七日の王妃19話
目次
あらすじ
新しい王の誕生
王宮の正殿。文武百官は整列して新たな王を迎えました。
「主上殿下(チュサンチョナ)のおな~り~。」
中宗(チュンジョン)イ・ヨクは階段を登り王座の前に立ちました。
「先の国王イ・ユンのおかげで政治は混乱し処罰が厳しくなった。民心を救う手立てがなかったが、幸いにも臣下らが国と民のために立ち上がった。臣下らが余に王になることを望んだゆえ断るわけにはいかず王座に就くなり。」
中宗(チュンジョン)は王になることを宣言しました。
「千歳、千歳、千々歳。」
大臣と官僚たちは両手を上げて賛成しました。
中宗の右側にはパク・ウォンジョンが立っていました。
燕山君に味方した役人や民を虐げた者たちは捕らえられ、罰を受けました。無実の罪で投獄されていた役人や民たちは放免されました。
ソノの墓。
「あなたの言った通り、あの方は王になったは。ところで、あなたば望んでいたようにお兄さまとあのシン氏という女人(にょにん)は一緒になれるかわからない。」
ユン・ミョンヘはソノの墓に参っていました。ミョンヘは優しく墓の盛り土に触れました。
王の謁見の間。
「チェギョン。」
イ・ヨク(李懌)は階段を降りると王妃のチェギョンを抱き締めました。チェギョンは泣いて震えながら燕山君から貰った短刀を国王の首に突きつけました。
「ここが心臓だ。」
イ・ヨク(李懌)はチェギョンの手を自分の胸に押し付けました。刀はヨクの左胸に刺さりました。チェギョンは刀を落としました。
「旦那様がご命令したのですか?」
チェギョンは言いました。
「誰の命令だとしても私を擁立する際中に起きたのだ。私のせいだ。約束を守れなかった!復讐するなら、殺してくれ。チェギョン。頼む!」
イ・ヨク(李懌)は涙を流して地面に崩れ落ちました。
チェギョンは国王に背を向け立ち去りました。
イ・ヨク(李懌)は声をあげて泣きました。
王妃の部屋。
チェギョンはただ泣いていました。
王の謁見の間。
中宗(チュンジョン)は刀を隠して内官を呼ぶと、血がにじんだ龍衣を燃やすよう命じました。
夜になりました。
中宗(チュンジョン)はチェギョンを心配していました。
尚宮(サングン)となった乳母はチェギョンを呼びました。
チェギョンは霊廟に行くと「安東(アンドン)クォン氏とシン・スグンの位牌」を目にしました。内官は国王が王妃の家族を功臣として礼を尽くすよう命じたので父母に会いたく成ればいつでもここに来てよいと言いました。
チェギョンは父母に、夫が謝って自分を慰めようとしていると泣きました。
王の寝室。
チェギョンは中宗(チュンジョン)に会いに行きました。そして、夫の服を脱がすと傷の手当を行いました。
「お父さまが握っていたものです。誰かが私たちの仲を引き裂こうとしたのでしょう。どうして私たちは、いつも他の誰かの死を前にして、こうやって疑わなければならないのでしょうか。夫婦はこうしてつらいときに慰め合って一緒にいるものです。どうしてこうして互いに刀を突きつけ合うのでしょうか。」
チェギョンは茶色い装飾品のかけらを夫に渡しました。
「私が悪いのだ。私がふがいないから。私が王だから。」
ヨクは落ち込んだように言いました。
「ええ。王だからです。これで何でもできる王になりました。だから、これからは頭を下げたり、涙を流したりしないでください。これで君主となった殿下をお守りすることが、お父さまを殺して私たちを別れさせようとした者への復讐することになるのです。必ず立派な君主となって、私たちをお守りください。」
チェギョンは言いました。
「そうか。」
中宗(チュンジョン)は涙ぐんで妻の手を握りました。
日中の朝廷。
中宗(チュンジョン)は王命を下しました。
ペク・ソッキは内禁衛将(ネグミジャン)に任命し大殿の扈衛(ホウィ)と禁府(クムブ、금부)の管理を任されました。とチョ・グァンオは承政院(スンジョンウォン)の右副承旨(ウブスンジ)に任命され王命の伝達を命じられました。二人は「ご厚恩の極みでございます」とイ・ヨク(李懌)に拝礼しました。
中宗(チュンジョン)は友人として、二人に先王が村を破壊して狩場にした東籍田(トンジョクジョン)に、ソノと彼の父の墓を移して墓前に酒をそなえて「朝鮮中のソノはがんばっている」と伝えて欲しいと頼みました。
王妃の部屋。
王妃の乳母オム氏は従五品の至密尚宮(チミルサングン)に任命され米10俵と綿布3反を支給されることになりました。
「聖恩の限りでございます。」
乳母は国王のいる方角に向かって拝礼しました。
離宮。
燕山君はシン・スグンが自分に送った手紙だけを流刑地に持っていくと言いました。
王の部屋。パク・ウォンジョンは、臣下の上疏(じょうそ、上奏)文を読み上げました。上疏(じょうそ、上奏)には功臣をたたえてユン・スンジョンは青川府院君(チョンチョンプウォングン)、パク・ウォンジョンを右議政(ウイジョン)に、命令に背いた・・・と途中で読むのを辞めました。
中宗(チュンジョン)は功臣の権利はく奪するとパク・ウォンジョンに言いました。パク・ウォンジョンは左議政シン・スグンを殺さねば反正は失敗していたと訴えました。中殿(チュンジョン)はシン・スグンを殺さなくても門をくぐれなかったのに殺したパク・ウォンジョンは死罪に値すると怒りました。
「殿下。先王と同じ道を行かれるのですか。功臣は大事にすべきです。一人で朝廷をしきることはできません。」
パク・ウォンジョンは中宗(チュンジョン)を脅迫しました。
「無論わかっている。ゆえに便殿(ピョンジョン)ではやらぬ。これからはお前に慈悲などかけぬ。」
中宗(チュンジョン)は言いました。
「聖恩の限りでございます。」
パク・ウォンジョンは下がりました。
廊下。
中宗(チュンジョン)に嫌われたパク・ウォンジョンは王妃のチェギョンに会うと、唐衣と鳳凰のかんざしが見事だが早く冊封されるといいねと嫌味を言いました。
チェギョンはじきにそうなるでしょうと答えました。さらに、パク・ウォンジョンは先王とその家族が流刑地に旅立ったが知らないでしょうかと尋ねると、チェギョンは中殿(チュンジョン)ですから当然知っていますと顔をひきつらせながら答えました。パク・ウォンジョンはこのまま中宮に居座り続けると何が起きるかわからないぞとチェギョンを脅迫しました。チェギョンは誰がそれを企てているか知っていると笑顔で答えました。パク・ウォンジョンはチェギョンの父を侮辱しました。チェギョンは怒りました。
王の部屋。
チェギョンは煎じ薬を持って来て、イ・ヨク(李懌)はそれを飲みました。ヨクは今日、燕山君と家族が流刑地に行く日だとチェギョンに教えました。
廃妃(チェギョンの姉)は流刑地に旅立つ燕山君を見送り無事を願いました。
王妃の部屋。
チェギョンは貞清宮(チョンチョングン)にいる叔母が明日流刑地に出発すると乳母から報告を受けました。
朝廷。
パク・ウォンジョンはシン氏を王妃にすることに反対しました。
「私が大君だったとき、本がすり切れるほど読んだ本だ。」
中宗(チュンジョン)は一冊の本を大臣の前に投げました。
「序卦伝(じょかでん)ですね。」
大臣の一人は本を拾いました。
「夫婦の後ろに両親と子がいて、両親と子の後ろに国王と臣下がいる。夫婦は人倫の根本で統治の根幹である。余は統治のためにまず家族と夫婦を第一と考える。臣下は余の考えを尊重せよ。」
中宗(チュンジョン)は言いました。大臣の一人だけが異論ないと言いました。中宗(チュンジョン)はシン氏を中宗(チュンジョン)に冊封する教示を出しました。一人の大臣だけが王命を賜りました。
大妃の部屋。
中宗(チュンジョン)は母のチャスン大妃にチェギョンを王妃にするよう頼みました。大妃は、大臣が反対しているのにできないと言いました。中宗(チュンジョン)はチェギョンは家族を犠牲にして自分を王にしてくれたのだと母に言いました。
王宮の庭。
チェギョンは乳母と散歩していました。乳母はじきに落ち着くだろうと励ましました。
王妃の部屋の前。
女官らは大臣がチェギョンを王妃にすることに反対していると噂していました。
チェギョンは何も言わずに通り過ぎました。乳母は女官を叱りました。
王妃の部屋。
中宗(チュンジョン)は冊封する命令書をチェギョンに読み上げました。チェギョンは床にひれ伏して「王妃に冊封する」と夫の声を聴きました。チェギョンは「聖恩の極みでございます」と拝礼しました。中宗(チュンジョン)もまた王妃に拝し手を取りました。
「中殿(チュンジョン)。私のそばにいてくれて感謝する。」
イ・ヨク(李懌)はチェギョンに言いました。内官と乳母たちもチェギョンの冊封を喜びました。
夜のパク・ウォンジョンの自宅。
パク・ウォンジョンはソノの墓から帰って来たミョンヘを叱咤し王妃の座をあきらめるのかと聞きました。ミョンヘは別の方法で家門をたてなおしたらどうかと言いました。パク・ウォンジョンは自分たちの命運がかかっていると怒りました。チェギョンが王妃になれば、一族を殺したパク・ウォンジョンらの身が危うくなるのでした。ユン・ミョンヘ王妃の冊封は許せませんでした。
流刑地へ至る宿屋。
燕山君はシン・スグンがあの夜殺されたと内官から報告を受けました。燕山君は動揺して立上り、誰が犯人か尋ねました。内官はチェギョンについては既に廃妃論が出ていると報告しました。
パク・ウォンジョンの放った刺客が見張りの兵を切り殺しました。そして、燕山君に、後でシン氏とその家族も殺すと言って襲い掛かりました。燕山君は応戦しましたが、腹を刺されました。燕山君は山に逃げました。刺客は逃げた燕山君を見て「うまくいった」とめくばせしました。
日中の王妃の部屋。
中宗(チュンジョン)はチェギョンの部屋に来ました。チェギョンは乳母とともに食事を用意したと言いました。チェギョンは遺品を整理するために今日は実家に行くことになっていました。中宗も行こうと言うと、チェギョンは気持ちだけでいいと言いました。
王宮の庭。
イ・ヨク(李懌)はチェギョンと手をつなぎ歩いていました。ヨクは世の中に美しい妻を見せびらかせたいと言いました。チェギョンは先王に追われていた頃よりも焦っているのはどうしてかと尋ねました。中宗はひとつもチェギョンの願いを叶えてやれないからだと答えました。チェギョンは「私には殿下しかおりません。私は、ここにいます。」心配しないようにと言いました。
シン・スグンの家。
燕山君は部屋に入ると、シン・スグンとクォン氏の位牌が祀られてありました。燕山君は編み笠を脱いでシン・スグンの数々の忠誠を思い出しました。そこにチェギョンが乳母とともに現れました。チェギョンは乳母に、お墓を見てくるように頼みました。
チェギョンは位牌を祀ってある部屋に入りました。チェギョンは父母の位牌を見て、母と父を思い出して涙を流しました。燕山君はたまらず「無事か」と出てくると腹を押さえて倒れました。
王の部屋。
中宗は燕山君が逃亡したという報告を受けました。
シン・スグンの家。
燕山君は、殺されかけて、このままでは妻も子も、チェギョンも皆殺しにすると言われたとチェギョンに言いました。そこにパク・ウォンジョンと兵が都合よく押し寄せました。燕山君は罠にかかり、これを理由にチェギョンを廃する計画に気が付きました。チェギョンは裏から馬で逃げれば私たちは助かると言いました。
チェギョンはパク・ウォンジョンと対決して時間を稼ぎました。パク・ウォンジョンは燕山君を隠せば反逆罪になると言いました。燕山君はチェギョンを人質に取り「中殿(チュンジョン)の首が飛ぶぞ(そうなればお前も終わりだ)」とパク・ウォンジョンを脅しました。
燕山君はチェギョンを連れて逃げようとしました。チェギョンは燕山君に一人で行くよう命じました。
パク・ウォンジョンは部下に燕山君を追いかけるよう命じました。矢が放たれ、燕山君の背中に命中しました。
燕山君は山に逃げました。
夜になりました。
パク・ウォンジョンはチェギョンを投獄しました。パク・ウォンジョンはチェギョンが燕山君と密通していたという噂を流すと脅迫しました。
日中の朝廷。
パク・ウォンジョンはチェギョンを捕まえたので無実なら潔白を証明すべきだと中宗(チュンジョン)に言いました。
チェギョンが出頭させられました。
パク・ウォンジョンはチェギョンを尋問しました。パク・ウォンジョンはチェギョンと先王が密通していると言いかけると、中宗は刀をパク・ウォンジョンの首に突きつけました。チェギョンは中宗を暴君にさせないために、両親の仇を討つために先王を逃がしたと言いました。チャスン大妃はチェギョンの頬を叩き、処刑するように言いました。
「主上殿下(チュサンチョナ)のおな~り~。」
中宗(チュンジョン)イ・ヨクは階段を登り王座の前に立ちました。
「先の国王イ・ユンのおかげで政治は混乱し処罰が厳しくなった。民心を救う手立てがなかったが、幸いにも臣下らが国と民のために立ち上がった。臣下らが余に王になることを望んだゆえ断るわけにはいかず王座に就くなり。」
中宗(チュンジョン)は王になることを宣言しました。
「千歳、千歳、千々歳。」
大臣と官僚たちは両手を上げて賛成しました。
中宗の右側にはパク・ウォンジョンが立っていました。
燕山君に味方した役人や民を虐げた者たちは捕らえられ、罰を受けました。無実の罪で投獄されていた役人や民たちは放免されました。
ソノの墓。
「あなたの言った通り、あの方は王になったは。ところで、あなたば望んでいたようにお兄さまとあのシン氏という女人(にょにん)は一緒になれるかわからない。」
ユン・ミョンヘはソノの墓に参っていました。ミョンヘは優しく墓の盛り土に触れました。
王の謁見の間。
「チェギョン。」
イ・ヨク(李懌)は階段を降りると王妃のチェギョンを抱き締めました。チェギョンは泣いて震えながら燕山君から貰った短刀を国王の首に突きつけました。
「ここが心臓だ。」
イ・ヨク(李懌)はチェギョンの手を自分の胸に押し付けました。刀はヨクの左胸に刺さりました。チェギョンは刀を落としました。
「旦那様がご命令したのですか?」
チェギョンは言いました。
「誰の命令だとしても私を擁立する際中に起きたのだ。私のせいだ。約束を守れなかった!復讐するなら、殺してくれ。チェギョン。頼む!」
イ・ヨク(李懌)は涙を流して地面に崩れ落ちました。
チェギョンは国王に背を向け立ち去りました。
イ・ヨク(李懌)は声をあげて泣きました。
王妃の部屋。
チェギョンはただ泣いていました。
王の謁見の間。
中宗(チュンジョン)は刀を隠して内官を呼ぶと、血がにじんだ龍衣を燃やすよう命じました。
夜になりました。
中宗(チュンジョン)はチェギョンを心配していました。
尚宮(サングン)となった乳母はチェギョンを呼びました。
チェギョンは霊廟に行くと「安東(アンドン)クォン氏とシン・スグンの位牌」を目にしました。内官は国王が王妃の家族を功臣として礼を尽くすよう命じたので父母に会いたく成ればいつでもここに来てよいと言いました。
チェギョンは父母に、夫が謝って自分を慰めようとしていると泣きました。
王の寝室。
チェギョンは中宗(チュンジョン)に会いに行きました。そして、夫の服を脱がすと傷の手当を行いました。
「お父さまが握っていたものです。誰かが私たちの仲を引き裂こうとしたのでしょう。どうして私たちは、いつも他の誰かの死を前にして、こうやって疑わなければならないのでしょうか。夫婦はこうしてつらいときに慰め合って一緒にいるものです。どうしてこうして互いに刀を突きつけ合うのでしょうか。」
チェギョンは茶色い装飾品のかけらを夫に渡しました。
「私が悪いのだ。私がふがいないから。私が王だから。」
ヨクは落ち込んだように言いました。
「ええ。王だからです。これで何でもできる王になりました。だから、これからは頭を下げたり、涙を流したりしないでください。これで君主となった殿下をお守りすることが、お父さまを殺して私たちを別れさせようとした者への復讐することになるのです。必ず立派な君主となって、私たちをお守りください。」
チェギョンは言いました。
「そうか。」
中宗(チュンジョン)は涙ぐんで妻の手を握りました。
日中の朝廷。
中宗(チュンジョン)は王命を下しました。
ペク・ソッキは内禁衛将(ネグミジャン)に任命し大殿の扈衛(ホウィ)と禁府(クムブ、금부)の管理を任されました。とチョ・グァンオは承政院(スンジョンウォン)の右副承旨(ウブスンジ)に任命され王命の伝達を命じられました。二人は「ご厚恩の極みでございます」とイ・ヨク(李懌)に拝礼しました。
中宗(チュンジョン)は友人として、二人に先王が村を破壊して狩場にした東籍田(トンジョクジョン)に、ソノと彼の父の墓を移して墓前に酒をそなえて「朝鮮中のソノはがんばっている」と伝えて欲しいと頼みました。
王妃の部屋。
王妃の乳母オム氏は従五品の至密尚宮(チミルサングン)に任命され米10俵と綿布3反を支給されることになりました。
「聖恩の限りでございます。」
乳母は国王のいる方角に向かって拝礼しました。
離宮。
燕山君はシン・スグンが自分に送った手紙だけを流刑地に持っていくと言いました。
王の部屋。パク・ウォンジョンは、臣下の上疏(じょうそ、上奏)文を読み上げました。上疏(じょうそ、上奏)には功臣をたたえてユン・スンジョンは青川府院君(チョンチョンプウォングン)、パク・ウォンジョンを右議政(ウイジョン)に、命令に背いた・・・と途中で読むのを辞めました。
中宗(チュンジョン)は功臣の権利はく奪するとパク・ウォンジョンに言いました。パク・ウォンジョンは左議政シン・スグンを殺さねば反正は失敗していたと訴えました。中殿(チュンジョン)はシン・スグンを殺さなくても門をくぐれなかったのに殺したパク・ウォンジョンは死罪に値すると怒りました。
「殿下。先王と同じ道を行かれるのですか。功臣は大事にすべきです。一人で朝廷をしきることはできません。」
パク・ウォンジョンは中宗(チュンジョン)を脅迫しました。
「無論わかっている。ゆえに便殿(ピョンジョン)ではやらぬ。これからはお前に慈悲などかけぬ。」
中宗(チュンジョン)は言いました。
「聖恩の限りでございます。」
パク・ウォンジョンは下がりました。
廊下。
中宗(チュンジョン)に嫌われたパク・ウォンジョンは王妃のチェギョンに会うと、唐衣と鳳凰のかんざしが見事だが早く冊封されるといいねと嫌味を言いました。
チェギョンはじきにそうなるでしょうと答えました。さらに、パク・ウォンジョンは先王とその家族が流刑地に旅立ったが知らないでしょうかと尋ねると、チェギョンは中殿(チュンジョン)ですから当然知っていますと顔をひきつらせながら答えました。パク・ウォンジョンはこのまま中宮に居座り続けると何が起きるかわからないぞとチェギョンを脅迫しました。チェギョンは誰がそれを企てているか知っていると笑顔で答えました。パク・ウォンジョンはチェギョンの父を侮辱しました。チェギョンは怒りました。
王の部屋。
チェギョンは煎じ薬を持って来て、イ・ヨク(李懌)はそれを飲みました。ヨクは今日、燕山君と家族が流刑地に行く日だとチェギョンに教えました。
廃妃(チェギョンの姉)は流刑地に旅立つ燕山君を見送り無事を願いました。
王妃の部屋。
チェギョンは貞清宮(チョンチョングン)にいる叔母が明日流刑地に出発すると乳母から報告を受けました。
朝廷。
パク・ウォンジョンはシン氏を王妃にすることに反対しました。
「私が大君だったとき、本がすり切れるほど読んだ本だ。」
中宗(チュンジョン)は一冊の本を大臣の前に投げました。
「序卦伝(じょかでん)ですね。」
大臣の一人は本を拾いました。
「夫婦の後ろに両親と子がいて、両親と子の後ろに国王と臣下がいる。夫婦は人倫の根本で統治の根幹である。余は統治のためにまず家族と夫婦を第一と考える。臣下は余の考えを尊重せよ。」
中宗(チュンジョン)は言いました。大臣の一人だけが異論ないと言いました。中宗(チュンジョン)はシン氏を中宗(チュンジョン)に冊封する教示を出しました。一人の大臣だけが王命を賜りました。
大妃の部屋。
中宗(チュンジョン)は母のチャスン大妃にチェギョンを王妃にするよう頼みました。大妃は、大臣が反対しているのにできないと言いました。中宗(チュンジョン)はチェギョンは家族を犠牲にして自分を王にしてくれたのだと母に言いました。
王宮の庭。
チェギョンは乳母と散歩していました。乳母はじきに落ち着くだろうと励ましました。
王妃の部屋の前。
女官らは大臣がチェギョンを王妃にすることに反対していると噂していました。
チェギョンは何も言わずに通り過ぎました。乳母は女官を叱りました。
王妃の部屋。
中宗(チュンジョン)は冊封する命令書をチェギョンに読み上げました。チェギョンは床にひれ伏して「王妃に冊封する」と夫の声を聴きました。チェギョンは「聖恩の極みでございます」と拝礼しました。中宗(チュンジョン)もまた王妃に拝し手を取りました。
「中殿(チュンジョン)。私のそばにいてくれて感謝する。」
イ・ヨク(李懌)はチェギョンに言いました。内官と乳母たちもチェギョンの冊封を喜びました。
夜のパク・ウォンジョンの自宅。
パク・ウォンジョンはソノの墓から帰って来たミョンヘを叱咤し王妃の座をあきらめるのかと聞きました。ミョンヘは別の方法で家門をたてなおしたらどうかと言いました。パク・ウォンジョンは自分たちの命運がかかっていると怒りました。チェギョンが王妃になれば、一族を殺したパク・ウォンジョンらの身が危うくなるのでした。ユン・ミョンヘ王妃の冊封は許せませんでした。
流刑地へ至る宿屋。
燕山君はシン・スグンがあの夜殺されたと内官から報告を受けました。燕山君は動揺して立上り、誰が犯人か尋ねました。内官はチェギョンについては既に廃妃論が出ていると報告しました。
パク・ウォンジョンの放った刺客が見張りの兵を切り殺しました。そして、燕山君に、後でシン氏とその家族も殺すと言って襲い掛かりました。燕山君は応戦しましたが、腹を刺されました。燕山君は山に逃げました。刺客は逃げた燕山君を見て「うまくいった」とめくばせしました。
日中の王妃の部屋。
中宗(チュンジョン)はチェギョンの部屋に来ました。チェギョンは乳母とともに食事を用意したと言いました。チェギョンは遺品を整理するために今日は実家に行くことになっていました。中宗も行こうと言うと、チェギョンは気持ちだけでいいと言いました。
王宮の庭。
イ・ヨク(李懌)はチェギョンと手をつなぎ歩いていました。ヨクは世の中に美しい妻を見せびらかせたいと言いました。チェギョンは先王に追われていた頃よりも焦っているのはどうしてかと尋ねました。中宗はひとつもチェギョンの願いを叶えてやれないからだと答えました。チェギョンは「私には殿下しかおりません。私は、ここにいます。」心配しないようにと言いました。
シン・スグンの家。
燕山君は部屋に入ると、シン・スグンとクォン氏の位牌が祀られてありました。燕山君は編み笠を脱いでシン・スグンの数々の忠誠を思い出しました。そこにチェギョンが乳母とともに現れました。チェギョンは乳母に、お墓を見てくるように頼みました。
チェギョンは位牌を祀ってある部屋に入りました。チェギョンは父母の位牌を見て、母と父を思い出して涙を流しました。燕山君はたまらず「無事か」と出てくると腹を押さえて倒れました。
王の部屋。
中宗は燕山君が逃亡したという報告を受けました。
シン・スグンの家。
燕山君は、殺されかけて、このままでは妻も子も、チェギョンも皆殺しにすると言われたとチェギョンに言いました。そこにパク・ウォンジョンと兵が都合よく押し寄せました。燕山君は罠にかかり、これを理由にチェギョンを廃する計画に気が付きました。チェギョンは裏から馬で逃げれば私たちは助かると言いました。
チェギョンはパク・ウォンジョンと対決して時間を稼ぎました。パク・ウォンジョンは燕山君を隠せば反逆罪になると言いました。燕山君はチェギョンを人質に取り「中殿(チュンジョン)の首が飛ぶぞ(そうなればお前も終わりだ)」とパク・ウォンジョンを脅しました。
燕山君はチェギョンを連れて逃げようとしました。チェギョンは燕山君に一人で行くよう命じました。
パク・ウォンジョンは部下に燕山君を追いかけるよう命じました。矢が放たれ、燕山君の背中に命中しました。
燕山君は山に逃げました。
夜になりました。
パク・ウォンジョンはチェギョンを投獄しました。パク・ウォンジョンはチェギョンが燕山君と密通していたという噂を流すと脅迫しました。
日中の朝廷。
パク・ウォンジョンはチェギョンを捕まえたので無実なら潔白を証明すべきだと中宗(チュンジョン)に言いました。
チェギョンが出頭させられました。
パク・ウォンジョンはチェギョンを尋問しました。パク・ウォンジョンはチェギョンと先王が密通していると言いかけると、中宗は刀をパク・ウォンジョンの首に突きつけました。チェギョンは中宗を暴君にさせないために、両親の仇を討つために先王を逃がしたと言いました。チャスン大妃はチェギョンの頬を叩き、処刑するように言いました。
感想
七日の王妃19話の感想です。パク・ウォンジョンとチャスン大妃が悪の本性を現しはじめました。パク・ウォンジョンは中宗も脅してます。
ここまで来ると、呆れてシラケてしまいました。
中宗はもはや、妻以外は、誰も信じることができない状況です。本当に、こんな状況はストレスフルですよね。
でもこの中宗、意外と在位期間が38年と長いのです。享年56歳ですから、やっぱりストレスマッハで生きるとこんなものでしょう。
中宗の家族らしい家族といえば、大妃と子どもたちだけです。ほんとうの意味で心の支えとなってくれる人はいません。
現代の価値観では、とても朝鮮の王様や王妃様になりたいとは思えないですね・・・。
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