を払ってください。」
「わかりました。」

図画署(トファソ)の門前。
「御真影を女などに任せられん!考えられぬことだ!」
儒者は仲間を引き連れて抗議していました。
「そうだそうだ!」
「男女の差を無視して法を犯せば国が滅びてしまうぞ!」
「そうです!」
サイムダンが出勤してきました。
儒者たちは門に詰め寄り見張りの兵士に止められました。

図画署(トファソ)。
「図画署(トファソ)に女人(にょにん)が入るのか?」
絵師たちは噂していました。
「所詮は特別な引き立てがあったのだろう。」
「そうです。」
「女性が仕事を・・・。」
サイムダンがそこに入ってきました。
「御真画師(オジンファサ)に選ばれたシン・サイムダンと申します。わからぬことばかりです。ご指導のほどよろしくお願いします。部屋はどちらでしょう。」
サイムダンは静かに挨拶をしました。
「あちらです。」
絵師はぶっきらぼうに言いました。
「仕事を奪いに来て堂々としている。」
「どうなるか楽しみだ。」

王の部屋。
「殿下。数日お休みになられてはどうでしょう。」
内禁衛将(ネグミジャン)は中宗に言いました。
「余を描く主管絵師は師任堂だそうだな。余は長く休みすぎたようだ。」

師任堂は絵師の服に着替えました。

「御真というのはただ殿下のご尊顔を描くものではない。すべての絵師は心得ておくように。」
宜城君は絵師たちに言いました。
「はい。」
「伏せたままではお顔が描けぬゆえ立つ時は許しを得なければならぬ。描くために座るときも同じである。わかったな。」
「はい。」
宜城君とサイムダンは目を合わせました。
「主上殿下(チュサンチョナ)のおな〜り〜。」
中宗が部屋に現れました。
「主管絵師だけ残れ。」
中宗は命じました。
「殿下。御真影の制作には他の絵師も必要になります。誤りを正す大臣も・・・。」
宜城君は言いかけました。
「主管絵師が集中できるよう他の者は下がれ。」
「はい。」
宜城君たちは部屋の外に出ました。

肖像画を描く部屋。」
「近う寄れ。」
中宗はサイムダンに命じました。
師任堂は王の前まで歩み出ました。
「余の顔を描くのだ。近くで余の目を見なければならぬ。」
中宗が命じるとサイムダンはまた一歩前に出ました。
「顔を上げよ。申師任堂といったか。」
「はい殿下。」
「申家師任堂。二年前最高の高麗紙を作った。」
「はい。」
「ならば、シン・ミョンファの娘だな。」
「・・・・はい殿下。」
「覚えて折る忠を尽くした父親、そして堂々とした娘を。覚えているとも。金剛山にも上りたいと言っていた。実に勇ましい娘だった。その勇ましさが今のお前を作ったのだな。」
「恐れ入ります殿下。」
「そうだ。あの時と比べて今の余の顔は夫人にはどう見える?面を上げ余を見て話せ。」
「・・・・・・。ご龍顔には憂いが刻み込まれお心も平穏ではなさそうです。」
「平穏ではない?ははぁ。平穏ではない。なら余をどう描く。その目に映る顔も心も平穏ではない今の余を描くつもりか?あるいは堂々としていた昔の余の姿を描くか?答えてみよ。」
「・・・・・・。御真影というのは殿下のお体だけでなくお心も描きます。ですのでお体もお心も生気あふれる殿下を描きます。」
「心まで、気運あふれる余を描くだと?万一描く者に余への恨みがあってもそう描けるものなのか?答えてみよ。」
「・・・・・・。正直お父さまが生きていらっしゃったなら今の私を誇りに思うでしょう。務めをよく果たせたと言うでしょう。私は最善を尽くしてこの国朝鮮の御真を描きます。」
「余の皺や髪の毛一本でも余の顔を正しく描けぬ時は、罪を問われることもある。わかっておるのか?」
「誠心誠意励みます。」
「始めよ。」
中宗は師任堂に絵を描くことを許しました。

師任堂は木炭で肖像画の下描きをはじめました。師任堂は遠慮なく中宗の龍顔を見上げました。

図画署(トファソ)。
「ここで何をしておる。関係者は入れぬところだぞ。」
役人はフィウムダンに言いました。
「翁主媽媽の絵の師匠です。翁主媽媽が絵の資料を取ってくるように言いました。」
「絵の資料なら奥にある。」

「イボゲ。兵船の絵の進み具合は?」
役人はフィウムダンに聞こえる声で同僚に尋ねました。
「仕上げに入った。」
「見せてくれ。」

フィウムダンは図画署(トファソ)の外に出ました。
宜城君はフィウムダンと目が合いました。フィウムダンは知らないふりをしていきました。
「今の女人(にょにん)は?」
宜城君は隣にいる部下に尋ねました。
「絵の資料を求めてよく来るのです。」
女官が膳を持って歩いていました。
「待て。その膳はなんだ。」
絵師様(サイムダン)がお召し上がりになりませんでした。」
女官は答えました。
街の酒場。
イ・ウォンスは壺を片手に愛人の飯屋でこそこそしていました。
「殿下の御膳ならまだしも王宮の飯よりこっちがいい。体の温まるソルロンタン。普段の飯を食べるのが一番だ。夫人。待っていろよ。心を込めてソルロンタンを届けるからな。えへへへ。」
イ・ウォンスは勝手に竈の蓋を開けてソルロンタンを壺によそいました。
「ああびっくりした。」
イ・ウォンスはクォン氏に出くわしました。
「何をしているの?」
「いきなり出てきたら怖いだろ。」
「怖いとは何よ。私はこの店の主よ。ただで盗もうってのかい?返しなさいよ!」
「届ける所があるんだ。すぐ戻る。」
「なんなのよ。憎たらしい。鍋の蓋が開けっ放しだわ。何やってんのよ!」

寿進坊(スジンバン)のイ家。
イ・ウォンスはヒャンの前に現れました。
「なぜお嬢様の着替えを?」
「届けてやるんだよ。」
イ・ウォンスが言うとヒャンはサイムダン(師任堂)の服を渡しました。
「ご機嫌とりですか?」
「いや。何でもない。ヒャン。子どもたちは元気か?」
「ご自分の目で確かめてください。」
「自分の家なのに入れない。父親の役目も・・・。」

師任堂は図画署(トファソ)で暗がりの中で蝋燭の灯かりを頼りに絵を描いていました。
宜城君が部屋に入ってきました。
「少しは手をやすめぬか。」
宜城君は微笑みました。

「すっかり冷めてしまった。温かいほうがおいしいのに。温まるかな?温まったぞ。」
イ・ウォンスは王宮の焚火で壺を温めて行きました。

「これは何ですか?」
師任堂は宜城君に尋ねました。。
「何も食べてないそうだな。食べてくれ。さあ。冷めてしまうぞ。図画署(トファソ)の提調として命ずる。食事をして自らの体調を管理せよ。」
宜城君は弁当を開けて箸を渡しました。
「食事もご命令ですか?」
「そうだ。ふっ・・・。さあ。」

イ・ウォンスが妻のいる部屋の扉を開けると男の声が聞こえてきました。

「毎食私が運びたいくらいだが、誰かさんには負担だろう。」
宜城君は師任堂に言いました。
「・・・・・・。」
師任堂の口元がほころびました。
「先は長いのだからきちんと食べねば続かぬぞ。さあ。食べなさい。強情だな。さあ。食べさせてやろうか?」
「ご一緒にどうぞ。」

イ・ウォンスはそっと扉を閉めました。イ・ウォンスは妻と宜城君の容易に断ち切れぬほどの深い絆に傷ついてうなだれました。イ・ウォンスは炎の中に壺を捨てて帰りました。

日中の便殿。
「領相(ヨンサン、領議政)大監の姿が見えませんね。」
世子の天胤(チョンニュン)大君は大臣に言いました。
「領相は体を壊して本日は来ていません。」
「左相(チャサン、左議政)大監もいない。」
「左相大監はごじたくで急用とのことで朝議に出席できぬとのことです。」
「ならば右相(ウサン、右議政)大監はどうしてだ?丞相大監たちがいなくても国事を進めなくては。ここにいる者たちだけで話をすすめましょう。」
世子は声を荒げました。
「はい。邸下(チョハ)。」
「邸下(チョハ)!たいへんでございます。外で座り込みが起きています。」
内官が扉を開けて駆け込んで来ました。
「座り込みを?」

王宮の庭。
「邸下(チョハ)。ちょうせんは性理学に基づいた国です。大事を軽んじて小事を尊べば国は危うくなります。身分の別と男女の別があるのです。」
白い服を着た左議政は声を張り上げました。
「女人(にょにん)に御真影を描かせたりすれば、身分をわきまえぬ者が続き国の秩序が乱れてしまいます。命を懸けてお諫めするのが臣下です。我々に少しでも誤りがあるならこの首お斬りください。世子邸下(チョハ)。どうかお考えをお正ください。」
領議政は言いました。
「どうかお考え直しください。」

感想

イ・ウォンスにはどうしても入り込めない妻サイムダン(師任堂)とイ・ギョム(宜城君)の性愛を越えた深い関係。イ・ウォンスは単に嫉妬したのか、それ以上の絆がわかったのか。さてはて。どうなのでしょう。夫婦の絆よりも心から愛した人との絆は深いとはこのようなことを言うのでしょうか。さすがに私にもそこまでの心情は察するほかにわかりません。

一番愛した人との心の絆は、夫婦の愛情よりも強いのでしょうか。

みなさんの答えはどうですか?

現代ではラドの代理のお兄さんがジユンと接触しました。ラドとは何者なのでしょうか。まさかヘジョンやサンヒョンじゃないですよね。サンヒョンがそんな汚い真似をするわけないし。ヘジョンは・・・どうでしょう。助教なわけないでしょうし。ならば一体ラドの正体とは!?ソン・ミギョン???うーむ。わかりませんね。

フィウムダンがまた嫉妬心から何かしでかしそうな気がします。その演技からもう宜城君に未練もない感じでしょうか。

世子の天胤(チョンニュン)大君の地位が危ぶまれてますね。将来を予想させるような展開で不安いっぱい。

続きがどうなるのか、気になります!

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