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医心伝心全話(1話~最終回20話)あらすじネタバレ感想(名不虚伝, 명불허전)


医心伝心(名不虚伝, 명불허전)

医心伝心(名不虚伝, 명불허전)Live Up To Your Name Dr. Heo

目次


概要

医心伝心(名不虚伝, 명불허전=ミョンブルホジョン)は2017年の8月12日から10月21日にかけての土日に放送された韓国ドラマです。演出はホン・ジョンチャン、脚本はキム・ウニ、出演者はキム・ナムギル(赤と黒、善徳女王) 、 キム・アジュン(サイン、海神) 、 ユ・ミンギュ(七日の王妃、主君の太陽) 、 ムン・ガヨン(客主、偉大な誘惑者)他です。

実在した朝鮮の鍼医許任(ホ・イム30歳)が現代と朝鮮を往復するタイムスリップメディカルラブコメドラマです。

現代では胸部外科医のチェ・ヨンギョン(32歳)が凄腕の医師としてシンヘ病院に勤務していました。しかし彼女にはあるトラウマがあり、ホ・イムと出会うことで忘れていた記憶がよみがえり彼女を苦しめることになります。

あらすじ

万年参奉(チャンボン)のホ・イムは昼は恵民署(ヘーミンソ)で民の診療を10年間行い、夜は高官の往診を行い自分の夢を叶えるために財を蓄えていました。ホ・ジュン(許浚)はそんなホ・イムを残念に思っていました。ある日、ホ・イムは国王の鍼治療に呼び出され、そこで鍼を持つ手が震えて逃げ出し現代にタイムスリップてしまいます。

各話あらすじ


感想

この医心伝心(名不虚伝, 명불허전)というドラマは軽いタッチとシリアスが入り混じる、笑いあり涙ありの面白いドラマです。キム・ナムギルは日本ではあまり人気が無いのか?ちょっと反応薄ですね。でもキム・ナムギル演じるホ・イムはとてもいいキャラだと思います。まるでチャップリンのコメディタッチを連想させるような、絶妙な演技。チェ・ヨンギョンはトラウマを抱えていて、事故を連想する場面になると、何かを思い出しそうになって、とてもつらい気持ちになり気持ちが乱れます。それはホ・イムと出会うことにより起きるようになりました。誰にとってもつらかったときのことを思い出すと、当時の感情があたかもそのまま思い出されて今あるような感じになってつらいですよね。そういうところはうまく描写されていると思います。しかしそこを乗り切って、医師としての使命を果たせる強さを獲得するのがこのドラマ。主人公たちはつらい経験を通して成長していきます。そんな主人公に、いつの間にか視聴者は励まされているように感じます。誰にとっても苦手な場面は程度の差はあれあると思います。お金を権力を持っていたら、そういうことはおカネで逃避することができるのかもしれませんが、それは弱いということを意味しています。つらい記憶や病気があっても、それを克服して生きようとする心、それが重要であるとこのドラマは述べています。
その心を一言で表せば勇気そのものなんですね。あの怯えた自分に戻りたくない、人生をダメにして後悔したくない。臆病な私たちにとっては励みになるドラマだと思いました。

18話あたりからホ・イムやチェ・ヨンギョン、ホ・ジュンや謎の少女、そしておじいちゃんのチェ・チョンスルの心の問題の話になりました。ホ・イムは鍼筒の謎を解いた時、鍼筒は彼の手元を離れたのです。

心は体と密接に連動していて心が痛いと胸が痛くなる、その逆も同じです。チェ・チョンスルは息子夫婦と孫のことで長年悲しみ心を痛めていたせいで心臓病を患っていたのです。長年に渡り、心に強い悲しみと後悔の念を抱え続けることはすごく体への負担が大きいのです。ヨニという謎の少女も西洋医学的な問題では解決できない心の傷を抱えていました。生きる気力が消えそうだったので、食も細くなり体力がなくなって衰弱していたのです。ヨンギョンは祖父の心の傷を癒し、ホ・イムはヨニの心の痛みを魂ごと消し去りました。現代の西洋医学の価値観ではこんなことあるか!なんて視聴者は思うかもしれませんが、心の問題というものは薬では治りません。生きたいという自分の意思が無いと、傷ついた心が原因で体が病んでしまうのです。

このドラマはそんな心の傷(自らも隠したくなるような悲しみの強い感情)を癒して治すことを割とリアルに描いています。観念だけの癒しではなく、根っこのところから痛みを取り去るので体も元気になるというわけです。

ヨンギョンもまた自分がわがまま言ったせいで父が死に、母を鍼で救えなかったことに対して強い悲しみと後悔の念を抱いていました。その怒りと後悔の念が外科医となった動機であり、しかしホ・イムと出会ってからは意識に登ってくるようになり過去のフラッシュバックに悩まされるのでした。そこにはヨンギョンの怯えがあったのです。

ホ・イムは朝鮮時代に卑しい身分に生まれて純粋な気持ちで鍼匠の弟子となり、母のような人を救いたいという願いをもって身分の壁を越えて鍼医になりましたが、奴婢のマッケのお母さんを治療したことで、お母さんが袋叩きにあって死んでしまうという残酷な経験に傷つき、以来、マッケに男装させ助手として、昼間は真面目に民の診療、夜は高官のモグリの診療をしてお金を蓄えることを趣味としていました。

ホ・イムの心の底には薬剤も買えない貧しい民を鍼で救いたいという気持ちがありましたが、心の傷を抱えてしまったことで怯えてしまい、純粋に強く信念を貫くことができずにいました。

この物語に登場する人は「強い悲しみと、その感情が再来しそうになる強い不安」を抱えています。強い悲しみを隠していることで不安になっているのです。強い悲しみは、感情自体がものすごくエネルギーを消費するので、当面生きていくために隠さざるを得なかったのです。それは怖い出来事があったせいで、その出来事が現在の登場人物を作っているという一面もあるのです。だから心の傷が悪いものかというと、単に悪者にはできない面もあるのです。ヨンギョンとヨニにとっては心の傷が女医を志す動機となっています。ホ・イムやチェ・チョンスルもまた同じです。心の傷が人生での行動を決める動機となっている一方で、癒えない苦しみを抱え続けているということが障壁となっているのです。このドラマではそんな心の引っかかりを、つらく悲しい記憶が原因で現在の行動を妨げている怯えを消し去ることを上手に描いていると思います。心底悲しい感情というものは胸や頭を締め付け苦しいものです。傷ついた直後はそう何度も思い出すわけにはいかないので、いったん心に封じ込め、思い出すまでその感情を忘れてしまうのです。しかし思い出しそうになると、激情を恐れて別の行動になったり身体の症状に置き換わってしまうのです・・・。

誰にでも辛い出来事があるとは思いますが・・・痛みを胸に抱え続けていると体も悪くなりますので苦しいものです。心は脳だけのものではなく、全身に心があるのです。だから体にも症状として心の傷が現れるのです。そして肝心な場面でトラウマが足かせとなってしまい、人生を阻んでしまうのです。ですからそういったものがある場合、いつでも取り去ったほうが健康のためにいいのです。しかし厄介なことに心に引っ掛かり(大きな悲しみ)があることすら人は忘れてしまいます。それがさまざまな症状となって体や性格、行動に現れるのです。記憶では思い出さなくても、体はしっかり覚えているのです。

ついでに言いますと、大きな悲しみを隠していると、体だけでなく、他の感情や感覚自体も抑制されます。一部の感情や感覚が抑えられているので疲れを感じにくくなって「どっと疲れる」などはその典型だと思います。胸のつかえがとれると自由な感情を感じられるようになるので、最初はその変化に驚くかもしれません。ですが、それこそが健康な自分の感覚であり、そのうち慣れて健全に成長していく基礎となるのです。

韓国ドラマですが、このドラマを作った人は、人間の心の仕組みをよくわかっていると思います。

みなさんは、このドラマを見てスッキリしましたか?

ミニ知識

ヨニの病気は慢驚風です。子どもの病気で痙攣や意識消失、ひきつけを起こします。ホ・イムがヨニの霊道に鍼を打って治療しました。霊道は手首の内側の小指側にあるツボで刺激することで心を安定します。

評価

医心伝心の評価です。
意外と泣ける:★★★★★
胸キュン:★★★★
楽しさ:★★★★★
面白さ:★★★★★
敵の意地悪:★★★
生きる希望が湧いてくる:★★★★★★

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