医心伝心(名不虚伝, 명불허전)11話
目次
あらすじ
マッケは兵曹判書の私奴婢を棒で叩きました。男は「何をするんだ」と振り返りマッケに文句を言い始めました。チェ・ヨンギョンは男の股間を蹴り上げ、男は気を失いました。人を殴ったことがないというマッケにヨンギョンは「もっと強くやらないとダメ」とアドバイスしました。建物の陰からその様子をホ・ジュン(許浚)の間者が見ていて感心していました。ヨンギョンが蔵の扉を開けるとホ・イムとトゥチルが捕らえられていました。
助け出されたトゥチルは兄を墓に埋葬しました。トゥチルは兄に「守ってやれず済まない」と謝ると自らも、近々母と兄のもとへ行くと泣きました。その様子をホ・イムたちは見守っていました。ホ・イムはホ・ジュン(許浚)から「心が歪んでいる」ことを指摘されたことを思い出し「正すべきは己の歪んだ心か、歪んだ世の中か」と自問しました。
トゥチルは倭軍が攻めてくるので北に逃げるようホ・イムたちに言いました。ホ・イムはトゥチルに官奴婢のマッケを連れて行くよう頼みました。ホ・イムはヨンギョンの手を取り「(未来に行くため)今すぐ借りを返せ。私を殺せ」と命じました。
許任(ホ・イム)とチェ・ヨンギョンは現代の韓国にタイムスリップしました。ホ・イムの胸には血のりが付いていました。ホ・イムは「気を付けて行かれよ。私に巻き込まれてはならぬ」とヨンギョンに別れを告げました。
ユ・ジェハはホ・ボンタク(ホ・イム)のスマホが父マ・ソンテの名義でヨンギョンがボンタクのスマホの電源を入れたと部下から報告を受けました。ジェハは位置情報からヨンギョンのいる場所に行くと、疲れ果てたヨンギョンはジェハの胸に倒れ込みました。ユ・ジェハはヨンギョンを恵民署に連れて帰りました。祖父のチェ・チョンスルと薬剤師の男と看護師の女は疲労困憊しているヨンギョンを見てびっくりしました。院長のチェ・チョンスルは薬剤師に(藿香正気散)かっこしょうきさんを煎じてくるよう命じました。
「何とか戻ってこられたようだな。」
チェ・チョンスルは安堵のため息をつきました。
「脈が浮いてる。何があったんだ?無事に帰って来てよかった。安心して眠りなさい。」
ユ・ジェハは疲れて返事を拒んでいるいるヨンギョンの部屋を離れました。
ユ・ジェハは警察署に行き刑事からホ・イムについて情報を集めました。刑事はホ・イムが号牌(ホペ)を持っていて「ホ・ガイム(許家任)」の指紋がすり減って無かったと言いました。
許任(ホ・イム)は夜の街をさまよっていました。すると歩道にホームレスの親分と子分が野宿していました。親分は仲間の一人が朝から苦しんでいるので診て欲しいと頼みました。「病院に行ってください」とホ・イムが言うと、親分は「そんなカネがあったらとっくに行っている」と言いました。ホ・イムはマッケのお母さんのことや、トゥチルのお兄さんのことを思い出し動揺してその場から逃げ出しました。
ホ・イムは「奴婢(ノビ、ぬひ)の出身で参奉(チャンボン)になれたことを感謝すべきなのに分不相応にも王様の御前に上がり・・・」とユ・ジノ(ユ・ジェハと同一人物)に言われたことや、兵判に「卑しいお前は犬だ」と言われたことを思い出していました。そして「出身を問われぬ世はどうだったか。ここと違ったか?欲しい物が手に入りそうだったか?」とホ・ジュン(許浚)に言われたことを思い出すと目に涙を浮かべました。
「お見せしますとも。この世の中で得られる何かを。二度と、二度と惨めに虐げられたりなどしません。」
ホ・イムは鍼筒を大きな川に投げ捨てました。鍼筒は河の底に沈んでしまいました。
ホ・イムに提供されたマンション。
「やっとお戻りになられたか。その姿は何だ?一日中どこに行っていた?今日の午前には大事な約束があると言ったのに。重要人物を治療する席ではないか?」
マ・ソンテ院長はホ・イムに尋ねました。
「重要な人を治療して私は何を得られる?」
「やはり君は私と似ている。わかってるじゃないか。重要人物を治療して得られる物は彼らが持っている物だ。カネと権力が手に入る。」
「ここの世の中ではそうですか。」
「向こうの世の中でもそうだろう。同じ医者でも誰を治療するかで地位が変わるのは世の常だ。医者は医術を売る職業だ。どうせなら高い値段で買ってもらい利益を生み出すべきだ。どうだ?私と一緒に、商売をやってみないか?」
マ・ソンテはホ・イムの肩に手を置きました。
翌日のシンヘ韓方病院。
チェ・ヨンギョンはホ・イムの専用診察室に行きカップ麺を一緒に食べようと言いました。ホ・イムは「ここは診療室です」と食事を拒みました。ヨンギョンは傷ついたホ・イムを慰めようと親切に振舞いましたが、心を閉ざしたホ・イムは拒みました。その様子をユ・ジェハが窓の外から見ていました。
ユ・ジェハはホ・イムに無断欠席、無断外出について責めました。ホ・イムは院長の許しが出ているとジェハに言い返しました。
「チェ・ヨンギョンさんとどこへ行くのですか?」
「ユ先生にそんな暇はあるのかな?失態を演じたなら勉強したまえ。」
ホ・イムはユ・ジェハに冷たく言い返しました。
「彼女は私の人なんです。傷つけたら許さない。」
ユ・ジェハはホ・イムに警告しました。
「あの女性とは二度と関わらないので仕事に励みなさい。」
ホ・イムはリュックを背負って出て去りました。ホ・イムの視線の先には落ち込んだ様子のヨンギョンがうなだれて歩いていました。
「どのみち進む道が違うのだ。」
ホ・イムは自分に言い聞かせました。
ユ・ジェハはヨンギョンを呼び出すと「心の熱を取るから食べてみて」と蓮の実入りのお粥をあげました。ユ・ジェハは自分の父が家を出て行って、チェ・チョンスルの医院に祖父に連れられて来た時のことを話し始めました。その時幼いヨンギョンが鍼を手に取りジェハに色々教えて、ヨンギョンが「立派な韓方医になるの」と言っていたことを話しました。「それで私も韓方医者になりたかった。同じ夢を見たかったんだ。おじい様の強制ではなく、私の意思で。」とジェハは言うと、自分をもと頼るように言いました。ヨンギョンはジェハの気持ちを受け取りお粥を食べました。
パク会長の家の庭。
マ・ソンテは豪邸にホ・イムを連れて行き「商売や事業で富を得た者を財閥と言い、朝鮮では豪商にあたる。チョ主席は朝鮮時代で言えば政丞(チョンスン)や判書、もしくは内侍だ」と説明しました。すぐにチョ主席が現れマ・ソンテは握手と笑顔で迎えました。ホ・イムは「ご期待にお応えいたします」とクールに返答しました。
パク会長の家の中。
パク会長はホ・イムに息子の診察を求めました。息子は(拒食のせいか)栄養状態も悪く何かに怯えているようでした。ホ・イムは「アヘン中毒だ」と心の中で思いました。
「高いカネで留学させて麻薬漬けになったとは!親に逆らったことは一度もなかった。」
パク会長は息子に怒鳴ると療養施設に入れても治らず息子を閉じ込めるしかなかったと説明しました。
「心が空虚で生命力が不足しています。鍼で心を開き気を吹き込みます。」
ホ・イムはクールに言いました。パク会長は何か言い返そうとしましたが、言い返せませんでした。許任(ホ・イム)は鍼を息子の身体にいくつも刺しました。すると息子の身体の緊張がほぐれていき息子の表情に生気が戻りました。
パク会長はマ・ソンテを部屋に呼ぶとホ・イムをどこで手に入れたと喜び資金調達を約束しました。
ホ・イムは去ろうとすると「僕をここから出してください。お願いです。どうしても会いたいのです。お願いします。カネをやる。私のカネが欲しいんだろ?」と息子に頼まれました。息子の手のひらには指輪が握られていました。ホ・イムは一笑すると、部屋から出て行きました。
「すぐ行くから。少し待っていて。」
息子は何かを決意しました。
パク会長は戻って来たホ・イムに今後もよろしく頼むと笑いました。
シンヘ病院の食堂。
ヨンギョンはチョン看護師と食事を食べていました。ヨンギョンはチョン看護師に「ども立ちが苦しんでいたらどうするの?」と尋ねました。チョン看護師は「そばにいて、見守って、信じてあげるしかない」と答えました。
ヨンギョンがチョン看護師と歩いているとマ・ソンテとホ・イムが戻って来ました。チョン看護師は「友達が来たわよ」と先に行きました。ホ・イムは心を閉ざしたように「診療に行ってきた」と言いヨンギョンに冷たくしました。
「私を哀れんでいるのか?飴を貰って喜ぶ子どもに見えるのか?私に同情するのはやめてくれ。」
「全部、知ったわよ。あなたの朝鮮での境遇を。クズみたいな兵判の前でどうしたか、すべて見たわ。恥ずかしいの?私に自尊心が傷ついた?それくらい何よ。私は気にしないわ。これであなたがわかったから。これで、あなたのことがわかったの。立派な医員(イウォン)だとわかったし、どうしてあなたが苦しんでいるかもわかった。あなたが選んだ生き方も。わかったの。」
「私をあなたは知らなかったらよかった。だけど私は・・・いや、チェ先生が私をどう思おうと関係ない。これからは私に関わらないでください。」
「いいえ。関わるわ。関わる資格がある。運命か偶然か、どっちにせよあなたは私にこうやって会い、運命を共にしてる。私と。だから、私を避けないで。逃げないで。あなたに何があっても。」
チェ・ヨンギョンはホ・イムの手に触れました。ホ・イムは拒むように去りました。
ホ・イムはヨンギョンに触れられた手を気にしていました。
ヨンギョンもまたホ・イムを心配していました。ヨンギョンは男性の患者が妻と一緒に歩いていました。患者の男は妻を突き飛ばして暴れました。同僚の意思は患者の自尊心が傷ついているのだろうと理解を示しました。ヨンギョンは自尊心が何よと妻に同情しました。そこに娘が現れお父さんを呼びました。お父さんは子どものもとに行こうとして転びました。ヨンギョンは何かつらい出来事を思い出して気分が悪くなりました。ホ・イムが心配そうにヨンギョンを見ていましたが、ヨンギョンは病院の中に入りました。
夜の恵民署。
認知症のおばあちゃんがボンタクに鍼を打ってもらいたいと言いました。薬剤師と看護師が応対に困っているとヨンギョンが帰ってきました。看護師の女性は毎日来てるとホ・イムがおばあさんに優しくしたことを後悔していました。
チョンギョンが家に帰るとチェ・チョンスルが(黄耆)のスープを作ったと言いました。ヨンギョンは祖父に父の事故の時に自分もいたのか尋ねました。チェ・チョンスルはお母さんと家で寝てたと動揺しながら答えました。ヨンギョンは自分で調べると言いました。部屋に帰ったヨンギョンは手がかりを探しました。
日中のシンヘ韓方病院。
教育部の長官はゲーム漬けとなっている中学生の息子の治療をホ・イムに求めました。知事選を控えた患者は握手で手に汗が出るとホ・イムに多汗症の治療を求めました。ホ・イムは患者を治療し、患者から「私が力になってやる」と感謝されました。ホ・イムはパク会長から車を貰いましたがヨンギョンを見て咎められているような気になりました。
認知症のおばあちゃんは看護師と一緒にヨンギョンのところに行きました。ヨンギョンはおばあちゃんと看護師と一緒に隣の韓方病院に行きました。ホ・イムは戸惑いました。おばあちゃんはおもちゃのお金をホ・イムに渡そうとしましたがホ・イムはその手を振り払ってしまいました。ホ・イムは皆が見ている中で大恥をかきました。ホ・イムはヨンギョンたちに帰るように言うと、逃げるようにその場から離れました。
ホ・イムはパク会長の息子の往診に行きました。息子は水が欲しいと言いました。ホ・イムが席を立った隙に息子はペンを盗みました。息子はホ・イムをペンで傷つけると逃げ出しました。息子は胸を押さえて道端に倒れシンヘ病院に運ばれました。
パク会長は麻薬の件がバレたらどうするとホ・イムに電話で怒鳴りました。
感想
医心伝心11話のあらすじです。ホ・イムはカネと権力が無かったせいで朝鮮で命が脅かされていました。ホ・イムはそんな朝鮮が嫌で現代に行ってカネと権力を得たいと思いました。ホ・イムは心を閉ざしておカネのために才能を使います。そんなホ・イムをヨンギョンは理解するも哀れに思っていました。ホ・イムは罪悪感からヨンギョンを避けるようになりました。
一言で言えば、ホ・イムは素直な心を閉ざしてエリートになり切る選択をしました。
そのせいでいろいろな問題が生じてきていることをこのエピソードでは物語っています。心を大事にしなかったら一体どうなるか、病気の間者がどんな目に遭うのか・・・きっとホ・イムは後悔することになると思います。
そして世間体が何よりも大事な名門の金持ちの生き方が苦しいものであることも・・・いずれホ・イムは知ることになるのでしょう。
要するに世の中をクソにしている物がお金と権力と男の見栄であるということです。
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