輝くか、狂うか17話
あらすじ
すすむべき道
王昭(ワン・ソ)皇子はヨウォン公主の部屋を訪ね、解毒剤を求めました。ヨウォン公主は解毒剤は無いと答えました。ワン・ソは異母姉である妻に「あなたは人ではなく獣だ」と言いました。ヨウォン公主は少女の頃に、自分と弟のウクを殺そうとしたのは忠州(チュンジュ)家、その家出身の定宗(チョンジョン)は恵宗(ヘジョン)を暗殺して王位に就いたのだと言いました。ヨウォン公主は肉親道士で殺し合う状況が嫌で誰よりも強い皇帝を望んでいました。
「殿下を助けるために、副団長を殺そうとしました。五年前、皇命もなく開封(ケボン)で婚礼を挙げたことを隠すために。」
ヨウォン公主はつらそうな表情を浮かべて言いました。
「お互いの持つ手札を、下ろしましょう。開封での婚礼を、皇帝陛下に毒を盛ったことも。もう一度最初から(二人の関係を)はじめましょう。」
王昭(ワン・ソ)は妻に言うと部屋を出て行きました。夫が去ると、ヨウォン公主は声を殺して泣きました(※ ヨウォン公主も、命を守ることに必死で、いろいろ我慢してつらかったのです)。ワン・ソも庭に出ると、悲しそうに笑いました。
青海商団(チョンヘサンダン)。
王旭(ワン・ウク)皇子は偽の帳簿を「本物だ」と官吏に言いました。シンユルはショックで気を失ってしまいました。
「(私を恨みたければ恨むがよい。嫌いたくば嫌うがよい。私がそなたを守れるならそれでよい。)」
王旭(ワン・ウク)はシンユルを想いました。
ヤン・ギュダルは青海商団の財物と運営権を豊友商団(プンウサンダン)引き渡す書類に印を押しました。
「もうおしまいなのですか?」
ヤン・ギュダルは暗い表情でワン・ウクに尋ねました。
「豊友商団(プンウサンダン)にすべて引き渡したため商いはできる。」
ワン・ウクは答えました。
ペンミョは帰ろうとするワン・ウクに詰め寄り「お嬢様にどうしてこのような仕打ちをするのですか。青海商団はお嬢様にはなくてはならないのです!」と泣きつきました。
「これからは私を信じるな。」
王旭(ワン・ウク)は去りました。
皇帝の部屋。
定宗(チョンジョン)は刀を抱いて玉座の裏に隠れていました。
王昭(ワン・ソ)は正装して兄に会いに来ました。
「兄上。兄上。ここにいらっしゃったのですか。」
王昭(ワン・ソ)は兄の刀を預かろうとしました。
定宗は拒否しました。
「そんなに怖がって。刀を抱いたまま寝るつもりですか?」
ワン・ソは言いましたが定宗(ワン・ヨ)は答えませんでした。ワン・ソはヨウォン公主が肉親同士殺し会って皇帝の座を求めたといっていたことを思い出しました。
「兄上はそうやってこの国の至尊の座を、そうなのですか?アイゴ~。かわいそうな兄上。これから俺は、何を守ればいいのですか?一体何を、信じればいいのですか?かわいそうな兄上。ジモン。俺は太祖(テジョ)陛下に会いに行く。」
ワン・ソは涙を流しました。
ワン・ゴンを祀る霊廟。
太祖(テジョ)はかつて、ワン・ソに夢を語っていました。
「夢があった。どのような功臣の勢力よりも皇帝が強い高麗。民が豪族に搾取されない高麗。千年万年たっても、続いていく高麗を夢見ていた。」
「チモンよ。そなたの知る太祖(テジョ)陛下はどのような方だった?」
ワン・ソはチュ・ジモンに尋ねました。
「太祖(テジョ)陛下は大きなお城のようなお方でした。」
ジモンは答えました。
「俺には英雄だった。幼いころに山へ送り、自分の感情よりもこの国高麗のために、この国の民のために、自分が正しいと信じた道のために空虚な心を鎮め、自身が信じた道を行く。そんな英雄だった。誰かの善は誰かの悪だ。人はそれぞれ信じた道で、自身が見たい場所を見る。おもしろいではないか。やっとわかりました。疲弊しきった寂しい英雄の影が。父上との約束を守り、その道に沿ってきましたが、これからは自分の道を行きます。自分で善悪を判断し、道をさがします。その道が正しいからは、最後まで行ってみないとわかりません。父上がそうなさったように。」
ワン・ソは父の肖像画に話しかけました。
(※ 実のところ、今までの韓ドラにないほどの、名台詞です!)
ワン・シンニョムの隠れ家。
「セウォンよ。ヨウォン公主はもうお前を信じぬだろう。私は、お前を信じている。ゆえにすべての力を尽くして私に忠誠を示すのだ。それがお前の過ちを赦す唯一の道だ。」
ワン・シンニョム(王式廉)はシンユルを生かしたセウォンに言いました。セウォンはこうべを垂れました。
王旭(ワン・ウク)はワン・シンニョムに青海商団が執政の手に渡ったことを報告しました。
夜のヨウォン公主の部屋。
ワン・ソが妻を訪ねて来ました。
「あなたは俺のことを金剛山(クムガンサン)で人らしくたくましく育ったと言い、あなたは食うか食われるかの世界で獣のように育ったと言ったな。俺はあなたを理解してみせる。その残酷な世界で生きて来たあなたを理解できるように努力する。だがあなたのやり方には同意できない。いいか公主。重要なのはこれからだ。この国高麗の皇室の血まみれの争いを、俺が終わらせようと思う。ワン執政を退け、皇帝らしい皇帝を作る。」
ワン・ソは妻に決意を見えました。
「太祖(テジョ)陛下、お父さまにもできませんでした。」
ヨウォン公主は言いました。
「だから俺とあなたが、一緒にその道を行かねばならぬのだ。もしかしたら今の瞬間が一緒に同じ場所を見つめるはじまりかもしれぬ。ここに俺の気持ちを、置いていきます。」
ワン・ソは初めて妻に心を預けました。
青海商団。
シンユルは具合が悪くなり病床に臥せっていました。そこにワン・ソが見舞に現れました。
「兄者。」
シンユルは目を覚ましました。
「ケボン。俺のケボンは悪い夢を見ていたのか?」
ワン・ソは優しくシンユルの手に触れました。
「悪い夢でした。私のせいですべてを失ってしまいました。兄者に迷惑をかけて青海商団も・・・。」
「大丈夫。大丈夫だ。何も心配するな。ケボンや・・・。」
ワン・ソが言うと、シンユルは眠ってしまいました。
ペンミョは引き続きシンユルを看病しました。ヤン・ギュダルとカンミョンは心配そうにシンユルを見守りました。
「昨日、ソソ兄者の夢を見たの。青海商団が奪われたのは、現実よね。」
シンユルは力なく言いました。
ヤン・ギュダルはワン執政(シプチョン)のせいだろ、と刃向かったことを後悔していました。
部屋のキョンが現れ品物が持ち出されていると報告しました。
シンユルたちが庭に出ると、王旭(ワン・ウク)皇子が豊友商団に品物を運ぶよう兵士にめいじていました。ペンミョは「皇子様の人が変わってしまったようだ」と言いました。
貴賓室。
シンユルはワン・ウクを部屋に招いて茶菓子でもてなしました。
「私を恨みたくば、恨めばよい。」
王旭(ワン・ウク)は伏し目がちに言いました。
「殿下がこのようになさるのは理由があるはずです。その理由を教えてくださいませんか?もしかして、私を守るためですか?何が私を守ることになるのか、あなた様は考え違いをしておられます。団員は私の家族で、世界で、守るべき人です。私が傷つくよりも、団員が傷つくことのほうが耐えられません。ですからもうやめてください。」
シンユルは言いました。
「いや。そなたが危険な目に遭ったら、私は何としてでも守る。心をくれとは言わぬ。あなたの礼もいらぬ。あなたの命だけは、私が守る。」
王旭(ワン・ウク)は硬い表情で言いました。
(※ なんてステキなセリフなのでしょうか!)
商団の門。
王旭(ワン・ウク)は大きなため息をついて去りました。
「あんな人に礼をする必要ないわ。」
ペンミョはシンユルに言いました。
「そんなに悪く言わないで。」
シンユルはペンミョに言いました。
黄州家の庭。
王旭(ワン・ウク)が戻って来ました。
「どこへ行っていたのだ。」
ヨウォン公主は澄ました表情で弟に尋ねました。
「私は言ったではありませんか。副団長に手を出さないでくださいと。」
ワン・ウクは強い口調で言いました。
「お前が自分のものにしないからだ。」
「姉上!」
「お前はワン執政の配下になったのか?」
「勝てない者には屈服し、得られるものはできるだけ得るべきだ。これが、高麗の皇室で我々が学んだ生存法ではありませんか?だからその目は何ですか?私と姉上が学んだ生きる手段であり、勝つ方法は学んでません。高麗の皇室で育った者は誰でもそうです。」
「そうか。高麗の皇室で育った者は皆そうであろう。だが、そうでない者は違うかもしれぬ。」
「違う。ソ兄上は私よりもひどい目に遭い、屈服するはずです。その隣にいる人も同じ目に遭うでしょう。副団長を、そのような目に遭わせられません。」
「お前が望む世界は一つ。シンユル、あの子がいる世界だな。」
「私たちはワン執政に勝てるでしょうか?ワン執政は豪族たちの王です。ソ兄上も結局、ワン執政に勝てぬでしょう。」
「本当に、お前はそう思っているのか?」
ヨウォン公主は夫のワン・ソがワン執政を倒して強い皇帝を作りたいと言っていた話と、弟が無理だと言っていた話を思い出しました。ヨウォン公主は袖の中から二枚の青銅鏡の破片を取り出しました。
「そろそろ、始めましょう。殿下(※ワン・ソのこと)。」
ヨウォン公主が会わせた鏡には「王式簾」と書かれていました。
夜の青海商団。
「今まで、青海商団で働いてくれて、ありがとう。」
シンユルは商人たちを部屋に呼び、賃金が払えないので去ってよいと言いました。キョンや侍女たちはお金はいらないのでここに居させてほしいと言いました。キョンは「つらくても一緒にいるのが家族です」と言いました。
「ごめんなさい。私には何の策もないの。何をどうやっていけばいいかわからない。」
シンユルは言いました。
「ヘッヘッヘッヘ。アイゴ~。アイゴ~。まったく情けないな。こういうときは腹を満たすのだ。」
ワン・ソが部屋に現れました。
「こうなる前に来てください。一文無しになりました。」
ヤン・ギュダルは困ったようにワン・ソに言いました。
ワン・ソは「名案は飯を食った後に出るものだ」とみんなに食事を与えて励ましました。
「このクッパは何だ?王の牛(ワン・ソ)のクッパ~!」
ワン・ソは炊き出しをしているギルボクと一緒に叫びました。ギルボクはいつの間にかシンユルの侍女と親しくなっていました。
カンミョンとヤン・ギュダルは落胆していました。ヤン・ギュダルは初めて一文無しになったと言うと、ペンミョはギュダルが身に付けている物を売ると半年は食べていけると言いました。シンユルは兄に着ている物を売るように言いました。ヤン・ギュダルは渋々毛皮と装飾品を差し出しました。シンユルも耳飾りを外しました。カンミョンは五年前にも「郭という名がつく声の低い男の妹に手を出してひどい目に遭ったな」と話を持ち出すと、ギュダルは「愛だった」と釈明しました。
ギルボクはヤン・ギュダルが格闘大会で有り金をスッたことを思い出しました。
「ケボンや。温かいうちに食え。」
ワン・ソはシンユルに言いました。
部屋。
ワン・ソはシンユルに「ヨウォン公主が開封での婚礼の沈黙を守り、もうお前を傷つけることはない」と打ち明けました。シンユルは解毒剤は誰かに渡ったのではないかと言いました。ワン・ソはウクが解毒剤を持ち去ったとひらめきました。
「ケボンや。俺が解決してみせる。俺がお前を助け、青海商団を助け、高麗の皇室も立て直す。その時まで俺を信じて待ってくれ。」
ワン・ソが言うと、シンユルは信じました。
日中の太祖(テジョ)の霊廟。
ワン・ソは弟のウクを呼び出しました。
「父上は老衰で亡くなったのではない。何者かに毒殺されたのだ。ワン執政が従兄であり皇帝陛下だった父上を毒殺したのだ。」
ワン・ソが言うと、ウクは驚きました。
「だから?昨日の敵(執政)と手を結ぶのが我々皇室の日常です。それがどうしたというのですか?」
ウクは言いました。
「父上は、高麗皇室の皇子と豪族との間に争いを生じさせた。だが火をあおったのはワン執政だ。(皇子たちが)お互い殺し合う状況を作り、俺たち兄弟を駒として使っている。一緒にこの戦いを終わらせよう。陛下の解毒剤を持っているのだろう?俺にくれ。」
「嫌です。」
「大逆罪になりたいのか?執政の罪はもうすぐ明らかになる。証拠もある。」
「その証拠は何ですか?」
「銅鏡だ。解毒剤をくれ。執政を討たねばならぬ。」
「私が皇帝になるために執政が必要なことと、兄上が陛下を守るために執政を討つことと、一体何が違うのですか?」
「俺は皇帝陛下だけでなく俺の弟のウク、お前のことも守りたいのがわからぬか!」
「証拠を見せてください。私は自分で確かめなければ、解毒剤のありかを教えられません。」
「お前!父上にご挨拶してから行け。」
ワン・ソは兄らしく言いましたが、ウクは心を閉ざしたまま霊廟から出て行きました。
ワン・ソの隠れ家。
ワン・ソはウンチョンと落ち合いました。ワン・ソはワン執政の自宅の周囲で騒ぎを起こして従者の気を引き付けるようウンチョンに命じました。ワン・ソは秘密部屋にある銅鏡を手に入れることに決めました。
ワン・シンニョム(王式廉)の秘密部屋。
間者(※ 青海商団で官吏に扮していた目つきの細い男)はワン・シンニョムに青海商団の副団長が持っていた「奴婢帳簿(ノビチャンボ)」という奴婢の購入日と金額が書かれた帳簿を渡して奴婢の中で商団にいるのは三名しかおらず他の奴婢の行方はわからないと説明しました。
ワン・シンニョム(王式廉)は残りの奴婢の居場所を突き止めるよう間者に命じました。
ワン・シンニョム(王式廉)は馬に乗って外出しました。
ワン・ソは「中で待つ」と執政の従者に言いました。従者は仕方なくワン・ソを部屋に案内し、別の使用人に執政に連絡するよう合図しました。
しばらくして「泥棒だ!」と部屋の外で見張りの兵士が叫ぶと、ワン・ソを監視していた従者は思わず部屋から飛び出して行きました。覆面をしたウンチョンが庭で暴れていました。ワン・ソは隠し部屋に通じる扉を開けてみましたが、足音がしたのでもとの席に戻りました。
ワン・シンニョム(王式廉)が慌てて戻って来ると、ワン・ソは椅子に腰かけたまま待っていました。ワン・ソは「監督官として話したいことがあります」と立ち上がりました。
「青海商団のすべてが豊友商団のものになりました。ご存知ですか?」
「かような商団ごときを私が知ると思いますか?」
「豊友商団の主人は執政ではありませんか?」
「初めて聞きますな。」
「失望しました。執政がそのようなつまらぬ人だとは。父上と三韓統一(サマントンイル)するため戦場を共にした人ではありませんか。かように小さな商団ではなく、奪うなら契丹族ほどの大物でないと、見損なわれますよ?違いますか執政。」
「陛下。お言葉はよく慎まれるべきかと肝にお命じくださいませ。」
「執政は気にしないでください。私は言いたいことを言ったまでです。金剛山(クムガンサン)に追放される前のことですが、父上と執政は偉大な英雄でした。戦に勝って戦場から戻られた執政の雄姿は忘れられません。なのに、今の執政を見ると、心がうずきます。あの偉大で情熱的だった狼が、欲深くて醜い狼になりました。最後に戦に勝ってお戻りになったときに、刀を他の世代に引き継いでいたら、高麗のすべての民の心の中に鮮明に焼き付いたはずです。小さな商団を手に入れて喜ぶ、欲深く醜い狼でない姿が。執政。今すぐ鏡をご覧ください。どこに立っているのは情熱的で偉大な狼でしょうか?それとも欲深く醜く年老いた狼が立っているでしょうか。叔父上様。また来ますね。」
ワン・ソはワン執政に深々とおじぎをしました。
ワン・シンニョム(王式廉)は机を叩いて憤りました。
青海商団。
シンユルはカンミョンたちに打開策を求めました。カンミョンはこれまで得た信用で掛け取引をしてみてはどうかと言いました。ペンミョはインドから香辛料が届くと言いました。シンユルはその代金として三万本の人参(インサム)が必要だと言いましたが、人参は奪われてしまいました。シンユルはペンミョとともに資金を集めることにして、カンミョンとヤン・ギュダルに人参を確保するように言いました。
シンユルとペンミョは他の商団に掛け合いましたが、断られました。カンミョンとヤン・ギュダルもまた断られました。商人たちに豊友商団からの圧力がかけられていました。
シンユルが買った奴婢たちが「私たちも売られるかもしれない」と思って僅かな品物を持って青海商団に現れました。
シンユルは奴婢を抱き締めると「あなたたちを売ることはないから」と約束して必ず店を立て直す決意を見せました。
間者の男は奴婢の一人がヒョシムという名であることを聞いて、あとをつけました。
店を見張っていたセウォンは間者の様子に気が付きました。
間者は奴婢たちが到着した村の子どもに尋ねると「青海村(チョンヘマウル)です」と少年は答えました。
秘密部屋。
間者はワン・シンニョムに青海村のことを伝えました。
ワン・シンニョムは調査を続けるように命じました。
庶民の酒場。
「副団長を殺していたら、私はお前を殺していただろう。なぜ生かした。」
王旭(ワン・ウク)はセウォンに酒を飲ませて尋ねました。
「執政の命令でしえた。」
セウォンは答えました。
「いや。副団長がお前の妹だったから、姉上が殺せという命令に逆らったのだ。青海商団には行ったのか?」
「行ってません。」
セウォンは嘘をつきました。セウォンは酒場の前の呉服店と隣の書店、客のいない宿が怪しい(ワン・ソの隠れ家)ので今後も部下に見張らせるとウクに報告しました。
ウンチョンは間者の気配を感じるとワン・ソの腕を引いて路地に隠れました。
「敵に隠れ家が見つかりました。」
酒場。
ワン・ソはウンチョンにワン執政の秘密部屋に通じる道を見つけ、赤装束の間者らしき者たちがいたと言いました。
「今夜亥の刻にすべての早衣仙人(チョイソニン)を呉服店に集めろ。」
「敵に隠れ家が見つかったのに?」
「赤装束の間者を引き付け秘密部屋に入るのだ。」
「執政と出会ったら?」
「執政を殺してはならぬ。謀反の証拠が揃ってないと功臣の豪族たちは第二の執政を生み出すだろう。謀反は銅鏡が揃った時に、執政とその勢力を討つのだ。敵に情報を流せ。徴収令が遅れている。ワン執政は何か企んでいる。徴収令が出される前にすべて終わらせる。」
ウンチョンはわざとらしく呉服店に行くと「亥の刻に殿下も加わるので集まるように」と手下に命じました。その様子をワン執政の間者が盗み聞いていました。
秘密部屋。
ワン・シンニョム(王式廉)は王旭(ワン・ウク)に兵を集めてワン・ソを討つように言いました。しかし王旭(ワン・ウク)は「子猫を狩るのに虎は必要ないでしょう。私はここに残ります」と断りました。
夜になりました。
早衣仙人(チョイソニン)たちは忍者姿でワン執政の屋敷に向かっていました。
数人の赤装束の間者と、ワン執政の兵士は呉服店の周囲に集まりました。
ウンチョンは呉服店に入ると二人の部下と合流して密かに店を抜け出しました。
ワン執政の兵が呉服店を取り囲んでいる間、早衣仙人(チョイソニン)たちはワン執政の屋敷に到着しました。
忍者姿のワン・ソはウンチョンに外で待つよう命じると、一人で秘密部屋に忍び込みました。
秘密部屋。
ワン・ソは銅鏡を手に入れるため、初めて部屋に入りましたが円卓には誰もいませんでした。ワン・ソは机の中央を調べ、銅鏡を手に入れました。そこに赤装束の男(ウク)が現れワン・ソに襲い掛かりました。
「ウク・・・。」
感想
韓国ドラマ「輝くか、狂うか」17話の感想です。やっぱりチャン・ヒョクは武人として戦っている時が一番カッコイイです。この役者さんに高貴な役は似合いません。ここに来て、登場人物が醜い動物的な本性を見せ始め、ドラマが面白くなってきました。人間は、本性むき出しで汚いほうがドラマが面白いです。気持ちを隠して美しく振舞っている姿は、全然魅力を感じません。でもそうやって本性を隠してつまらなく生きているのが私たちです。
王旭(ワン・ウク)は基本的に「いい人・悪い人」が混ざっています。「偽悪」をする場面や「善」を行う場面、そして「悪」を行う場面。ヨウォン公主は悪を自覚しているだけまだ大人ですが、王旭(ワン・ウク)皇子は「見境がなくなっている」状況です。つまり恋に溺れて自分の冷静さや判断能力を失っているのです。今の王旭(ワン・ウク)は心が乱れて正気ではありません。そこでこのドラマの「輝くか、狂うか」というタイトルです。定宗こと王尭(ワン・ヨ)は完全に正気を失ってしまっています。
このドラマの脚本はほんとうによくできていると思います。
定宗(チョンジョン)が毒を盛られ、脳に毒素がまわって具合が悪くなったせいで恐怖心でいっぱいになっている様子は本当によく描かれています。人間の弱点は脳ですから、その脳が冒されると痛みで物事を認識することが難しくなってきます。誰でもそうですが、ちょっとオツムが痛いと、痛みに気を取られて外の事に集中できなくなりますよね。それが慢性化すると、なかなか、どんな偉人でも冷静になることはできません。これは本当に人間の一番の弱点といえましょう。脚本を書いている人はそのことがよくわかっていて人間のことをよくわかっているように思います。
なんだかべた褒めしてしまいました。
今回のセリフにも魅力的な言葉がありまして、本当に重要なセリフであることがわかります。ワン・ソは父のことを偉大な英雄ではなく、一人の人間として、豪族(開国功臣)を排除できずに苦しんでいたことをはじめて理解したのです。
開国功臣が奴隷や物を独占すると、皇室の財政が弱くなって、財政が整わないと王朝が長続きしなかったり不安定になってしまいます。そして武臣のような勢力が国王を操縦する傀儡政権が誕生してしまうのです。この国内の豪族に大きな力がある状況は歴史的にも紛争が終わらない原因そのものであるんです。そうなると、外敵にやられやすい、つまりは国が弱いという状況にあるといえましょう。国を長く存続させるためには、君主が豪族よりも強くなければならず、豪族は力を持ってはいけないのです。なおかつ、君主は贅沢三昧してはならないというのが歴史の法則です。これらのルールを破った国は、例外なく滅んでいます。世界での我が国の立ち位置を冷静に把握することも重要です。
劇の中でワン・ソは父が道なき道を歩んでいたことをはじめて知りました。自分の人生を行くfということは、そもそも答えのない道を行くことそのものなのです。母親にいじめられたとか、妻に愛されないとか、そういうことは、自分が望むように生きるという人生の目的と比べたら、ほんとうに取るに足らないことなのであり、いちいち心を揺さぶられている暇すらないことにワン・ソは17話で初めて気が付いたのです。
自分が正気のまま生き抜くためには、感情の奴隷になる必要は無く、感情などというものは、とるに足らない、喜びでさえも、ただの感覚でしかないのです(※ 私の意見です)。
王旭(ワン・ウク)は基本的に「いい人・悪い人」が混ざっています。「偽悪」をする場面や「善」を行う場面、そして「悪」を行う場面。ヨウォン公主は悪を自覚しているだけまだ大人ですが、王旭(ワン・ウク)皇子は「見境がなくなっている」状況です。つまり恋に溺れて自分の冷静さや判断能力を失っているのです。今の王旭(ワン・ウク)は心が乱れて正気ではありません。そこでこのドラマの「輝くか、狂うか」というタイトルです。定宗こと王尭(ワン・ヨ)は完全に正気を失ってしまっています。
このドラマの脚本はほんとうによくできていると思います。
定宗(チョンジョン)が毒を盛られ、脳に毒素がまわって具合が悪くなったせいで恐怖心でいっぱいになっている様子は本当によく描かれています。人間の弱点は脳ですから、その脳が冒されると痛みで物事を認識することが難しくなってきます。誰でもそうですが、ちょっとオツムが痛いと、痛みに気を取られて外の事に集中できなくなりますよね。それが慢性化すると、なかなか、どんな偉人でも冷静になることはできません。これは本当に人間の一番の弱点といえましょう。脚本を書いている人はそのことがよくわかっていて人間のことをよくわかっているように思います。
なんだかべた褒めしてしまいました。
今回のセリフにも魅力的な言葉がありまして、本当に重要なセリフであることがわかります。ワン・ソは父のことを偉大な英雄ではなく、一人の人間として、豪族(開国功臣)を排除できずに苦しんでいたことをはじめて理解したのです。
開国功臣が奴隷や物を独占すると、皇室の財政が弱くなって、財政が整わないと王朝が長続きしなかったり不安定になってしまいます。そして武臣のような勢力が国王を操縦する傀儡政権が誕生してしまうのです。この国内の豪族に大きな力がある状況は歴史的にも紛争が終わらない原因そのものであるんです。そうなると、外敵にやられやすい、つまりは国が弱いという状況にあるといえましょう。国を長く存続させるためには、君主が豪族よりも強くなければならず、豪族は力を持ってはいけないのです。なおかつ、君主は贅沢三昧してはならないというのが歴史の法則です。これらのルールを破った国は、例外なく滅んでいます。世界での我が国の立ち位置を冷静に把握することも重要です。
劇の中でワン・ソは父が道なき道を歩んでいたことをはじめて知りました。自分の人生を行くfということは、そもそも答えのない道を行くことそのものなのです。母親にいじめられたとか、妻に愛されないとか、そういうことは、自分が望むように生きるという人生の目的と比べたら、ほんとうに取るに足らないことなのであり、いちいち心を揺さぶられている暇すらないことにワン・ソは17話で初めて気が付いたのです。
自分が正気のまま生き抜くためには、感情の奴隷になる必要は無く、感情などというものは、とるに足らない、喜びでさえも、ただの感覚でしかないのです(※ 私の意見です)。
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