医心伝心(名不虚伝, 명불허전)14話
目次
あらすじ
朝鮮の鍼医ホ・イムは幼子を背負って胸部外科医のチェ・ヨンギョンとともに倭軍から逃げました。途中で僧侶に出会い、ホ・イムは寺の一室に男の子を寝かせました。この傷は見たことがないのでわからないと言うホ・イムにヨンギョンは銃弾が入ったのでこのままでは敗血症になると診断しました。ヨンギョンはオ・ハラが死んだフラッシュバックが起こり、過呼吸になりました。ホ・イムは「落ち着いて聞いてくれ。あなたは医者だ。患者を助けために力を尽くす医者。そなたは誰よりも立派な医者だ。私は銃を知らぬ。私はその傷を見たことも治したこともない。私一人では無理だ。今この子を救えるのはそなたしかいない」とヨンギョンを励ましました。女の子は「お兄ちゃん。お兄ちゃん」と泣いていました。ホ・イムは塩水と麻酔と止血と炎症防止の薬草、縫合する糸をお坊さんに頼み、鍼で苦痛を軽減することにしました。お坊さんは女の子を庭に連れ出し励ましました。ホ・イムが男の子の背中に鍼をたくさん打って苦痛を軽減し、ヨンギョンは武士から返してもらったメスを消毒して男の子の身体から銃弾を取り出し麻の糸で縫合しました。ホ・イムは薬剤を患部に施し包帯で体を巻きました。手術が終わり、ヨンギョンの表情から緊張が抜けました。ホ・イムもまた照れました。
夜になりました。ホ・イムは庭にいるヨンギョンの隣に腰掛けました。ヨンギョンはトラウマのせいで二度とメスを持てないかと思っていたと苦しい心の内を打ち明けました。ホ・イムは「妹を思う兄の気持ちが勝り手術がうまくいったのだろう。医員(イウォン)の技術よりも病人の心構えが大事だ。私の師匠の一番の教えだ。体の生命力と治癒力を養うには病者の心をいたわることだ。だた、師匠に習わなかったことがある。皮肉にも救える病者より、救えない病者のほうが多い。それがこの時代の、医員(イウォン)の定めなのだ。私が初めて病者を見送った時は涙に暮れていたがやがては涙も出なくなった。死なせて悔やんでいるだろうが、生き死には天の定め。我々は死を防ぐために最善を尽くす。それでそなたの気持ちが通じ、ハラも、あなたの父上も最後まで最善を尽くしたのだ。あの子からの贈り物だ。この中で一番輝いているのは自分の心臓だと。心臓は止まっても、そこにある心臓は輝き続ける。」
ホ・イムはオ・ハラが選んだブレスレットをヨンギョンに渡しました。ヨンギョンはブレスレットを大事に握りしめました。ホ・イムは涙を流すヨンギョンの肩を引き寄せ慰めました。ホ・イムもまた泣いていました。
現代の恵民署(チェ・チョンスルの家)。
チェ・チョンスルは寝床から起き上がり、ヨンギョンと父母、そしてホ・ジュン(許浚)が写っている写真に話しかけました。チェ・チョンスルはもしも孫と会うことがあればよろしく頼むと言いました。
マ院長の部屋。
マ・ソンテ院長はチョ主席からいつ治療を受けられるのかとのお叱り受け腹を立てていました。マ・ソンテはホ・イムがどこに行ったのか、また朝鮮に戻ったのかやきもきしていました。そこに孫のユ・ジェハが現れ「ホ・イム、朝鮮時代とは一体・・・」と不思議そうにしていました。
ユ・ジェハはホ・イムは「ホ家イム」と言っていたことや、歴史上の人物の許任(ホ・イム)のことを思い出し、同一人物だと確信しました。
朝鮮。
夜が明けホ・イムは男の子を背負い、ヨンギョンは女の子と手を繋いで歩いていました。二人は朝鮮の両班(ヤンバン)の服に着替えていました。ホ・イムたち4人は休憩しすると貰った弁当を食べました。ホ・イムは食べられる野草を摘んできて口に入れました。4人は楽しいひとときを過ごして笑いました。
ホ・イムたちが村に戻ると、人々はほとんど殺されていました。
「アイゴ。カンだ!これは、タムも生きていたか!」
おじさんは幼子を抱き締めました。
ホ・イムは負傷者の治療を行いました。ヨンギョンはホ・イムの助手を務めました。ホ・イムは薬草を加工し、ヨンギョンは薬草の葉をむしりました。ホ・イムは鍼灸で動けるようにしたが、自分で食糧や薬などを探してもらうしかないと残念がりました。
「何の得にもならない人を治療してどんな気持ちになるのか、よかったら聞かせて欲しい。」
ヨンギョンはホ・イムに言いました。
タムという少女が突然倒れました。ホ・イムは診察すると、悲惨な光景にショックを受けたようだと言いました。
ヨンギョンはその様子を見て、かつてホ・ジュン(許浚)らしき人が自分の嘔吐物を手で受けた時のことを思い出しました。ヨンギョンは「大丈夫だ。大丈夫だ」とホ・イムが言うのを見てホ・ジュンもまた同じことを言っていたことを思い出しました。
ヨンギョンはどうしてもホ・ジュン(許浚)様に会いたいとホ・イムに頼みました。
ホ・イムはヨンギョンとともに夜の漢陽(ハニャン)に行きました。都の人々は荷物を持って逃げていました。国王が逃げ出し怒った民が王宮に火を放ちました。ホ・イムは恵民署(ヘーミンソ)に行きました。するときれいな服を着ているマッケが出て来ました。マッケは兵判にみつからぬために女性の服を着ていると言いました。ホ・ジュン(許浚)は山の向こうに往診に行っているので明日戻るかどうかわかりませんでした。マッケは手を繋いでいる二人に「どんな関係ですか?」と尋ねました。二人は思わず手を放してしまいました。そこに兵判が私奴婢を連れて現れました。ホ・イムはマッケに逃げるように言いました。マッケはホ・イムを助けるために逃げました。兵判は見知らぬマッケを見逃しました。
「朝廷の大臣は国難に民を助けるべきところを命が惜しくて王命に背いて民を見捨てるクズが今更大臣の身分を誇示して威張るのか!恥を知れ!」
ホ・イムは強気の態度に出ました。
兵曹判書は私奴婢にホ・イムを黙らせるように命じると、ヨンギョンはホ・イムから引き離されホ・イムは刀で胸を貫かれました。ヨンギョンもまた背中を斬られて倒れました。
ホ・イムだけが現代にタイムスリップしてしまいました。
ホ・イムは路上で目を覚ましました。
「戻らねば・・・戻らねば・・・。」
ホ・イムは車の前に飛び出しましたが運転手が車を停めました。ホ・イムは意識を失いました。
朝鮮。
兵判はヨンギョンを置いて逃げました。
シンヘ病院。
ERにホ・イムが運ばれました。ユ・ジェハがホ・イムを見つけると看護師の女性はホ・イムが自殺しようとしていたと説明しました。ユ・ジェハはカーテンを締めるとベッドに縛られているホ・イムを揺すり起こしました。ホ・イムはヨンギョンの命が危険なので戻らなければならないとユ・ジェハに頼みました。ユ・ジェハは必ずヨンギョンを連れ戻すようホ・イムに言うと拘束を解きました。
「どうか、どうか私を連れて行ってくれ。」
ホ・イムは長くて太い鍼を自分の心臓に突き刺しました。ユ・ジェハは目を丸くして驚きました。マ・ソンテが駆け付けると、そこにホ・イムはいませんでした。
朝鮮に戻ったホ・イムはヨンギョンを捜しました。しかしヨンギョンが倒れていた場所には誰もいませんでした。ホ・イムは血痕を見て震えました。
「ヨンギョン殿・・・。ヨンギョン殿を見た者は?誰かおらぬか?どうすればよいのだ?」
ホ・イムは混乱しました。
ヨンギョンは高貴な金色の布団に寝かされていました。そこに幼い女の子の私奴婢がヨンギョンを見守っていました。女の子は「私、お姉ちゃんを見たことがある」と言いました。女の子はかつてヨンギョンがぶつかった元気のない子で名前をヨニと言いました。
その場を駆け回ることしかできない許任(ホ・イム)にホ・ジュン(許浚)の間者が声をかけました。
ヨンギョンはホ・ジュン(許浚)と会い「おじさんもあの人と同じように時を超えて来たんですね」と言いました。ホ・ジュン(許浚)は20年前、御医(オイ)になったことに慢心して女性の治療に失敗し、自害しようとして現代にタイムスリップしたことを話しました。そこに幼いヨンギョンが父にしがみついて泣いていたので哀れに思ったホ・ジュンは彼女の心に一生の傷がついたことを察し、ヨンギョンを抱いて「大丈夫だ。大丈夫だ」と恵民署に連れて行ったのでした。ホ・ジュン(許浚)はチェ・チョンスルの家でヨンギョンを治療しました。
「私はそなたを救いたかった。だが私はそなたの治療を終えられず、そなたは記憶を失っていた。」
ホ・ジュンは言いました。
回想シーン。
「これは朝鮮の言葉で砂糖元だ。おじさんがこれをあげるからもう泣くな。」
ホ・ジュン(許浚)がヨンギョンに飴をあげる場面。
「記憶を失い幸いと思った。その子がつらい記憶に耐えうる歳に達し、傷を癒してくれる者に会えば記憶が戻ると考えた。その者によりそなたの病は完治すると。私はそなたを救ったことで医員(イウォン)にもどれた。そなたは、その者に会えたのか?」
ホ・ジュン(許浚)は言いました。
「はい。会えました。その人に。」
ヨンギョンは微笑みました。
「どこだ。どこにいる?ヨンギョン殿!大丈夫か?大丈夫なのか?すまない。本当にすまなkった。生きていてくれてありがとう。」
許任(ホ・イム)が部屋に駆け込んで来てヨンギョンの手を握りました。
ホ・ジュン(許浚)は部屋から出て行きました。
ホ・イムはヨンギョンを抱き締めました。
「もう二度と、そなたを一人にせぬ。約束しよう。ほんとうにすまない。生きていてくれてありがとう。」
ホ・イムは泣きました。
ホ・ジュン(許浚)は二人に国王の随行医師として北に行くと言いました。ホ・イムはホ・ジュンにマッケのことを頼みました。
ホ・イムは傷ついたヨンギョンを連れて屋敷から出て行きました。
「ホ医員(イウォン)様はいつ戻られるのですか?私は待ちます。待ちますとも。ヨニが生きていると話せばお喜びになったはずです。」
マッケはホ・ジュン(許浚)に言いました。
「そうであろう。だが今はそのときではない。」
ホ・ジュンは言いました。
「薬剤のおかげでもちこたえていますがヨニに何かあれば・・・。」
「薬剤のおかげではない。ヨニもまた待っているからだ。待つ思いがあの子に生きる力を与えているのだ。」
感想
医心伝心14話の感想です。おちゃらけたストーリーですが、今回はシリアスに語られていました。病気になった患者が生きようとする気持ちが何よりも大事だという許任(ホ・イム)の言葉、しっかりと胸に響きました。そしてホ・ジュン(許浚)もまたその人が心の傷に耐えうる年齢に達した時に会うべく人に会えることが完治に繋がると言いました。それは自分を励まして愛してくれる他者の存在の助けを得ることを意味しているようですね。他者からの愛があれば、トラウマも癒えると。なるほど、と思いますが、そこはちょっと都合がよすぎかなと。
「生きていてくれてありがとう。」
誰かにそう思えることが、その人の励みになるのかもしれません。
ホ・ジュンもまた現代に来ていてチェ・チョンスルとマ・ソンテにも会ったんですね。マ・ソンテがホ・イムに驚かないところを見ると。
しかしヨンギョンは現代の韓国人です。論理的にはホ・イムと別れなければなりません。朝鮮ではホ・イムにはマッケという相棒が、現代ではヨンギョンにはユ・ジェハという彼氏候補がいます。
果たしてラストはどうなるのか、お互いに別々の時代で生きる覚悟を決めるのか、続きが楽しみです。
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