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チュノ推奴9話の詳しいあらすじとネタバレ

チュノ9話 -推奴-王孫に迫る刺客

チュノ 韓国ドラマ

目次

あらすじ詳細

港町。チェ司果が放った刺客のユンジはオンニョンの背中に短刀を刺そうとしました。気づいたソン・テハはユンジの手首を掴みオンニョンを守りました。ユンジはソン・テハに襲い掛かり刃で額を斬りつけました。刃をかわしたテハの額の布が切れて「奴」という烙印が露わになりました。

港へと走るテギルをオンニョンの兄の命を受けたペッコが斬りかかりました。テギルはペッコとその二人の部下に拳で戦いました。
「初対面に対しては手荒い挨拶だな。」
「そなたは推奴師のイ・テギルか?」
「イ・テギルという名前は聞いたことないな。」
テギルが答えるとペッコは懐からオンニョンの人相書きを見せました。
「この女人を知っているか?」
「・・・・・・。」

ユンジは二本の短刀でテハに襲い掛かりました。テハは加減をしながら戦っているとユンジの刃が彼女の腹に刺さりました。

ペッコはテギルを斬ろうとすると背後から槍が飛んできてペッコの心臓を貫きました。
「あ・・・・・!」
ペッコは崩れ落ちると無念そうに地に落ちた半分に切れたオンニョンの人相書きを手に取りました。
テギルもオンニョンの絵を手に持ちました。

テハは小舟にオンニョンを乗せて王孫のもとへ漕ぎだしました。

ペッコに槍を投げたチェ将軍はテギルのもとに駆け寄りました。

「何者だ。なぜオンニョンを捜している。言え!答えろ!オンニョンを捜していた。俺の名前も知ってる。」
テギルは死んだペッコの襟首を掴みました。
「もう死んでいる。テギル。離してやれ。」

「弔ってやれずにすまない。あの世で安らかに眠れ。」
チェ将軍はペッコの遺体に話しかけました。
「金は冥途への旅費にしてくれ。兄貴を恨むなよ。夢に出てこないでくれな!」
ワンソンは合掌しました。
「行こう。役人に知られたら大変なことにになる。・・・?何をしている!」
チェ将軍はペッコの懐をまさぐるテギルに言いました。
「ヨ州のペッコか。ここに手がかりがある。」
テギルは走り出しました。
「兄貴、どこ行くんだ!」

「腹を立てても仕方ない。ねだっても仕方ない。人生は春の夢のようにむなしい。もっともっと楽しもう。楽しもう♪楽しまないと損をするだけ~♪はるか遠く♪お兄様!どこ行くのよ!」
馬の見張りをしていたソルファのもとにテギルが来て無言で馬を駆り出しました。ソルファも馬に乗ってテギルを追いかけました。
「兄貴!待てよ!金を置いていけ~!」
ワンソンとチェ将軍も追いつきましたが馬は残っていませんでした。

港。
旅装束のファン・チョルンはチョン・ジホが連れて来た軍営の指揮官チャン・デソクに船を要求しました。チャン・デソクは県令の許可がいると言いました。

川辺の楼閣(アプクジョン)。
左議政のイ・ギョンシクはチョン・ジホの手下からファン・チョルンの手紙を受け取りました。
「羅州(ナジュ)のシン将軍に会い木浦(モッポ)から船に乗ります。イム・ヨンホを始末しました。」
イ・ギョンシクは手紙を読んで満足しました。

イ・ギョンシクがいなくなるとチョン・ジホの手下の二人は楼閣の机に置かれた酒と食事を食べ始めました。二人は酒を飲むとすぐに血を吐いて死にました。

イ・ギョンシクは輿に乗りながら笑いました。

チョン・ジホの手下はアプクジョンの梁から吊り下げられていました。
捕盗庁のオ捕校たちは遺体を見て「早く降ろさないとヤンバンに怒られてしまう」と困りました。

両班の家。
パク進士(チンサ)に媚びていた二人の両班は彼の死で出世が遠ざかったことについて話し合い渡した金を取り戻しに行くことにしました。

猟師の家。
パク進士を殺した猟師のオッポクと仲間の女チョボクは千両の手形を受け取りました。女は殺しの場面を思い出すと眠れないと言いました。漁師の男は獣以下の男を殺したと思えばいいと言いました。

川。
ソン・テハは船を漕いでいました。
「あなたは何者ですか?なぜ奴婢に?」
オンニョンはテハに話かけました。
「私は奴婢ではない。」
「では何者ですか?追われていることも否定し続けているわ。これまでの話が信じられません。」
「ではなぜ一緒に付いてくるのですか?」
「旦那様(ナウリ)に誘われたからです。」
「・・・・・・。」
「教えてください。旦那様の何を信じて一緒に行けばよいのですか?」
「清にいた八年の間に世の中は変わり人はもっと変わっていました。一番の親友の手で罪人に仕立てられたのです。軍営米を盗んだ証拠が次々と発見されました。拷問で脚を骨折して死のうと思いました。濡れ衣を着せられて生きたくなかった。」
テハは師匠から世子の手紙があるので生きてほしいと頼まれたのでした。
「命は助かりましたが奴婢の烙印を押されました。」
「無実を証明してもとの身分に戻るために逃げたというのですか?」
「それよりも大事な任務があります。」
「奴婢の身分を取り戻すよりも?」
「たとえ奴婢より劣る者になっても成し遂げます。」
「奴婢より劣る者はいません。」
「・・・・・・。」
オンニョンは上掛けの衣を脱ぐと紐を取ってテハの足元に置きました。
テハは紐を受け取ると額に巻き付けました。

船の甲板。
ファン・チョルンは船に揺られながらも立っていました。チョン・ジホはファン・チョルンに卑しく酒をねだりましたが斬ると脅され肘撃ちを食らいました。

夜の賊の集会所。
猟師のオッポクは男たちにパク進士を殺したことについてすごいと褒められていました。
「見ろよ。千両の手形まである。これで銃を買って両班狩りをするんだ。」
男たちは言いました。
「手形を換金する人が必要ですね。」
オッポクは言いました。
「ギユン兄貴。来ているか?」
手形を手に持っている男は言いました。
「ごめんくださいよ。」
ギユンが部屋に入ってきました。オッポクは昔逃亡した時に20両をだまし取られた男がギユンであることに気が付きました。
「お前はあの時の詐欺師だな!ふざけるな!」
オッポクはギユンに殴りかかろうとしたところを仲間に抑えつけられました。
「あれしきの金で人を殴るのか?」
ギユンはオッポクに言うと暴れました。
「騒いだら人が来るわよ。こんなことになると思ってたわ。」
仲間の女(チョボク)は言うと見張りに戻りました。
「あいつは逃亡した奴婢の金を騙して奪ったんだ。」
オッポクは言いました。
「ああするしかなかったんだよ。昔のことは水に流そうぜ。役所の奴婢だから手形の換金には慣れている。任せろ。」
ギユンは釈明しました。
「もし失敗すれば頭をぶち抜くぞ。」
オッポクは言いました。
「あの方が旗揚げに使えとおっしゃった。」
仲間のクッポンは手形をギユンに渡しました。
「これは厠の紙ほどの価値しかない。」
「なんだって?」
「裏書きは刑曹判書(ヒョンジョパンソ)のパク・ジョンスだ。金は開城の商団が支払うことになっている。」
「なんだって?」
「分からんのか?商団から金を受け取れば刑曹判書にばれる。捕盗庁に自首するのと同じだ。」
「じゃあどうすればいいんだ。」
「方法はあるにはあるんだが・・・。」
「また詐欺をするのか?」
「方法はこれしかない。行商人に手形を預けて全国を二三週する。大勢に渡れば手形の持ち主が分からなくなり被害は最後の奴が受け取る。ただし、取り分は減る。うまくいけば半分は残るだろう。」
「それだけしか手に入らないのか?」
「俺が手を回せば五百両は残るんだぞ?」
「悪さをしないように俺が銃でお前を見張ってるからな。」
オッポクはギユンに言いました。
「なら無かったことに。」
ギユンは紙を投げました。

オッポクは夜道を歩きながら仲間の女チョボクに意見を求めました。チョボクはオッポクの手を掴みました。
「何するんだよ。手を放せ!」
「必要な時は手を組んで時がくれば離れればいい。決める時にはためらわないこと。ん?」
チョボクはオッポクにほほえみました。

夜の川の岩場。
「みんなを置いてお兄様はどこに行くのよ。あ~暇だわ。」
ソルファはたき火の世話をしているテギルに言いました。
「女が横になる時は場所を選べ。」
「寝転んだところが寝所で座ったところが厠よ。」
「口ごたえだけは立派だな。」
「この暮らしは悪くないわ。ご飯も食べられるし旅もできる。通行税や場所代を請求されることもないわ。私も推奴師になろうかな。」
「いい加減なことを言うな。いい仕事だと思うか?」
「なぜ辞めないの?」
「・・・・・・。捕まえたいから。主人を裏切って逃げた奴婢を捕まえて元の場所に戻すんだ。」
テギルは短剣を見つめました。
「お兄様はあの人を捜すためだよね。」
「寝ろ。」
「図星よね。勘だけで困難を乗り越えてきたのよ。」
「黙って早く寝ろ。」
「だけどお兄様が羨ましいわ。人は誰でも誰かを待っているものよ。私は食事のたびに次の食事を待ってるだけよ。」
「いいじゃないか。飯を食って静かに暮らせるだけで幸せだ。」
「他の幸せもあるわ。」
「口だけは減らないな。」
「力ではかなわないから口で対抗しなきゃね。あ~はかない人生だわ。」
「なぜ。」
「話しても仕方ない。私の人生は山あり谷ありの連続だったもの。」

納屋。
藁にもたれて眠っているオンニョンにテハは上着を掛けました。テハはしばらくオンニョンの美しい寝顔を見つめていました。

朝の川の岩場。
ソルファはテギルの胸に頭をもたげて眠っていました。テギルは目を覚ましてソルファを押しのけて馬のもとに行きました。
「お兄様。ご飯。」

朝の草むら。
チェ将軍とワンソンは道なき道を歩いていました。
「まったく。待ち合わせ場所も言わずに行っちまうなんて。」
ワンソンはチェ将軍に言いました。
「鳥致院(チョチウォン)のどこかで会えるだろう。」
チェ将軍は槍を担ぎながら言いました。
「ところでテギル兄貴が捜してるオンニョンってどんな女なんだ?とびきりの美人か?女は漢陽風の言葉で顔立ちは平壌、それにカンウォンドの肌が最高だよ。」
「テギルは無駄足になるだろう。」
「俺たちだけでも済州島に行くべきだろう?」
「二人は会うべきじゃない。」
「俺たち何やってんだ。」

どこかの村。
「ペッコという男の住み家を教えてくれ。お前なら怪しまれない。同じ場所にクンノムという使用人がいるか聞いてくれ。その妹がオンニョンかどうかも。夫がいるか調べろ。夫がいればペッコと・・・。」
テギルはソルファに言いました。
「わかった。ペッコの家だけ調べる。心配しないで。こう見えても・・・。」
「早く行け。」
「お兄様。私を置いて行かないわよね。また捨てたら許さないわよ。男は信じられないけどお兄様は信じてる。女が男を信じるってどういう意味かわかる?」
「行け。」

林の笹の中。
「ああ。あー。だからゆっくり食えって注意したんだ。」
ワンソンは笹の中に座り込んで気張っていました。
「生米だったからな。食べ過ぎじゃない。」
少し離れてチェ将軍も同じ格好で力んでいました。
「兄貴はすぐ上品ぶる。紙をくれ。」
チェ将軍は紙をワンソンに渡しました。
「この紙は匂いを嗅ぐたびに香ばしい臭いがする。あ~。」
チェ将軍はワンソンの気楽な言葉を聞きながらイム・ヨンホの家で拾って来た懐紙のことについて気が付きました。
「返せ。一枚しかない。」
「ああ。どうしてくれるんだよ。兄貴ー!俺はどうすればいいんだ。兄貴。何とかしてくれよ!」
ワンソンは自分の糞の上に尻もちをついてしまいました。

林の中。
チェ将軍は小川で紙を水に浮かべました。
「これは軍の密旨だ。志を果たせぬ弥勒が横たわっている。天命を授かることなく新しい世を開けぬ。」
「あ~。意味は?」
少し上流で手を洗い終えたワンソンはチェ将軍に言いました。
「急いでテギルに会わないと。あのソン・テハを捕まえられるかも。」

朝廷。
イ・ギョンシクは清の使臣ヨンゴルテ大将軍が来ると手下の官僚から聞きました。部下のパク・ジョンスはヨンゴルテ大将軍は昭顕世子(ソヒョンセジャ)と親しかったので済州島の石堅(ソッキョン)に会いたがるのではないかと心配しました。
「おほう。そんな弱気では政治はできんぞ。代将軍は内政に干渉する気はない。清との戦争を求める声があがるだろう。だから水牛の角を集めさせたのだ。そちは任務をまっとうせよ。」
イ・ギョンシクはパク・ジョンスに言いました。

済州島。
かつてソン・テハを裏切った兵士クァク・ハンソムは仲間の兵士と賭け事をしていました。ハンソムは馬十二頭分の金を借りても負けてしまい仲間にからかわれました。ハンソムは密旨の手紙を水に浸して読むと手紙を口に入れて食べました。

済州島の王孫の家。
「幸せにするからついてこい!」
ハンソムは王孫の女官チャン・ピルスンに呼びかけました。
「ほんとうにろくでなしなんだから!」
女は男を嫌悪しました。

王孫の家の軒先。
ハンソムは衣の内側に縫い付けた地図を確かめました。ハンソムは通りの向こうからファン・チョルンとチョン・ジホが来るのを見ると走り出し賭け事をしている兵士のもとに行きました。
「せっかく情が湧いてきたのにすまない。」
ハンソムは兵士を殴り倒し槍で突き刺しました。
「何をしているの?」
ピルスンは驚きました。
「何をしている!」
見張りの兵士が小屋から出てきました。ハンソムは兵士を殺してしまいました。
「きゃーー!助けてくださーい!」
王孫を抱いたピルスンはパニックになりました。ハンソムは石堅を抱きかかえると逃げ出しました。
「マーマー!」
女官は王孫を抱いて逃げるハンソムを追いかけました。

ファン・チョルンは王孫の家に着きました。
「そちは左側から行け。子供を連れた者を見たら合図しろ。」
ファン・チョルンはソン・ジホとその子分に言いました。
「理由もわからず従えない。追加で二百両ください。」
子分が口出しするとファン・チョルンは彼を斬り殺しました。
すべての子分を失ったチョン・ジホは命令通り走り出しました。

王孫の家の中。
「どんな痕跡を残したか見せてもらおう。連絡を取り合っていたはずだ。北方に行ったのか。」
ファン・チョルンは壁を調べました。

海岸の岩場。
済州島に着いたテハはオンニョンと歩いていました。

どこかの村。
テギルのもとにソルファが戻ってきました。
「どうだった?」
「ある両班の家にいる人だとわかった。この辺りでも結構評判がよくてキム・ソンファンという名前で大通りを言った裏手の家だって・・・。」
「馬を見張れ。」
「嫌よ。」
「逆らうな。」
「お兄様は何か企んでるでしょ。」
「しっかりと馬を見張ってろよ。」
テギルはソルファの頬を指でつまみました。

夕方の王孫の家。
テハとオンニョンは死体だらけの庭を見て驚きました。
「どうなっているのですか?」
オンニョンは怯えました。
「だいぶ時間が経っているようです。」
「旦那様。早く逃げないと私たちが疑われます。」
「部下の勤務地だから手がかりがあるはずだ。テハは壁を調べました。」
「旦那様・・・。」
「ありました。北。」
テハとオンニョンが行こうとすると兵士が現れました。
「貴様ら何者だ!」
兵士はテハたちを取り囲みました。

夜のキム・ソンファンの家。
テギルはソンファンの家に忍び込みました。
「尋ねる。ここは間者のペッコの家か。」
テギルは言いました。
ソンファンは振り返ってテギルと顔を見合わせました。
「クンノム!あーーーーっ!」
テギルはキム・ソンファンに襲い掛かりました。

感想

物語は中盤に差し掛かり、テハとオンニョン、そしてファン・チョルンは済州島に着きました。でもテハを裏切って兵糧米の横領を自白したクァク・ハンソムの正体は実はいまだに昭顕世子(ソヒョンセジャ)の忠臣でありテハの下僕のままだったという驚きのストーリーでした。確かチュノの5話でこのハンソムは嘘の自白を認めてしまったことが描かれていたと思います。ファン・チョルンは韓ドラ時代劇でも珍しい極めて冷徹な刺客という、テハへの劣等感からテハに強い憎しみを抱いている異常な男ですね。まあドラマですからイ・ギョンシクやファン・チョルンみたいな人は実世界では滅多にいないでしょう・・・と思いたい。

チェ将軍は何とここでペッコを殺してしまいました。これは酷い。ちょっとは済まないと思っているらしく冥福を祈っていましたが、それにしても無情すぎますね。ここでチェ将軍のお株が下がりました。ワンソンは現金主義を貫いていてかなりマイペースでどんな時も金、金、金とめげずにむしろテギルよりも心が強い人間ですね。ワンソンは徹底して苦を避けている強い意思があります。少なくともチェ将軍がかつて軍に所属していたことが今回の話で明らかになりましたね。

ソルファはテギルが好きなのに、近くにいても思い叶わず、果たして幸せになれるのでしょうか。ソルファはドラマの中で「人生は虚しいから楽しまなきゃ」と歌っていましたね。これは人間の本質を表していると思います。虚しさ、寂しさ、時として人を落ち込ませるその感情を味わい尽くしたソルファは観音様のようでもありますね。私が短い人生で観察した限りでは、人によっては虚しさを徹底して避けるために誰かをいじめたり、明るく振る舞ったり、遊びや酒に浸ったりとある意味脅迫的・依存的になったりもします。本質的にはファン・チョルンもイ・ギョンシクもまた自分の虚しい気持ちを認めたくないためにテハを憎しみ追い続けているのです。チョン・ジホも含めて誰かを憎むことで虚しさから逃れている人たちの多いことか。

まだテギルたちとは直接関わっていないけどカンウォンドの猟師たちの両班狩りという賊の一味がこれからどう関わってくるのか。続きが楽しみです。

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