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端敬王后慎氏(タンギョンワンフシンシ=단경왕후 신씨)中宗の妻 ~七日間在位した朝鮮の王妃

端敬王后慎氏(タンギョンワンフシンシ)

端敬王后慎氏(タンギョンワンフシンシ=단경왕후 신씨)
Youtubeより「七日の王妃」から端敬王后慎氏
端敬王后(タンギョンワンフ)シン氏(韓国語: 단경왕후 신씨)は「七日の王妃」など韓国ドラマにも出てくる実在した歴史上の人物です。第11代朝鮮国王中宗(チュンジョン)の王妃です。本貫は居昌(コチャン)。父は燕山君の王妃の兄シン・スグン(慎守勤)です。母は淸州院夫人(청주부부인)ハン氏です。シン氏は西暦1487年2月7日に生まれ、1557年12月27日に亡くなりました。生まれてから亡くなるまで、享年71歳です。王妃として在位した期間は1506年 9月18日 から1506年9月25日(19歳)の7日間だけです。

目次

概要

端敬王后シン氏は中宗(チュンジョン)の最初の王妃です。父の居昌府院君(コチャンプウォングン、シン・スグン, 1450年~1506年)は左議政や都承旨(トスンジ)、刑曹判書(ヒョンジョパンソ)を務め、燕山君の王妃の兄でもあり王室の外戚でした。祖父のシン・スンソン(신승선=愼承善, 1436年~1502年)は燕山君の義父で居昌府院君に封じられました。その先祖は1444年に世宗(セジョン)大王の孫娘の李氏と結婚しているので王室の血筋を受け継いでいます。シン氏の祖父は世祖の時代に領議政を勤めていました。

シン氏夫人は王室の血筋を引く、格の高い家柄の貴族です。

家系

実父の母方の高祖父(4代前の父)は世宗(セジョン)大王と昭憲王后の4番目の息子の臨瀛大君(イミョンテグン)李璆です。本貫は居昌(コチャン)慎氏で慶尚南道 居昌郡が一族の本拠地です。始祖は愼修です。一族の集落は、慶尚南道 居昌郡 ウィチョンミョンデジョンリなど5箇所に分布しています。一族の有名人に、政治家シン・ソンボム、シン・グボムや歌手シン・スジンがいます。このシン氏という姓は中国の甘粛省ではじまり高麗時代の文宗の時代に渡来したと伝えられています。シン氏の一族は現代でおよそ5万人いると推定されています。
  • 高祖父の祖父 世宗大王
  • 高祖父の父 臨灜大君
  • 曾祖父 黃海道監司贈居昌府院君領議政襄簡公愼詮
  • 曾祖母 贈貞敬夫人順興安氏
  • 祖父 領議政居昌府院君章成公愼承善 (1436〜1502)
  • 祖母 貞敬夫人中牟縣主贈興安府夫人全州李氏
  • 父 贈領議政益昌府院君信度公愼守勤 (1450~1506)
  • 母 權(クォン)氏 永嘉府夫人安東權氏
  • 実母 韓(ハン)氏 貞敬夫人贈淸原府夫人淸州韓氏
    • 実祖母 貞夫人安東金氏
    • 実母の祖父 僉知中樞府事韓忠仁 (1433〜1504)
  • 叔父 刑曹判書愼守謙 (~1506)
  • 叔母 貞夫人晋山姜氏
  • 叔母 貞夫人潭陽田氏
  • 叔父 刑曹判書愼守英 (~1506)
  • 叔母 貞夫人淸州韓氏

王室

  • 媤祖父(シジャブ=夫の祖父) 德宗大王(トクチョンテワン=世祖の長男懿敬世子=ウイギョンセジャ)
  • 媤祖母(シジャモ=夫の祖母) 昭惠王后韓氏 仁粋大妃(インス大妃)
  • 義父 成宗
  • 義叔父 燕山君
  • 夫 中宗
  • 姑 貞顯王后坡平尹氏 慈順大妃(チャスンテビ)

称号

  • 恭昭順烈端敬王后(コンソンシニョル タンギョンワンフ공소순열단경」왕후)

結婚

燕山君5年(1499年)の13歳(満11歳)のときに自分より1歳年下のイ・ヨク(晋城大君)に嫁ぎました。7年間子がいませんでした。

中宗反正(チュンジョンパンジョン, クーデター)が成功し中宗(チュンジョン)が国王になりましたが、シン・スグンは燕山君の義兄だったのでわずか7日で逆賊となり廃妃(ペビ)されました。朝鮮の歴代王妃の中でも最も短い在位期間でした。

多くの歴史家はシン氏が王妃だったことは一度もなく、ただの追尊王妃(ツイソンワンビ)であったという見解を示しています。

昭憲王后(ソホンワンフ)との比較

李芳遠こと太宗(テジョン)に廃された昭憲王后(ソホンワンフ)と比較されます。昭憲王后(ソホンワンフ)の廃妃は外戚シム・オンの力が大きくなり過ぎないように行われました。

それに対しシン氏は政権交代の中で犠牲になったと言われます。チョンスン大妃も王妃を守ることはなく、中宗(チュンジョン)も廃妃の復位に反対しました。

復位

金淨(キム・ジョン)らが1515年(中宗10年)に復位の上疏(じょうそ、上奏)を行いましたが、かつての夫である中宗は自らそれを拒否し復位派を流刑に処しました。そこには後妻の王子との後継者争いという新たな火種を避けたいという思いもあったようです。この時王妃の廃位を主張していた臣下たちは世を去っていたので中宗の意思次第では復位も可能でした。

余生

19歳で廃位されて以降、一人で暮らしていました(世話人はいたと思われます)。

仁祖はシン氏の住まいに廢妃宮という名を与え、生活を援助していました。

死去

シン氏は71歳で世を去りました。

陵墓

溫陵(オンルン, 온릉)
温陵はユネスコ世界遺産です。

追尊

英祖(ヨンジョ)の時代に家族とともに復位され、端敬王后という諡号を贈られています。1739年にキム・テナムが復位の上疏(じょうそ、上奏)を上げました。

逸話

中宗の崩御前に、女性が寝所に入ったといわれます。それがシン氏だったのではないかという噂です。

中宗は高い山に登り、彼女のいる方角を眺めることが多く、仁王山の岩の上にチョゴリが置かれていたという伝説があります。それは中宗によく見えるように、シン氏が置いた物ではないかと伝えられています。

その他

叔母で燕山君の王妃のシン氏も廃妃されています。

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