七日の王妃7話
目次
あらすじ
死んだはずの男
深夜の街。シン・チェギョンは晋城大君(チンソンテグン、のちの中宗)に背後から抱き着き「間違いない」と言いました。「きゃ~!」
ユン・ミョンヘは間者に気づいて悲鳴で大君に教えました。
チンソン大君はチェギョンの手を引いて逃げました。
イム・サホンの間者(かんじゃ)は大君を殺そうと追いかけます。
「アイゴ~。大丈夫か。」
ペク・ソッキとチョ・グァンノ、そしてタニシの仲間たちが声に気づいて集まりました。
山。
間者は手下に見つけ次第殺すよう命じました。
晋城大君(チンソンテグン、のちの中宗)は肩に刺さった矢を折りました。
傷を心配するチェギョンに「お前がでしゃばるからだ。」という大君。そこに刺客が襲い掛かりました。大君は敵を倒してチェギョンの手を引き川に逃げました。
川。
チェギョンは大君の肩に刺さった矢を抜いて自分のチマを裂いて包帯にしました。
「いったいいつまで私を騙すのです。私を見て済まないとお思わないのですか。酷いです。無事とも知らずに苦しんでいたんですよ。」
チェギョンは言いました。
「無事に見えたか?いつまで騙すつもりだっただと?できるなら死ぬまで騙したかった。状況には目もくれずに頑固で余計なことをして。お前といるといつも危険な目に遭うのだ!」
晋城大君(チンソンテグン)は言いました。
「私に会いたかったですか?」
「会いたくなかったならどう思う。そうだ。私は晋城大君(チンソンテグン)イ・ヨクという名だった。流刑地へ行く途中に兵に襲われて殺されるまでは。刺されて、崖から落ちて死にかけた。死んだも同然の少年は、奇跡的に助かった。」
「一体、誰が命じたのです?お兄様に助けを求めるべきでしょう。」
「そんな純粋な思いのせいで死にかけたのだ。また俺に死んでほしいなら誰にでも助けを求めろ。」
大君は言うと、チェギョンの袖に血が滲んでいることに気が付きましつぁ。
「よかったです。また私が好きになった人が大君媽媽で。怪しげな男を好きになったのかと心配してたんです。夜が明けるまで、私たち、一緒にいましょう。最後だから。私、夜が明けたら、もう大君媽媽の名前を呼びません。会いたいと思うとも、待つこともしません。」
チェギョンは微笑みました。
都承旨(トスンジ)のイム・サホンは義禁府の官軍を率いて大君を捜していました。ソノとユン・ミョンヘはその様子を見ていました。
森の中。
大君は眠り、チェギョンは薬草を石で叩き潰して大君の傷口に貼りました。
♪音もなく近づいて、手を出しだして微笑んだ。共に過ごした多くの時を、夢のように過ぎ去っていく。行きたくなくても行かなければならない。分かってる。もうあなたなしでは生きられないと。また会えるように、どうか遠くに行かないで。もう一度愛している。愛しい人よ。♪
朝になりました。
チェギョンが川で血の付いた布を洗っていると、イム・サホンの手下が現れチェギョンを連れ去りました。その様子をペク・ソッキとチョ・グァンノが見ていました。合流したユン・ミョンヘは置かれいた薬草からけが人がいることを知りました。
シン・チェギョンは崖の上まで間者を案内しました。男はチェギョンの頬を叩いて晋城大君(チンソンテグン、のちの中宗)はどこかと怒鳴りました。
チェギョンはイム・サホンの前に連行されました。
イム・サホンはチェギョンを投獄しました。
王の部屋。
イム・サホンは燕山君に、大君の逃亡を助けたとしてチェギョンを投獄したと報告しました。そして献上品もチンソン大君が奪ったと言いました。
燕山君は会議室にチェギョンを呼びました。チェギョンは男は大君ではなくただの商人だと言いました。
「何も知らぬと?余を騙すのか?」
「申し訳ありません殿下。申すことはできません。」
王の部屋。
燕山君はイム・サホンにチャスン大妃の様子を尋ねました。
王宮の女性たちのお茶会。
チャン・ノクス(張緑水)はチャスン大妃を刺激して様子を探りました。
矢の練習場。
燕山君は大妃の動きが気になっていました。イム・サホンとチャン・ノクスは情報交換して王は弟が生きていると確信したに違いないと思いました。
王宮の一室。
「都承旨(トスンジ)。余の命令もなく弟を殺した罪。死んだはずの弟を戻ってこさせた罪。どちらが重いかわかるか。あの時、黙認したのは十数年ぶりに自由を感じたからだ。亡くなられた父上の遺言と、廃妃され亡くなられた母上。卑しい血筋への偏見と憎悪、酢不安と怒りのすべてが弟とともに消えたからだ。だがまたもとに戻ろうとしている。弟を殺したという罪悪感まで抱かせた!」
燕山君はイム・サホンに言いました。
「申し訳ありません殿下。」
「この件はお前に任せる。忘れるな。余の自由が終わる時、お前が得た富と権力、自由はすべて終わると。」
「肝に銘じます。」
イム・サホンはひれ伏しました。
チャン・ノクスは王が去ると、どうするかイム・サホンに尋ねました。イム・サホンは誰かを殺さねばならぬと言いました。
イム・サホンはシン・チェギョンを利用して献上品を盗んで逃亡したとして、大君と同じ似顔絵の男が三十日までに出頭しなければシン氏を処刑するという触れ書きを出しました。
チンソン大君は小屋に縛られ猿轡をはめられていました。
夜の義禁府。
シン・スグンと夫人は娘のチェギョンと柵越しに面会しました。母はすぐ放免になるので嫁がなくてもいいから居昌(コチャン)で一緒に暮らそうと泣きました。
「あの人は盗賊ではありません。私を救ってくれたのです。無実でも死ぬことがあります。私は無実で殺された人や流刑になった人も知っています。無実を訴えても無罪にはなりません。私が罰を受けます。私が悪いのです。私が罰を受けます。私のせいで誰かが死ぬのはもう嫌なのです。」
チェギョンは男を捕らえるべきだというシン・スグンに言いました。
日中のシン・スグンの家。
シン・スグンは乳母(私奴婢)にチェギョンは漢陽(ハニャン)に来てから何があったのかと尋ねました。乳母は「豆を手にして幽霊を見たと。大君様に似た幽霊で、幽霊を捜すと質点に行きました。翌日仁王山に行かれました。」と答えました。
王妃の部屋。
シン・スグンと夫人は妹の王妃に会い、チンソン大君が生きているのでチェギョンのことには関わらないようにと言いました。
チャスン大妃ユン氏の部屋。
パク・ウォンジョンは姪のユン・ミョンヘとともに左承旨(チャスンジ)のシン・スグンも大君の生存に気が付いたと大妃に言いました。
チャスン大妃はミョンヘに「ヨクにとくと伝えよ。もしもあの子を助けようと義禁府に行くくらいなら、この毒を飲んで自害せよ」と毒を渡しました。
チンソン大君は小屋に縛られていました。そこに、ペク・ソッキとチョ・グァンノが助けに現れました。
「どうしても行くなら、俺たちを馬で踏んで行け。」
ペク・ソッキと子分たちは道にあおむけになりました。
しかしチンソン大君は本気だったので皆は道を開けました。
晋城大君(チンソンテグン、のちの中宗)は馬を乗り捨てて、仲間の追跡を振り切りました。
チェギョンは矢を受けて傷ついた体(※体に傷があったら王の妃になれない)のまま牢屋の中で大君に来ないよう祈っていました。
朝廷。
「都承旨(トスンジ)が追っているのは本当に盗賊ですか?よほど恨みがあるのですね。命を懸けてでも捕まえたいと。命を懸けていないなら、賭けることになります。盗賊を捕らえられないなら私が責任を追及します。そのつもりで、命を大事になさってくださいね都承旨(トスンジ)。」
シン・スグンはイム・サホンに言いました。その話をパク・ウォンジョンが隠れて聴いていました。
タニシのアジト。
ユン・ミョンヘは女のために大君を行かせたペク・ソッキとチョ・グァンノ、ソノらを責めました。ソノは「江軍を止めることはありません。安全な方法を捜します」と言って出て行きました。
回想シーン。
重傷のイ・ヨク(晋城大君)が必死で口笛を吹いていた場面。ミョンヘはヨクに似た遺体を疫病の村々を回って捜す場面。
王の部屋。
燕山君はバラの水墨画を描いていました。チャン・ノクスはまだ大君は見つからないと報告しました。そこにシン・スグンが吏曹と工曹の書類を持って現れました。娘の助命を請わないのかと言う燕山君に、シン・スグンはこう答えました。
「私めはチェギョンを信じて愛しているように殿下を信じています。牢に入れられても一言も言わぬ愚かな娘です。チェギョンを見てみぬふりなさる主上殿下。どちらにも話せぬ事情があるのではないかと思います。ゆえに許しを請うことができません。殿下のご心配ごとが何かおっしゃってくだされば、私は全力で解決してみせます。私は殿下の家族ではありませんか。」
シン・スグンが言うと燕山君は絵をくちゃくちゃにしました。
「なぜ奴のために私が苦しまねばならぬのだ!なぜ!」
燕山君は苛立ちました。
義禁府。
チェギョンは痛む腕を押さえました。
晋城大君(チンソンテグン、のちの中宗)がチェギョンに会いに行こうとして友に制止されました。
「(私は正気ではありません。来るはずもないのに。振り返ってしまいました。なんて身勝手な女でしょうか。)」
チェギョンは食事を運びに来た武官の音に、大君の来訪ではないかと期待してしまいました。
燕山君は馬で義禁府の前まで来て、帰りました。
晋城大君(チンソンテグン、のちの中宗)は身を乗り出そうとして、友人たちに押さえられていました。
♪もう一度、愛してる。愛しい人よ。永遠に。永遠に・・・♪
夜のタニシのアジト。
ユン・ミョンヘは「お兄様は希望だから」と無謀な真似をしないよう釘をさしました。
イ・ヨク(晋城大君)は楽天(ナクチョン)とかかれた杖と、指輪を手にし、その重みを感じていました。
「(チェギョンに待っていろと言った)約束は有効だ。」
チンソン大君は指輪を引き出しにしまいました。
妓楼。
チャン・ノクスはイム・サホンと会い、王がチェギョンを明日にでも放免すると言いチェギョンへの拷問を求めました。
チェギョンのもとに、少女(ミョンヘ)が投獄されました。顔を隠したミョンヘは話し始めました。
「どうしたの?よかったら話して。」
チェギョンは優しくミョンヘに言いました。
「私のような後ろ盾のない卑しい女の人生。過酷な生き方も卑しい生き方も同じです。卑しいのは嫌で過酷なほうを選びました。ですがこのありさまです。」
ミョンヘは言いました。
「暖かくしてね。もしかして献上品の盗賊についてご存じですか?まだ捕まってませんよね。」
チェギョンは微笑むとミョンヘに防寒用の藁をあげました。
「今からでも知っていることをお話しになられては?このままではお嬢様は処刑されてしまう。」
「なら、あの方は来なくて済むわ。待たないと、もう待たないと言いました。待ちません。私のせいで死なせたくはないのです。」
チェギョンは涙を流しました。
ある日のアジト。
ソノは何もしないのかとすごろくで遊んでいる大君を責めました。ソノは勇敢な大君にあこがれて弟分になったのだと言いました。ソノは適当なことを言う大君に呆れて出て行きました。
「王だろ。王なら何でもできる。」
ペク・ソッキはチンソン大君に言いました。
酒場の個室。
燕山君はなぜ弟が姿を現さないのだと、護衛武士の前でつぶやきました。燕山君は弟が復讐して王座を奪おうとしていると思い、人違いであることを望みました。
回想シーン。
パク・ウォンジョンの家。
ユン・ミョンヘは父に、チェギョンを自害したように見せかけて殺せばどうかと話し会っていました。
夜の義禁府。
ミョンヘは眠っているチェギョンを険しい目で見ました。
感想
七日の王妃7話の感想です。よくあるあらすじですね。晋城大君はチェギョンを嫌う振りをして突き放そうとしました。しかしチェギョンは大君が本物であることを見抜き、ひとときだけ大君として気持ちを打ち明け、もう忘れることに決めました。しかしそこに、イム・サホンとチャン・ノクスの間の手が伸びて、チェギョンが囚われの身になってしまいます。チェギョンは大君を守るためにシラを通しました。大君もまた策が無く、平静を装いながらも悩んでいました。母のチャスン大妃は息子の名誉を守るためにミョンヘに自害用の毒を渡すのですが、ミョンヘはチェギョンを消せばすべて解決すると思って牢屋に忍び込むのでした・・・。燕山君は弟が現れ王位を狙うなら殺さねばならぬという選択肢しかありませんでした。
というあらすじです。簡単にまとめると。
話は、それぞれの勢力の思惑が、チンソン大君とチェギョンの運命を翻弄しているという構図です。
チャン・ノクスは燕山君を愛しているのではなく、自分の力を守るために利用しています。イム・サホンもまた同じで燕山君を操り権勢を得ている状況です。燕山君の側近にはそういう人物しかいないのか?そうではありません。このドラマではシン・スグンが燕山君を家族として大切に思っています。しかし燕山君には家族というものがわからないので、シン・スグンの気持ちがイマイチ理解できていません。これは不幸といえることなのでしょう。幸せからほど遠い状況です。
そもそも、幸せとは何でしょうか。一応、シン・スグンの一家は、このドラマでは一般的な裕福な家庭を描いているものとして表現されています。両親がいて、娘がいて、親が子を愛しているために、政略結婚から遠ざけていて・・・でも世の中を知らない娘はそんなことも知らずに伸び伸びと育ち・・・。そこまでは、条件的に問題がありませんでした。
チンソン大君もまた母にしっかり愛され、己の状況を知るまではそこそこ条件として幸せでした。
しかし、そこに命が危うく問題が発生してしまいます。
皆は心を乱され、体も危うくなって翻弄されてしまうのです。
要するに、このドラマには幸せなど無いといえましょう。あえて言うなら、愛する人と心を通じている瞬間だけとでもいいましょうか。幸せは一瞬のことのようにすら思えます。
仏教的な意味においては、幸福とは、シン・スグンやチェギョンとその母やソノ
に近い心の状態にあると言われ、決して境遇ではないといいます。
さてはて、どうなることやら。
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