七日の王妃1話
目次
あらすじ
シン・チャギョンは実家で殺された父母を抱いて泣きました。
王宮の城門。廃妃された王妃シン氏が白い衣姿で城門から出て行きました。都城(トソン)の人々は王妃だった罪人を哀れに思いました。
朝鮮国王中宗は王妃の目の前で廃妃にする王命を書きました。王妃はまっすぐ国王を見つめていました。王妃シン・チャギョンは中宗(チュンジョン)に抱き着くと懐刀を王様の首に突きつけようとしました。
「チャギョン・・・。」
中宗(チュンジョン)は王妃の手首を掴みました。
「あなたを殺すべきだった・・・。」
チャギョンと呼ばれたシン氏夫人は泣きながら自分の首に短刀を向けました。
「廃妃シン氏の刑を執行せよ。」
中宗(チュンジョン)は王命に署名しました。
処刑台。
白装束となったシン・チャギョンの前に縄が結わえられていました。
「来世では、あなたに会いたくありません。殿下。」
廃妃シン氏は絞首刑となりました。
7年前の1499年(燕山5年)。
イ・ユン(燕山君=10代朝鮮国王)は反対勢力を抑えて王位に就きました。しかし干ばつが続いたためイ・ユンは怯えて怒りました。天変地異は君主の責任とされていたからです。
イ・ユンは従者たちを連れて朝会に向かいました。
まだあどけなさが残る晋城大君(チンソンテグン、のちの中宗)は樹の上に登って景色を眺めていました。
「大君媽媽(テグンママ)。危ないのでどうかおやめください。」
内官と女官は心配そうにチンソン大君を見ていました。
晋城大君(チンソンテグン)は息も切れ切れに走って来た二人の若様(トリョンニム)が持ってきたサンショウウオ(竜神様)という生き物に蓮の葉を供えて雨乞いをしました。従者たちも一緒に踊りながら祈祷しました。そこに燕山君(ヨンサングン)がシン・スグンという重臣たちと従者を率いて現れました。
「サンショウウオよ。雲を呼び霧を起こして雨を降らせたまえ。そうしたら放してやる。」
チンソン大君は友人たちと従者にも祈らせました。
「兄者・・・。殿下・・・朝会でございますか。」
晋城大君は言いました。
「そうだ。遊びを続けてくれ。」
燕山君はそう言うと正殿(チョンジョン)に向かいました。
神官が香を焚きました。
「主上殿下(チュサンチョナ)のおな~り~。ひれ伏せ。面を上げよ。」
燕山君が正殿に入ると大きな太鼓が鳴らされました。
臣下たちは揃って国王にひれ伏しました。
燕山君の義理の兄シン・スグンは臣下たちに報告するよう命じました。
戸曹参議ソン・ヒアンは戸籍式年(三年ごとの戸籍の改変)について民の不便を解消するための報告を始めました。
兵曹正郎(チョンナン)ユ・ジャグァンは女真族(ヨジンジョク)討伐についての報告を始めました。
国王は三年に一度の戸籍式年(ホジョンシンニョン)を宣言しました。
礼曹参判(イエジョチャンパン)ユ・ソンジョンは有能な文臣17名に読書のための賜暇読書を上疏(じょうそ、上奏)しました。
燕山君は家臣の報告を最後まで聞きませんでした。
中庭に立たされた臣下たちは暑さで汗を拭っていました。
「そちらの額や背中から汗が噴き出しているのに額に汗を流して働いている民を思うべきだった。昔から天変地異は王のせいにされた。万事が良くても干ばつがあると王の責任となる。むろんそなたらの責任でもある。聞け。余と朝鮮にいかなるたわごとも許さん。ゆえに干ばつが解決するまでそこから一歩も動くな。」
燕山君は暑さで農作物が枯れているのに飢えている民を思わないことを叱って怒鳴りました。燕山君は臣下に干ばつが解決するまでそこから一歩も動かないよう命じました。
国王の部屋。
燕山君(ヨンサングン)は昭格署(ソギョクソ、加持祈祷の部署)の提調(チェジョ、責任者)を呼ぶと、干ばつの前に仕事をすべきだったと叱りました。提調のイム・サンホンは謝りました。
都承旨(トスンジ)の居昌府院君(コチャンプウォングン、シン・スグン)は燕山君に雨乞いの儀式を行い民の不安を慰めることを勧めました。
五衛都總府(オウィドチョンブ)の副総監(プチョングァン)パク・ウオンンジョンは観象監(クァンサンガム)によると干ばつの際には婚礼が必要だと言いました。晋城大君の婚礼もまた陰陽の調和を整えるのによいと言いました。
燕山君はシン・スグンに居昌(コチャン)に隠している娘を晋城大君(チンソンテグン、のちの中宗)と結婚させるように言いました。
シン・スグン(慎守勤)は怯えて汗が噴き出ました。
居昌(コチャン)の町。
シン・スグンの娘、シン・チェギョンは便が出ないロバの世話をしていました。チェギョンが口笛を吹きながらロバの腹をなでてリラックスさせると便秘が治りました。様子を見守っていた人たちは喜び躍り上がりました。
チェギョンはロバの糞を運んでいたおじさんにロバの糞は落ち葉を混ぜて三か月発酵させて使うように指導しました。
「肥をまいても(干ばつ)はどうにもならないわ。」
チェギョンは汗を拭うと貧しい友人の家に向かって駆け出しました。
ロバを持っている家の娘は母親からチェギョンとあまり親しく口を利かないように注意されました。なぜなら乳母と暮らしているチェギョンは家から見放されたと思われていたからでした。
チェギョンはその話を聴いて友達には会わずに自宅に戻りました。
チェギョンは「漢陽(ハニャン)に来るな」という父からの手紙を読むと捨てられたのかと思って駄々と捏ねました。
「来るな来るなってなんでよ!なぜ生まれてきたの。捨てられるなら生まれて来なきゃよかった。」
チェギョンは乳母に向かって駄々をこねました。
乳母は手紙を持って来た使用人にごちそうを振舞うと、大監(テガム)シン・スグンに宛てた大事な手紙を持たせました。
都のシン・スグンの家。
シン・スグンは妻に娘の婚礼を持ちかけられたことを打ち明けました。
王宮の王妃の部屋。
チャスン大妃(貞顕王后尹氏)は晋城大君を部屋に呼ぶと国王しか行ってはならぬ雨乞いをしたことをきつく咎めました。
「何もするなという話は何度も聞きました。民の役に立ちたいのです。」
晋城大君は兄のためにしたのに何が悪いと開き直りました。
チャスン大妃(テビ)は王様には編み物など役に立たない物を贈ったほうがいいと言いました。
「兄上!」
チンソン大君は燕山君に甘えた時のことを思い出しました。
その時の燕山君はとても優しかったのです。
翠露堂。
燕山君はかつて、幼い弟のイ・ヨク(晋城大君)が雨乞いの真似事をしている時に父王が優しく弟を抱き上げて「私のヨクはかわいいな。よくできた。あっはっは。」と褒めていたことについて嫉妬したことを思い出しました。
「随分と大きくなったものだ。婚礼など。」
燕山君は弟が置いた亀を蹴り倒しました。
若君の身なりをしたチェギョンは都城(トソン)への渡し舟に乗りました。
漢陽(ハニャン)の都。
イ・ヨク(晋城大君)は二人の若様(トリョンニム)と街でたむろして春画を楽しんでいました。そこにチェギョンが来てチンソン大君とぶつかりました。
「謝れば返します。」
謝罪しないチンソン大君に対しチェギョンは強気に言いました。
晋城大君は隙ができた瞬間チェギョンから本を取返すと「目の保養」に出かけました。
川。
女たちが水浴びしている様子を晋城大君と二人の若君が写生していました。チェギョンは声を出して男の存在を女たちに知らせると、女たちは悲鳴を上げて逃げました。晋城大君はチェギョンを追いかけ山の斜面を転がり落ちました。倒れたチェギョンの頬に鶏の糞が落ちました。チェギョンは大君を蹴るとさらに逃げました。チェギョンは大君たちのことが嫌いになりました。
王宮の八角堂。
王妃の兄のシン・スグンの娘が晋城大君と婚礼すれば、シン・スグンの権力が大きくなりすぎるのではないかと昭格署提調(ゴグァクソチェジョ)のイム・サホンは燕山君に異を唱えました。
「そちは余と都承旨(トスンジ)の仲を裂きたいのか?」
燕山君が言うと、シン・スグンは逆心を抱いていると嘘をつくイム・サホンを怒鳴りました。イム・サホンは先王の遺言が密旨(みっし)として働いているという記録の写しを国王に見せました。燕山君はその文書を見て愕然としました。
回想シーン。
父王は亡くなる間際、晋城大君が成人したら国王にするよう遺言を残していました。
「そなたは朝鮮を滅ぼすだろう。」
父は燕山君に言いました。
燕山君は弟をかわいがる父、可愛がられる弟に激しく嫉妬していました。燕山君は矢を射て苛立ちを紛らわせました。
都。
晋城大君は街でチェギョンを見つけました。チェギョンはサンショウウオの水差しを買おうとしていました。貧しい少年グループにいるソンはチェギョンが大君と言い争っている間に懐から巾着を抜き取りました。大君はチェギョンより先に水差しを買いました。
晋城大君は二人の友人と合流しました。足をくじいた大君は友人たちに抱きかかえられました。チンソン大君が遊んでいると、そこに険しい表情の燕山君が現れました。
「城外のここではお前が王のようだな。」
燕山君は言いました。
「王などでは・・・ただのガキ大将です。」
チンソン大君は言いました。
燕山君はチンソン大君の友人に何者か尋ねました。若者はそれぞれ来年科挙と武科を受験すると大口を叩きました。燕山君は自分と晋城大君のどちらを先に助けるか尋ねました。友人は先に国王を助けて次に大君を助けると言いましたが言葉の端々に大君への親しみと忠誠がにじみ出ていました。燕山君はそれを逆心だと言うと、チンソン大君に白馬に乗り自分より先に王宮に着いたら打ち首は免じてやると意地悪く言いました。兄の言葉を鵜呑みにした晋城大君は白馬に跨り燕山君の後を追いました。
燕山君は「王位など譲ってたまるか!」と強く思いました。
チェギョンは通りがかった晋城大君の馬を指笛で止めました。チンソン大君は馬から転げ落ちて、急いでまた乗ろうとしました。そこに燕山君が馬でチェギョンを轢きそうになったのでチンソン大君は彼女を庇いました。チェギョンは盗んだ物を返せとチンソン大君に言いましたが大君は急いで王宮に向かいました。
燕山君は遅れて到着した晋城大君の首に刀を突きつけました。燕山君は晋城大君に憎しみの言葉をぶつけました。チンソン大君の友人たちも突き出されました。友だけは助けて欲しいという大君。燕山君は晋城大君の首をはねようとしましたが「兄者」と無邪気に自分になつく弟を思い出し、チャスン大妃も現れ処刑をやめました。
「お前の自信の源はお亡くなりになった後も後ろ盾となってくれる父上だ。」
燕山君は言いました。
「違います。私の最も強い後ろ盾は兄上です。国王である兄上が私を愛してくれているので私は自信が持てるのです。」
晋城大君は答えました。
燕山君は黙って王宮に帰りました。
王宮の風呂。
燕山君は弟の言葉を思い出して苛立ちと葛藤を募らせました。
大妃の部屋。
「お前が成長して婚礼の話まで出たので本性が出た。世の中のどんな言葉を使ってでも説明できないのが王座なのだ。何度も言ったであろう。世の者を信じてもただ一人警戒すべき人物は主上だ。朝鮮の歴史では兄が弟を、弟が兄を・・・お前の兄も例外ではない。叔父が甥を・・・。お前を守るには婚礼しかない。」
チャスン大妃は晋城大君の手当をしながら言いました。
その話を部屋の外で燕山君は聞いていました。
燕山君はヨクを守る盾に都承旨(トスンジ)シン・スグンの娘がよいだろうと大妃に言いました。燕山君はチンソン大君にシン・スグンの娘と結婚して一生子をなすなと命じました。
「私に忠誠を示したければ自分が変われ。女人に変わったほうがいいな。」
燕山君は言いました。
晋城大君はショックを受けて震えました。しかし晋城大君は「兄上は母上が考えているような人じゃない。もしそうならとっくに自分を殺している」と言いました。
燕山君はチャン・ノクスにこの王宮には自分を信じる者は一人もいないと乱れる心を見せました。チャン・ノクスは「私がいます」と言いました。
夜になり城門から白馬に乗った武官が駆け出しました。チェギョンは燕山君が乗った白い馬を追いましたが間に合いませんでした。城門が閉まりました。
イ・ヨク(晋城大君)は謝罪のために兄の部屋を訪れました。チャン・ノクスは燕山君はもう寝たと言いました。晋城大君は心を込めて兄のために琵琶を演奏しました。
夜の森。
チェギョンは白馬を追いかけ森の中を彷徨いました。そして白い馬を見つけ、川で身を清めている燕山君を見つけました。
燕山君はチェギョンを警戒しました。
「誰だ。そのまなざしの意味を教えてくれ。」
燕山君は言いました。
チェギョンは自分を覗き込む燕山君に驚きました。
感想
七日の王妃1話の感想です。「つまらん!」思わず言っちゃいました(笑)まだ1話なので何とも言えませんが、とにかくつまらない。ただ嫉妬に荒れ狂う感情と、それに気づかない主人公の無邪気な感情があるだけです。いわゆる心の問題を扱っているのでしょうが・・・登場人物の心情がとても幼稚なのでくだらないと思えてしまいます。
登場人物の心を一言で表すとクソガキの域を脱していません。それが、見ていて非常に疲れるのです・・・。
こんな幼稚なレベルでは、苦しみは増すばかり。
しかし確かに嫉妬の炎というものは、よく表現できていると思いましたよ。
あの感情は我を忘れてしまうのですよね。
そして劣等感に苛まれながら苦しむんです。
は~嫌だ。
でも、身近に可愛がられている人がいたら、そりゃ憎いと思いますよね。もっと強くなろうとか、もっと自己主張しよう、もっと威張れる身分になりたい、と思うのはわかります。自分が上に立ちたいという焦りが、生きる動機にすらなってしまうのです。それは「自分が上だ」と思っていることからはじまります。年上だったり先駆けだったり・・・先に住んでいたり・・・何でも先に行ってる人にとっては楽して成長している人を焦るんですよね。「居場所を取られる」と思って。
あ~わかるわかる。その気持ち。仕事をとられるとか、役割を取られるって日常茶飯事ですから。
1話の評価
面白さ: ★★★ リアリティー: ★
暴君度: ★★★★★
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