へチ王座への道3話
目次
あらすじ
宝慶堂(ポギョンダン)の齊坐(チェジャ)の場。
司憲府(サホンブ)監察のハン・ジョンソクは追い詰められていました。大司憲(テサホン=長官)イ・イギョムや執義(チベ)らの前で事件を証明しなければならず、証人が来なかったため追い詰められようとしていました。同僚で友人だったはずのウィ・ビョンジュがミン・ジノンに策を与えたのでした。ハン・ジョンソクに罰が与えられそうになった時、証人だった延礽君(ヨニングン)イ・グムは出廷しました。王子の思わぬ来訪にウィ・ビョンジュは驚きました。
司憲府(サホンブ)監察のハン・ジョンソクは追い詰められていました。大司憲(テサホン=長官)イ・イギョムや執義(チベ)らの前で事件を証明しなければならず、証人が来なかったため追い詰められようとしていました。同僚で友人だったはずのウィ・ビョンジュがミン・ジノンに策を与えたのでした。ハン・ジョンソクに罰が与えられそうになった時、証人だった延礽君(ヨニングン)イ・グムは出廷しました。王子の思わぬ来訪にウィ・ビョンジュは驚きました。
延礽君(ヨニングン)は余裕のある表情を見せました。
「酒を一杯やったが、それより夢に酔ったようだ。奴(ノミ)だと?よくない言い方だ。そうだ。その証人は私だ。密豊君(ミルプングン)の指示で科挙の替え玉をしたのは私だ。その罪を証明できるのはこの私、延礽君だ。」
街。
パク・ムンスは司憲府(サホンブ)に向かう途中、通りでタルムンとぶつかりました。タルムンはトンイン洞を通ると行きやすいと助言しました。子分のクンテはタルムンにパク・ムンスについての情報を教えました。
「そうか。まだ司憲府(サホンブ)に希望を抱いている奴がいるのか。」
宝慶堂(ポギョンダン)。
大司憲(テサホン)のイ・イギョムは延礽君(ヨニングン)に向かって「延礽君(ヨニングン)大監(テガム)。今なにをおっしゃっているのかわかってますか?嘘をつけば延礽君であっても罪は免れませんよ!」と厳しい口調で言いました。
延礽君は密豊君(ミルプングン)の指示で科挙の替え玉となりハン・ジョンソクに知らせたことは事実だと言いました。
執義(チベ)はどうやって密豊君が殺人の犯人だと証明するのだと怒りました。
「お望み通り証人が来ました。これで十分ではありませんか?ゆえに密豊君(ミルプングン)様を捕らえ(チェポし)て真相を明らかにするのです。ならぬ理由は何ですか?王族も民の一員です。ゆえに司憲府に(王族や大臣を捕らえる)権限があるのです!」
ハン・ジョンソクは発言すると、同調する数人の武官が勇気を貰って立ち上がりました。
霊廟。
国王の粛宗と大臣は祭祀(チェサ)用の服に着替えて礼拝していました。そこに都承旨(トスンジ)が来て粛宗(スクチョン)に耳打ちをして事態を知らせました。同じ部屋にいた吏曹判書(イジョパンソ)のミン・ジノンも配下の大臣から報告を受けました。
司憲府(サホンブ)。
「このまま密豊君(ミルプングン)の罪を見逃すことはできません。私は監察の権限により密豊君を捕らえます。」
ハン・ジョンソクは信頼できる部下たちと共にイ・イギョムに訴えました。
「今、何と言った?命令に逆らうつもりか!貴様らおのれ!」
長官のイ・イギョムはハン・ジョンソクたちに向かって怒鳴りました。
「皆の者、待たれよ。監察の長(トンス)は私だ。証言が事実なら密豊君(ミルプングン)を疑うべきだ。だが一人の証人の話だけをどうして信じられようか。これが朝廷の謀略ではないことを誰が証明するのだ。」
すると、監察長のウィ・ビョンジュが立ち上がると、監察長の権限で反対しました。
延礽君(ヨニングン)は反論しましたが、ウィ・ビョンジュは君大監(テガム)が政治に関わってはいけないと怒鳴りました。
「噂だけで高官を捕らえて罪を問う司憲府(サホンブ)が、このことに関しては証人がいても不十分だと?しかも王族だ。」
延礽君は優雅に言いました。
「大監(テガム)は政治に関わってはならぬという掟があるからです!」
ウィ・ビョンジュは言いました。
「なら証人がもう一人いたらどうだ?」
延礽君は言いました。
「大監(テガム)は政治に関わってはならぬという掟があるからです!」
ウィ・ビョンジュは言いました。
「なら証人がもう一人いたらどうだ?」
延礽君は言いました。
街。
ヨジは忍び姿で急いでケドルの家の塀を乗り越えました。
ケドルの家。
タルムンはケドルに会いました。ケドルは逃亡の準備を終えると逃げました。役人の声がすると、タルムンはケドルに裏手に行くように助言しました。
しばらくすると、パク・ムンスが現れ「ケドルという者はどこだ!」と家の者に尋ねました。タルムンの子分はパク・ムンスに裏に行ったと言いました。
ヨジは家の裏手に回り、ケドルを見つけると抵抗する使用人を華麗な技で投げ倒しました。ヨジは科挙の替え玉を斡旋した罪で捉えると言いました。
パク・ムンスは刃物を振り回して抵抗するケドルを捕縛しました。
「ムンスナウリ?どうしてここに?」
使用人を縄で縛っているヨジは驚きました。
「延礽君(ヨニングン)様にこれ(ケドルの人相書き)を貰ったんだ。」
パク・ムンスは答えました。
タルムンは家の影から二人の様子を眺めていました。
タルムンは家の影から二人の様子を眺めていました。
司憲府(サホンブ)。
パク・ムンスはヨジとともに司憲府(サホンブ)の前まで行ってケドルを役人に引き渡しました。
「どうか!どうか!頼む!」
パク・ムンスは門の中に入れないので外で祈りました。
ヨジはケドルを皆の前に突き出すとケドルを自白させたと言いました。
「そちは根回しが下手だろう。故に部下を借りたのだ。さあ、仕上げにかかろうか。そちと私とで。」
延礽君(ヨニングン)は隣にいたハン・ジョンソクに言いました。
大司憲と執義、ウィ・ビョンジュは動揺していました。
豪華な屋敷の庭。
密豊君(ミルプングン)は老論派の力でもみ消されるはずだと思っていました。
司憲府(サホンブ)の長官の部屋。
「なぜ私なのだ。なぜ私が決めねばならぬ。」
大司憲のイ・イギョムは執義(チベ)と掌令(チャンリョン)、持平(チピョン)の5人の部下の前で悩んでいました。
「なりません。密豊君(ミルプングン)を捕らえれば憲府(ホンブ)の重荷になります。」
執義(チベ)は言いました。
「しかしここまで来てもみ消せば世間への示しが・・・。」
掌令(チャンリョン)ユ・ジュンギは発言しました。
「世間?相手は密豊君(ミルプングン)だぞ!この国の行く末がかかっている!」
執義(チベ)は怒りました。
「皆でもみ消せばよいのだ。大司憲(テサホン=長官)の私が監察の権限を剥奪する。」
イ・イギョムは言いました。
武官の部屋(監察房)。
「監察たちは密豊君(ミルプングン)の家の前に集まれ。」
ウィ・ビョンジュは命じました。
「裏切り者。」
アボンはウィ・ビョンジュに毒づきました。
ヨジもウィ・ビョンジュにわざとぶつかって行きました。
「チェジャを開いたのはこのためか?公の前でもみ消そうと。」
部屋で二人きりになるとハン・ジョンソクはビョンジュに言いました。
「やめろ。」
ウィ・ビョンジュは気品のある声で言いました。
「やめろだと?やめるのはそちだ。」
ハン・ジョンソクは言いました。
「どのみち大監(テガム)たちに阻まれる。そちは何もできない。権力が物を言う。老論の世の中だ。そちは老論に従って生きろ。」
ウィ・ビョンジュは言いました。
「どうしてそうできようか。私たちは違う世を見ている。」
ハン・ジョンソクは言いました。
「ハン監察・・・。」
ウィ・ビョンジュは惜しそうな表情を浮かべて去りました。
朝廷。
領議政のキム・チャンジュンら老論派の大臣たちは「これは密豊君(ミルプングン)様を陥れようとする陰謀です!」と騒いでいました。
反対派の大臣たちも騒いでいました。
ミン・ジノンは弟の延齢君(ヨルリョングン)を思う延礽君(ヨニングン)が首謀者だと言いました。
キム・チャンジュンは「司憲府(サホンブ)の判断を信じて待ちましょ」と発言しました。
「余が、司憲府の判断が信じられなかったらどうするのだ?」
国王の粛宗(スクチョン)が部屋に入って来ました。
「そちは何を根拠に延礽君を疑うのだ。ならば延礽君が自らを貶める理由とは何だ?延礽君がどうして密豊君を陥れるというのだ。」
粛宗はミン・ジノンに向かって言いました。
ミン・ジノンは替え玉受験では密豊君に罰を与えられないので延礽君は密豊君に殺人の罪を着せたと言いました。
そこに延礽君(ヨニングン)が出廷しました。
延礽君(ヨニングン)は遊んでいたら偶然、密豊君(ミルプングン)の罪を知ったと答えました。
「私が殺されたノ・テピョンを合格させました。また、昨夜、密豊君(ミルプングン)の私兵を追って遺体を見つけました。私が密豊君の犯した罪のすべてを知っています。ゆえに私を流刑に処してください。故意ではなくても私は密豊君(ミルプングン)犯罪に加担しました。ゆえに耽羅(タムナ=チェジュド)にお送りください。」
延礽君は言いました。
密豊君の家。
「罪人を捕縛せよ。」
ハン・ジョンソクは言いました。
部下たちは密豊君(ミルプングン)を取り囲みました。
密豊君はヨジたちによってとらえられました。
朝廷。
「流刑、耽羅(タムナ)だと、お前は今何を言っているのかわかってるのか!」
粛宗は厳しい口調で延礽君に言いました。
「無論です殿下。これまで王族と高官どもは罰を受けることはありませんでした。法が寛大であったため密豊君は人を殺しました。権力が法を超えるとわかっていたからです。法は万民に公平であると示さねばなりません。ゆえに私も自ら罰を受けます。これでよいのでしょう?吏判(イパン)大監(テガム)。重臣は無論、また民もそうすべきです。」
延礽君(ヨニングン)は言いました。
朝廷の外。
老論の大臣たちは集団で歩いていました。
「あやつは密豊君(ミルプングン)を道連れにする気だ。」
領議政にキム・チャンジュンは腹を立てました。
「朝廷をしきるつもりか。延礽君(ヨニングン)の奴め。司憲府(サホンブ)はどうした。」
ミン・ジノンは言いました。
密豊君(ミルプングン)の家。
「貴様ら!次の国王はこの私だ!」
密豊君(ミルプングン)は抵抗しました。
密豊君は私兵に戦うように命じました。
その瞬間、執義(チベ)ユ・ジュンギルが現れ大司憲の命令を伝えました。
密豊君はヨジたちを捕らえるように執義に言いました。ヨジが反論すると、執義はヨジを殴りました。
「誰が阻むと言った?私は今、密豊君(ミルプングン)を連行する。これは大司憲(テサホン=長官)の命令だ!」
執義のユ・ジュンギルは言いました。
密豊君(ミルプングン)は役人に捕らえられました。
パク・ムンスや通りがかった人々は密豊君(ミルプングン)が連行される様子を見て興奮しました。
「こやつめ。何が国の王だ。」
ユ・ジュンギルは言いました。
「掌令様。」
ハン・ジョンソクは心配そうに上司を見ました。
「大司憲(テサホン=長官)と執義(チベ)以外は、皆同意したのだ。ゆえに事件は上が担当する。司憲府(サホンブ)だ。このようなことは見過ごせぬ。すまなかった。治療せよ。」
ユ・ジュンギルは説明しました。
「いいえナウリ。これしきのこと、何でもありません。」
ヨジは言いました。
「兄者!ヨジや!」
ユ・ジュンギルが役所に帰ると、待ちきれずにパク・ムンスが駆け寄りました。パク・ムンスはアボンと抱き合って喜びました。
「そうだ。司憲(ホンブ)の上層が動いてくれた。」
ハン・ジョンソクは喜びの表情を浮かべました。
「そうだ。それでこそ司憲府(サホンブ)だ。これが本当のヘチだ!」
パク・ムンスは感激しました。
「そうだ。これが司憲府(サホンブ)だ。我ら司憲府(サホンブ)はこの国の法だ。」
ハン・ジョンソクは言いました。
ヨジも喜びました。
王宮の一角。
「密豊君(ミルプングン)が押送された。お前が宮にいたのはそれが知りたかったのであろう。」
粛宗も喜びの声は隠せませんでした。
「本当ですか。それで司憲府(サホンブ)がやってくれたのですか?」
延礽君(ヨニングン)は父王に尋ねました。
「お前は自分自身を守れたはずだ。知らぬふりもできた。なのになぜ?」
粛宗の声が低くなりました。
「私が自分を守っても何の意味がありましょうか。役の無い人生。ですが火を起こす薪にでもなれたなら生きる理由ができてよかったと思いました。」
延齢君(ヨルリョングン)は延齢君(ヨルリョングン)を立てました。
「延齢君(ヨルリョングン)のためなのか。だから進んで罪を明かし罰を受けたのか。耽羅(タムナ)がどんな場所か知っているであろう?」
粛宗は言いました。
「私はこれまで放浪してきました。ゆえに耽羅(タムナ)でも楽しく暮らせるでしょう。堂々としたお姿を見せられずにすみません。やはり私のような者はどんな期待も応えられないのでしょ殿下。」
延礽君(ヨニングン)は悲しそうに言うと礼をして去りました。
「なぜお前ではいけないのだ。お前も王子だ。誰よりもお前であるべきだ。なぜお前は王になれぬのだ。クム。」
粛宗は遠ざかって行く息子を見て涙ぐみました。
夜の領議政の屋敷。
妓女(キニョ、妓生の女)で領議政の囲い女のユニョンは使用人の娘の頬を叩いて拷問していました。ユニョンは少女が「私が密豊君の女だから、密豊君が連行されて愉快だった」と思って笑われたと思っていました。少女は身に覚えのないことを言われて必死で釈明しましたが、ユニョンは許しませんでした。ユニョンは使用人に少女を葬ってくるように命じました。
司憲府(サホンブ)。
「あ~。密豊君(ミルプングン)がしっかり調べられるか心配だ。奴らは一族の出世が大事だからな。」
無職のパク・ムンスはもう司憲府(サホンブ)の一員になったつもりでハン・ジョンソクの部屋にやって来ました。一緒に部屋にいたヨジはケドルの捕縛時にいたパク・ムンスが正直邪魔だったと言いました。チャンダルとアボンはパク・ムンスを酒場に誘いました。パク・ムンスはタダ酒が飲めると思って喜びました。
「それで、ここにもう一人いるべきじゃないですか?」
ヨジは延礽君(ヨニングン)について噂しました。
延礽君(ヨニングン)の家。
延礽君(ヨニングン)が家に帰ると妃のソ死は夫の服を投げ捨てました。流刑になると聞いたソ氏は泣いて「没落したくないのです!」と言いました。ソ氏は離縁してでも行かないと言いました。そこにチョホンが現れ「私が支度します。捨てるなら持って行きますね」と嫌味を言いました。
そこにヨジたちがやって来ました。
「この女は誰なの?」
ソ氏は若くてきれいなヨジを見て嫉妬しました。
ヨジは「お酒を一緒に飲もうと思いまして。水炊きも。」と正直に言いました。
ソ氏にはもう何が何だかわかりませんでした。
ハン・ジョンソクの屋敷の離れ。
延礽君(ヨニングン)はヨジとパク・ムンスとチャンダルとアボンと一緒に酒を飲みながら「出世スゴロク」をして遊びました。アボンは「弘文館(ホンムングァン)」に出世しました。ハン・ジョンソクは「上官」になっていました。
ハン・ジョンソクは皆が楽しんでいる様子を見て微笑ましく思いました。
ハン・ジョンソクの家の庭。
「私がお注ぎします。挨拶が遅れましてすみません。ご助力感謝します。」
ハン・ジョンソクは息抜きに庭に出た延礽君(ヨニングン)に酒を注ぎました。
「自身の罪を打ち明けた。それだけだ。部下には黙っていてくれ。私にははじめから将来は無い。だがそちはなぜだ。老論の名家(ミョンガ)の出身のそちがなぜだ?」
延礽君(ヨニングン)は言いました。
ハン・ジョンソクは「いいえ。楽だからです。誰も苦しい道は選びません。君大監もそうでしょう?知らぬふりをしているよりは戦ったほうが楽だったのです。」と答えました。
「さあさあさあ、君大監(クンテガム)もなさる。」
ハン・ジョンソクは延礽君(ヨニングン)の肩を抱いて小屋に入りました。
サイコロ遊びが再開されました。
延礽君(ヨニングン)が賽を投げると三という数字が出て「王」になりました。
「戯れにすぎません。」
ハン・ジョンソクは釈明しました。
「さあ、王はなんでもできます。王命を下してください。」
パク・ムンスは延礽君(ヨニングン)に言いました。
「そうだな。ただの遊びだからな。王か・・・。そちら二人(アボンとチャンダル)は忠誠を尽くすゆえ漢城府(ハンソンブ)を守り給え。そち(ハン・ジョンソク)は公正ゆえ領議政。そち(ヨジ)は執念深いが法に忠実ゆえ捕盗大将(ポドテジャン)。世の中は公平と信じるそち(パク・ムンス)は司憲府(サホンブ)大司憲。どうだ。これなら私は王にふさわしいであろう。王にしては男前すぎるが。」
延礽君(ヨニングン)が言うと皆は喜びました。
老論の集会所。
ミン・ジノンは領議政を頭として私的に集まり酒と食事を味わいました。ミン・ジノンは「我らは常に勝つ方法を知っています」と演説しました。
雨が降りました。
延礽君(ヨニングン)が帰宅すると延齢君(ヨルリョングン)が雨に濡れながら悲し気な表情を浮かべて待っていました。延礽君は着替えを用意させて弟を手厚くもてなしました。延齢君(ヨルリョングン)は流刑になることをやめてほしいと頼みました。しかし、延礽君は民にも公平な法があることを身をもって示したいと言いました。
「民のためにもお前に王になって欲しい。ゆえにもう会いに来るな。臣下は必ず反撃に出るだろう。」
延礽君は本心を言いました。
回想シーン(ミン・ジノンの私的な陶芸小屋)。
「科挙に合格した時に、私は自分の小さなあばら家を燃やしました。二度と戻らぬと。」
ウィ・ビョンジュはミン・ジノンに言いました。
ミン・ジノンはウィ・ビョンジュを信じました。ウイ・ビョンジュは手紙を貰うと帰りました。
「さすが天下の大監(テガム)様だ。ゆえに力が欲しくなる。さっきいた者が誰か知っています。血をみるのはやめましょう。」
タルムンはミン・ジノンに襲い掛かりました。すぐに護衛の使用人が反撃に出ました。
「待つのだ。下がれ。」
ミン・ジノンは使用人に命じました。
タルムンは「クァントン橋の乞食だった」と挨拶しました。タルムンは密豊君(ミルプングン)の噂を都城(トソン)に広めたのは自分だと言いました。
早朝の渡し場。
延齢君(ヨルリョングン)が船を出そうとするとヨジとパク・ムンスが待ち伏せをしていました。パク・ムンスはもう勉強するなとバカにされて腹を立てました。「あの人の言っていることはいつも正しい」とヨジは言いながら船の縄をほどきました。
午前中の都城(トソン)の両班の家。
武官は密かに来訪した粛宗(スクチョン)に密豊君(ミルプングン)の素行記録を渡しました。
「余がそちをここに呼んだ理由はわかるな。今から言う事は誰にも言う出ない。こうべを上げよ。」
粛宗は武官に命令を下しました。
ミン・ジノンの家。
先ほどの武官はミン・ジノンの部屋にいました。武官は「延礽君(ヨニングン)」と書かれた紙をミン・ジノンの渡しました。
ミン・ジノンは「役に立つ男(タルムン)」を見つけたと言いました。
タルムンは子分と街を歩いていました。タルムンは貧しい民を守るために金を稼げれば何でもいいと思っていました。
郊外の枯れ野。
延礽君(ヨニングン)はパク・ムンスと話し会っていました。延礽君(ヨニングン)は密豊君(ミルプングン)が行くところには必ず妓房(キバン)があるはずだと言いました。
酒場。
延礽君(ヨニングン)は昼間からパク・ムンスと酒を飲みました。
「君大監は本当の男です。それで私と義兄弟になりませんか?」
パク・ムンスが言うと、延礽君(ヨニングン)は酒を口から吹き出してしまいました。
「そちは離れて座れ。」
延礽君(ヨニングン)は馴れ馴れしいパク・ムンスを遠ざけようとしましたが、酔っぱらったパク・ムンスは延礽君(ヨニングン)に絡みました。パク・ムンスはヨジも入れて「三兄弟にしよう」と勝手に酒を注ぎました。
ヨジは町の人から延礽君(ヨニングン)の噂を聞きました。日照りで干ばつになると、延礽君(ヨニングン)は米をくれたと町の人々は言いました。
ヨジは騒ぎを聞いて城門に行くと、語り部は延礽君(ヨニングン)が遊び人で金を浪費していると噂を広げていました。
夕方。
延礽君(ヨニングン)とパク・ムンスが都に戻ろうとすると、自分の悪評が既に拡がっていることに気が付きました。
司憲府(サホンブ)。
ヨジは延礽君(ヨニングン)の悪い噂についてハン・ジョンソクに報告しました。ヨジは敵が悪評を披めて延礽君(ヨニングン)の証言を無効にしようとしていると言いました。
延礽君(ヨニングン)はミン・ジノンが乗った輿とすれ違いました。延礽君(ヨニングン)はミン・ジノンから手紙を受け取りました。
夜になりました。
武官はユニョンを牢屋に手引きして密豊君(ミルプングン)に会わせました。
獄舎。
「ユニョン!ユニョ~ん!怖いよ~!帰りたいよ~!」
密豊君(ミルプングン)はユニョンに抱き着きました。
ユニョンは延礽君(ヨニングン)が追い詰められているという情報を渡しました。
「俺は王になれるんだな?牛肉が食べたい。今日はクッパしか貰ってない。」
密豊君(ミルプングン)は喜びました。
「クッパですって?クッパは役に立たない犬に与えるもの。まさかミン・ジノン、あいつ!」
ユニョンは立ちあがりました。
待ち合わせ場所。
延礽君(ヨニングン)はミン・ジノンに呼ばれてきました。
別の場所。
「そなたらは何ですか?」
延齢君(ヨルリョングン)は私服姿の領議政たちが自分に向かって頭を下げる様子を怪訝に思いました。
部屋。
ミン・ジノンは延礽君(ヨニングン)に「我らは延齢君(ヨルリョングン)を支持するつもりです。そのために君大監にしてもらいたいことがあります」と言いました。
王宮。
都承旨(トスンジ)は大司憲(テサホン=長官)のイ・イギョムに会いました。
王の部屋。
粛宗が仕事をしていると咳き込んで喀血しました。
部屋にイ・イギョムが呼ばれて入って来ました。
粛宗はイ・イギョムに延礽君(ヨニングン)を後継者にすると密命を下しました。
「余は延齢君(ヨルリョングン)ではなく延礽君(ヨニングン)が王にふさわしいと思う」
粛宗は言いました。
街。
延礽君(ヨニングン)はぼーっとしながら通りを歩いていました。
回想シーン。
「延齢君(ヨルリョングン)と話はついています。難しい話ではありません。証言は偽りだったと言えばよいのです。監察のハン・ジョンソクが企んだと。」
ミン・ジノンは言いました。
「いったいなぜ?それはできません。できるはずがない!」
延礽君(ヨニングン)は帰ろうと立ち上がりました。
「ならば延齢君(ヨルリョングン)をお捨てになりますか。延齢君が世継ぎの候補になれば、このままだたいずれ延齢君(ヨルリョングン)は殺されます。」
ミン・ジノンは言いました。
「どうして!ここまでするのですか?」
「それが、我らの勝つ道だからです延礽君(ヨニングン)。我らがどうやって勝ってきたか知りたいですか?みなの者に恐怖を与えるのです。逆らえばどうなるか世の中の皆に見せつけるのです。もう二度と誰も手出しできなくなるほどに。」
延礽君(ヨニングン)は窮しました。
「大監(テガム)。どうしましたか?」
ヨジは延礽君(ヨニングン)に尋ねました。
延礽君(ヨニングン)はヨジの肩に自分の頭をもたげました。
感想
韓国ドラマ「ヘチ」3話の感想です。ミン・ジノンは密豊君(ミルプングン)を見捨てることに決めました。老論派は延齢君(ヨルリョングン)の後ろ盾となりました。しかしわからないのはミン・ジノンが延礽君に嘘をつくように要求しているところです。なぜなら密豊君と延礽君が罰を受ければ残る後継者は延齢君しかいません。ミン・ジノンはそうなったら延齢君が殺されてしまうと言っているのです。
それがどういう意味がまったくもって日本人には意味がわかりませんよね・・・。後継者が残り1人になったほうがカンタンなのでは?と。
しかし、このドラマの時点で政治は南人派と少論派と老論派の三種類があり、今のところ歴史上では南人派がやや優勢になっています。そういう意味では、まさかと思いますけど世子の景宗と南人派が結託して延齢君(ヨルリョングン)を殺そうとする、ミン・ジノンはそういう意味で言っているのかな?と思うのですが、日本の常識で考えるとまったくもって理解できません。
そして粛宗は延礽君(ヨニングン)を王にしたがっているので、イ・イギョムに密命を下します。
これで、このドラマの年代が1717年であることがはっきりしましたね!
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