七日の王妃
目次
概要
七日の王妃(韓国語: 7일의 왕비)は2017年5月31日から2017年8月3日まで放映されたKBSの水木ドラマ です。
わずか7日という、朝鮮の歴史の中で最も短い時間の間、王妃の座に就き廃妃(ペビ)された悲運の女性、端敬王后シン氏めぐる中宗と燕山君のラブストーリーを描いたロマンスフュージョン史劇ドラマです。 イ・ドンゴンが2017年KBS演技大賞優秀賞 中編ドラマ部門を受賞しました。
製パン王キム・タック 、 ヒーラー 、 近所の弁護士鳥達号などのイ・ジョンソプPDが演出を務めます。
主な登場人物とキャスト
チェギョン / パク・ミニョン演 / 子役:パク・シウン
チェギョンは燕山君の妃の兄であるシン・スグンの娘です。朝鮮の歴史では端敬王后慎氏(タンギョンワンフシンシ)として知られています。チェギョンという名前は架空です。11歳で晋城大君と結婚し入宮しました。
端敬王后を演じているのは、1話、2話ではパク・シウンという少女です。パク・シウンは2001年生まれの女優さんです。ドラマ放映時には当時16歳でした。
パク・ミニョンは1986年生まれで放送時は31歳です。ドクタージン(2012年)のヒロインとしての印象が強いです。トキメキ☆成均館スキャンダル(2010年)では主演を勤めました。幻の王女チャミョンゴ (2009年)ではラヒという主人公のライバル役を演じています。リメンバー(2015年)やシティーハンターインソウル(2011年)などです。
端敬王后を演じているのは、1話、2話ではパク・シウンという少女です。パク・シウンは2001年生まれの女優さんです。ドラマ放映時には当時16歳でした。
パク・ミニョンは1986年生まれで放送時は31歳です。ドクタージン(2012年)のヒロインとしての印象が強いです。トキメキ☆成均館スキャンダル(2010年)では主演を勤めました。幻の王女チャミョンゴ (2009年)ではラヒという主人公のライバル役を演じています。リメンバー(2015年)やシティーハンターインソウル(2011年)などです。
晋城大君(チンソンテグン) / ヨン・ウジン演 / 子役:ペク・スンファン
晋城大君(チンソンテグン)は後の朝鮮国王となる王子様です。10歳で夫人を妃に迎えました。
1話と2話で晋城大君を演じているのはペク・スンファンです。ペク・スンファンは1998年生まれで放送時に19歳でした。「根の深い木(2011年)」でユン・ピョン(最強の剣士)の子役時代を演じています。
ヨン・ウジンは1987年生まれ、放送時の2018年で30歳の俳優さんです。アラン使道伝(2012年)、星から来たあなた(2014年)、イ判サ判(2017-2018年)、烏鵲橋の兄弟たち(2011年)など。
燕山君(ヨンサングン) / イ・ドンゴン演 / 子役:アン・ドギュ
燕山君は暴君として知られておりこのドラマでも例外ではありません。このドラマの中では弟に激しく嫉妬しています。母が父である成宗とインス大妃に殺されて憎しみの炎を胸に抱えているのです。
イ・ドンゴンは1980年生まれ、2017年の時点で38歳の若おじさんです。名前だけ聞いたことがある人も結構いらっしゃるのではないでしょうか。私も名前だけ知ってて、有名そうなことはわかるのですが、彼の出演作は見たことがありません。しかも初見が燕山君とは・・・本業は歌手のようですね。出演作はパリの恋人(2004年)、月桂樹洋服店の紳士たち(2016年)など。
あらすじ概要
朝鮮国王である燕山君は父が弟の晋城大君(チンソンテグン)を可愛がっていたことから長年嫉妬していました。晋城大君は兄の気持ちも知らずに伸び伸びとした少年時代を過ごしていました。チェギョンは高官の令嬢でしたが、王室に利用されることを恐れて父母に隠されて育っていました。チェギョンは父母の想いも知らずに捨てられた、などと勝手に思い込みながら、自由気ままに田舎暮らしを楽しんでいました。
そしてある日、とうとう燕山君の嫉妬が思春期に差し掛かった晋城大君に向けられはじめました。息子の身を案じたチャスン大妃は、晋城大君を守るためにシン・スグンの娘との婚礼を決意するのでした・・・。
街ではお忍びで遊ぶ晋城大君と、田舎を抜け出した男装のチェギョンが出会い・・・物語は動き始めます。
各話あらすじ
- 七日の王妃 1話のあらすじと感想
- 七日の王妃 2話のあらすじと感想
- 七日の王妃 3話のあらすじと感想
- 七日の王妃 4話のあらすじと感想
- 七日の王妃 5話のあらすじと感想: 大君の成長後
- 七日の王妃 6話のあらすじと感想
- 七日の王妃 7話のあらすじと感想
- 七日の王妃 8話のあらすじと感想
- 七日の王妃 9話のあらすじと感想
- 七日の王妃 10話のあらすじと感想
- 七日の王妃 11話のあらすじと感想: 婚礼
- 七日の王妃 12話のあらすじと感想
- 七日の王妃 13話のあらすじと感想
- 七日の王妃 14話のあらすじと感想: 密旨(みっし)
- 七日の王妃 15話のあらすじと感想
- 七日の王妃 16話のあらすじと感想: 暴君燕山君
- 七日の王妃 17話のあらすじと感想: 反正(パンジョン)
- 七日の王妃 18話のあらすじと感想(※ほぼ見逃しました)
- 七日の王妃 19話のあらすじと感想
- 七日の王妃 最終回 20話のあらすじと感想
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視聴感想
七日の王妃を全話見終えました。テレビ版だったので20話の中で、カットされていたのか意味が繋がらなくて面白くありませんでした。一言でこのドラマを表すと、実在の朝鮮国王、燕山君(ヨンサングン)という暴君が、次の国王で異母弟ある中宗(チュンジョン)の排除を試み、主人公がそれに抵抗してやり返すという復讐劇の恋愛ドラマです。燕山君
燕山君には廃妃尹氏(ペビユンシ)という生母がいました。燕山君の父は成宗(ソンジョン)といって仁粋大妃(インステビ)の息子です。成宗の父は懿敬世子(ウイギョンセジャ)というクーデター(正当で無実の国王から王位を簒奪)によって即位した世祖の息子です。世祖は正当な血筋の国王である端宗(タンジョン)の一派を皆殺しにした(日本から見れば暴君です)国王です。尹氏は没落しかけた両班の出身で、成宗の寵愛を受け、長男を出産しましたが、仁粋大妃は彼女とその息子を激しく嫌っていたため、排除されました。この辺りのことはドラマ「王と私」「王と妃」で詳しく描かれています。
燕山君は成人するまで生母のことを知りませんでしたが、父や祖母から愛情を受けておららず、そのため情緒面での発育が弱かったようですね・・・。母の愛があってこそ、子どもは気持ちを落ち着けて自分の人生の目的を達成するために努力できる人になれるという仮定があったとすれば、燕山君に足りなかったのは「基本的な安心感」や「自分で自分を落ち着けること」であったと思います。
燕山君が暴君になったのは、おそらくはイム・サホンまたはキム・ジャウォンから出生の由来を聞いたか、自ら知ったか(ドラマでは資料室で知った)、その辺りでしょう。おそらくは、即位4年後の1498年、22歳の時に実の母を知ったのではないかと思います。
このドラマで燕山君(イ・ユン)を演じているのはイ・ドンゴンというイケメン俳優です。やたらイケメンで、正直いってこのドラマの燕山君はかっこよくてシン氏に対してだけは紳士的で、従来の燕山君のイメージを大きく修正しています(笑)
ちなみに燕山君が没したのは30歳と1か月です。
ドラマの燕山君は弟の妻であるシン氏を好きになりました。まわりは汚い人間ばかりでしたから、シン氏がよほど美しく見えたのでしょう。設定上はそうです。燕山君はしょっちゅうお忍びで外出し、街にも慣れた遊び人(風流人)でした。
歴史では、生母の廃妃に関わる粛正(甲子士禍)については、心情的に文句を言う人よりも、同情する人のほうが多いのではないでしょうか?そこは置いといて、以降の政治では、掌楽院(チャンアグォン)を設置して享楽にふけったことが悪いとされています。しかし、父の成宗もまた結構な女好きであったともいわれています。
新説では燕山君は正気だったのではないかという話もあります。粛正した対象に、廃妃ユン氏を廃した事件と無関係な者がいないことを根拠としています。自分への反対派を粛正するために母の死を政治的な口実にしたのであり、燕山君の横暴ぶりは後でねつ造されたものであるという説です。しかし、燕山君の治世に民は年貢をすべからく搾取され、山菜で生き延び多くの餓死者が出たという話もあり、朝廷が腐敗していたことが伺えます。
中宗
中宗(チュンジョン、イ・ヨク)は、燕山君より10歳年下です。仁粋大妃が認める継妃が生んだ王子ですから、成宗にかわいがられていたのは言うまでもないでしょう。6歳で晋城大君(チンソンテグン、のちの中宗)に冊封されました。18歳のときに中宗反正が起こり、王に即位しました。しかし、王にならせてもらった弱い立場は消えることがなく、勲旧派のパピョンユン氏一族が台頭して「オクニョ」で描かれているように、尹元衡(ユン・ウォノン)らがのさばる結果になりました。文定王后はユン・ウォニョンの姉で、中宗(チュンジョン)の3番目の王妃です。中宗本人はユン氏一族の朝廷支配を受け入れたのは、燕山君のようにクーデターで廃位されることを恐れてのことだったのかもしれません。
この尹元衡という人物は、このドラマで登場するユン・ミョンヘの兄ユン・イム(尹任)と権力争いをしていました(親戚同士です)。ミョンヘが若くして亡くなり王子も亡くなったため、姉の後ろ盾となり朝廷での実権を握ったのです。
パク・ウォンジョン(朴元宗)
このドラマの一番の悪役です。
史実では武官出身で、燕山君の時代には五衛(オウィ、오위)都摠府(ドチョンブ)の長官に任命されていました。中宗反正の後の1509年には領議政にまで登り詰めた一等功臣です。
パク・ウォンジョンが政治の実権を握っていたのはほんの数年です。パク・ウォンジョンは武官出身だったため、やはり政治権力を支配するという点においては力不足だったのではないでしょうか。しかし、パク・ウォンジョンが武人であったことが、クーデターに繋がったのです。
姪の章敬王后(ドラマではミョンヘ)が亡くなった後に文定王后が妃となり、その弟ユン・ウォルロ(尹元老)やユン・ウォニョン(尹元衡)が朝廷を支配します。
ちなみに尹元衡の6代前のご先祖様の一人は高麗王国に忠誠を誓って死んだ鄭夢周(チョン・モンジュ)なのですよ!
パク・ウォンジョンがシン・スグンに何度もクーデターに参加することを勧めましたが、妹を裏切れないとして断っていました。
姪の章敬王后(ドラマではミョンヘ)が亡くなった後に文定王后が妃となり、その弟ユン・ウォルロ(尹元老)やユン・ウォニョン(尹元衡)が朝廷を支配します。
ちなみに尹元衡の6代前のご先祖様の一人は高麗王国に忠誠を誓って死んだ鄭夢周(チョン・モンジュ)なのですよ!
パク・ウォンジョンがシン・スグンに何度もクーデターに参加することを勧めましたが、妹を裏切れないとして断っていました。
シン・スグン(愼守勤)
シン・スグンは義理と人情、そして家族愛の強い人物でした。妹が燕山君の王妃となったため、燕山君の義理の兄となり、中宗の義理の父となり、数々の重職を歴任し、最終的に左議政になりました。英祖(ヨンジョ)の時代に身分を回復しています。英祖(ヨンジョ)はシン・スグンを鄭夢周(チョン・モンジュ)圃隱と同じで忠義に厚い人と評価しています。
かわいそうでしたが、後の時代に、正当に評価されてよかったですね。
シン・スグンとその弟は処刑されましたが、息子や孫は連座されずに官職に就いています。
要するに、誰から見ても、忠義の人だったのでしょう。
ドラマの感想
以上の前知識がある状態で、話題はドラマの感想に戻ります。このドラマは正直いって「感情表現重視」でストーリーは二の次でありました。つまり「恋愛」「不遇」「悲劇」「家族」「悔しさ」の感覚を楽しむためのドラマです。恋愛についても「幼い恋」「夫婦の愛」「性愛をともなわない愛」「片思いの恋慕の情」「引き裂かれる恋」など、いろいろ条件を設定して、意図的に演出されています。
意図のない演出はあり得ませんから、視聴者を騙すつもりで作っているのは当然として、要は、その騙しに「騙された人は幸せ」です。
もしもこのドラマの舞台が実在した君主でなく架空の君主と王妃の恋愛物語であれば、もうちょっと入り込む余地が増えたかもしれません。
実在した人物だと、どうしても「史実と違うと思うと興ざめする」ことになってしまいます。
まったく朝鮮史に知識も興味もない人は結構ハマれたんじゃないかと思います。
私の感想では、あまり大きく心を動かされるということはなく、どちらかというと、燕山君を暴君として描いたがために、つまらない要素となってしまったと思います。恋のライバルはクズじゃなくていい男であったほうが、ドラマは盛り上がると思ってるので!チャスン大妃もまた、もっと露骨に欲を表現したほうがわかりやすかったと思います。
やっぱり「史実じゃありえない~」と思っちゃうとリアリティーが無くなってしまいますからね。
どうせ史実をねじまげてパク・ウォンジョンを倒してしまうほどであるなら、チンソン大君とチェギョンの間に隠し子がいてもよかったのではないでしょうか?結末は、二人がそれぞれ見ていた同じ夢では一男一女をもうけた両班の生活を空想していたようですが、心でそうやって想像上の生活を描いていたという表現なんでしょうけど、やっぱりリアリティーがありません。そして中宗崩御のまぎわにシン氏夫人が現れ・・・という逸話、やっぱり役者さんが若い人に変って夢オチにしているのでリアリティーを感じません。老人の愛が醜いという価値観がそうさせているのでしょうから、やはり、制作側の心の幼稚さが至る所に見えてしまうのが残念でありました。
評価
- 悲恋: ★★★★★
- 胸キュン: ★
- 緻密性: ★
- 演技: ★★★
- 面白さ: ★
- 脚本: ★
私の感想はこんな感じです。どちらかというと、脳が肥えてる私には、面白くなかったです。まだ世の中を知らない20代前後の女性や精神的に幼い人が観たら面白いと思うのかもしれません。