医心伝心(名不虚伝, 명불허전)17話
目次
あらすじ
チェ・チョンスルはホームレスの親分に陥れられて逮捕されました。キム親分は意識が亡くなり容態が危険になりました。子分は警察署で刑事に訴えました。チェ・ヨンギョンは親分の心臓から針を抜く手術を行いました。ヨンギョンは親分の心臓から針を抜くと、鍼が出血の原因ではないと診断しました。刑事はチェ・チョンスルは20年前にも処方した薬で患者が亡くなり執行猶予の前科がありました。許任(ホ・イム)は牢屋にいるチェ・チョンスルに20年前に何があったか尋ねましたがチョンスルは「大丈夫だ。大丈夫だ。お前は何があっても動じてはならぬ。汚れた奴らに惑わされたら負けも同じだ。自身にも開けることになる。お前はなぜ医員(イウォン)を目指したのか忘れてはならない。奴らの思いどおりになるな。」と言いました。
ヨンギョンは看護師から親分の家族も連絡先も持病もわからないと言われました。後輩のミンギュは親分の服を持ってきました。親分の服からアスピリン(鎮痛剤)が見つかりました。ヨンギョンはこの薬のせいで出血が止まらず重傷になり、通常はミスでも出血しないと刑事に説明しました。ユ・ジェハは話を看護師から聞いてそんなミスは絶対にあり得ないと言いました。
許任(ホ・イム)は刑事とともにシンヘ病院に行きました。
「なぜそなた(チョジャ)が・・・。」
と許任(ホ・イム)が呟くと、刑事は「妻子(チョジャ)の話ではなく・・・。」と本題に入りました。刑事は後輩の案内で親分のところに行きました。ホ・イムはヨンギョンを励ましました。
ホ・イムが病室に行くと、親分は「私にはわかりません。被害者です。間違いなくチェ・チョンスルが鍼を刺した」と刑事に証言していました。
回想シーン。
親分が自分で鍼を心臓に刺す場面。
夕方の院長室。
「なぜこんなことをしたんですか?」
許任(ホ・イム)は優雅に茶を飲んでいるマ・ソンテに言いました。
「お前わかってるじゃないか。あのような医院を潰すことはたやすいのだ。」
マ・ソンテは認めました。
ホ・イムは医術を悪用してはならないと断りました。しかしマ・ソンテは院長は生涯刑務所で過ごすことになると脅しました。
「ご尊父殿(ヨンガムオルシ)は私が守る。」
ホ・イムはそういうと部屋から出て行きました。
許任(ホ・イム)はキム親分に考え直すように頼みましたが断られました。ホ・イムは正座をして本当のことを言って欲しいとお願いしました。しかし親分は「加害者の身内が被害者を脅すのか?」と言いがかりをつけてきました。
「鍼は人の命を救うためのもので人を死なせる道具ではないじゃないですか。どうか旦那様の鍼術で、多くの人を助けたことを思い出してください。どうかお願いします。」
ホ・イムは真摯に頼みました。
ユ・ジェハは祖父が親分と一緒にいたところを思い出しましたが「そんなことをする人じゃない」と否定しようと思いました。そこにマ・ソンテが現れ車に乗ったのでチェハは祖父の後を追いかけました。
マ・ソンテはチェ・チョンスルと面会しました。チェ・チョンスルは「20年前と同じ方法を使うとは」とホ・ジュン(許浚)を利用したことについて言いました。
「お前は酷い手を使った。だがホ・ジュン(許浚)はお前に従わなかった。」
「そのせいであんたが酷い目に遭ったのでは?」
「追い出されたお前の婿と比べたらどうということはない。だが許任(ホ・イム)の奴を利用することだけはやめろ!」
「今回は執行猶予では終わらないぞ。兄貴。」
「なぜホ・ジュン(許浚)がお前を案じたのかわかる。ホ・ジュン(許浚)の言う通り、お前は結局そういう奴なのだ。」
二人の話をユ・ジェハは聞いていました。
回想シーン。
警察署の前で自分の側について言う通りにしてくれたらチェ・チョンスルを助けるとマ・ソンテがホ・ジュン(許浚)を説得する場面。
「私は兄者(ヒョンニィ、マ・ソンテ)の欲のために協力してきたのではなくただただ病者を救うためなのです。」
「それはもちろんわかっている。」
「ならば、私が頼みを聞けぬ理由も知っているのではありませんか?」
「チョンスルさんが助からなくてもいいのか?」
「チョンスルさんが助からなくても私は医員(イウォン)の志を通します。医員(イウォン)は医の心で事を成すべきです。兄者は私の処方箋で多くの利益を得ましたがチョンスルさんには勝てません。」
夜の警察署の玄関。
「結局、医員(イウォン)として名をはせるのはチェ・チョンスルではなくこの私だ。」
マ・ソンテは硬い表情でつぶやきました。
「20年前も同じことをしたのですね。父がそれを止めようとしたのでは?」
ユ・ジェハがマ・ソンテの前に現れました。
「わかったならお前が何をすべきかわかるだろう?」
「おじい様も医者では?それなのに人の命をこんなことに・・・。」
「芯でないだろう。奴も対価を自ら望んで同意した。」
「そこまでしてあの人=許任(ホ・イム)が欲しいのですか?」
「お前にはあいつほどの力が無いからだ。」
シンヘ病院。
チェ・ヨンギョンはキム親分を見回りに行き高血圧なのにアスピリンを使用する危険性について尋ねました。親分はマ・ソンテに鍼の刺し方を習い、高血圧と言ったものの、すぐに血が止まると言われたことを思い出しました。親分はヨンギョンがチェ・チョンスルの孫であることを知りました。
警察署。
許任(ホ・イム)が刑事に放免するよう頼んでいました。そこにチェ・チョンスルがいったん保釈となりました。心臓が弱って来たチェ・チョンスルはホ・イムと一緒に家に帰りました。
恵民署(ヘーミンソ)。
ホ・イムは嫌がるチェ・チョンスルの脈診をして心臓が弱り痛みや震えが強くなると診断し手術をすすめました。チョンスルは「天寿をまっとうする」と孫にはまだ教えないように言いました。ホ・イムはチェ・チョンスルに痛みや震えを緩和するための鍼を打ちました。チェ・チョンスルは留置所で言ったことを忘れないようにとホ・イムに言いました。
ヨンギョンが帰宅しました。ヨンギョンはホ・イムに祖父のことを昔はすごいと尊敬していたけどお母さんが亡くなり憎んで外科医になったと言いました。
「でもわかったの。お母さんは助からなかったと。おじい様はお母さまの痛みを知って最善を尽くしていたと。お父さんだけでなくお母さんも死んで、恨む人がいなかったから。だからおじい様を憎んだのかも。わかったの。私はおじい様のことが今も好きで、信じてると。おじい様がいないとダメなの。」
「すまない。」
「何がすまないの?こうしてそばにいてくれるだけでいいの。」
「(そばにいたい。ずっと旦那と一緒にあなたのそばにいたい。)」
ホ・イムはヨンギョンの手を取り思いました。
夜が明けました。
ホ・イムはマ・ソンテから心臓神経症の患者を数日間目覚めないようにしてほしいと頼まれていました。ホ・イムは灰色のスーツに着替えて出かけました。チェ・チョンスルが「許されぬことだ。ダメだ」とホ・イムの著書を持って出て来ました。「あいつは医術を悪用する気だ。一度でも過ちを犯すともう戻れなくなるぞ。」チェ・チョンスルは著作の文字が消えかけていることをヨンギョンに教えました。
ヨンギョンは車を走らせユ・ジェハに連絡し院長の居場所を尋ねました。
マ・ソンテは自分の車に許任(ホ・イム)を乗せて、いう通りにやらなければチェ・チョンスルは一生牢獄だと脅しました。ホ・イムのスマホに「私のガム」から電話がかかりました。ホ・イムは着信を無視しました。
ヨンギョンはチェハに会い「あの人は一生鍼を持てなくなる」と助けを求めました。
ミン会長は株主総会の間だけ弟を眠らせて欲しいとマ・ソンテに頼んでいました。ホ・イムは会長の弟を診察し心虚症と診断し、一瞬、生かす反対を考えました。
チェ・チョンスルは消えていくホ・イムの著作を見て心臓を痛めました。
ヨンギョンは祈っていました。
ホ・イムは鍼を打とうとしました。しかし鍼を持つ手が震え始めました。ホ・イムは鍼を打てずに部屋から出て行きました。ホ・イムの手の震えは止まらなくなりました。
回想シーン。
ホ・イムがホ・ジュン(許浚)から王様の治療に成功したら望みの職に就けると勧誘された場面。
「そういうことか。」
ホ・イムは鍼の謎に気が付きました。
(つまり鍼はホ・イムを正しい道に導いています。)
夜になりました。
ホ・イムが家に帰ると泣きはらしたような表情のヨンギョンが門前で待っていました。
「食事はもう済んだ?私はまだなの。久々に豆腐チゲを作ったの。もしかして、好き?実は、料理が苦手なの。でも料理は真心でしょ?おいしくなくても・・・。大丈夫。大丈夫。」
ヨンギョンはホ・イムを優しく抱擁しました。ホ・イムは涙を流しました。
恵民署(ヘーミンソ)のリビング。
「鍼が泣いたのだ。少女が亡くなった後だった。鍼が泣いたのはその時だけだ。だが今日は鍼が起こっていた。志す道に背いた、愚かな私に・・・。」
ホ・イムは言いました。
「この鍼は正義感が強いのね。お礼を言うべきかしら。あなたは感謝しないと。あなたが王様の治療に成功したらあなたの人生は変わった?今日鍼を打ってたら?おそらくあなたは・・・。私が知っているあなたは、今日よりもっと不幸になったと思うわ。感謝しなきゃ。あなたと運命を共にできたこと。」
チェ・ヨンギョンはホ・イムに言いました。
「まだ私の手元にあるゆえ、まだ何かありそうだ。この奇妙な運命の果てはどうなるのか。」
ホ・イムは鍼筒を手に取って眺めました。
ユ・ジェハは屋台で飲んでいる子分に声を掛けました。
「いくら貰ったんだ。」
チェ・チョンスルは親分に会いに行き、自分の体を傷つけるのは罪だと諭しました。
「息子は自分のためにお前が死んだと知ったら可哀そうだ。さあ粥だ。心臓に効くぞ。息子に会いに行け。息子はカネより父親の無事を願うはずだ。息子に会いに行け。食べろ。」
チェ・チョンスルは親分にお粥の差し入れをしました。親分は涙を流しました。チェ・チョンスルも親分を哀れに思い涙を流しました。
夕方、マ・ソンテはミン会長にもう一度機会をくれるよう電話で頼んでいました。
「もう終わりにしましょう。おじい様。」
ユ・ジェハが院長室に現れました。
夜の恵民署。
ホ・イムはホ・ジュンも同じ目に遭ったとチェ・チョンスルから話を聞きました。
「あいつは私を犠牲にしてまで志を貫いた。もしあいつが私のために手を汚したら、私も一生重荷を背負わねばならなかった。だがホ・ジュンのおかげで医員(イウォン)として生きて来られた。はぁ。誰に何を言われようと医員(イウォン)の心を守るべきだ。それでこそ私は医員(イウォン)だと患者の前で堂々とできるのも事実だ。だから私のために手を汚すな。なぜ私のいう事に逆らった。愚かな奴め。」
チェ・チョンスルはそう言うと部屋に戻りました。
ホ・イムはホ・ジュン(許浚)から言われた言葉を思い出しました。
「その歪んだ心が医員(イウォン)として生きる道を阻んでいるとわからぬのか。医員(イウォン)たるもの鍼さえ打てばよいのか。自身の価値も分からぬ愚か者めが。」
ホ・イムは懐から鍼筒を取り出すと空を見上げました。
感想
医心伝心17話の感想です。ホ・イムはやっと魔法の鍼の謎と、ホ・ジュンの助言などから自分がなぜ間違っているのか理解しました。ホ・イムが国王に鍼を打てなかったのは、出世という欲が動機になっていたからです。鍼は施術者が正しくしか打たせないという心を持っていたのでした。ホ・ジュンもまた同じ経験をして本質を体得したようです。
今回ではヨンギョンはホ・イムが朝鮮に帰るべき愛しい人と認識していることがわかりました。
ユ・ジェハも実はいい人で、祖父を汚らわしく思っています。
ホ・イムは鍼筒に付きまとわれているといってもよいでしょう。あの鍼筒はホ・イムに絶対悪い鍼を打たせないようにして導いてくれています。実はとっても「有難い鍼」なのです。私たちにはそんな魔法の鍼なんてありませんから、いろいろあれこれやらかしつつも、自力で、自分でなるべく善い道を行くしかありません。それと比べると鍼筒を持ってるホ・イムは幸せです。
誰しも自信を持って生きるために乗り越えるべき課題というものがあり、それがホ・イムにとっては邪な心を抱かず医員(イウォン)として生きるということでした。
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