チュノ14話 -推奴-狙われた書院のあらすじ
あらすじ詳細
街の市場でテギルと人妻となったオンニョンは互いに気が付きました。テギルは薄絹を手でよけながらゆっくりとオンニョンの方向に歩きだしました。オンニョンは板に身を隠し口を手で覆ってすすり泣きました。
「お兄様。」
ソルファはテギルの腕をとり楽しそうに微笑みました。
「生きてらっしゃったのですね。感謝します。生きていてくれてありがとうございます。幸せそうで・・・感謝します。」
オンニョンは涙を流しソルファと去るテギルの背中を見つめていました。
冬の山中。
オッポクはクッポンに銃を与え数人の奴婢とともに両班殺しの実行を指示しました。チョボクは自分も見張りをしたいと言うとオッポクはいつになく真剣な表情と厳しい口調で家に帰るように言いました。
一人になったチョボクが山道を下っていると十人ほどの両班の男たちが剣を携えながら反対方向に向かっていました。
回想シーン。
夜のオッポクたちのアジト。
「両班のユという名の者とその仲間が逃亡した奴婢を捕らえ闇の採掘業者に売るって。ひとりあたり三両か四両で。」
チョボクは手紙を読みました。
「アイゴ。両班と推奴(チュノ)師を足したよりひどい。」
クッポンは言いました。
「猟師の頃に聞いたが闇の業者に売られると死体で戻ってくるとか。」
オッポクは言いました。
「それで、標的の両班は一人や二人じゃなくて四、五人だって。」
チョボクは手紙の続きを読みました。
チョボクはすれ違った両班の人数を数えました。
「どこが五人よ。どうしよう。」
クッポンと奴婢たちは火縄銃に玉を込めていました。
「来たぞ。」
見張りの男が言いました。するともうひとりは斧で木を叩いて合図しました。
「火薬を込めて弾を入れて固めて火をつけてバーン。」
クッポンは緊張しながら練習しました。
「多すぎる。せいぜい五人のはずだ。」
オッポクは命令書と実際が異なることに気が付きました。
チョボクは道なき道を急いで駆け上がりました。
「ずいぶん多いな。真ん中に当てればだれかに当たるはずだが。」
岩に隠れて銃を構えたクッポンは心配になりました。
オッポクは黙って銃を構え狙いを定めました。
クッポンとオッポクと仲間の男二人は同時に火縄銃を放ちました。三、四人ほどの両班が地面に倒れました。
「忘れた。どうするんだっけ。」
クッポンは緊張して弾込めのやり方を忘れてしまいました。
「上に三人だ。」
残った両班たちは剣を抜きました。
「や〜!」
弾込めに慌てているクッポンに両班の男は剣を振りかざしました。
オッポクはクッポンに切りかかっている男を撃ちました。
「あっ・・・アイゴッ。助けてくれ。誰か。」
クッポンと仲間の奴婢はその場から逃げました。
オッポクはクッポンに群がる両班を撃ちました。両班が倒れてクッポンは逃げました。
オッポクはチョボクと合流しました。チョボクはオッポクを木の枝に隠して両班に別の方向に逃げたと教えました。
宿屋。
「ワンソンあいつ!」
チェ将軍はワンソンが一人危険な場所に向かったことに気が付き槍を持って後を追いかけました。
ワンソンは一人でテハの潜む書院に向かっていました。
「いててて・・・思い切り殴りやがって。俺だって推奴師だぞ。俺が一人で捕まえて五百両をいただくんだ。兄貴が泣いて頼んだって一文もやらないからな。」
漢陽の酒場。
チョン・ジホは耳をほじっていました。
「そちは仲間の死体がどこにあるか知りたいというのか?」
オ捕校(ポギョ)は横になりながらジホに言いました。
「どんな事情があったにせよ日の当たる場所に埋めてやりたい。」
ジホは答えました。
「なぜそちの仲間は首を吊ったのだ?しかも南山(ナムサン)の松じゃなく狎鴎亭(アプクジョン)で。そちはその日何をしていた。」
オポギョは偉そうに言いました。
「俺を疑うんですか?長い間一緒に暮らしていたから義理が深いんです。」
「余計な話はいいから一緒に来なさい。」
「どこへ?」
「もちろん捕盗庁(ポドチョン)だ。」
オ捕校(ポギョ)が言うと二人の女将は仕事の手を止め馬医(マイ)のようにジホが濡れ衣を着せられるのではないかと顔を上げました。
「なぜですか。」
「仲間の遺体をくださいと頼んでみろよ。うまくいけば葬儀もしてくれるかもしれん。うひひひひひひ。」
「あっはははははは。あっはははははは!同じ手を何度も使うお方だ。なぜですか?俺を殺人犯に仕立てるつもりですか?」
「おほう貴様。役人に向かって仕立て上げるとはなんだ。私たちは法に従って・・・。」
「わかってる。わかってる!オ捕校(ポギョ)よ(敬称はなく呼び捨てです)。捕盗庁(ポドチョン)は歩いては言って這って出てくるところだろう?言葉で尋ねているうちに部下を捨てた場所を教えてください。へっへっへっへ。」
書院。
ソン・テハと八名の同志は頭目の先生と呼ばれる男から密旨(みっし)を受け取りました。
「各自が会う人と旅費だ。そこに書かれた皆が兵士か軍資金を提供してくれるだろう。」
チョ先生は皆に言いました。
「見たことのある名ですね先生。」
テハは言いました。
「その通りだ。官職を退いた人も含まれている。」
「あの者たちが我々と一緒に戦うと?」
「そうだ。正統なご嫡流は石堅(ソッキョン)様だけだ。大義と名分は十分ある。」
「今は大義名分は二の次だと思います。」
「建国の際に最も重要なものは大義名分だ。一斉に挙兵すれば腐敗した殿下と大臣たちを追い出せる。」
「どんな国にするか議論することも大事ではありませんか。」
「どんな国だと?誰もが昭顕世子(ソヒョンセジャ)邸下のお志に従うだろう。」
「その志とはなんですか?」
「知らないのか?」
「確認したい。」
「開国の功臣になるであろう者を前にして法制外交軍事など多岐にわたることをすべて言えというのか?」
「功臣といえでも従うべきは国王の志です。どうやって幼い王孫様が我々をお導きになられるのですか。」
「私が指導者としてお育てする。立派な君主にお育てする。」
「ひとつだけ質問があります。我々が遠征している間、王孫様は誰がお守りするのですか。」
「当然私が守ることになる。」
チョ先生が答えると幾人かの同士は天を仰ぎました。
「王孫様は私がお守りします。」
テハは石堅(ソッキョン)の保護を申し出ました。
ファン・チョルンは町の人に書院の場所を尋ねました。老人は山の方角を指しました。
ワンソンは書院の塀から中をのぞき見ました。
「どうしよう。どうしよう。五百両が目の前だ。」
ワンソンはしゃがみ込むと深呼吸しながら弓を番(つが)えてテハに向けました。
テハは庭に立っていました。
「奴婢(ノビ)のくせに両班の服を着てやがる。捕まえた。ソン・テハ。なんだよ。急に出てきやがって。」
ワンソンはテハに狙いを定めました。するとテハの屈強な部下たちが集まってきました。
「将軍。様子が変です。」
部下のひとり(イ・グァンジェ)が言いました。
「将軍。あの者たちは王孫様を利用して官職に就くつもりでは?」
クァク・ハンソムは言いました。
「行く先々で資金を集めても、駐屯と編成はどうすればいいですか?兵士の数も作戦も知らずに戦場に身を投じろというのですか?」
部下のひとり(イ・グァンジェ)が言いました。
書院の中。
「ソン将軍は王孫様を渡す気がないようです。」
チョ先生の片腕の男が言いました。
「そうは言っておらぬ。」
先生は答えました。
「しかし自分が守ると言ってました。」
「心配はいらぬ。」
「しかしどうするおつもりですか。待つのですか。」
「待つ必要はない。そろそろ命令を下す。」
書院の庭。
「なぜ黙っているのです。」
ハンソムはテハに言いました。
「重要な時期にもめごとは避けたいのだ。彼らは味方だ。合意点を見つけよう。」
テハは答えました。
「俺もそう望みますが見つかるでしょうか。」
ハンソムは疑問を呈しました。
ファン・チョルンは書院にたどり着きワンソンを見つけました。
「ああどうしよう。俺の五百両が。兄貴たちと出直すか。」
ワンソンは立ち上がりました。
ファン・チョルンは剣を抜きました。
書院の部屋。
オンニョンは落ち込んでいました。
「どうしましたか。」
テハがオンニョンの手に触れました。
「ええ・・・。」
「顔色が悪いですよ。」
「いいえ。市場に行ったのですが・・・。適当な物がなく手ぶらで戻りました。昼食をお持ちします。」
オンニョンは部屋から出ていきました。
宿屋。
「ワンソン。チェ将軍。戻ったぞ。」
テギルと祖父らが戻りました。すると縁台にはまだテギルが付きたてた短剣が置かれているだけでした。
「ワンソンあいつ!」
テギルはワンソンが賞金を欲しがっていたことを思い出し書院に向かい走り出しました。
「お兄様!どこ行くのよ!」
書院の台所。
オンニョンは飯を炊きながらしゃがみこみテギルを思い出しました。
回想シーン。
オンニョンがまだ奴婢だった頃、かまどの前で寒さに凍えているとテギルが冷えた体を温めてくれました。
「俺は一生をお前と過ごす。決めたんだ。」
奴婢だったオンニョンは庭まで走るとテギルに抱き着き長い口づけをしました。
オンニョンはテギルと愛し合っていた頃を思い出し胸を押さえて泣きました。
「あと少しだったのに。一体何人いたんだ?一瞬見えただけでも六人だろ。見えないやつも含めると・・・。」
ワンソンは背後に気配を感じました。ワンソンの後ろにファン・チョルンが立っていました。ファン・チョルンはワンソンの首に剣を突きつけました。ワンソンは剣を収めたふりをすると身をひるがえしました。ファン・チョルンはワンソンに斬りかかりました。ワンソンは飛び上がったファン・チョルンを見ようとしましたが太陽の光に阻まれ目がくらんでしまいました。
書院の部屋。
「私は女の道理しか知りません。人としての生き方ではなく・・・女人としての振る舞いしか知りません。そんな私に答えを求めるのですか。」
オンニョンは膳を用意すると夫となったテハに言いました。
「そうです。最も身近な人が幸せなのがいい国ではありませんか?」
「これまで私が一番怖かったと思う言葉は何だと思いますか?“世の中は変わらない。世の中は変わらないから何かをなそうと考えるな。夢も見るな。死ぬまで・・・ただ生きろ。”そんな言葉を言う必要がない世の中を望みます。」
「人々がそのような考えを捨てればよいのです。」
「どうぞ食べてください。どんなに世の中を変える大業でも一膳のご飯から始まります。」
オンニョンが微笑むとテハも微笑みました。
テギルはまだ町の中を走っていました。
ワンソンはファン・チョルンに腕を斬られました。ワンソンは腰の黒い玉に手を伸ばしました。
「貴様の動きだけは蝿並みに速い。」
ファン・チョルンはワンソンに言いました。
ワンソンは立ち上がりました。
「鷲は蝿を捕まえられぬ。蝿をなめるな。」
ワンソンは言い返しました。
「誰の命令だ。」
「これでもくらえ!」
ワンソンは玉を投げるとファン・チョルンはそれを斬りました。ワンソンは剣でファン・チョルンに斬りかかり逃げ道を捜し屋根の上を駆けました。すぐにファン・チョルンも屋根にのぼり素手でワンソンを叩きのめしました。
チェ将軍はワンソンの剣の鞘と血が落ちているところにたどり着きました。
「ワンソン・・・・。」
口の中を出血したワンソンはファン・チョルンに追い詰められていました。
「誰の命令だ。」
「はっはっはっは。お前は誰だ?これが人に物を尋ねる態度かよ。はは。」
「言わねば殺す。」
「王命かな。ははは。」
ワンソンが答えるとファン・チョルンは剣を振り下ろしました。
「ワンソン!ワンソン!」
夕方になりチェ将軍はまだワンソンを捜していました。
夜になりました。
テギルは書院に忍び込みました。
息が切れて疲れたチェ将軍は町の路地にしゃがむと笹と雪に血が付いていました。
「ワンソンあいつ・・・。」
チェ将軍は悔しくなり泣きそうになりました。
回想シーン。
ファン・チョルンはワンソンを引きずっていました。
チェ将軍はワンソンの血痕をたどりました。
「一体どこいったんだ。考えなしに動きやがって。」
テギルはつぶやきました。
書院の中。
同志が部屋に集まり話し合っていました。
「私には従えないのか?」
チョ先生はテハに言いました。
「慎重にと申しているのです。」
テハは理由を述べました。
「済州島のことが朝廷に伝われば国中の兵士を総動員して我々を捜すだろう。遅れをとれば我々は生涯逃亡者の身になる。」
「すでに朝廷は知っています。」
「どうして知っているといえようか。報告が届くには早すぎる。」
「ファン・チョルンです。」
テハは先生に言いました。
「ファン・チョルンは済州島で王孫様を殺そうとしました。」
クァク・ハンソムも言いました。
「ゆえにファン・チョルンが左議政に報告したというのか?」
「我々の動きを読んでいるでしょう。挙兵は命取りです。」
「ならば猶更時間がない。明日の日の出とともに出立せよ。一度ですべてを調達せねばならん。」
「焦ってはいけません。」
「焦ってなどいない!数年前から師匠が計画なさったことだ。私ではなく師匠だ!わかったな!そなたは私ではなく師匠の言葉と思え!」
チョ先生はテハに声を荒げました。
深夜の書院の庭。
テハのもとに再び部下が集いました。
「どうしますか将軍。」
「皆に遠征してもらいたい。」
「師匠の命令というのは嘘かもしれません。」
クァク・ハンソムはテハに言いました。
「我々は彼らに譲歩するが一度の遠征で完全に事に備えるのは無理だ。各自動員できる兵士と軍備を確かめ規模がわかれば編成が可能かどうか考える。」
「もし不可能なら?」
「不可能だろう。」
「え?」
「彼らも我々の同志だ。不可能な理由を話して計画を練り直そう。」
オッポクらのアジト。
オッポクとクッポンたちは集まって話し合っていました。クッポンは高価な銃を捨てて逃げた二人の奴婢を責めました。
「銃を持つ者は度胸が大事だと言ったはずだ!虎が口を開けても慌てるなと言っただろう。違うか?」
オッポクは銃係の男たちに説教しました。
「襲ってきたのは虎じゃなくて刀だった。」
「そんなことで両班がのさばる世の中を変えられるか。」
オッポクは言いました。
「もうやめろ。三人殺しただろ。」
仲間の男が言いました。
「それにしても変だな。両班のくせに刀も持ってたし身のこなしが速かった。先頭の奴なんて弾をよけてる感じだった。」
クッポンは言いました。
「偶然だろう。矢をよける者はいても弾はよけられない。」
オッポクは言いました。
「待ち伏せより両班の家を襲ったほうがいいのでは?金がないと銃が手に入らない。金が工面できるなら俺が銃を買ってくるぞ。」
かつてオッポクを売った仲間の男は言いました。
「口を開けばまた金か。」
オッポクは男を睨みました。
「そんなに睨むなよ。考えてみろよ。役割分担は必要だ。お前らは体を使って俺は頭を使う。」
そこにチョボクが銃を持って入ってきました。
「銃を持って逃げるなんて情けないわ。」
「お前が拾ってきたのか?」
「しっかりしてよ。どうやって宮殿を襲うってのよ。おじさんたち。今夜からご主人様が外出するなってさ。」
夜道。
「たいへんだったろう。」
オッポクはチョボクの苦労を労いました。
「四、五人のはずだったのに数が多くて驚いた。おじさんに知らせようと思ってどれだけ走ったか。」
チョボクは足を引きずりながら言いました。
「心配するなと言ったのに。」
「私が心配しなきゃ誰が心配するというの?」
チョボクは恥ずかしそうにしました。
「乗れ。おぶってやる。」
オッポクは屈んでチョボクを背中に乗せました。
「今後からそんなに走ったりするなよ。足を痛めたら冬がつらい。」
「おじさん。」
「なんだ?」
「あたし重くない?」
「三か月何も食ってない熊をおぶってるみたいだ。」
「三か月食べてない熊は軽いの?」
「重い。熊だからな。」
「えへっ。」
真夜中の妓房。
妓房の女将は妓生に紙を渡しました。
妓生の女は「醍尼(ジェニ、もしくはチェニ)」と書かれた紙を受け取りました。
「醍尼(ジェニ)。それがあなたが使う名前よ。」
「わかりました。」
「今日が初日よ。声を出さずに笑い肩をゆすらずに泣く。それからあのお方と目は合わさないこと。国を動かすお方よ。」
新のヨンゴルテ将軍が滞在する宿。
「三名が死亡。二名が負傷しました。待ち伏せは三、四人で追撃に失敗しました。」
部下がヨンゴルテ将軍に報告しました。
「証拠は?」
「はい。軍牌は外しておりましたし刀は持ち帰ったので問題ありません。」
「負傷者は?」
「薬が足りず外から調達しました。」
「待ち伏せということは我々を観察していたのだろう。」
「左議政が仕組んだことでしょうか?」
妓楼。
「紹介が遅れました。」
女将は左議政イ・ギョンシクをもてなしました。
「お前の名前は?」
イ・ギョンシクは若い娘に尋ねました。
「はい。チェニと言います。」
ジェニは左議政に挨拶しました。
「ごひいきに。今日入った娘です。」
「大監(テガム)のとひいきを期待しています。」
ジェニは言いました。
「はっはっはっは。チェニは面白い娘だな。」
イ・ギョンシクは喜びました。
チェ将軍はワンソンの血痕をたどり山中に入りました。
「ワンソンあいつ・・・どうしたんだよ!」
チェ将軍が夜空を見上げると花火が打ちあがりました。
テギルは宿屋に戻りました。
「床を拭くのはやめろ。落ち着かない。」
テギルはソルファに言いました。
「これからは私がご飯を炊くし針仕事もするわ。」
ソルファが幸せそうに言いました。
「どうしてお前が?」
「私は大食いだからそのぶん働かないと。」
「やめとけ。」
「なぜ?何か言いたいことでもあるの?」
「お前さん、行く当てはないのか。本当にないなら月岳山(ウォラクサン)に行け。そこにチャッキという男がいる。そこなら平穏に暮らせるし元気な若い男もいる。俺たちも推奴(チュノ)師はやめて解散する。お前も自分の道を行け。旅費はやるから心配するな。」
「旅費?私はお兄様にお金目当てでついてきたんじゃないわ。」
「そうか?」
「お兄様。あの人(オンニョン)のためなの?推奴(チュノ)師になったのもやめるのもあの人のためなの?」
「なんだと!」
テギルは怒鳴りました。
「・・・・・・。」
「早く行け。」
テギルは部屋を出ました。
「!」
テギルが夜空を見ると花火が上がっていました。テギルは駆けだしました。
チェ将軍も花火のある場所に走り出しました。
書院の部屋。
オンニョンはテハの隣で横になりましたが眠れませんでした。
「思い出せ。奴婢の烙印を消した日のことを。あの日は痛みではなく喜びの涙が流れた。我々は人に生まれ変わったのだ。」
オンニョンは(チェ司果との婚礼の日の)兄の言葉を思い出しました。
「私は奴婢ではありません。追っ手が推奴師なら私は関係ありません。」
オンニョンは逃亡中にテハに言った言葉を思い出しました。
オンニョンは眠っているテハを見つめました。
「私・・・お話したいことがあります。」
「話してください。」
「私は・・・言えなかったことがあります。」
オンニョンとテハは起き上がりました。
「実は・・・本当は・・・・・・。」
山の中。
「ただ者ではなかったが貴様らだったか。」
ファン・チョルンはチェ将軍を待ち構えていました。
「お前に聞きたいことが山ほどある。」
「弟をどこへやった。」
「質問する前に私の問いに答えろ。」
ファン・チョルンはワンソンの弓を構え矢を放ちました。
チェ将軍はファン・チョルンが至近距離から放った矢を斬りました。すると小さな花火が爆発しました。チェ将軍はファン・チョルンと戦いました。息絶えたワンソンの遺体は岩の裏に隠されていました。ファン・チョルンの刀がチェ将軍の左肩に刺さりました。チェ将軍はファン・チョルンの刀を素手で握りました。
テギルはまだ山を駆けていました。
感想
またまた深刻な事になってしまいました!両班殺しの賊は清国の密偵を殺してしまいヨンゴルテに何か勘づかれそうです。でもオッポクとチョボクの恋がいい感じになってきて恋愛モード全開になりました。チョン・ジホは大嫌いな両班を恐れなくなりすっかりやけになってますから何をするかわかりません。ここでかわいそうに、ワンソンがファン・チョルンに殺されてしまいました。チェ将軍も・・・やばいです。クァク・ハンソムも同じ目に遭ったので、チェ将軍の戦闘力はハンソムと同等という演出がなされていましたね。チェ将軍も素直に武科を受けていればこんな目に遭わなかったかもしれません。そのことはつまりテギルが間に合わないとチェ将軍が殺されてしまうことを意味してます。
オンニョンがテギルに隠れてしまったのは、やっぱりテハの妻となってしまったことにあるのでしょうか。もしも冒頭でオンニョンがテギルから逃げなかったらハッピーエンドになったのかもしれません。
夫となったテハに自分は元奴婢で、しかも逃げてる途中で・・・あれこれあれこれと素性を語りたい。正直に打ちあけたいと思う心、それは愛であると私は思います。でもオンニョンはまだテギルのことも深く愛している・・・と演技からはそう表現していると思いますがどうなんでしょうね。テハは奴婢などという身分がなくなってほしいというオンニョンの願いを受け入れました。オンニョンとテギルとの関係が本能的で未熟なものだとすると、オンニョンとテハとの関係はそれよりもやや理性的な愛ですね。吊り橋効果かもしれませんが。二人の男の無謀さは共通しています。オンニョンが市場でテギルを見たときに「幸せそうで感謝します」と仏様に感謝した場面が最初にありましたね。あれはソルファのことをテギルの恋人か妻と見たのでしょうか。テギルが家督を継がずに汚い服を着ていることをオンニョンが不思議に思わなかったのが私は不思議です!ふつうは男子がいれば家門はつぶれないはすなんですが。
テハは反体制派の頭目と意見が合いません。テハと先生との会話のやりとりで先生はソヒョン世子の志が何であるか答えずにはぐらかしていました。頭目の先生はテハを利用しようとしているだけのように見えますし、テハも部下もそんな先生の意図に気づいてはいるものの、ハンソム以外の自分も含めた部下の身分は奴婢ですから行く当てがありません。テハも先生を利用しない限りは差別地獄から抜け出せないことになります。テハはその道、挙兵を選ぶしか選択肢がないようです。仮に日本や中国に行ったってそこでも厳しい身分制度がありますからよほどの技能を持ってないと亡命も無理でしょう。
今回から何やら新しい妓生が登場しましたね。新キャラでストーリーを盛り上げていこうという演出なのだと思います。
このドラマの土台となっているのが奴婢(ぬひ、ノビ)という奴隷階級の制度です。当時は下の身分じゃなくても短命の時代でしたから衛生状態も悪いことでしょう。この世は不幸らだけでまさに地獄、そんな時代もあったことでしょうね。オンニョンがテハに言っていたセリフが下の身分の言葉を代表してすべてを物語っています。昔の人々の苦労は今よりも大きかったと思います。不思議と日本じゃ下の身分を扱ったドラマが無いのですよね。
オンニョンがテギルに隠れてしまったのは、やっぱりテハの妻となってしまったことにあるのでしょうか。もしも冒頭でオンニョンがテギルから逃げなかったらハッピーエンドになったのかもしれません。
夫となったテハに自分は元奴婢で、しかも逃げてる途中で・・・あれこれあれこれと素性を語りたい。正直に打ちあけたいと思う心、それは愛であると私は思います。でもオンニョンはまだテギルのことも深く愛している・・・と演技からはそう表現していると思いますがどうなんでしょうね。テハは奴婢などという身分がなくなってほしいというオンニョンの願いを受け入れました。オンニョンとテギルとの関係が本能的で未熟なものだとすると、オンニョンとテハとの関係はそれよりもやや理性的な愛ですね。吊り橋効果かもしれませんが。二人の男の無謀さは共通しています。オンニョンが市場でテギルを見たときに「幸せそうで感謝します」と仏様に感謝した場面が最初にありましたね。あれはソルファのことをテギルの恋人か妻と見たのでしょうか。テギルが家督を継がずに汚い服を着ていることをオンニョンが不思議に思わなかったのが私は不思議です!ふつうは男子がいれば家門はつぶれないはすなんですが。
テハは反体制派の頭目と意見が合いません。テハと先生との会話のやりとりで先生はソヒョン世子の志が何であるか答えずにはぐらかしていました。頭目の先生はテハを利用しようとしているだけのように見えますし、テハも部下もそんな先生の意図に気づいてはいるものの、ハンソム以外の自分も含めた部下の身分は奴婢ですから行く当てがありません。テハも先生を利用しない限りは差別地獄から抜け出せないことになります。テハはその道、挙兵を選ぶしか選択肢がないようです。仮に日本や中国に行ったってそこでも厳しい身分制度がありますからよほどの技能を持ってないと亡命も無理でしょう。
今回から何やら新しい妓生が登場しましたね。新キャラでストーリーを盛り上げていこうという演出なのだと思います。
このドラマの土台となっているのが奴婢(ぬひ、ノビ)という奴隷階級の制度です。当時は下の身分じゃなくても短命の時代でしたから衛生状態も悪いことでしょう。この世は不幸らだけでまさに地獄、そんな時代もあったことでしょうね。オンニョンがテハに言っていたセリフが下の身分の言葉を代表してすべてを物語っています。昔の人々の苦労は今よりも大きかったと思います。不思議と日本じゃ下の身分を扱ったドラマが無いのですよね。
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