華政ファジョン-10話 あらすじとネタバレ感想
華政(ファジョン)の主なキャスト
光海君(クァンへグン)・・・チャ・スンウォン
貞明公主(チョンミョンコンジュ)・・・イ・ヨニ
綾陽君(ヌンヤングン、仁祖)・・・キム・ジェウォン
監督・・・キム・サンホ監督「アラン使道伝」
脚本・・・キム・イヨン「トンイ」「イ・サン」「馬医」「ホジュン(チョン・グァンリョル主演)」
2015年作
華政ファジョン-10話 あらすじ
火器都監(ファギトガム)。下級の役人はホン校理(キョリ)を捜していました。
ホン・ジュウォン校理(キョリ)はここ数か月、硫黄の流通量が200斤を下回り減っていることについて下の者たちに尋ねました。担当者が言うには明国からの支給が雀の涙ほどで、硫黄班の責任者イ・ヨンブが言うには闇取引で硫黄を入手したがそれでもわずかだといいました。煙硝班の責任者チャン・ボンスは硝煙は管理を徹底しているので残っていると言いましたイ・ヨンブを意味あり気に見ました。イ・ヨンブは硫黄は朝鮮では採れないと言うとチャン・ボンスは硝煙も同じように朝鮮では採れないとイ・ヨンブの管理不足を暗に指摘しました。そこに火器都監(ファギトガム)の監造官バングンが「大変だ」と走ってきました。
ホン・ジュウォン校理(キョリ)が火器都監(ファギトガム)の門に行くと赤い官服を着たイ・チュンが「吏曹判書(イジョパンソ、文官を管理する吏曹の長官)イ・イチョン大監様が監察したいとおっしゃってる」と下の者の襟首を掴んで暴れていました。下の者は王命がないと中に入れないというと、イ・チュンは礼曹判書様は王命も同じだと言いました。そこにホン・ジュウォンが現れ許可証がないので火器都監(ファギトガム)に入れないと言いました。イ・チュンは「イノミ。どこの息子だ」と怒るとイ・イチョンは「チュウォン。元捕盗大将(ポドテジャン)ホン・ヨンの息子だ。科挙に首席で合格しながら火器都監(ファギトガム)を志願した。違うか?」とホン・ジュウォンに言いました。イ・イチョムは「仕事は抜かりなさそうだ。帰るぞ。覚えておこう」と言って帰りました。ホン・ジュウォンは礼曹判書イ・イチョムに目をつけられていることは自覚していました。火器都監(ファギトガム)の労働者で少女のはウンソルホン・ジュウォンを見て「いい男だわ」とため息をつきました。ウンソルと一緒にいるスドクは礼曹判書に対し盾突いたのはやりすぎだったのではと言いました。ウンソルは権力者の前でも怯まない態度が素敵なのよというと、火器都監(ファギトガム)の炊事係のおばさんでウンソルのお母さんオクチュは「下働きの分際で何言ってるの」とウンソルの頭を飯のついたシャモジで小突きました。ウンソルに触れようとするスドクをオクチュはシャモジで叩きました。ウンソルは母に逆らい「何よ」と声を荒げました。
ホン・ジュウォン校理(キョリ)は火器都監(ファギトガム)の労働者の様子を見回り念入りに仕事をすすめていました。
「主上殿下のおな~り~」
火器都監(ファギトガム)に光海君(クァンへグン)イ・ホンがカン・ジュソンら重臣を伴って視察に現れました。
「放て。」
光海君(クァンへグン)が命じると目の前に並べられた車輪付きのいくつもの大砲が発砲され的に命中しました。イ・イチョムは「はっはっは」と笑いました。
「次は何だ。」
光海君(クァンへグン)はホン・ジュウォンに尋ねました。
「火器都監(ファギトガム)の火薬を使った飛撃震天雷(ピギョクチンチョンネ)です。」
青色の官服を着ているホン・ジュウォンは王に答えました。
「始めよ。」
光海(クァンヘ)君が命じると木の小型の荷車に太い縄で縛り付けられた大筒が運び込まれ発射されました。大きな玉は建物の中に置かれた木の的に命中し、燃え上がりました。
「殿下。実に雄大かつ壮大で見事でございます。」
王の義兄ユ・ヒブンは言いました。
「これは明国の火薬に匹敵する威力です。」
大北(テブク)の重鎮チョン・イノンは王に言いました。
「これほどの威力なら明国も後金もわが国を侮れません。火力が国力を生みます。」
イ・イチョムも王に言いました。
「そなたはどう思う?」
光海君(クァンへグン)はキム・リュに尋ねました。
「実に壮大です。」
西人(ソイン)派の領袖キム・リュは言いました。
「その言葉はすでに聞いた。ならばそなたはどうだ?」
光海君(クァンへグン)は西人(ソイン)派のイ・グィに尋ねました。
「そ・・・その・・・明国の火力と比べても・・・。」
イ・グィは言いかけました。
「おっほうー。あきれたものだ。それも先ほど聞いた言葉だ。余に学問はそっちのけと罵る前に、言葉が乏しすぎる。そなたらが最も得意とするものは言葉ではなかったか?あ?あっはっは。では余の得意なところを見せてやろう。」
光海君(クァンへグン)が言うと下の者が火縄銃を王の御前に持ってきました。
光海君(クァンへグン)は長い銃を的に向けて撃つと見事に中央に命中しました。
「はっはっはっは。殿下。」
ユ・ヒブンは喜びました。
夜になりました。
王宮では重臣らを招いて庭で宴が開かれました。
「火薬なら、明国が提供してくれますのに、なぜわが国でつくるのでしょう?」
西人(ソイン)のイ・グィはキム・リュに言いました。
「しかしこれほどなら火器都監(ファギトガム)の成果と言えるやも。」
キム・リュは言いました。
「心配ですな。明国が知れば不快に思うはず。」
イ・グィは言いました。
「しかし殿下の政策は理解できます。後金のヌルハチが国境一帯の民を攻撃しています。いつ戦が起こるかわからない。」
カン・ジュォンは二人に言いました。
「だから間違っているというのだ。後金の台頭に備えるならなおさら明の意に従うべきだ。」
キム・リュはカン・ジュソンに言いました。
花火が上がりました。
火器都監(ファギトガム)。
ホン・ジュウォン校理(キョリ)は花火を見上げていました。
「眉間に皺が寄っているな。そう顔をしかめるな。貴重な火薬を空に打ち上げているから不満であろう。違うか?」
光海君(クァンへグン)はホン・ジュウォンに言いました。
「はい。そうです。国境一帯の状況をご存知ですか?」
ホン・ジュウォンは王に言いました。
「どんな状況だ?」
光海君(クァンへグン)はホン・ジュウォンに尋ねました。
カン・ジュソンの家。
カン・ジュソンは家に帰ると夫人が庭まで降りて夫を出迎えました。
「花火の音が都城中に響いておりました。」
カン氏夫人はカン・ジュソンに言いました。
「わかってやれ。主上殿下もあれくらいせねば面目が立たぬ。」
カン・ジュソンは言いました。
「おかげでよい物が見られましたわ。ドハが帰って来ました。」
夫人は微笑みました。
火器都監(ファギトガム)の部屋。
「朝鮮は硫黄と硝煙が採れないので自給できません。」
ホン・ジュウォンは王に言いました。
「あ~。私が知らぬかと丁寧に教えてくれたのか。」
光海(クァンヘ)君は硫黄を手に持ち軽く、くつろいだ調子でホン・ジュウォンに言いました。
「状況報告は、私の仕事です。」
ホン・ジュウォンは光海君(クァンへグン)に突っかかるように言いました。
「そうか。続けてみろ。」
王はホン・ジュウォンに言いました。
「私めに国境の視察をお命じください。国境の村々が後金の略奪に苦しんでおります。銃はあっても薬莢がないために国境の兵士は苦戦を強いられているではありませんか!訓練に使う薬莢さえありません!」
ホン・ジュウォンは王に苦言を呈しました。
「しかしなぁ。火器都監(ファギトガム)を存続させるためには、あ~。見せるのも大事だ。」
光海君(クァンへグン)は両手を持ち上げて小ばかにしたようにホン・ジュウォンに言いました。
「あの火薬があれば国境の村を守れたのですよ!」
ホン・ジュウォンは怒りました。
「殿下。そなたはいつも言わぬな。殿下と。あ~資格のない私を王と呼ぶのは、不本意であろう。私があの時の無礼を忘れたと思うか?」
光海君(クァンへグン)は親しげにホン・ジュウォンに言うと背を向けました。
「それで・・・それで、私をお傍に置くのはどうしてですか?私の考えは、今も同じです。」
ホン・ジュウォンは低い声で王に尋ねました。
「それが理由だ。それでもそなたがここにいるのは火薬の必要性を知っているからだ。ゆえに、できぬことはない。どんなこともするだろう。喜んで。違うか?」
光海君(クァンへグン)はホン・ジュウォンに顔を近づけて言いました。
夜の硫黄鉱山の村のマルノの家。
ファイ、貞明公主(チョンミョンコンジュ)は江戸に一発儲けに行きたいとマルノに言いました。
「無理に決まってる。頭の回るお前がいれば俺も助かるよ。だが関所を通れない。女は許可がなければ通れないんだ。」
マルノは囲炉裏を囲むファイに言いました。
「どう見ても男の格好だろ?グボク。女に見えるか?」
ファインは両手を広げて言いました。
「おお・・・それはだなぁ・・・。」
太っちょのグボクは言葉を濁らせました。
「ファイ・・・十分女に見える。マルノ。こいつはだめだ。馬鹿な考えはよせ。」
ジャギョンは真顔で言うと部屋を出ました。グボクのすまなそうな顔をしていました。
ファイはジャギョンの後を追いかけ庭に出ました。
「女が他の地方へ行くには手形がいる。女で奴隷の前がどうやって江戸に行くんだ?ばれたらその場で殺される。」
ジャギョンはファイに言いました。
「わかってる。」
ファイは大きな声でいいました。
「なんでだよ。どうしてそこまでする!もしかして、朝鮮通信使か?朝鮮に帰ろうと?」
ジャギョンはファイに言いました。
「そうだ。だからお前は私を止められない。箱根で捕まる可能性があっても、私は絶対に行く。」
ファインはジャギョンに言いました。
夜の大妃の部屋(服装からして王宮の外の流刑地か?)。
「夢を見たのだ。あの子が。死んだ公主が夢に出た。みちがえるほど、成長していた。」
仁穆大妃(インモクテビ)キム氏はチョン尚宮に言いました。チョン尚宮は大妃に共感しながら話を聞いていました。
「おきれいでしたか?きっとそうでしょう。」
チョン尚宮が言うとチョン尚宮は咳き込み薬の器を割りました。
王の執務室。
「ホン校理(キョリ)を江戸に派遣し例の件を?」
尚宮キム・ゲシは光海君(クァンへグン)に茶を注ぎました。
「ああ。」
王は言いました。
「殿下。殿下と朝鮮の命運がかかった問題です。漢陰(ハヌム、イ・ドッキョン)の死後朝廷を去ったホン・ヨンの息子です。殿下に反抗を・・・。」
キム・ゲシは光海君(クァンへグン)に言いました。
「私はかつて父上を殺した者とも手を組んだ。必要なら使うまでだ。感情など無意味だからな。早く茶をくれ。」
光海君(クァンへグン)イ・ホンは文書を読み終えるとキム・ゲシに言いました。
「はい。」
キム・ゲシは茶を差し出しました。
「ホン校理(キョリ)に必要な物を与えよ。理由はそのうちわかる。」
光海君(クァンへグン)イ・ホンは茶を飲みました。
「仰せの通りにいたします。」
キム・ゲシは暗い廊下を考えを巡らせながら歩いていました。
光海君(クァンへグン)イ・ホンは暗い部屋でひとり考えていました。
回想。
「硫黄で倉庫を満たせ。そなたは倭国に赴き闇取引をすればよい。」
光海君(クァンへグン)は火器都監(ファギトガム)でホン・ジュウォンに命じていたのでした。
「しかし、闇取引は国法に反します。」
ホン・ジュウォンは言いました
「ああ。国法か。それなら私が変えてやる。今までも闇取引してただろう。近頃は硫黄が手に入らぬと聞いた。まるで何者かが買い占めているかのように。直接買うほかない。やむを得ぬ。」
光海(クァンヘ)君はホン・ジュウォンに言いました。
「これまでの取引とは訳が違います。朝鮮の王が闇取引をしたと知れたら、外交問題になります。」
ホン・ジュウォンは言いました。
「外交問題か。答えは簡単だ。発覚しなければよいのだ。はっは。」
光海君(クァンへグン)は笑いました。
ホン・ジュウォンは火器都監(ファギトガム)の部屋で怒りが込み上げ拳で机を叩きました。
日中の箱根の関所。
「マテ。」
関所の役人は通行人を検問していました。触書きには「関を通る女は証文と照合する検査を行う」と書いてありました。
関所の役所。
「硫黄を運んできました。長崎で発給された身分証です。全部公認です。」
マルノは関所の奉行に証文を見せました。
「五人と。荷車一両。」
奉行は横の与力のような男に言いました。
「モッテイケ。」
役人はマルノに許可証を渡しました。マルノは頭を下げて許可証を受け取りました。
「おい。今からでもファイは送り返すべきです。下手すれば親方にも危険が及びますよ。」
やくざの子分は親分のマルノに言いました。
「何が危険なんだ?いざとなれば捨てればいい。取引でファイ以上に頭のまわる奴はいない。無事関所を通過すれば、俺には得だ。ファイは?」
マルノは子分に言いました。
ファイは小屋の中で下着の衣の紐を絞め、上着を羽織りました。
関所の検問所。
「マルノ。手形をくれ。」
ファイはマルノに言いました。
「ばれても俺の名を出すなよ。」
マルノは通行証をファイに渡しました。
「お前を道連れにはしない。」
ファイは通行所を受け取り懐に入れました。
「あのばあさんが人見女だ。女を見分ける役目だ。熟練らしいが本当に大丈夫か?」
グボクはファイに言いました。関所のところで老婆が厳しい顔つきで見ていました。
「まだ間に合う。お前は帰れ。」
ジャギョンはファイに言いました。
「お前だけ江戸見物に?いやだね。」
ファイはジャギョンをにらみました。
「お待ち。捕まえとくれ。」
人見女の老婆が言いました。
「やめてください。助けてください。江戸に入れてください。助けてください。」
男装した女性が連行されました。
「女とわかれば処刑される。」
マルノは後ろを振り返りファイに言いました。
「わかってる。行こう。先に通れ。私は後でついていく。」
ファインは皆を先に行かせました。
「ちょっとお待ち。お前、女だろう?捕まえておくれ。」
老婆はファイに言いました。
「やめろ。」
ファイは抵抗しましたが役人に捕まりました。
「おほほ。脱がしておやり。」
老婆はファイの顎を手づかみして言いました。
「やめろ。やめろ。」
ファイは暴れました。そのとき、ほら貝の音が鳴りました。ジャギョンは「ファイやー」と叫びましたがマルノに抑えられました。
「朝鮮通信使の一行が到着した。予定より早くなった。急ぎ道を開けよー!」
ご公儀の役人が走ってきて皆に言いました。
「しかし。手形を確認しないと・・・。」
下っ端の役人が上の役人に言いました。
「朝鮮通信使に全力を尽くして歓迎せよと、上様の仰せを忘れたのか!この騒然をした状況を見せる気か!通せ!」
馬で到着した役人(ご公儀の役人)は命じました。
「通せ!」
「お前も行け!」
ファイを取り押さえていた親切そうな役人はファイを見逃しました。
ファイは運よくマルノたちと合流しました。
「通信使だ。」
関所の向こう側でファイたちは地面に跪いて一行に頭を下げました。
カン・ジョソンやホン・ジュウォンらが馬に乗って過ぎ去りました。
ファイは行列を見送りました。
江戸。
「いいおしろいいかがですかぁ。」
江戸の町は活気にあふれにぎやかな音がしていました。
ファイは江戸に入れて喜びました。
江戸の旅籠。
「そなたはあの件を調べろ。」
ホン・ジュウォンは部下に命じました。カン・ジュソンはホン・ジュウォンを部下に呼びに行かせました。
マルノたちのいる宿屋。
ファイとジャギョンとグボクは同じ部屋に泊まりました。
「わ~これは何だろう。わ~すごいすごい。江戸は何もかも違うな。街の人を見たか?花の香が漂ってた。」
グボクは部屋に備え付けのアメニティの手鏡を見て喜びました。
「黙って荷をほどけ。」
ジャギョンは黙々と荷をほどいていました。
「漢陽(朝鮮の都)を見たことがないから不思議なんだよ。チッ。」
グボクは小さくなりました。
「大丈夫か?箱根ではたいへんだったろ?」
ジャギョンはファイに言いました。
「ほ?や~。あれしきのこと私がたいへんなわけない。」
ファイは言いました。
「じゃあなんでぼーっとしてたんだ?」
グボクの荷物をほどきはじめました。
「いや。なんでもない。」
ファイは答え懐の許可証を開きました。
「何ぐずぐずしてるんだ。さっさと硫黄を運ぶなり仕事を見つけるなり飯代ぐらい働け!」
突然ふすまが勢いよく開き、やくざの子分が現れました。
ジャギョンとグボクはすぐに部屋を出ていきました。
「おいファイ。テメェが何考えているかすべておみとおしなんだよ。あきらめるんだな。その通行所では朝鮮はおろか江戸を出ることすらできねぇ。だからお前はおとなしく自分の仕事をしろ。ま。そのかわいらしい顔であほな朝鮮商人一人くらい口説いてみるか?」
やくざの子分はファイに言いました。
「ハナセッ!コノヤロウ。」
ファイはジャギョンのところに行きました。
「ファイや。」
ジャギョンはファイを呼びました。
江戸の街。
「や~。あいつの言う通り朝鮮に行く方法はない。どうやって海を渡る?長崎も江戸と同じだ。」
ジャギョンはファイに追いつくと言いました。
「いいや。江戸は違う。朝鮮から人が来てるだろ。覚えているか?私に金持ちの子かと聞いただろう。そうさ。私の親父は富豪の執事だった。通信使の中に私を助けてくれる人がいるかもしれない。あの時、生き残ったものが一人でもいたなら。」
ファイはジャギョンを見上げて言いました。
江戸の茶屋。看板には「煎茶、甘酒」などと書かれていました。
「どうしたのだ?飲まぬのか?」
キム・ジョソンはホン・ジュウォンに酒をすすめました。
「ここは朝鮮ではありません。酔うわけには・・・。」
ホン・ジュウォンは遠慮をしました。
「何だと?すすめた私が気まずいではないか。私は官僚失格だというのか。」
「とんでもないことです。」
「戯言だ。わかるな?」
「そうだ。酒はそのくらいにして、散歩をしよう。」
カン・ジュソンは優しく言いました。
カン・ジュソンはホン・ジュウォンに一緒に働けてうれしいと言いました。ホン・ジュウォンは火器都監(ファギトガム)に志願して以来、父には会っていないと言いました。カン・ジュォンはホン・ジュウォンに今や王の側近になるとはというと、ホン・ジュウォンはとんでもないことだと怒りかけました。
「あんな若造を使い、主上(チュサン)は何をするつもりだ。」
カン・ジュソンは仕事に戻ったホン・ジュウォンを見つめながら王を「主上」と王より目上の人間しか使えない言葉で呼びました。
朝鮮の山。
怪しげな民の男が鷹から届いた手紙を部下に届けろと命じていました。部下は馬を走らせました。
光海君(クァンへグン)は手紙を受け取りました。
「一月七日牛の刻。」と手紙に書かれていました。
江戸の飯屋。
飯屋は男たちの声でにぎやかでした。
ホン・ジュウォンは部下から報告を受けていました。
「この男が江戸の硫黄を独占するイダチ(まさか伊達ダテか?)です。国内のみならず明への輸出も取り仕切ってます。」
部下は人相書きをホン・ジュウォンに見せました。
「イダチの仲介人は捜せたか?」
ホン・ジュウォンは部下に言いました。
「はい。一応見つかりましたが、危険な仕事ゆえ、ここで会う約束をしましたがまだ来てません。」
部下は言いました。
「おっ・・・おっおっ。」
突然グボクがホン・ジュウォンの腰かけた椅子にぶつかりました。
「何をするのだ!」
部下はグボクを押しのけました。
「モウシワケゴザイマセン。酔っぱらってつい。」
グボクは背中を丸めて謝りました。
「よいのだ。使節の本分を忘れるな。」
ホン・ジュウォンは部下を諫めました。
「はい。旦那様。」
部下は了承しました。
「アリガトウゴザイマス。アリガトウゴザイマス。」
グボクは通り過ぎて行きファイの席に腰かけました。
「間違いない。あの二人は朝鮮人だ。商人ではなく通信使の官僚のように見える。」
グボクはファイに言いました。
「官僚って確かか?」
ファイは言いました。
「うん。使節がどうとか言ってたし・・・いでたちも・・・。俺たちは商人を捜さなきゃ。もう行こう。」
「ちょっと待て。」
ファイたちが飯屋に居座っていると役人風の武士が入ってきて椅子に腰かけました。
「来ぬつもりかな。帰るぞ。時間がない。ほかの方法を捜す。」
ホン・ジュウォンが部下と帰ろうとするとやくざの男とぶつかりました。
「失礼しました。」
部下はやくざの男に謝りました。
「おい。ナンダ。ダマッテイクキカ。」
やくざの男は部下に言いました。
「すまなかった。」
部下はまた謝りました。
「朝鮮人か。人にぶつかったら頭を下げろ。黙っていく気か!」
額に「大」の入れ墨をした男はホン・ジュウォンの部下を押しました。
「先ほど謝ったではないか。」
部下は頭に血が上りました。
「シュミマセン。シカシ。コレクライノコトデ、イイガカリヲチュケルノハ、ドウカトオモウガ。どいてくれませんか。」
ホン・ジュウォンは片言の日本語でやくざに言いました。
「なぁに!?キサマー!」
やくざの親分は怒りました。
「まーまーまーまー。あにき!落ち着いてください。この朝鮮人、何も知らないんですよ。ろくに謝り方も知らないくせに。」
ファイはやくざとホン・ジュウォンの間に入りました。
「どけ。」
ホン・ジュウォンの部下は主人をかばうためやくざの親分との間に入りました。
「なんなんだオマエハ?」
ホン・ジュウォンはファイに言いました。
「あなたこそ、奴らを誰と?」
ファイは朝鮮語でホン・ジュウォンに言いました。
「そこをどかぬか!」
ホン・ジュウォンの部下は大きな声で怒鳴りました。
「やめよ。ここは朝鮮ではない。」
ホン・ジュウォンは部下に言いました。
「みんな捕まえろ!」
やくざの親分は子分に言いました。
「逃げろ!」
ファイはホン・ジュウォンの手を引いて逃げました。部下もホン・ジュウォンについていきました。
「あの男たちはなんだ?」
ホン・ジュウォンはファイに言いました。
「あの額の文字は重罪人のしるしだ。罪を犯すたびに一画増えてさっきの男は点を書けば犬になる。異国に来て風習も知らずに来たのか?」
ファイはホン・ジュウォンとジュウォンの部下に言いました。
「アッチダーマテー。」
やくざの声がしました。
ファイはホン・ジュウォンを連れて部下に反対方向に行くように指示して逃げました。
ホン・ジュウォンはファイに虚無僧の籠の帽子を被せて二人でやくざから隠れました。
「アソコダー!マテーマテコラー!」
しかしやくざは二人の変装を見抜きました。
橋。
「うっまくまいたな。」
ホン・ジュウォンはファイに言いました。
「気味の悪い奴らだ。朝鮮の男は足が速いな。」
ファイはホン・ジュウォンに言いました。
「そなたは朝鮮人か?」
「私か?まあそうだが。今は奴隷だ。江戸の人間じゃない。長崎の硫黄鉱山で働いてる。商売のために来たんだ。それであんたは朝鮮から来た通信使だろ?服装や言葉でわかる。これも縁だ。名のり会おう。私はファイだ。あ~奴隷の私には名乗りたくないか?」
華政ファジョン10話の感想
ああ、面白かった。これってどこで撮影してるのだろう?日本の江戸時代っぽい街並み。韓国にもこういったセットがあるのかな?うまい具合に貞明公主(チョンミョンコンジュ)とホン・ジュウォンが再会うしました。悪の親玉みたいなカン・ジョソンもなぜか江戸についてきて。「華政(ファジョン)」の中で出てきた「額に犬」の文字を書く風習は本当にあったそうですねw朝鮮の視点から見たらかなり風変りな制度だったことでしょう。そして女性って朝鮮では自由に移動できたのかな?その辺がわかりませんね。日本では一生村から出たことのない女性がほとんどで昭和まで田舎ではそんな風習だった時代です。それだけ治安が悪かったのでしょうね。きっとこれから素敵なラブストーリーが待っている気がします!ファジョン(華政)のあらすじと感想まとめ
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