輝くか、狂うか1話
あらすじ
プロローグ
夜の皇宮(こうきゅう=ファングン)。王族の二人の少年と一人の少女は皇帝の玉座の後ろにある扉を開けて、部屋に忍び込みました。子どもたちは高価な宝飾品に手を伸ばしました。少女は赤い絹に金の刺繍が施された布(※後でこのフードが登場します)を頭から被りました。水色の服を着た少年は卓上にあった象牙細工を手に持ちました。赤い服を着た少年は黄金の兜をかぶりって遊びました。水色の服を着た少年が皇帝の衣に掛けられた黄金の蝶の飾りに手を伸ばすと、飾りが落ちて、羽が二つに割れてしまいました。
「どうしたらいいの?」
少女と少年は割れた飾りを拾い首をかしげました。兜をかぶった少年も駆け寄りました。
「皇帝陛下(ファンジェペーハー)がお静かにお休みになられる房(バン=お部屋)です。入ってはなりません。」
白髪の老人が現れ(おそらくチュ・ジモン)子どもたちに言いました。
水色の服を着た少年は「これは割れてしまったのだ。どうすればよいのだ?」と老人に尋ねました。
老人は「この玉佩(オクペ)はもともと二つに分かれていた物にございます。と少年んい言いました。
赤い服を着た少年は「どして二つに割れていたのだ?」と尋ねました。
「長い長いお話でございます。」
老人が言うと、少年たちは話を聴きたいと目を輝かせました。
老人は少年と少女を楼閣に連れて行くと話を始めました。
「あの破軍星が血のごとく赤く輝いていたある日、高麗(コリョ)に皇子様(ワン・ソ)がお生まれになりました。とても恐ろしい予言とともに・・・。」
高麗時代(子どもたちがいたのと同じ楼閣)。
占星術師で内侍(ネシ)のチュ・ジモンは皇帝陛下に破軍星が血のごとく輝いていたことを報告しました。「お産まれになったのが皇子様なら皇室に血が流れ多くの者が死ぬことになるでしょう。」とチュ・ジモンは予言しました。皇后は階段の下で二人が話をしているところを偶然聞いてしまい、ショックを受けて階段によりかかりました。
「だが、血だけが流れるのではなく、光をもたらします。」
王妃が侍女と立ち去ると、チュ・ジモンは続けました。
お妃の部屋。
妃は赤ちゃんを産みました。
「皇子様に下された予言通り、多くの人が死にました。それで幼い皇子様は金剛山(クムガンサン)に蟄居されました。ところが、王子様を光に導く紫微星(しびせい)のもとにお生まれになった二人の公主様(お姫様)が現れました。高麗の公主様。そして渤海(パレヘ)の公主(コンジュ)様。」
(老人の解説。)
「それで、ほんとうに呪われた皇子様は公主様に出会ったのか?」
少女は老人に尋ねました。
「どっちらの方と会ったのだ?」
水色の服を着た皇子は老人に尋ねました。
「会おうとしなくとも、会うものです。それが、天の定めの運命です。」
老人は黄金で出来た蝶を組み合わせました。
本編
金剛山(クムガンサン)。
「ハハハ。ギルボクや~。今日の夕メシはお前の好きな猪(いのしし)だぞ~!」
皇子(ワン・ソ)は捕らえた猪を担いで従者のギルボクのもとに帰りました。
「皇子殿下(ファンジャチョーナー)。お喜びください。ついにお迎えが参りました!皇宮から人が来たのです~!やったぞやった!」
みすぼらしい服を着たギルボクは指をさしました。
皇子の表情に緊張が走りました。
「皇子様、お元気でしたか?」
男(チュ・ジモン)は皇子に言いました。
皇子は乱暴に猪を地面に置きました。
夜の街道。
皇子を迎えに来た男と、皇子は馬で都に向かいました。
皇宮の城門。
皇子は馬から降りて、門をくぐろうとすると門番に止められました。
回想シーン。
皇帝が少年の頃の皇子を皇宮から追い出す場面。
「どうか皇宮に住まわせてくださいませ。兄上や従者が死んだのは私のせいではありません。大丈夫だとおっしゃいましたよね。父上~!父上~!アボニ~!」
皇子は泣きながら侍女に手を引かれ追放されました。
皇帝は侍女に抑えつけられている皇子を階段の上から見下ろしました。
皇后は建物に隠れて皇子を見ていました。
皇子は何度も父を呼びました。
ギルボクは門の外に追い出された皇子を背負って行きました。
ワン・ソ皇子は昔を思い出すと、皇宮の門をくぐりました。
皇子は刀を肩に、皇帝の部屋に入りました。
「いや~!へい!」
皇帝が刀で皇子に斬りかかりました。
皇子は父の刀を、自分の鞘で受け止めました。
「無駄に時間を費やしていただけではなさそうだな。」
皇帝は皇子に言いました。
「私めを呼んだのは殺すためですか?どうしてあの時殺さなかったのですか!」
皇子は視線を合わさず父に尋ねました。
「金剛山の生活で気性が激しくなったようだな。明日からの講義で性根を直さねばならぬ。」
皇帝は言いました。
「私は皇宮で暮らすつもりはありません。私は殿下にそれを伝えに参ったのです。」
皇子は言いました。
「部屋は昔のままにしてある。」
皇帝は言いました。
「私の部屋は金剛山にございます。」
皇子は言いました。
「父の言葉をどうして聞こうと思わぬのか。」
皇帝は息子に言いました。
「私は罪人の子ですから。」
皇子は父に背を向けました。
「お前は罪を犯したのではなく、誰かが仕組んだのだ・・・。」
皇帝(ワン・ゴン=初代皇帝王建)は言いました。
侍女が、皇后(ワン・ゴンの妃)に耳打ちをしました。
「そうか。そうですか陛下。なら、なぜ私を守れなかったのですか?この国高麗の陛下とあろうお方が!陛下に捨てられてから、私はすべてを失い烙印を押されました。この呪われた皇子が!ふっ。フハハハハハ。礼を言いますよ皇帝陛下。世の中に私を知らしめてくださり。私がいない間、この皇宮(ファングン)は平和でしたでしょう。それなのにどうして私を呼び物すのです?皇帝陛下。」
皇子は父に尋ねました。
「お前に、見せたいものがある。」
父は背後の扉を開けました。
すると、黄金の武具が現れました。
「国を建てる時は、功臣の力が必要だが、国を建ててからは功臣どもを抑えねばならん。そうしなければ、国はすぐにでも滅びてしまう。やは刀を使える(臣下を粛正できる)君主が必要なのだ。」
皇帝は黄金でできた刀を抜いて言いました。
皇帝の宮殿の外。
見張りの者が倒されました。
黒装束の刺客が皇帝のいる部屋に走りました。
「私は今も尚戦っている。この刀で三韓統一(サマントンイル)を果たしたように。私の意に従い、戦いの先頭に立つ武人が必要だ。ウンチョン。お前が指導する皇子だ。」
皇帝は皇子に言うと、天井からウンチョンという黒装束の護衛武士が降りて来ました。
「天命(チョンミョン=御意)。」
ウンチョンは皇帝の命令に従いました。
数人の刺客が後宮の廊下を駆けました。
「この私と一緒に戦ってくれるか?」
皇帝は皇子に言いました。
「私は頭も呪われたようです。皇帝陛下。おっしゃる意味がわかりません。もう少し簡単に言ってください。皇帝陛下。その御手は、私を捨てた手では?」
皇子は言い返しました。
皇帝は息子に差し伸べた手を引っ込めました。
「刺客です。」
ウンチョンは気配を感じて皇帝に言いました。
刺客たちは部屋の外に到着すると、抜刀しました。
皇帝へと続く、何枚もの障子が閉じられました。
ワン・ソ皇子は刀を抜くと、背中に担ぐかのようにして構えました。
刺客は1枚目の障子を蹴り飛ばして部屋に押し入りました。
すると、天井から複数の護衛武士が降りて来て刺客と戦い始めました。
刺客は最後の護衛武士のもとにやって来ました。護衛武士(ホイムサ)の中には若い女人(にょにん)もいました。女武士は生き残り、二人の刺客と対峙しました。
皇子も女武士を守るかのごとく加勢しました。刺客により皇子の上腕が傷つきました。ウンチョンも加勢すると刺客を斬りました。皇帝に二つの手刀(しゅとう)が投げつけられ、皇帝は顔にかすり傷を負いました。生き残った二人の刺客は逃走しました。
「陛下!陛下!刺客でございますか?兄だけでなく(王権)をも殺すつもりか!」
皇后が侍女とともに部屋に駆け付けるなり皇子の頬を叩きました。
「久しぶりに会う息子に何を言うのだ!」
皇帝は皇后に言いました。
「ペーハー!」
チュ・ジモンら侍従が駆け付けました。
「皇后(ファンフ)を部屋に連れて行け。」
皇帝は従者に命じました。
「この子を皇宮に置こうものなら、私は死んでしまうでしょう。」
皇后は皇子を呪って部屋から出て行きました。
「これでも、皇宮に残れとおっしゃるのですか?]
皇子は悲しそうに涙ぐみました。
ウンチョンが死んだ刺客の布をめくると、頭に入れ墨が施されていました。
「刺客は七人でした。五人は殺しましたが二人は逃亡しました。高麗の者ではありません。中原(ちゅうげん、チュンウォン)から来たようです。」
ウンチョンは皇帝に報告しました。
「ウンチョン。すぐに奴らを追え。それから、今夜のことは何もなかった。伏せておけ。」
皇帝は言いました。
「何をおっしゃるんですか?この国の皇帝を殺そうとしたんですよ!必ず奴らを捕らえて戻ったら、金剛山に帰ります。」
皇子は部屋から出て行きました。
「お前たちの首長(スジャン)となる者だ。しかと仕えよ。」
皇帝はウンチョンに命じました。
「天命(御意)。」
ウンチョンは皇子(ワン・ソ)の後に向かいました。
廊下。
「敵を捕まえたければついて着てください。皇子殿下。」
ウンチョンは皇子(ワン・ソ)を導きました。
皇帝の部屋。
皇帝は便殿(ピョンジョン)を片付け皇后に口止めするようにチュ・ジモンに命じました。
敵のアジト。
男は秘密部屋に入ると首領に「皇帝の護衛武士(ホイムサ)い邪魔されました」と皇帝の暗殺に失敗したが短刀を投げたことを報告しました。
硯で墨を擦っている男(ワン・シンニョム)は短刀の行方は自分が調べ、刺客に開京(ケギョン)から離れるよう命じました。
皇宮の屋根。
ウンチョンは雄の蛾を放ち、間者に付けた雌のフェロモンの後を追わせると皇子(ワン・ソ)に説明しました。
王昭(ワン・ソ)はウンチョンとともに蛾を追跡しました。
蛾は港を出港する船にたどり着きました。船に乗っていた男は蛾を斬り殺しました。
ウンチョンは「開封(ケボン、河南省の都市)へ向かう船です」と、間者が船に乗っていることを言い当てました。
王昭は開封に行くと言いました。
皇宮。
皇帝はワン・ソを紫微星(サビソン)のもとに産まれたヨウォン公主を結婚させたがっていました。
チュ・ジモンは黙って聴いていました。
便殿での朝廷の会議。
重臣ファンボ・ジェゴンは自分の孫でもあるヨウォン公主は結婚適齢期を過ぎているので、そろそろお相手を見つける頃合いであると進言しました。ファンボ・ジェゴンは佐丞(チャスン)の息子ワン・プンが相手にふさわしいと言いました。
ワン・シンニョムは作り笑顔で微笑ましいといった感じで話を聴いている振りをしていました。
皇帝はチュ・ジモンと目を合わせました。
皇帝はワン・ソ皇子とヨウォン公主を結婚させると宣言しました。すると、ワン・シンニョムの笑顔が消えました。
皇帝の部屋。
会議が終わり、皇帝は佐丞(チャスン)ワン・シンニョムを部屋に呼び気持ちを確かめました。ワン・シンニョムは「皇帝陛下は三韓統一のために戦った戦友であり血を分けた兄者(従兄)です」と答えました。皇帝は、皇帝の刀に懸けてワン・シンニョムの甥である王昭(ワン・ソ)を守るよう命じました。ワン・シンニョムは命を懸けて誓うと言いました。ワン・シンニョムは皇帝の首に傷があることを確かめると、ほくそ笑みました。
公主の部屋。
ヨウォン公主は花いっぱいの部屋で鉢に浮かべた花びらを手ですくい取りました。その右胸には「あざ」がありました。
船の上。
王昭(ワン・ソ)皇子は船酔いしながら護衛武士のウンチョンとともに後晋(こうしん)の開封(ケボン)に到着しました。
公主の部屋。
ヤン・シンユル公主(※)は鏡を見て自分で化粧を施して、自分の美しさに見とれていました。
青海商団(チンヘサンダン)の楼閣。
ヤン・シンユル公主はアラビアの商人と、外国語で取引をしていました。
「マトラカ大将軍はお元気かしら?カビがあるので胡椒二袋につき磁器一つでどうかしら?」
次に公主はイタリア語で中原で売るワインの取引についてローマ帝国の商人と話をしていました。
すると、門が開いて兵士が現れました。
「ユル~。頼む~助けてくれ~!」
お縄になった義兄ヤン・ギュダルがヤン・シンユルに助けを請いました。
番頭のカンミョンと行首(ヘンス)のペンミョは、あの兄ではダメだと噂しました。
後漢の郭将軍(※すごくいい声です!)は「あの者は私の妹に手を出したのだ」とヤン・シンユルに言いました。
ヤン・シンユルは男に待つよう言いました。
商談が終わり、ヤン・シンユルは郭将軍を部屋に招きました。
ヤン・シンユルはボコボコにされた兄から「詫びに郭将軍に妹を嫁がせると約束した」と聞きました。
郭将軍もヤン・シンユルを気に入りました。
ヤン・シンユルは朝廷への献上品を用意すると提案しましたが、将軍は聞き入れませんでした。
ヤン・シンユルは婚礼を約束したいいなずけがいるので半月後の酉の刻に婚礼を挙げるとと郭将軍に言いました。
話が終わり、行首(ヘンス)のペンミョと番頭のカンミョンは「お嬢様!どうするのですか!郭将軍が直々に祝いにいらっしゃるのよ!」と大いに困惑しました。
ヤン・シンユルは何としてでも偽の高麗人の婿を捜し出すと言いました。
街。
王昭(ワン・ソ)皇子は間者を捜しても見つからず、疲れ切っていました。
ウンチョンは今日で十五日目だと言いました。
ワン・ソは何かを見つけたかのように駆け出しました。
ウンチョンは期待を込めて従うと・・・
「肉まんだ~!」
ワン・ソ皇子はザル一杯に並べられた饅頭(マンドゥ)を手にしてました。
「半時間前に召しあがったじゃありませんか。」
ウンチョンは呆れました。
「これはメシではない。間食(カンジキ)だ。間食。食べないのか?」
王昭は言うと饅頭を買いました。
「満腹では追跡できません。そこまでにしてください。」
ウンチョンは箸でワン・ソの饅頭を払いのけました。
「あれを診ろ。」
ワン・ソは怪しげな男を見つけました。
ウンチョンは男に手刀を尋ねました。商人は確かにこの店の手刀だが買い手は誰かわからないと答えました。
そこに間者が通り、ワン・ソとウンチョンに気が付きました。
ウンチョンは間者の仲間が尾行していることにワン・ソよりも先に気が付きました。
二人は身を隠して逆に間者を追跡しました。
間者は尾行に気が付き逃げました。
ワン・ソは記憶をたどり、間者がある旅籠から出て来たことを思い出しました。
ヤン・シンユルはペンミョとカンミョンとともに旅籠から出て来る男を品定めしていました。ペンミョは「半月も捜しているのにまともな男はいないの」とつぶやきました。カンミョンもまた婚礼まで間に合わないと心配しました。
「フフフハハハハハ。ここだ。私が必ず捕らえてくるからお前は帰りの船を探しておいてくれ。」
ワン・ソはウンチョンとともに旅籠に入りました。
「きゃ~!」
女性たちは悲鳴を上げました。
「ここは極楽か?」
ワン・ソは女たちに見とれました。
太っちょの女はワン・ソに襲い掛かりました。
ワン・ソは女に抱き着きながら、逃げまどいました。
旅籠からワン・ソとウンチョンが女たちに追いかけられて逃げました。
ペンミョはそれを見て「酒代を払わずに逃げたのね」と呆れました。
宿屋の前でぼーっと考え事をしていたヤン・シンユルは馬車に轢かれそうになったところを王昭(ワン・ソ)皇子に救われました。
「大丈夫だったか?」
ワン・ソはヤン・シンユルに言いました。
ヤン・シンユルはワン・ソ皇子に一目ぼれをしてしまいました。
女たちが追いかけて来て、ワン・ソは逃げました。
「アイゴ。もう限界だ。捕まってもいい。」
ワン・ソとウンチョンは疲れ切ってしまいました。
「あちらに井戸がございます。」
ウンチョンは言いましたが・・・。
「こういう時は水じゃないだろう。」
ワン・ソは飲食店に入ると酒を飲みました。
ウンチョンは「追跡中は酒を飲まないので」と断りました。
ワン・ソは金剛山での武勇伝をウンチョンに話し始めました。
ヤン・シンユルとペンミョとカンミョンは皇子を観察していました。
ペンミョは気性のあらいあの男より酒を飲まない隣の男(ウンチョン)にしようと言いました。
ヤン・シンユルはワン・ソに決めたと言いました。
ウンチョンはワン・ソにここで待つように言いました。
「ウンチョーン。行く前に酒を頼んで欲しかったのに。」
ワン・ソは酔っぱらってしまいました。
ワン・ソのテーブルに酒が置かれました。
ワン・ソは間者が薬を入れた酒かと疑い、大げさに飲む振りをしました。
高麗の貴族の邸宅。
ヨウォン公主は輿に乗り皇宮に帰りました。
祖父のファンボ・ジェゴンは「金剛山に捨てられた皇子」との結婚に反対していました。
ヨウォン公主は婚礼するかわりに「弟のワン・ウクを皇帝にします。しかし万一ウクがしくじれば、私は一族のために夫を皇帝にします」と約束しました。
皇帝の部屋。
皇帝はチュ・ジモンから「今夜天がワン・ソ皇子とファンボ・ヨウォンの皇帝で光が現れると教えてくれる」と告げられました。
開封の都。
婚礼式の会場が整えられました。
ペンミョは式の準備を取り仕切っていました。
ワン・ソが眠り薬が入った酒から目覚めると、部屋にヤン・シンユルが花嫁衣裳を身に付けていました。
ワン・ソはヤン・シンユルが首領かと尋ねました。
ヤン・シンユルは「もうすぐ婚礼がはじまります。あなたと、私の」と言いました。
「私と婚礼を挙げてちょうだい。今日、少しだけ体を貸してちょうだい。」
ヤン・シンユルは言いました。
「今日婚礼を挙げろだと?」
ワン・ソは間者の家ではないことに気が付きがっかりしました。
「報酬として千両あげるわ。それじゃ、二千両。三千両では?」
ヤン・シンユルはワン・ソと商談をはじめました。
ワン・ソは「これじゃ手ぶらじゃ帰れない。帰ったら父上に叱られるぞ。」とつぶやき話を聴いていませんでした。
「手ぶらで帰れないですって?なら五千両でどう?」
ヤン・シンユルは思い切って言いました。
「おい。婚女(ホンニョ)。あんたが一万両をくれても俺は手ぶらだ。別の男を雇え。」
ワン・ソは部屋から出て行こうとしました。
「あ~!ダメよ!」
ヤン・シンユルはワン・ソの前に立ちふさがりました。
式場に郭将軍が部下を引き連れて現れました。
「お願いよ。歳が二倍の男と結婚させられそうなんです。婚礼だけでいいの。ね?」
ヤン・シンユルはワン・ソに頼みました。
「くだらない話はやめろ。俺は急いでるんだ。」
ワン・ソは行こうとしました。
「私が可哀そうと思わない?」
「誘拐された俺のほうが哀れだ。そこをどけ!」
「あ・・・ちょっと。なら私が何をすればあなたを買えますか?」
「やあ。あんたは俺を買うことはできない。」
「私に買えないものはないわ。」
「そうか。何でも買えるのか。」
「何でも。」
「なら国をくれといえば買えるのか?ダメなものはだめだ。」
「少し待ってください。」
ヤン・シンユルはワン・ソを引き止めました。
「しつこい奴だな。話しは終わりだ。」
王昭(ワン・ソ)は怒りました。
「それはまだよ。もう少し安いものはない?初夜と国とじゃ釣り合わにわ。」
「あは?アハハハハハハハ。あんた正気か?冗談を真に受けるんだな?」
ワン・ソは笑いました。
「お嬢様。来られました。」
ペンミョは部屋の外から郭将軍の来訪を告げました。
「許嫁とやらの顔を拝ませてくれ。」
郭将軍はペンミョと取り合っていました。
「俺はあんたと遊んでる暇はない。」
ワン・ソは出て行こうとしました。
「あなたの勝ちよ。」
ヤン・シンユルはワン・ソの頬を手ではさみました。
「あ~。えい。や~。あ~。まったく。何するんだ?」
ワン・ソの肩に、婿の衣装が着せられました。
「契約は、有効よ。」
ヤン・シンユルはワン・ソに口づけしました。
その時、部屋に郭将軍が入って来ました。
ヤン・シンユルはワン・ソのことを許嫁だと紹介しました。
「ほんとに年上なんだな。こんな年上の男に婚礼を迫られたのか?」
ワン・ソは正直に言いました。
「どうして初夜を過ごす部屋に他の男が入ってくるのかと言ってます。」
ヤン・シンユルは郭将軍に中国語で通訳しました。
「伝えてくれ。お前たちの婚礼を祝うために来たと。」
郭将軍は言いました。
「わかったぞ。お前は売られそうになったんだなお前の父親から買ったと言ってるんだろ?」
ワン・ソは言いました。
「お祝いは不要とのことです。」
ヤン・シンユルは通訳しました。
「このジジイめ!こんなに若い子に手を出そうとするとは。いい歳こいて恥ずかしくないのか?この娘は通りすがりのオレを誘拐するほど、思い詰めている。見てみろ嫌がってる。このクソジジイ!」
ワン・ソは郭将軍に向かって言いました。
「他の男は関わらないで出て行ってくれと言ってます!」
ヤン・シンユルは通訳しました。
「そうだ。その通りだ!」
ワン・ソは中国語で言いました。
「約束通り、兄を解放してやろう。私からの婚礼祝いだ。」
郭将軍は兄を許しました。
「本当?はぁ。感謝いたします。」
ヤン・シンユルは将軍に礼を言いました。
「私と婚礼すれば国を手に入れられた。後悔しないか?」
郭将軍はヤン・シンユルに言いました。
「断じていたしません。」
ヤン・シンユルは答えました。
「あいつや自分がどれほど幸運な男か知っているのか?」
郭将軍は尋ねました。
「いずれ知る時が来るでしょう。」
ヤン・シンユルが言うと、郭将軍はあきらめて帰りました。
「きゃ~!」
ヤン・シンユルは歓声をあげました。
「よかったな。帰るぞ。」
ワン・ソが言うと、ヤン・シンユルはワン・ソの手を掴みました。
婚礼会場。
ワン・ソはヤン・シンユルと祝言を挙げました。
ワン・ソは仕方なく付き合いました。
ヤン・シンユルは商団(サンダン)のみんなを守る最善の方法が婚礼を挙げることだったとワン・ソに言いました。もしもシンユルが郭将軍と結婚すると義理の家族が失われるからでした。
突然雨が降り出しました。
ワン・ソはヤン・シンユルに自分の衣を掛けてあげました。
感想
韓国ドラマ「輝くか、狂うか」1話の感想です。俳優のチャン・ヒョクが高麗の王昭(ワン・ソ)皇子を演じているのですが、どうにもチャン・ヒョクです。トレードマークの「アハハハハハハ・・・・・・・。」は何番煎じなのか、どのドラマを見ても同じです(笑)どの作品でも同じ演技というのは、さすがに商法としてはどの作品を見てもチャン・ヒョクなので目だって儲かるのかもしれませんが、お演技としてはどうなんでしょうね。
1話では初代皇帝の王建(ワン・ゴン)が、世継ぎに悩んでいるようです。ワン・ソを皇帝にしようかな~と思ったんだけど、どうなんだろ?と占星術師のチュ・ジモンに相談してるんですね。どんなに力のある武将でも、建国して息子たちに皇帝の座を継がせるとなると、やはり継続する力とクーデターで建国する力は別物ですから「ど素人同然」なんですね。
1話に登場する「郭将軍」。お声がダンディで、日本の声優でいうと、大塚明夫にそっくりなんですよね。郭将軍を演じているのはキム・ボプレという1970年生まれの俳優さんです。キム・ボプレは「オクニョ」で中宗(チュンジョン)役を演じていたそうです。韓ドラ「三銃士」にも出演されていたそうですが、今回の役柄が一番お輝きになっているのではないでしょうか。
今回は・・・ワン・ソ、ヤン・シンユル、ファンボ・ヨウォンという人物が登場しました。ファンボ・ヨウォンは野心家で王旭(ワン・ウク)を王様にしたいみたいですね。王旭はヨウォン公主の兄か弟です。詳しいことは別のページで説明したいと思います。
この「輝くか、狂うか」でのワン・ソ皇子様はとても親しみやすくコミカルですね。狂暴というよりは、庶民的。そんな演技はチャン・ヒョクの得意とするところなんですね。チャン・ヒョクの人柄そのものが親しみやすいという性格もあるのでしょう。
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