相棒Season16#1話のあらすじと視聴感想 2017年10月18日水曜日21:00〜22:30
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夜、囚人の平井陽(演:中村俊介)は囚人たちとともに警察の護送車に乗りました。
日中の検察庁。
平井陽は検察官の杉本敏哉に容疑を否認しました。杉本は威圧的な態度で平井を「お前」と呼ぶと自白したことを強調しました。平井は杉本の態度を不快に思うと軽い調子で無理やり自白させられたと主張しました。
弁護士の与謝野慶子(演:中村ゆり※ソン・ウリという韓国人)は平井陽の警視庁刑事部捜査第一課長宛ての告訴状を刑事部の加藤に渡しました。
「こちらで受理されなかったら検察に持って行きますけど。」
面会室。
平井陽は親し気に与謝野慶子に会いました。平井陽はカネならいくらでも積むので保釈してほしいというと、与謝野慶子は無理だと言いました。
「君は美人だけど好みじゃない。しかし僕の妻に似てる。カネが好きだろ?金ずるは掴んだら放さない。」
平井が言うと慶子は図星と言わんばかりに微笑みました。
内村刑事部長(演:片桐竜次)と社美彌子(演:仲間由紀恵)のそれぞれの耳に、特命係が平井に訴えられたという報告が入りました。
特命係。
杉下右京(演:水谷豊)は優雅に紅茶を飲み青木年男(演:浅利陽介)とチェスをしていました。
「俺たち脅迫などしていませんよ。」
冠城亘(演:反町隆史)は言いました。
角田課長(演:山西惇)もパンダのカップでコーヒーを飲みながら休憩していました。
冠城は実際には伊丹(演:川原和久)と芹沢(演:山中崇史)が平井陽を脅迫したので事実無根だと言いました。
杉下は伊丹と芹沢が証拠固めの途中で自白を強要して書類送検したことが問題だったと言いました。角田は書類は受理されないだろうと言いました。青木は捜査権もないのに捜査したことは罪深いと指摘すると冠城は怒りました。
青木年男は法務省事務次官の日下部彌彦(演:榎木孝明)に電話し被疑者の平井陽が警視庁に告訴状を出したことを教えました。警視庁は告訴状を無視しているのでそういう態度でいいのかと事態を真摯に受け止めるべきだと苦言を呈しました。日下部はどうやってこの番号を知ったのか青木に尋ねると、青木は口に出せないと言いました。日下部は青木に会って話がしたいと言いました。
アンティークなカフェ。
検察官の田臥准慈(演:田辺誠一)は上司で事務次官の日下部彌彦に特命係の違法捜査の立件に指名されました。田臥は脅迫した刑事を立件するのではなく特命係を立件してほしいという要求に驚きました。日下部は警視庁の幹部らは責任を負いたくないので協力を拒み杉下右京を買っている甲斐峯秋(演:石坂浩二)官房付が右京を守るかもしれないと言いました。田臥准慈は事務次官がかわいがっていた冠城にも類が及ぶというと、日下部は構わないと言いました。田臥准慈は冠城を捨てられる日下部に敬意を表し命令に従いました。
「私は事務次官のそういうところを尊敬します。にっこり笑って、人を切れるところですよ。」
回想シーン。
杉下右京は有罪率100%のエリート検事の倉田映子に偏見を恐れるべきではなく正々堂々と証人を説得して裁判をするべきだったのでは?と言いました。倉田映子は(庁内で生き恥を晒すくらいなら)辞表を書くと言いました。
日下部は杉下と冠城を呼び出し右京に正義をどう考えるか尋ねました。日下部はかつての部下倉田映子(鶴田真由)の秘密を守るため杉下に「大きな正義を守ることのほうが重要ではないか?」と言いました。杉下右京は「法を破って正義をまっとうできるとは思えません」と答えました。日下部は「私は君を許さない」と杉下右京を恨みました。
カフェ。
田臥准慈は平井陽とその(殺された)妻たちというゴシップ記事を読んでいました。
特命係。
右京は巻き寿司を食べながら青木とチェスを楽しんでいました。青木は検察でも告訴状は受理できるというと、冠城は検察はそんな暇あるはずないと言いました。青木は冠城に反省の態度を期待しましたが、冠城はまったく無実だと寿司を青木の口に押し込みました。右京は平井が供述を翻して犯行を否認するだろうと予見しました。青木は平井が妻を三人殺しておいて酷いものだと言いました。
田臥准慈は特命係にいる冠城に電話し杉下と冠城を呼び出しました。
夜のクラブ。
青木は日下部と会い、特命係に捜査権がないことを指摘しました。
「なかなか興味深い話だ。」
日下部は青木に言いました。
日中の検察。
田臥准慈は杉下右京と冠城亘と会い状況の説明を求めました。
杉下右京は平井陽の事件に関わった経緯を話し始めました。平井めぐみという27歳の女性がバルコニーから転落して死にました。右京はこの事件に興味を抱き、冠城とともに出版社を訪ね冠城の知り合いの記者、風間楓子から入手した週間フォトスの4月21日号を読みました。
杉下右京と冠城亘は被害者の平井めぐみのおくやみを名目に平井陽の豪邸に行きました。平井は庭のプールで楽しそうに泳いでいました。すると平井の顧問弁護士与謝野慶子が現れました。与謝野慶子は二人に警察手帳の提示を求めました。杉下右京と冠城亘は求められた通り警察手帳を見せました。
「ああ。このプールでお亡くなりになったそうですね。」
「いや。裏庭の階段から落ちたそうです。」
「いえ。前の奥様のことです。」
杉下右京はそう言うと昨年9月に亡くなった平井の妻佳世子の弔辞を言いました。
冠城亘は与謝野慶子から顧問弁護士になって4年になると聞き出しました。
右京は庭に焼却炉があることを指摘すると慶子は社長の平井は燃やすのが好きだと言いました。
杉下右京と冠城亘はベッドに横たえられた平井めぐみの遺体を確かめました。与謝野慶子はここに来た目的は何かと尋ねました。右京は正直に平井陽に会いに来たと言いました。与謝野慶子と平井陽は部屋で二人きりになると、「まだ返すのは無理だ」という怒鳴り声が部屋の外で待つ杉下と冠城の耳に入りました。杉下と冠城はその言葉をまだ葬儀が終わっていないめぐみさんの遺体を実家の両親に返すのはまだ無理だと解釈しました。
杉下右京と冠城亘は庭に出ると焼却炉の傍にまだ新しい物が置かれていることを不思議に思いました。そこに平井陽と与謝野慶子が現れ、平井は妻が死んだのはめぐみで三人目だと言いました。平井は最初の妻は亞矢だと言いました。平井陽には気に入らなくなった物を庭で燃やすという嗜癖がありました。
検察。
「その瞬間、興味が疑惑へと変わった。そんな感じでしょうか?」
田臥准慈は右京に説明を求めました。
「さあ。僕の興味の根本には常に疑惑があるので、興味が疑惑へ変わったというよりは疑惑の比重が増したというほうが当たってるかもしれません。」
杉下右京は言いました。冠城亘は妻が三人亡くなっていることが認識されなかった背景に引っ越しにより所轄署が変わったせいもあるだろうと言いました。右京は警察が動き出したのは三番目の妻の平井めぐみが殺されてからだと言いました。田臥准慈は同一管内で短期間で二番目と三番目の妻が死んでいるので所轄が動き出したのだろうと解釈すると、冠城はそうではなく伊丹と芹沢が動き始めたと説明をはじめました。
回想シーン。
青木が伊丹と芹沢に特命係が事件に興味を抱いたということを教えたせいで、伊丹と芹沢は捜査に乗り出しました。その時冠城は伊丹と芹沢から情報が得られるので好都合だと考えました。
伊丹と芹沢は所轄に行き平井の妻の死亡時の状況を探りました。杉下右京と冠城亘は一緒について行き情報を得ることができました。三人の妻はことごとく事故死として処理され死んだ妻に巨額の保険金が掛けられていたのでした。
検察。
杉下右京は巨額の保険金が掛けられていたことは捜査に役に立たなかったと田臥に話しました。平井は父親から巨額の財産を受け継ぎ金には困っていませんでした。
公園。
刑事部捜査第一課の加藤と藤井は与謝野慶子を呼び出し告訴状を検察に出したことを問い詰めていました。
「こちらで預かったじゃないか!」
「受理していただけなかったものですから。」
回想シーン。
田臥准慈は与謝野慶子の家に行き「君には迷惑はかけない」と言うと告訴状を検察に出すよう協力を求めました。与謝野慶子は「田臥さんとお近づきになれたって考えていいですか?」と田臥の前の机の上に尻を乗せました。
捜査一課。
田臥は強制捜査はしたくないのでと伊丹と芹沢に協力を求めました。伊丹と芹沢は「強制捜査すればいいだろ、おととい来やがれ」と断りました。伊丹と芹沢は被疑者が記録を拒んだので録音録画は残っていないと言いました。田臥は伊丹と芹沢に特命係は捜査の邪魔ではなかったか尋ねました。
「捜査の邪魔するなとか注意しなかった?」
「毎度のことですからね。言ってきくような二人じゃないもん。」
芹沢は言いました。伊丹は田臥への嫌悪感を示し何も言いませんでした。
夜の警視庁。
田臥は日下部に会うと特命係の捜査を刑事課が黙認したとなれば合法になり立件は難しいという見解を示しました。
夜の警視庁の会議室。
杉下右京と冠城亘は伊丹と芹沢から平井陽が録画録音しないことを求めた署名を見せられて、田臥が刑事課に来たことを聞きました。
杉下右京はせっかくなので録音録画を拒絶した理由を知るために平井陽に会おうと冠城亘に言いました。
拘留所。
平井陽は話し相手が欲しかったと杉下右京と冠城亘を歓迎しました。平井陽は告訴状はどうせ受理されないだろうと読んでいました。冠城は自分は脅迫をしていないと言いました。
「実際に脅迫したかしていないかは問題じゃない。連帯責任と考えてくれ。」
平井陽は言いました。
杉下右京は平井に自身が録音録画を拒否したというと、平井は伊丹と芹沢は狡猾だったと言いました。伊丹は「取り調べの様子は必ず警察に有利に編集されるんだよ。編集で白いものを黒くすることは簡単だ。編集された映像に真実はない。」と平井に言っていました。
「編集なんかできっこないのにそんな詭弁にひっかかるなんて・・・。」
冠城亘は平井に言いました。平井は当時は取り乱していたので伊丹の嘘を見抜けなかったと認めました。平井陽は「僕にとって妻が不用品と化していたことにどうやって思い至ったんだ?」と質問を投げかけました。
杉下右京は平井が不要な物を燃やす行為は子どもの頃からの習慣なのではと思うと幼少時代を調べ、小学校の同級生に会って得られる情報は少ない物の、家政婦のキヨについての情報が得られたと平井に話しはじめました。
キヨは杉下右京に平井陽は何でも燃やす子どもだったと言いました。平井陽の母が庭で物を燃やす様子を陽が真似たのではないかとキヨは言いました。
回想シーン。
平井陽の母は、使用人の男が見守る中、不要な人形を燃え盛るドラム缶の中に入れました。
平井陽はキヨという名前を聞いてなつかしくなりました。平井陽はキヨが心配しているはずだと言いました。
回想シーン。
焼却炉の傍で杉下右京と冠城亘、伊丹と芹沢は平井陽に質問しました。杉下右京は平井陽に妻という不用品を燃やして捨てるには殺す必要があり事故に見せかけたのだろうと言いました。平井陽は伊丹について行きました。
「(伊丹刑事に)のこのこついて行って失敗した。」
獄中の平井陽は右京に言いました。
「巨額の死亡保険金について疑われるとは思わなかった?」
冠城は平井に言いました。
「そんなことで疑われるのは貧乏人だけだろう。僕は金持ちだからね。事実、三人目まで誰も疑わなかったじゃないか。疑わしきは被告の有利に。この原則は順守されているか?」
「残念ながらそうは思わない。」
冠城は言いました。
「このまま僕を有罪にするようなら、日本の裁判はクソだ。」
平井陽は自白は脅迫によって生まれたものだと言いました。
杉下右京はだからこそ動かぬ証拠が必要だと平井陽が無罪になるのは我慢ならないと言いました。
廊下。
「何でキヨさんの言葉を言わなかったんです?」
冠城亘は右京に言いました。
回想シーン。
「坊ちゃんはろくでもない奴だった。まともな大人になれんとおもうた。仮に坊ちゃんが人ば殺したと聞いてもうちは驚かん。」
キヨはそう杉下と冠城に話していました。
社美彌子は冠城亘に電話すると家まで送ってほしいと言いました。
車内。
「今日、地検の検事(田臥)が来たわ。あなたの事をあれこれ聞かれた。彼、何か魂胆があるんじゃないかしら?」
社美彌子は田臥に尋ねられたことを冠城に教えました。冠城は社美彌子に感謝しました。
社美彌子を送った冠城は花の里にいる杉下右京にこのことを報告しました。
花の里には田臥が右京を探りに来ていました。田臥はビールを飲むとお釣りを貰わずに帰りました。
「は〜緊張した。検事さんってなんか独特の威圧感あるんですね〜。嫌〜な記憶がよみがえりました。」
「申し訳ありませんでした。僕が謝るのも妙ですが。」
右京は女将の幸子に言いました。
日下部のオフィス。
杉本は日下部の椅子に座っている益本を不思議に思いました。益本は(日下部と)交代したと杉本に言いました。益本も上司の交代の理由は知りませんでした。
田臥のオフィス。
田臥は秘書のサエ子から「どうして急に交代を?」と質問されました。田臥は拘留期間一杯は捜査するとサエ子に言いました。サエ子は貧乏くじをひかされたのではと田臥に言いました。
夜(おそらく回想シーン)。
田臥は再び日下部と会いました。日下部は特命係の違法捜査の立件はますます難しそうだなと言いました。田臥は平井陽の事件を担当することで補強捜査をしたいと言いました。日下部は担当を変えるには検事総長の忖度が必要だと言いました。田臥は事務次官の希望を達成するには必要だと言いました。
日中の警視副総監のオフィス。
「あのさ。そんな要請に従う必要はないだろう。」
衣笠藤治はきんつばを食べながら伊丹と芹沢の人事の入れ替えは必要ないと内村刑事部長に言いました。衣笠は自分に万一の責任をなすりつけようとする内村と中園を不快に思いつつもその保身の態度に理解を示しました。
田臥は刑事を集め補強捜査の説明をしました。伊丹は手を上げてなぜ担当検事が変わったのか質問しました。田臥は教える必要はないと断りました。伊丹と芹沢は自分を捜査から外そうとした田臥を恨んでいました。
衣笠副総監は甲斐峯秋に会うと、特命係が組織のどこにも属しておらず警視庁で完全に独立していることが問題だと言いました。
「特命係に指揮監督する存在がないんですからね。一応冠城亘には杉下右京という上司ということになるんですが、それじゃあ杉下右京の上司はいない。」
「君の指摘はよくわかったよ。で、どうしたいというんだね。」
「甲斐さん。あなたに特命係の指揮統括をやっていただけないかと。組織名目上あなたに特命係の指揮統括をお任せしたい。」
「つまりあの二人は僕の部下になるというわけかね?」
「正直、あの二人は我々にはコントロール不能なんですよ。あなたにお願いするしかない。」
留置場階。
杉下右京と冠城亘は廊下で田臥に会いました。田臥は捜査権のない杉下と冠城に捜査するわけにはいかないと高圧的に言いました。
回想シーン。
田臥は杉下と冠城が注意を無視して捜査をすれば違法行為として立件すると日下部に言いました。
甲斐の執務室。
「僕は防波堤ってとこかね?現状のまま二人が問題を起こせば君まで責任を取らされかねない。でも名目上僕が指揮統括していれば責任を負うのは僕のところで留めておける。さしずめ、万が一の保険ってとこかね」
甲斐峯秋は衣笠に言いました。
「大人しく引き下がりますか?」
冠城は杉下に言いました。
「まさか。」
「ですよね。」
「当然です。」
感想
・・・と簡単にあらすじを説明するとこんな感じで平井陽の起こした連続殺人事件をめぐり、日下部彌彦は特命係の杉下右京と冠城亘を田臥に立件させようとしています。事態を察した副総監の衣笠藤治は部下の内村刑事部長から処世術を学習し、特命係に甲斐峯秋を指揮官として任命しようとします。伊丹と芹沢は杉下右京と冠城亘を陥れようとする田臥を嫌悪しています。
なぜ日下部が冠城ごと右京を排除しようとするのか、その理由が冒頭で少し述べられていました。杉下右京が鶴田真由演じる倉田映子を辞職に追いやったことが日下部の動機に関連しているようですが、そんな昔のエピソード、私は覚えていませんよ〜。
そういうことで、検索して調べてみました。
鶴田真由演じる倉田映子は相棒season15の8話に登場しています。倉田映子は有罪にした男に襲われ心の傷を癒すためにカウンセリングに通っていました。しかしクリニックの下の階にいた目撃者の証言を倉田映子は変えさせたのでした・・・。
という感じでその時に日下部が右京を憎むようになったようです。
なるほど。
ネットがなければ思い出せない!
そこでひと様のブログ:「相棒 season 15 」第8話 ネタバレ 感想~鶴田真由に厳しすぎる。 [気になる「相棒」]http://tarotato-tarotaro.blog.so-net.ne.jp/2016-11-30-1を参考にしました!
なるほど。これを読んでもよくわかりませんね。あはは。バカな私にはわかりません。要するに有罪率100%でエースの倉田映子が目撃者に偽証させたことの是非が焦点になっているようですね。動機がどれほど同情的なものだったとしても法廷で偽証を認めると法の秩序が失われる。残酷ですが、法の秩序のためにはどんな偽証も認められないという杉下右京の信念。大事のために小事をなかったことにする日下部と、大事のために小事を見逃さない杉下右京の思想の対立といったところでしょうか。確かに日下部の思想は腐敗を招き今回のような汚い手を使って汚い政治の邪魔となる右京への復讐と排除をやり遂げようとする。右京の思想は一人くらいそんな考えの人がいたとしても、世の中が清くなることは絶対にありえないけど、右京のような男がいなかったら大勢の人が正義が守られるという希望を失い心を不安に陥る、そんな立場なんですよね。右京の立場は大勢の罪なき人を救い、日下部の立場は自分の政治に有利な味方だけ救い後は容赦ないといった思想の違いがありますね。
といいますか、今回のドラマの映像だけでは意味がわかりませんね。なぜ鶴田真由が出ているのか。ググらないとわからない。
特に法は「感情(快or不快)で判断してはいけない」です。同情したから味方になるというのはアホのすることですからね。感情で判断してはいけない。それやっちゃうと戦国時代に戻りますもの(笑)特に法律なんてものはね。倉田の信念というのは結局は自分が傷ひとつないエリートでいたかっただけで、誰かを守りたいとかそういう類のものではなく、大義は出世の道具でしかなく自分がかわいい程度のものでした。右京が倉田に指摘したのはまさにこの点ですが、倉田は正義を貫くよりも自分を守る選択をして省を去りました。右京が投げかけた問いはまさに「(国民を守るべき立場の人間が)選択を迫られた時に自己を犠牲にして他者を救うか、悪に走り自分を守るかという問い」です。長年相棒に出演している内村刑事部長と中園参事官との違いは保身のために倉田のように法を犯してはいないという点にあります。劇中で日下部の悪いところは感情で物事を判断して省内政治を行っている。自分の味方を失った(というより身から出た錆で立場を失った)ことに逆恨みをして憎しみを右京にぶつけている。そんな人ならおそらく日下部は失脚するんじゃないでしょうか。少なくとも右京がいなくても政治で生き残れるタイプじゃないと思います。ドラマを見た限りでは甲斐峯秋は日下部みたいに短絡的じゃない設定のようですね。衣笠も内村もしぶといけど人間的。
相棒を見ていると警視庁の主要登場人物は皆危うい橋を器用にわたっていますよね。内村刑事部長も中園参事官も、衣笠副総監も登場するたびに保身を気にしていつもビクビクしていて神経症になってます。本来は味方であるはずの人間の一挙一動を警戒していたら脳みそ疲れませんかね。
もとはといえば青木が右京を恨んでいる日下部に教えたことがきっかけで、日下部は青木に踊らされるほどチョロイ男ともいえますよね。とにかく日下部って人の器の小ささが青木以下というところは何とも・・・その程度の男としか言いようがありません。
今回の相棒、伊丹と芹沢は明らかに右京を尊敬している様子を見せ、甲斐峰秋も、内村も衣笠も右京のことを認めています。冠城の気持ちはどうでしょうね、一見すると右京を好きなように見えますが。