輝くか、狂うか最終回24話
あらすじ
新たな道を探して
ワン・ソはシンユルを抱きかかえると、滝つぼに身を浸して荒治療を試みました。ワン・ソに抱き着いていたシンユルの腕から力が抜けていきました。
「ケボンぁ。ケボンぁ。ケボンぁ目を開けるのだ。シンユル。ユル。俺はお前を愛しているユルぁ。ユルやしっかりするのだ。ユル。ユルぁ。ユルぁ。しっかりしろユルぁ。俺はお前を愛してるんだ。」
ワン・ソはシンユルに口づけをしました。
ワン・ソが呼びかけると、しばらくしてシンユルは目を開けました。
「ユルや気づいたか。」
ワン・ソは喜びました。
隠れ家。
ワン・ソはシンユルを布団に寝かせました。
「成功です。脈が変わりました。」
医者は脈診するとワン・ソに言いました。
「感謝します!感謝します!」
ペンミョは何度もお礼を言いました。
「もう大丈夫なのか?安心できるのか?」
ワン・ソは尋ねました。
「大きな峠は越えたようです。」
医者は言いました。
「ありがとう。ありがとう。」
ワン・ソは感謝しました。
「殿下もお召し上がりください。体を温めてください。」
医者はワン・ソに煎じ薬を差し出しました。
ワン・ソは礼を言いながら薬を飲みました。
シンユルは手をつなぎながら恍惚とした表情でワン・ソを見上げました。
ワン・ソはシンユルの隣に横になりました。
「渤海(パレヘ)の公主だと聞いた。お前の正体をどうして俺に言おうと思わなかったのだ?つらいこともあったろう。そうか。思い出してみると、お前について何も知らない。」
「ペンミョとカンミョンおじさんたちは、いつも私を心配してくれました。兄者にまでどうして心配をおかけできましょうか。私は兄者にとって、ただの女人でいたいのです。一日一日を共に過ごしたい。そんな女人。」
シンユルが言うと、ワン・ソはシンユルの頬をなでました。
「それで俺が呪いの皇子と知ってもソ・ソへの態度を変えなかったんだな。それがよかった。俺たちの一日を、今だけを、そうやって見ていられたから。俺はよかった。」
真夜中の村。
逃亡した二人の役夫(えきふ)は身を隠しながら開京(ケギョン)に到着しました。結婚した役夫はワン・ソ殿下が言っていた青海村に行くと言いました。もう一人の男も同じ考えだと言いました。二人の役夫は青海村に向かいました。同じ村の酒場にいたウンチョンとチョンオクは隣村から戻ったキルボクから「青海村は渤海人が作った逆賊の村で青海商団の副団長とワン・ソ殿下が村を作って暴動を起こして官軍を殺そうとして、そのワン・ソ殿下が逆徒の頭で・・・」という話を聞きました。ウンチョンは「おそらく執政が噂を流したのだろう」と言いました。
日中の執政の家。
ユ・モグォンとペク・チュンヒョン、そして二人の豪族がワン・シンニョムに会いに来ました。
ワン・シンニョムはシンユルの奴婢帳簿を見せて「青海商団の副団長とワン・ソが奴婢(ノビ)を買って私兵にして青海村に潜伏させている。奴らは副団長の仇を討つために皇宮を狙っている。中心にいるのはワン・ソだ。暴動を鎮圧するため息子のプンが西京(ソギョン)の軍を率いて開京(ケギョン)に向かっている。開京(ケギョン)にいる者たちも、青海村に私兵を送るのだ。西京(ソギョン)派の連合軍が青海村の暴動を鎮圧するのだ。今回は私が直接指揮をとろうと思っている。どうして見過ごせようか。青海村を滅ぼしたらすぐに皇宮に進軍する。」と言いました。
ユ・モグォンらは話を聞いて驚きました。
ワン・シンニョムは「暴動を鎮圧できぬ無能な皇帝はいなくなるべきだ」と言いました。
「執政が決めた次の皇帝は誰ですか?」
「この国の次の皇帝は、この私、ワン・シンニョムだ。役に立たぬ操り人形はいらぬ。明日の朝、青海村に侵攻する。この私が直接、決着をつけてやるのだ!」
どこかの村。
ワン・ソはウンチョンとチョンオクとキルボクから、執政の間者が村人を殺しワン・ソが暴動を起こそうとしているという青海村の報告を受けました。ワン・ソはキルボクに、まずはウンチョンとチョンオクとともに青海商団に助けを求め、青海村に行って副団長が生きていることを知らせるように命じました。ウンチョンはワン・プン率いる私兵が昼間は山中に隠れ、夜に移動し、今夜到着すると報告しました。ワン・ソは万全の準備をするように命じると、皇宮に向かいました。
皇宮。
ワン・ソは兄の定宗(チョンジョン)に会うと、ワン執政が自ら皇帝になるため私兵を動かしていると報告しました。
「皇宮にいる私には何もできぬゆえ何も知らされぬのだな。執政の望み通りに無能な皇帝になったのだな。はっはっはっは。待て。少し外せ。」
定宗(チョンジョン)は自嘲しました。
「陛下。ただちに親衛隊に便殿(ピョンジョン)を守らせ開京(ケギョン)豪族の私兵を皇宮の警護につけてください。」
「外にでておれ。」
「今は時間がありません陛下。」
「出て行けと言った。」
ワン・ソは部屋の外に出ると、チュ・ジモンに何があったか尋ねました。チュ・ジモンは心の準備をしているのでしょうと答えました。ワン・ソには兄の心中がわかりませんでした。
皇帝の部屋。
「ソを呼ぶのだ。」
机の上に置いた千年高麗の扁額を眺めた定宗(チョンジョン)は覚悟を決めました。
回想シーン。
毒に冒され疲弊した定宗(チョンジョン)にワン・ソが優しく思い出話をする場面。
「お前は暗闇の中で道を探すことを恐れてはならぬ。これからは、お前が闇の中でこの国の道を探すのだ。」
定宗(チョンジョン)はソに言いました。
「何をおっしゃるのですか?」
ワン・ソは首をかしげました。
「今からは、この国を率いるのはお前だ。この皇座がそなたを主人として呼んでいる。私は兄を殺して皇帝となった。だから、皇座に座るたびに心が苦しかった。お前にその苦しみを味わせたくない。これからは、お前がこの国の皇帝だ。」
「陛下。」
「どうする。」
「皇座を拒み、他の者に譲るか?」
「皇命をお取下げ下さい!天命をまっとうされるまで、この国高麗をお守りください陛下!」
ワン・ソは土下座しました。
「私はこの国の皇帝にふさわしくない。この国の皇帝にふさわしいのはソ、お前だ。」
「皇命をお取下げください。私は陛下と共に、この国をお守りいたします!」
ワン・ソは固辞しました。
「この国の皇帝は、ワン・ソだ。私には国を守る実力がない傀儡だ。ソや。お前がこの国高麗をお守りください。」
「禅位をお取下げ下さい。皇帝陛下。」
「私は!ワン・ソに禅位する!これは皇命であり千年高麗のための太祖(テジョ)陛下のご遺志だ。高麗の闇を払い、輝かせる者、ワン・ソに禅位する。」
定宗(チョンジョン)は黄金の刀を弟に差しだしました。
「陛下・・・・・・。」
皇太后の部屋。
ワン・ジョンは実母の皇太后劉氏に会いに行って禅位をしたことを報告しました。ユ・ゴニュルは言葉が見つかりませんでした。定宗(チョンジョン)は開京(ケギョン)の豪族の私兵を集めるようにユ・ゴニュルに言いました。ユ氏はがっかりした様子でワン・ジョンの手に触れました。
皇宮の開京(ケギョン)派の部屋。
ユ・ゴニュルはファンボ・ジェゴンらに皇帝がワン・ソに禅位したことを伝えました。そこにワン・ジョンが部屋に入って来て「開京(ケギョン)派、西京(ソギョン)派、これからは派閥を作ってはならぬ。ワン・ソを中心にすべての豪族功臣は従うのだ」と言いました。
黄州家。
ヨウォン公主はワン・ソが皇帝になったことをユ・モグォンとペク・チュンヒョンに話して「殺帝守豪国」のことは罪を問わないので味方になるように迫りました。
「条件はたった一つ。ワン執政をお捨て下さい。万一できないなら、ワン・ソ殿下が皇帝になられると同じ時期に、あなたがたと、家門は滅びることになるでしょう。」
庭に出たユ・モグォンとペク・チュンヒョンはどうするか話し会いました。
ヨウォン公主は侍女からチョンオクが青海村に今夜入るという報告を受けました。ヨウォン公主は豪族たちがどちらに味方するか揺れているとつぶやきました。
青海商団。
ウンチョンとチョンオクとキルボクはカンミョンたちに会いました。
ヤン・ギュダルは見覚えのあるチョンオクに再び見とれてしまいました。
ウンチョンは青海村に行ってほしいと頼みました。
夜になりました。
カンミョンとヤン・ギュダルと侍女たちはウンチョンらとともにワン・ソと合流して青海村に行きました。
青海村。
「ワン・ソ殿下がいらっしゃったぞ~!我々青海村の長がワン・ソ殿下とお聞きして、こうして集まったのです。皆でワン・ソ殿下をお待ちしていました。」
男たちはワン・ソたちを歓迎しました。逃亡した役夫も待っていました。
「生きていたか。生きていたか。」
ワン・ソは勇気が湧いてきました。村人の中にはパク・スルの手下もまぎれていました。
豪族のユ・グォニュルは鎧を着て覚悟を決めました。
ワン・シンニョムはパク・スルから準備ができたと報告を受けまし
た。
翌日。
ワン・シンニョムは息子のワン・プンとともに兵士と赤装束の私兵を率いて出陣しました。
青海村。
ワン・ソたちはワン・シンニョムの勢力と対峙しました。
「平山家(ピョンサンガ)と東州家(トンジュガ)。西京(ソギョン)派の豪族たちが到着していません。」
ワン・プンはワン・シンニョムに報告しました。
「まだ様子を伺っているのだろう。心配するな。ここで勝てば我々の味方になるはずだ。」
ワン・シンニョムは言いました。
「失敗したら?」
「情けないやつめ。死ぬしかない。死を恐れるなどお前は将軍か?
***
「さ~攻撃せよ~!」
ワン・プンは命じました。
「待たれよ~!」
ワン・ソは刀を挙げてワン・シンニョムの私兵の前に現れました。
「お前たちは何者だ?立つ場所が違っても皆はこの国高麗の、皇帝陛下の民ではないか!お前たちを家族のもとに帰してやる。我々が戦う理由などない。誰のために、血を流すのだ?この国高麗の民の血を流してはならぬ。ここで無意味な血を流したくない者は、武器をすべて捨てるのだ。クソっ。」
ワン・ソは刀を捨てました。
周りにいた人々は武器を捨て始めました。
「お前たち!何をしている!攻撃せよ!さもなくば私の刀で死ぬことになるぞ!かかれ~!」
ワン・シンニョムは私兵を斬り殺しました。
「我々は、奴婢になれと言われれば奴婢となり、私兵になれと言われれば私兵になり、罪人になれと言われれば罪人になる、人殺しの豪族のあんたの道具ではない!」
役夫だった男が言いました。
「俺たちは同じ場所で生まれ育った。我々が互いに血を流す必要はない!」
結婚した男が言いました。
「そうだ。我々が刀を向け合い血を流す必要はない!」
知り合いの兵士は刀を捨てました。
「我々には戦う理由が無い。俺たちが死んだら家族はどうなる?」
相方の私兵も刀を捨てました。
「執政!刀をお捨てください!」
ワン・ソは言いました。
「黙れ!命令に背くやつなどすべて要らぬ。お前たち、やってしまえ!」
ワン・シンニョムは影たちに命じました。
ワン・プンは刀を抜きました。
「民を死守せよ!」
ワン・ソは叫びました。
ワン・ソの側の武士たちは素手で相手を殴り倒しはじめました。キョンとカンミョンも敵を投げました。ヤン・ギュダルは倒れた敵を蹴りました。ウンチョンはワン・プンを蹴り倒しました。
ワン・ソはワン・シンニョムに刀を捨てて投降するように言いました。
「いっそ死んだほうがマシだ。殺せ。早く!」
ワン・シンニョムは両手を拡げました。
「刀を捨てなければあの民たちに殺されるぞ。」
ワン・ソは言いました。
「何?」
ワン・シンニョムは辺りを見回しました。
「執政を引き渡してもよいのか?」
ワン・ソはワン・シンニョムに言いました。
「わ~!貴様。私も、高麗のために・・・。」
ワン・シンニョムは刀を振り回すと捨てました。
「すべてが終わった。戻れ。家族のもとへ。故郷へ!」
ワン・ソは叫びました。
民たちは両手を挙げて喜びました。私兵たちも喜びました。赤装束の間者は皆倒れていました。
皇宮の便殿。
「暴動は、私が鎮圧しました。」
ワン・ソは兄の定宗(チョンジョン)に報告しました。
「ご苦労だった。こよいは宴を開こう。」
ワン・ジョンは微笑みました。
「それは後日にしていただけませんか?行かねばならぬところがありますので。」
「行くとは?」
「私を待っている人がいます。」
夜の隠れ家。
元気になったシンユルはペンミョとともに、外でワン・ソを待っていました。しばらくしてワン・ソが馬で駆け付けました。
「兄者。」
「待たせたな。」
「青海村は?しっかり守ったのですか?」
「そうだ。しっかり守って来たぞ。」
ワン・ソはシンユルを抱きかかえました。
「兄者。」
「兄者じゃない。もう、兄者と呼ぶな。もっといい呼び方があるだろ、兄者よりも。お前も急に私を誘拐して婚礼を挙げただろ。」
「兄者。兄者。」
部屋の中。
ペンミョはシンユルの前で婚礼衣装の包みを開けました。
「今夜、またお召しする日が来るなんて。」
ペンミョは言いました。
シンユルは新婦の服に着替えました。
部屋の外。
ペンミョは外で待っているワン・ソに「どうぞお入りください」と頭を下げました。
「ああ、イボゲペンミョ。今宵は邪魔をするなよ。頼む。」
ワン・ソは笑いました。
「ああ、ええ。」
「イボゲペンミョ。ご苦労だった。」
「ああ、ええ。」
ペンミョは安堵しました。
ワン・ソは小屋に入りました。
「殿下。深いご縁に気づかなかったペンミョをお許しください。」
ペンミョはつぶやきました。
ワン・ソは部屋の中に入りました。
回想シーン。
開封での婚礼の場面。
ワン・ソはシンユルの隣に腰掛けベールを外しました。
「俺があの日、お前の顔を見ていたら碧瀾渡(ピョンナンド)で気づいたのに。ハハハ。」
回想シーン。
碧瀾渡での場面。
「二度婚礼したと聞いてどれほど悔しかったことか。」
シンユルは言いました。
「まだ言ってなかったな。初めての婚礼は大好きなお前としたことを。シンユル。」
ワン・ソは言うと、銀の指輪をシンユルの左手の薬指に入れました。
ワン・ソはシンユルに口づけをしました。
「俺と共に行こう。禅位されたのだ。皇宮で共に暮らそう。無論青海商団の人は好きに出入りしたまえ。胸が期待で痛み、高鳴っている。私が皇帝になったらこの国をどうするか。毎日夢見るだろう。そうなれば、私に期待して慕ってくれる民も増えるだろう。その最初の一人はお前だ。」
ワン・ソはシンユルに言いました。
「そうやって夢を見続けてください。陛下の国が、この国の未来を拓くはずです。」
「私はお前の助けが必要だ。」
***
ワン・ソ、疲れて先に眠ってしました。
「愛しています。愛しています。旦那様。」
寝間着姿のシンユルはワン・ソの頬をいつまでも撫でていました。
青海商団。
「皇宮には入らない。やりたいことがあるの。西域に行って私はいろいろな国を見てみたい。新しい人と会って、その人が必要な資材と私たちが必要とする物を新しい方法で交易するの。」
商団に戻ったシンユルはカンミョンたちに言いました。ペンミョたちは呆れました。
+++
花が咲きほこる野山。
「これで殿下が手をつなぐ人は、私ではなくあの民たちです。」
シンユルは都を見下ろして言いました。
「何が言いたいのだ。」
王昭(ワン・ソ)は戸惑いました。
「私が殿下のもとを去るときが来ました。」
「どうしてそう考えたのだ?」
「どうして殿下は皇座をあきらめられましょうか?殿下のもとに伸ばした数万の民の手を、振り払えますか?殿下が新しい世の中である高麗を夢見たように、私もやはり、私が望む新しい世の中に夢を抱いています。私もまた新たな世を夢見るつもりです。殿下と同じように私もまた、胸が高鳴ります。」
「愛しているなら、同じ行く先を見つめ、共に歩むべきではないか?」
「道はどうして同じでありましょうか。一本の道が二本に別れることもあります。二本が沿うときも、再び一つに会うこともあります。」
「時間が過ぎたら、何と言えばよいのだ?」
「挨拶をしてください。息災だったか?久しぶりだなと。」
黄州家。
ワン・ウクは荷造りをしていました。部屋に姉が入って来てどこに行くのか尋ねました。ワン・ウクはどこに行くかわからないが、風が吹くまま、足の向くままに行けばどこかに着くだろうと答えました。
「私の計画は失敗しましたが、姉上は成功しました。これからは家門ではなく自身について考えてみてはどうですか?」
「私は教わったことがない。自身の生き方を。学んだことがないゆえ、今のままでも悲しくはない。」
「私はこれから学ぼうと思います。私の生き方を。」
野辺の道。
男装したシンユルはキョンと侍女のチュナと、彼女の息子ナムと歩いていました。
「あの人とのすべての思い出が、心の中で咲いている。別の道を歩んでもその香りだけで十分だと思う。でも別れたら・・・。」
シンユルはつぶやきました。
少年は「香りをかいだだけで幸せじゃないの?」と尋ねました。
シンユルは「そうね。幸せに違いない」と言いました。
「ところでキョン。私と一緒に行きたくないの?」
「そうではなくて、船に乗ると思うと吐き気が、ウッ。」
「何度か乗れば大丈夫よ。行こう。」
シンユルとキョンはチュナとナムを残して行きました。
その後に王旭(ワン・ウク)がやって来ました。
ワン・ウクは都を見下ろすと、ため息をつきました。
ワン・ウクは手で風を感じてみました。
そして再びため息をつくと、シンユルとは反対方向に馬を走らせました。
皇宮。
ワン・ソは即位式の衣装に着替えました。
ワン・シンニョムの家(回想シーン)。
「皇帝になる?この上ない位に就くだと?貴様。何ができるというのだ。何も知らぬではないか。この国は兄上と私が作ったのだ。私の許可がなければ誰も何もしてはならぬ。」
髪を振り乱したワン・シンニョムはワン・ソに言いました。
「執政は、過去です。過去は、未来に道を譲らねばなりません。」
ワン・ソはワン・シンニョムに言いました。
「未来だと?こしゃくな。未来が貴様の手で開けるとでも?」
「服従しません。待つのです。すべての豪族たちが従うまで。私ワン・ソは止まりません。見ていてください。執政。」
「おのれ!殺せ!いっそ私を殺せ!貴様!」
皇帝の部屋。
「私には、何もありません。家門も、心を許せる人も。だが、夢があるとすれば、この国高麗(コリョ)を、輝かせること。それだけです。殿下が大業を成し遂げられる日まで、私がおそばで、いつも、お支えします。」
ヨウォン公主は夕食を囲みながら王昭(ワン・ソ)に言いました。
「これからが本当のはじまりだ。私はあなたの望み通り、この国高麗をさらに切り拓く。」
ワン・ソは酒を飲みました。
「簡単にはいかないでしょう。長い、長い戦いになるでしょう。」
便殿。
ワン・ソとヨウォン公主は豪族の挨拶を受けました。ワン・ソはだるそうに挨拶を眺めていました。
949年に王昭(ワン・ソ)は即位しました。
光宗(クァンジョン)7年 奴婢按検法を施行しました。
光宗(クァンジョン)9年 科挙を実施しました。
光宗(クァンジョン)14年 済危宝(民の病院)を設置しました。
光宗(クァンジョン)16年の夜。
ワン・ソは蝶のお守りを眺めていました。部屋にはシンユルの婚礼衣装が置かれていました。ワン・ソは婚礼衣装にしばし触れると秘密部屋から出て行きました。
ワン・ソの幼い息子二人とと娘は父がいなくなると秘密部屋に行ってきらびやかな装身具や宝飾品を手にして遊びました。
チュ・ジモンは皇子たちに部屋に入ってはいけないと言いました。
チュ・ジモンは玉偑(おくはい)は二つに分かれていて「会うべき人とは会おうとしなくても、会うものです。それが天が定めた、運命です。」と言いました。
丘(。
若かりし頃のワン・ソが散歩をしていると、シンユルが休んでいました。
「すまないな。今日ここまで来るのに、長い時間がかかった。」
ワン・ソは言いました。
「いいのです。兄者。」
シンユルは微笑みました。
「どうだ達者だったか?また会えて、嬉しいぞ。」
「ええ。私も嬉しいです。」
ワン・ソはシンユルを抱き締めました。
シンユルも幸せそうに王昭(ワン・ソ)を抱きました。
完。
感想
韓国ドラマ「輝くか、狂うか」最終回24話の感想です。ついにストーリーが完結してしまいました!長かったです!コメディーと深刻な場面が組み合わされて、なんとも面白いのか、カッコイイのか、どう感想を述べていいかわかりません。
シンユルは生き返ってシルクロードを西の方角に旅立っていきました。シンユルには皇宮に居場所がなかったというのが理由としては一番もっともらしかったのではないかと思います。
ラストに出て来た子どもたちは光宗(クァンジョン)とヨウォン公主との間に出来た子どもでしょうか。ヨウォン公主は5人の子どもを出産しています。女性として、皇后としての仕事を完璧なまでにまっとうしたヨウォン公主。まさに女性の鏡と言うと、大げさかもしれませんが、妻としては完璧ですね。
ワン・ウク殿下のドラマのその後は察するに、国内をご遊覧なさった程度でしょうね。
高麗初期の皇族がどれほどの力を持っていたのか知ることはできませんが、何度もドラマになるほど争いが絶えなかったようです。
総合的な視聴感想は「輝くか、狂うか 総合ページ」で書いていますので、よかったらお読みいただけたら嬉しいです。
シンユルは生き返ってシルクロードを西の方角に旅立っていきました。シンユルには皇宮に居場所がなかったというのが理由としては一番もっともらしかったのではないかと思います。
ラストに出て来た子どもたちは光宗(クァンジョン)とヨウォン公主との間に出来た子どもでしょうか。ヨウォン公主は5人の子どもを出産しています。女性として、皇后としての仕事を完璧なまでにまっとうしたヨウォン公主。まさに女性の鏡と言うと、大げさかもしれませんが、妻としては完璧ですね。
ワン・ウク殿下のドラマのその後は察するに、国内をご遊覧なさった程度でしょうね。
高麗初期の皇族がどれほどの力を持っていたのか知ることはできませんが、何度もドラマになるほど争いが絶えなかったようです。
総合的な視聴感想は「輝くか、狂うか 総合ページ」で書いていますので、よかったらお読みいただけたら嬉しいです。
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