輝くか、狂うか9話
あらすじ
皇子たちの激突
青海商団に来たヨウォン公主は副団長のヤン・シンユルが夫ワン・ソの刀傷の手当をしたことを探り当てました。シンユルもまた公主がソ・ソを探りに来たことに気が付きました。シンユルは「ワン・ソ殿下にお伝えください。大会の衣装ができましたと。」と公主に言いました。ヨウォン公主は立ち上がると夫の衣装を見て「この衣装だな。夫婦だから言い当てられて当然だ。どうして白虎にしたのだ?ソ・ソがそうすすめたのか。あの者とお前は親しくするべきではない。」と脅しました。
ヨウォン公主が衣装を侍女に持たせて店を出ると、セウォンが待って合図を送りました。
セウォンは露店の品物を見ている振りをしました。
「ウクがお前に会いたがっている。無政寺(ムジョンサ)にいたのか?あの人を斬ったのはお前だな。執政には言うな。今あの人は瀕死だ。だが、お前があの人を倒せなかったのは、あの人もお前のように強いのだな。なぜここにいるのだ。」
ヨウォン公主は簪を手に取り言いました。
「人を捜しに来ました。」
セウォンは答えました。
「(副団長を見に来たのだな。)もう行かねば。」
ヨウォン公主は品物の一つをセウォンの手に握らせました。
(※お代金は払ってない!)
皇宮の太后(テフ)の部屋。
太后(テフ)ユ氏は王式廉(ワン・シンニョム)と会って「信じています」と大げさに言いました。ワン・シンニョムは皇子たちが「太祖(テジョ)陛下は皇室と功臣が仲良くやるようにという志を忘れないようにというご遺言の通りに」大会を開催するのだと言いました。そして太祖(テジョ)陛下から賜った刀を勝利した皇子に渡すとワン・シンニョムは言いました。
ユ・ゴニュルは妹の太后(テフ)から、その話を聞きました。太后(テフ)はワン・シンニョムを疑っていませんでした。
皇帝の部屋。
王式廉(ワン・シンニョム)は皇帝に会うと、「太祖(テジョ)陛下の刀」が新しい持ち主に、高麗を率いる皇子の手に渡ると言いました。そして、早衣仙人(チョイソニン)はホン・ギュイを殺して銀塊を盗んだ盗賊だと偽の情報を吹き込みました。
ワン・シンニョムが帰ると、定宗(チョンジョン)は動揺してチュ・ジモンに頼りの綱である早衣仙人(チョイソニン)もただの盗賊だったと落胆しました。定宗(チョンジョン)は大会の日に副団長を(ウクの前で殺すために)連れて来るようジモンに命じました。ジモンは驚きました。
夜の林。
王旭(ワン・ウク)はセウォンに剣術の稽古を頼みました。
黄州家(ファンジュガ)。
ヨウォン公主は眠っているワン・ソを見守っていました。
日中の街。
太っちょの男は酒場で皇子格闘大会の噂をして賭けさせていました。ヤン・ギュダルは話に乗りました。
青海商団。
カンミョンはソ・ソという者の正体はわからなかったとシンユルに報告しました。
シンユルの部屋。
店に王旭(ワン・ウク)がやって来てペンミョに案内されました。
シンユルが寝ていると思ってワン・ウクがベッドに腰掛けると、シンユルが部屋に入って来ました。ワン・ウクは驚いて立ち上がりました。
シンユルはワン・ウクにお礼を言ってもてなしました。
「私といるときは、ソ・ソのことは忘れてくれ。」
ワン・ウクは火鉢で温めておいた小豆袋を渡しました。
「殿下はどうして私に親切にしてくださるのですか?」
シンユルは尋ねました。
貴賓室。
シンユルは王旭(ワン・ウク)に青龍の衣装を着せてあげつつもワン・ソのことを思い出して今に集中するために首を横に振りました。
「明日来てくれないか。勝ったら先ほどの問いに答えよう。」
ワン・ウクは言いましたが、シンユルは断りました。
ワン・ウクは「ソ・ソのことが心配なんだな」と理解を示して大会が終わったら知らせを持ってくると言いました。
皇帝の部屋。
定宗(チョンジョン)は毒を盛られて咳き込むようになっていました。御医が煎じた薬の原材料のひとつが青海商団のものだと知ると、定宗(チョンジョン)は刀を抜いて御医を脅しました。ジモンは「青海商団の薬剤は(いくつも含まれている薬剤の中で)チョンナンソウだけです」と皇帝を説得すると、皇帝は刀を捨てました。
王式廉(ワン・シンニョム)の隠れ家。
王式廉は定宗(チョンジョン)と王昭(ワン・ソ)を同時に廃する計画を立てていました。
黄州家(ファンジュガ)。
眠ったままのワン・ソの部屋に、白虎の衣装が掛けられていました。
ウクの部屋。
ワン・ウクは青い皿を見てシンユルへの想いを募らせました。
日中の青海商団。
皇帝陛下が遣わした輿が店の前に到着しました。
ヤン・ギュダルは衣装を用意したお礼だと勘違いしていました。
シンユルは嫌な予感がしましたが、正装して輿に乗りました。
黄州家(ファンジュガ)。
ヨウォン公主も正装して家を出ました。
皇宮。
シンユルが皇宮の門前で降りるとチュ・ジモンが出迎え皇帝の御前に連れて行きました。
定宗(チョンジョン)はシンユルと会いました。ジモンはその顔を見てワン・ソと娘が一緒にいたことを思い出しました。定宗(チョンジョン)は何を企んでいるのだとシンユルを疑っていました。
廊下。
「ワン・ソ殿下とはとういう関係だ。」
チュ・ジモンはシンユルに尋ねました。
シンユルは「殿下とはお会いしたことがありません」と答えました。
武闘着に着替えた王旭(ワン・ウク)は皇子たちの控室に行きました。皇子たちは皆気分が高ぶっていました。
競技場。
チュ・ジモンはシンユルを皇族が座る席の端に案内しました。そこにワン・シンニョムとヨウォン公主が現れました。チュ・ジモンはシンユルのことを「皇帝陛下がご招待された」と説明しました。シンユルは緊張しながら最後に着席しました。
定宗(チョンジョン)と太后(テフ)が姿を見せると全員が立ち上がり礼をしました。シンユルは皇帝を見て緊張していました。
競技場に王旭(ワン・ウク)たちが入って来ました。人々は歓声で迎えました。
「ソがいない。」
定宗(チョンジョン)は不安に思いました。
「恐れをなして逃げたのでしょう。」
ワン・シンニョムは言いました。
黄州家(ファンジュガ)。
王昭(ワン・ソ)は起き上がりました。
競技会場。
皇帝が演説すべき場面でワン・シンニョムが立ち上がり、勝手に演説をはじめました。
太后(テフ)と定宗(チョンジョン)は苦々しい思いで見ていました。
シンユルは政情を察知して皇帝が自分を呼んだ理由を悟りました。
「龍が天に昇る前に、青い海を斬り裂いて飛び立つ。見ておるぞ。勝者となりあの刀で、青い海を斬り、天に昇れる龍となるかを!ゆえに戦うのだ。力を尽くし!心を尽くし!ヒッヒッヒッヒ!」
定宗(チョンジョン)は勇気を出して演説しましたが、奇妙な笑みを浮かべました。
シンユルは青い海が青海商団を象徴して、ウクが勝てば自分が殺されると思いました。
黄州家(ファンジュガ)。
王昭(ワン・ソ)は白虎の服に着替えて長い刀を手に持ちました。
青海商団。
ヤン・ギュダルは大金を持ってどこかに行きました。
カンミョンは怪しいギュダルの後を尾行しました。
酒場。
ギュダルは大きな酒場に行きました。カンミョンは「怪しかったからついてきたんです」と向かいの席に座りました。ウンチョンもまた同じ店で頭を悩ませながら食事をしていました。ウンチョンは、ワン・ソが出場していないと思っていました。伝書鳩が到着し、最初の試合が王旭(ワン・ウク)とワン・リムの対戦であることが知らされました。男がワン・ソの札を投げ捨てるとウンチョンは大事そうにそれを拾って懐にしまいました。カンミョンは「これは賭博です」と厳しい視線をギュダルに送りました。カンミョンは店を出ようとすると、男は「見つかったら官軍にやられるので今は店を出られません」と用心棒を使って脅しました。いつのまにかウンチョンと同じ席に、ギルボクも座っていました。
試合会場。
ワン・ウクとワン・リムは矢で赤い的を当てる試合をはじめました・・・。
王昭(ワン・ソ)は馬で会場に向かっていました。
乗馬槍術ではワン・ウォンが一回戦を勝ち抜きました。
刀での対戦では王旭(ワン・ウク)が勝ち残りました。
試合は平山家のワン・ウォンと黄州家のワン・ウクの番になりました。
カンミョンはギュダルを睨んで賭けさせませんでした。ギュダルは「お母さん!」と言って泣きました。
ワン・ウクとワンウォンが刀で戦いました。
シンユルは蝶のお守りを握って祈りました。
ワン・ウクがワン・ウォンに勝ちました。ウクはシンユルに微笑みかけました。
ワン・ソ皇子が競技場の外に到着すると、蝶のお守りに祈って中に入りました。
ワン・ウクが、ワン・シンニョム(王式廉)から刀を受け取ろうとした瞬間、シンユルは兵士に囲まれ、ワン・ソが「遅くなりました」と姿を見せました。
「ソ・ソ兄者がどうしてここに?なぜ皇子の衣装を?」
シンユルは不思議に思いました。
「陛下。私も太祖(テジョ)陛下の息子です。参加させてください。ハハハハハハ。この大会は太祖(テジョ)陛下の息子、俺たち兄弟が久しぶりに会し絆を深めるための場ではありませんか。どうかワン・ウクと最後に戦わせてくれませんか陛下。」
ワン・ソは軽い口調で定宗(チョンジョン)に頼みました。
ファンボ・ジェギョンは「試合は終わった」と言いましたが、王旭(ワン・ウク)は「本当の勝者になります」と対戦を希望しました。
試合が再会されました。
まずは王旭(ワン・ウク)と王昭(ワン・ソ)が矢で対戦することになりました。王旭(ワン・ウク)は「大切な人のために兄上に勝ちたいのです」と正直に言いました。
ワン・ウクが放った矢はすべて的に命中しました。
ワン・ソは「アイゴアイゴアイゴ」と腕の痛みをまぎらわせました。
次に騎馬戦の試合がはじまりました。
ワン・ソは馬に反対向きに乗ってワン・ウクの馬の胸を叩きました。ワン・ウクは何とかいななきに堪えました。
シンユルが必死な思いで祈っている様子にヨウォン公主は気が付いていました。
騎馬戦での決闘はワン・ソが勝ちました。
酒場。
酒場にワン・ソ殿下が出場したという知らせが入りました。ヤン・ギュダルは王旭(ワン・ウク)に三百両掛けました。ウンチョンは懐から札を出してやりました。ギルボクはウンチョンに金を借り「ワン・ソ殿下に一両!」賭けました。掛け金の少なさに人々は失笑しました。
ワン・ソとワン・ウク皇子は刀で戦いました。ワン・ウクの太刀筋が、父を暗殺しようとし、無政寺で自分を殺そうとした間者’(セウォン)と似ていることに気が付きました。ワン・ソは長い刀でワン・ウクを倒しました。
酒場。
ギルボクだけが賭けに勝ちました。
「この野郎!なぜ止めなかった!気絶させてくれよ。母さんお金がなくなった。酷い世の中だ。」
ヤン・ギュダルはカンミョンを叩いて泣きました。
競技場。
ワン・シンニョムは渋々刀をワン・ソに渡しました。
「この刀に込められた父上のご遺志も私が引き継ぎます。」
ワン・ソは刀を受け取りました。
「今日は、気分がとてもいい日になりました。ハハハハハハ。太祖(テジョ)陛下の息子である私たち兄弟がお互いに信頼と絆を深めることができました。また、ここにいる皆が皇帝陛下に対する忠誠心を確かめることができたでしょう。この刀に皆の忠誠を集めて陛下に捧げます!」
ワン・ソが演説すると、観客は喜びました。
「どうかこの刀でこの国高麗を正しく導いてください。陛下。」
ワン・ソは父の刀を定宗(チョンジョン)に捧げました。
「ご苦労だった。」
定宗(チョンジョン)は刀を受け取りました。
太后(テフ)ユ氏も満足していました。
「皇帝陛下、万歳!万歳!万歳!」
ワン・ソは皆を導きました。
皇宮。
皇帝は皇子たちに宴席を設けました。ワン・ソの手が痛みで震えていました。
定宗(チョンジョン)は突然、青海商団の副団長を紹介しました。シンユルが兵士に連行されて来ました。定宗(チョンジョン)は「次の高麗の皇帝は誰だ。答えるのだ」とシンユルに質問しました。シンユルは「次の皇帝は、姓はワンで名前に天命が込められているお方です」と言い逃れしました。定宗(チョンジョン)はなぜ無償で衣装を提供したのだと尋ねました。シンユルは商売のため、皇子が身に付けた衣装を民が欲しがるからだと答えましたが皇帝は信じませんでした。ワン・ウクは立ち上がり皇帝にやめるよう進言すると、定宗(チョンジョン)は刀を抜いてシンユルに突きつけました。
感想
韓国ドラマ「輝くか、狂うか」9話の感想です。あらら・・・せっかく盛り上がったドラマも最後はお兄さまのご乱心で残念なことになってしまいましたね。なんだかつまらなくなってきました。考えてみれば、優れた人ばかりでは、ドラマ自体が成り立たないので、どうしても頭の悪い人が登場する必要があるのでしょう。振り返ってみれば、立派な人自体がそもそも世の中では少数派ですからね。正直なところ、そんなに面白いとは思えません。でもこうした娯楽を作るために大きなお金を使って、テレビドラマですから主に広告収入で利益を上げてるのでしょうね。
しかし演じている役者さんはお演技がお上手で、いろんな気持ちを演技で表現してくれています。一番苦しい役柄といえば、やっぱり皇帝の定宗(チョンジョン)でしょうね。あの何とも言えない不安げな表情は、見事な演技です。あんな境遇になれば相当つらいはずです。しかし、そんな不安定な皇帝の座を狙う周囲の豪族の皆さんの欲望のすごいこと。哀れな目に遭ってでも皇帝の座が欲しいという気持ちが理解できません。皇帝って穏やかに過ごせる日が無いと思うのに、それでも欲しいって他に何の目的があるのでしょうか。そして今回のドラマでわかったことは「一国の君主を操る者こそが本当の支配者」であることです。国王や皇帝を操れば、一番偉いということですね。高麗時代では功臣や武人が暗躍したのに対し、朝鮮時代に入れば、その一番偉い人はより組織化して政治派閥という組織になります。結局同じことですが、群れ同士が王様を利用して争っているのが朝鮮の歴史といえましょう。
しかし演じている役者さんはお演技がお上手で、いろんな気持ちを演技で表現してくれています。一番苦しい役柄といえば、やっぱり皇帝の定宗(チョンジョン)でしょうね。あの何とも言えない不安げな表情は、見事な演技です。あんな境遇になれば相当つらいはずです。しかし、そんな不安定な皇帝の座を狙う周囲の豪族の皆さんの欲望のすごいこと。哀れな目に遭ってでも皇帝の座が欲しいという気持ちが理解できません。皇帝って穏やかに過ごせる日が無いと思うのに、それでも欲しいって他に何の目的があるのでしょうか。そして今回のドラマでわかったことは「一国の君主を操る者こそが本当の支配者」であることです。国王や皇帝を操れば、一番偉いということですね。高麗時代では功臣や武人が暗躍したのに対し、朝鮮時代に入れば、その一番偉い人はより組織化して政治派閥という組織になります。結局同じことですが、群れ同士が王様を利用して争っているのが朝鮮の歴史といえましょう。
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