へチ王座への道20話
目次
あらすじ
都で疫病が生じ、英祖(ヨンジョ)の威信が脅かされました。没落した南人の李麟佐(イ・インジャ)は密豊君とウィ・ビョンジュと結託して反乱を企てていました。パク・ムンスは少論派のイ・グァンジャらと合流して反乱の兆しを掴みました。英祖(ヨンジョ)は民心を安定させるために貧しい民のための救済病院、活人署(ファリンソ)に出向いて不安な民を慰めました。病気の民たちは英祖(ヨンジョ)が言ったこの病は必ず治り、噂は誤りだという言葉を聞いて泣いて安心しました。民の一人は王様を中傷したことを謝罪し罰を求めました。
朝廷の大殿(テジョン)の前。
英祖(ヨンジョ)が戻って来ました。少論派と老論派はかしずいて王を出迎えました。
清州の街。
パク・ムンスはイ・グァンジャとチョ・ヒョンミョンに会うと、都城(トソン)に行って反乱の兆候があるので王様に報告を頼みました。パク・ムンスはノリゲを買った役人を尾行しました。役人は武器庫を管理している男でウィ・ビョンジュと会っていました。役人は妓楼で遊びました。
王の部屋。
閔鎭遠(ミン・ジノン)とチョ・テグは民に直接会った英祖(ヨンジョ)に懸念を示しました。
英祖(ヨンジョ)は民を守るのは王と重臣の務めなので皆で責任を果たそうと言いました。
英祖は活人署(ファリンソ)の患者の名簿を示すと、井戸に毒が撒かれたので井戸を閉じ同じ処方で治療をはじめると二人に言いました。
閔鎭遠(ミン・ジノン)は漢城府(ハンソンブ)判尹(パニュン)に命令書を渡して来るよう部下に命じました。チョ・テグは活人署(ファリンソ)提調(チェジョ)に王が書いた処方箋を渡し治療を命じました。
夜の王宮。
少論派の臣下たち(間者)は王に疫病を治せるはずがないと趙泰耉(チョ・テグ)に激しく抗議しました。
「そちらに案はあるか?腹を立てる以外に何かできるのか?殿下は手立てを探しておられる。殿下は活人署(ファリンソ)にお出ましして民を労わられた。」
趙泰耉(チョ・テグ)は反論しました。
間者の一人は「王様が先王を殺した張り紙こそが真実だ」と言って聞きませんでした。
趙泰耉(チョ・テグ)は部下が言うことを聞かずすっかり悩んでしまいました。
「これが政治の難しさというものです。敵なら敵としてしっかり戦うためには理解できればよいのだが、政治も人のすることゆえ敵を理解できる場合も。殿下の前で言葉に詰まったのは初めてでした。あの若い王からひとつ学びました。そなたもそれで苦しんでいるはずだ。敵である殿下を理解できるので認めざるを得ないところを。」
閔鎭遠(ミン・ジノン)は趙泰耉(チョ・テグ)と二人きりで話しました。
「それが政治の妙なところだ。ほかのだれでもなく敵のそなたが今は誰より私の心情をしかとわかっておる。」
趙泰耉(チョ・テグ)は返しました。
大妃殿。
英祖(ヨンジョ)は仁元大王大妃(イヌォンテワンテビ)を見舞に行きました。チョン・ヨジが大妃の看病をしていました。ヨジは大妃の回復を信じていました。英祖(ヨンジョ)は大妃の手に触れました。ヨジは英祖(ヨンジョ)を見つめました。
翌日の東西活人署(ファリンソ)。
国王の処方が効いて患者が回復しはじめました。
王宮。
チャドンは患者も大妃様も回復しはじめていることを国王に報告しました。
大妃殿。
仁元大王大妃(イヌォンテワンテビ)は起き上がりました。そこに英祖(ヨンジョ)が見舞に来ました。大妃は主上(チュサン)に救われたと感謝の気持ちをあらわしました。
「この子にも救われたわ。」
大妃が言うと、英祖(ヨンジョ)はヨジと見つめ合いました。
ヨジは疫病以外に軍が慌ただしく動いているので異変を感じていました。
英祖(ヨンジョ)は「私はお前に守られている」と言ってヨジに安心するように言いました。
関所。
疫病が収まり通行が許可されました。
民たちは噂がデタラメだったと思い直しました。
李麟佐(イ・インジャ)は思い通りにならず、国王は手ごわい敵だと思いました。
王の執務室。
英祖(ヨンジョ)は流刑中だった密豊君とウィ・ビョンジュに疫病を仕掛けることはできず、他に反乱を企てている者がいると思いました。
夜の王宮。
英祖(ヨンジョ)はチャドンたちに探りを入れさせました。
内禁衛(ネグミ)の兵が慌ただしく動いていました。
王宮の見張り、内禁衛(ネグミ)の兵士、イ・ジェムンは王が外出するという話を同僚から聞きました。
待ち合わせの場所。
五人の仲間の大臣たちは私服姿で待ち合わせ場所に行きました。
李麟佐(イ・インジャ)は大臣たちと会いました。
タルムンのアジト。
英祖(ヨンジョ)はイ・グァンジャとチョ・ヒョンミョンに会いました。イ・グァンジャはパク・ムンスが清州でウィ・ビョンジュを見かけたと報告しました。タルムンもユニョンが清州付近で目撃されたと言いました。英祖(ヨンジョ)は反乱軍がウィ・ビョンジュと密豊君を取り込んだことを察知しました。タルムンは敵の軍勢がどれほどのものか調べねばならないと言いました。
密会場所。
李麟佐(イ・インジャ)は世論を変えるために固い決意で動かねばならぬと大臣たちに言いました。捕盗大将(ポドテジャン)ナム・ギョンジン、平安道ピョンサイ・サギョン、兵曹の武官イ・サチョルが軍を率いて現れました。五人の大臣はその様子を見て驚きました。
「ここにいる我々すべては老論の横暴に耐えて来た。南人と少論のすべては奴らに命を奪われ排除された。なのに先王を毒殺した今の王は再び老論を登用した。母の身分も低く兄を殺した主上(チュサン)に我々がどうして従うことができようか。だから我らはこの腐った世の中をひっくり返す。どのような犠牲があっても、必ず。そして我らの手で世論を変えるのだ。」
李麟佐(イ・インジャ)は言いました。
武官たちは雄たけびを上げました。
真夜中の清州。
役人はウィ・ビョンジュと会いました。役人はわざと妓房(キバン)にいたと答え、武器庫の鍵を渡しました。ウィ・ビョンジュは成功したら役人を官職に引き立てることを約束しました。パク・ムンスは二人のやり取りを聴いていました。
早朝の砦。
李麟佐(イ・インジャ)が砦に戻りました。
密豊君は李麟佐(イ・インジャ)の手下が王に阻まれびびっていると嫌味を言いました。
李麟佐(イ・インジャ)は密豊君を無視して行きました。
砦の関所。
パク・ムンスは見張りの男を倒し、砦を発見すると驚きました。
砦の建物の中。
ウィ・ビョンジュは武器庫の鍵を李麟佐(イ・インジャ)に渡しました。
「都城(トソン)でしくじったと思うなら手を引けばいい。我々は長い間準備をしてきた。しくじることはない。同志はここ以外にも慶尚、全羅、ピョンアン道にいる。挙兵すれば没落した両班や収奪に苦しむ民が立ち上がる。王宮にも仲間がいる。」
李麟佐(イ・インジャ)は言いました。
パク・ムンスは小屋の外で李麟佐(イ・インジャ)の話を聞いていました。
密豊君は倒れている見張りの兵士を見つけました。近くにパク・ムンスの衣が捨てられていました。密豊君が侵入者の存在を仲間たちに知らせました。
パク・ムンスは勝手に馬を借りて乗って行きました。
砦。
ウィ・ビョンジュは李麟佐(イ・インジャ)にバレたのではないかと尋ねました。
李麟佐(イ・インジャ)は計画を今夜に早めました。
ウィ・ビョンジュと密豊君は李麟佐(イ・インジャ)を信用していませんでした。
王宮。
英祖(ヨンジョ)は文書を読むと、すべての大臣を呼ぶよう命じました。
タルムンのアジト。
パク・ムンスはタルムンに会い、捕盗大将(ポドテジャン)らが反乱を企てていると言いました。
王の部屋。
英祖(ヨンジョ)はタルムンを通じて李麟佐(イ・インジャ)が反乱を企てていることを知りました。英祖(ヨンジョ)はイ・インジャの間者を探るようミン・ジノンとチョ・テグの二人に密命を下しました。
会議室。
英祖(ヨンジョ)は李光佐(イ・グァンジャ)を兵曹判書に任命し、チョ・ヒョンミョンを五衛都聰管(オウィトチョングァン)に任命しました。大臣たちは動揺しました。
少論の部屋。
チョ・テグとその部下は反乱の陰謀があるので李光佐(イ・グァンジャ)とチョ・ヒョンミョを呼んだと仲間に話しつつ、仲間の中にいる間者を探りました。
王宮の一角。
老論派の高官は国王が疫病の本質に気づき始めて謀反を疑っていると捕盗大将(ポドテジャン)に報告しました。そこに閔鎭遠(ミン・ジノン)とその側近がやって来ました。ミン・ジノンは二人にしっかり務めを果たすよう言いました。ミン・ジノンは二人を疑いました。
砦。
出陣の命令が伝えられました。
李麟佐(イ・インジャ)は挙兵前に英祖(ヨンジョ)を暗殺するつもりでした。
王の部屋。
英祖(ヨンジョ)は李麟佐(イ・インジャ)たちにすべての間者を捕らえるよう命じました。
少論の部屋。
趙泰耉(チョ・テグ)は工曹参判(コンジョチャンパン)と兵曹参判(ピョンジョチャンパン)を見張るよう側近に命じました。
閔鎭遠(ミン・ジノン)は李光佐(イ・グァンジャ)に捕盗大将(ポドテジャン)ナム・ギョンジンと兵曹参知イ・サチョルが怪しいと伝えました。
司憲府(サホンブ)。
ユン・ヒョクは監察たちとアボンとチャンダルを連れて行きました。チュ・ヨンハンには声が掛かりませんでした。
夕方。
パク・ムンスはユン・ヒョクから刀を受け取り、監察の服に着替えました。
夜の王宮。
内禁衛将(ネグミジャン)は反乱が起きるかもしれないと言って兵を集めて警戒に当たりました。イ・ジェムンはしかと持ち場を守ると内禁衛将に言いました。
内禁衛(ネグミ)のイ・ジェムンは今夜中に王の首を取ると仲間に伝えました。
ヨジは兵が慌ただしく動いている様子をおかしいと思いました。
大殿(テジョン)。
内禁衛(ネグミ)の従事官(チョンサガン)イ・ジェムンは「大殿(テジョン)は私が守る!」と言って部下を下がらせました。男は反論する兵士を斬りました。
左捕盗庁(チャポドチョン)。
捕盗大将(ポドテジャン)は部下からイ・ジェムンから報告があり王は反乱に気づいていると言いました。
右捕盗庁(ウポドチョン)。
李光佐(イ・グァンジャ)が兵曹の軍勢を率いてやって来ました。
左捕盗庁(チャポドチョン)。
捕盗大将(ポドテジャン)が本軍と合流しようとすると、パク・ムンスたち司憲府(サホンブ)の監察が現れ戦になりました。
宣政殿(ソンジョンジョン)の内。
ヨジは王を暗殺しに来たイ・ジェムンと戦いました。
英祖(ヨンジョ)はイ・ジェムンの首に刀を突きつけました。
イ・ジェムンはチャドンたちに捕らえられました。
宣政殿(ソンジョンジョン)の前。
李光佐(イ・グァンジャ)はパク・ムンスとユン・ヒョク、アボンとチャンダルらとともに捕らえた反乱軍を王の前に差し出しました。
ヨジは柱の陰からその様子を見守っていました。
閔鎭遠(ミン・ジノン)は趙泰耉(チョ・テグ)に会い、大臣たちを捕らえたと報告しました。チョ・テグは腐った枝を切り落とし、朝鮮という大木を守るべきだと答えました。
王の部屋。
パク・ムンスは英祖(ヨンジョ)に軍勢が各地にいると報告しました。
英祖(ヨンジョ)はチョ・ヒョンミョンが軍勢を率いて清州に向かったと言いました。
会議室。
英祖(ヨンジョ)がイ・グァンジャに会うと、チョ・ヒョンミョンから連絡があり清州城が陥落したと報告を受けました。
夜明け前。
反乱軍の狼煙が上げられました。
清州城は既に李麟佐(イ・インジャ)に襲われていました。反乱軍は歓声を上げました。
王宮。
英祖(ヨンジョ)は怒りました。
感想
韓国ドラマ「ヘチ」20話の感想です。意外とあっさりパク・ムンスが基地を見つけて、王宮内の間者を捕らえることができました。早く解決したので感想らしい感想は無いですが、今回の見どころは左議政のミン・ジノンと右議政のチョ・テグが協力してそれぞれの派閥の中にいる間者を炙りだしたところでしょうか。そして李光佐(イ・グァンジャ)とチョ・ヒョンミョン、パク・ムンスの官職への復帰。
李麟佐(イ・インジャ)の存在はこのドラマにとってはおまけのような存在で、韓国の人なら歴史で結果がどうなったか明らかです。
このときのパク・ムンスの役職は単なる監察ではなかったはずです。
当初は勢いがあった反乱軍でしたが造反が相次ぎ・・・。
ということです。
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