不滅の恋人20話
あらすじ
夜の、城門前でオ・ウルンは逃亡するためにルシゲを斬りました。ルシゲは倒れ、オ・ウルンとユン・ジャジュンとその軍は逃げました。すぐにイ・フィとパク・キトゥクがルシゲに駆け付けました。しかしルシゲは目を見開いたまま返事をすることができませんでした。
イ・フィはルシゲを背負って王宮に駆け込みました。イ・フィはパク・キトゥクに御医(オイ)を連れてくるよう命じました。ルシゲを寝かせた布団は赤い血に染まりました。ルシゲを診察した御医は「傷が深くて助かる見込みがありません」と見解を述べました。
「ルシゲを助けよ。早く血を止め治療せよ!」
イ・フィは御医(オイ)に命じました。
「ルシゲは頑丈なんです。他の男よりも強いんです。死にません。死にません。」
パク・キトゥクも御医に懇願しました。
しばらくしてルシゲが意識を取り戻しました。
ソン・ジャヒョンもルシゲに「大丈夫と言ったでしょう。綿甲(ミョンガプ)を作ってあげたでしょう!」と泣きながら言いました。
ルシゲはイ・フィの手のひらに徽(フィ)という文字を書くと再び意識を失いました。
イ・フィとソン・ジャヒョンとパク・キトゥクはルシゲの名を何度も呼んで泣きました。
「オマママ(母上)・・・。叔父上(イ・ガン)と叔母上(ユン・ナギョム)がよくしてくれました。」
上王(サンワン)のイ・ミョンは母の大妃キム氏に甘えました。キム氏は大きな愛でもってミョンを抱きしめました。
大妃シム氏はその様子を温かく見守っていました。
軟禁部屋。
部屋に閉じ込められているイ・ガンは深いため息を何度もつきました。
ユン・ジャジュンはオ・ウルンとともに秘密の通路を通って二手に分かれイ・ガンとユン・ナギョムの救出に向かいました。
ホン尚宮はユン・ジャジュンとオ・ウルンを王宮内に導きました。イ・ガンの兵士は見張りを斬りました。
「ご無事で何よりです。お連れいたします。もはや右相(ウサン、右議政)たちも裏切りました。」
オ・ウルンはイ・ガンに逃亡するように言いました。
ユン・ナギョムと侍女のプドゥルのもとにユン・ジャジュンが駆け付けました。
「ホン尚宮、媽媽を早くお連れせよ!」
ユン・ジャジュンは叫ぶとト・ジョングクと一騎打ちをしました。
ト・ジョングクはユン・ジャジュンの刃に倒れました。
「お兄さま!!!」
ホン尚宮とプドゥルは叫ぶユン・ナギョムを連れて逃げました。
「あの者(王妃)を捜せ!」
ト・ジョングクは兵士に命じました。
王宮の一角。
「今宮から逃げても再び戻って来られるのか?上王とウンソンを排するためにどれほど余が手間をかけたか。行くわけにはいかぬ。死のうとも、宮(クン)で決着をつける。ウンソンさえ消えればよい。ウンソンさえ。これで母上も余には及ばぬ。」
イ・ガンはオ・ウルンに言いました。
オ・ウルンはト・ジョングクが王宮と軍を制圧したと報告しました。
そこにユン・ナギョムたちが合流してユン・ジャジュンの死を報告しました。
イ・ガンはホン尚宮にユン・ナギョムを逃がすように言いました。
「お供します。殿下だけ宮に残して行くわけにはいきません。」
ユン・ナギョムは夫に言いました。
「中殿(チュンジョン)は懐妊している。子のことを考えよ。出て行かれよ。ホン尚宮は中殿(チュンジョン)を連れて行け。」
イ・ガンは言いました。
「殿下がいなければ子は・・・殿下がいらしてこそ子が生まれる意味があるのです。」
ユン・ナギョムは涙を浮かべました。
「余のせいで寂しい思いをさせたな。いつか償ってやる。」
イ・ガンは行こうとしました。
「以前即位なさる前の殿下に忠誠を誓いました。何としてでも殿下のお心が欲しかったのです。殿下のお心にに他の女がいたため、命を懸けると猛誓(メンセイ)してでも真心をお伝えしたかった。殿下の権勢に欲をかいて誓ったのではありません。私は本当に、殿下の女人(にょにん)でいたかったのです。」
ユン・ナギョムは涙を流しました。
「夫人の励ましが、その心が私を常に支えてくれた。礼を言う。再び会う日まで、息災でいられよ。」
イ・ガンはユン・ナギョムの肩に手を置きました。
「殿下・・・・・・。」
ユン・ナギョムはイ・ガンに初めて温かい言葉をかけられて涙を流しました。
イ・ガンは妻のもとを去り正殿に向かいました。
「正殿(ジョンジョン)で待っていろ。ウンソンを正殿に連れ来る。兄の頼みであれば断れまい。ウンソンはそういうやつだ。」
イ・ガンはオ・ウルンにウンソン大君を連れて来るように命じました。
オ・ウルンは「殿下をお連れせよ」と部下に命じました。
イ・ガンは刀を手に持って正殿に入りました。
ユン・ナギョムとホン尚宮とプドゥルは王宮から脱出しました。
「媽媽。早く行きましょう。」
ホン尚宮は言いました。
「殿下、殿下をこのままにしてよいものか・・・。」
ユン・ナギョムは王宮を振り返りました。
「殿下はご意思が固いお方です。ご存じのはずです。殿下はお決めになったら貫かれるお方です。」
ホン尚宮は言いました。
「殿下のお傍にいるべきではないか・・・。殿下をこうして一人残してよいものか。」
ユン・ナギョムは涙を流しまた。
「いったん参りましょう。殿下は天が崩れようとも逃れられるお方です。」
プドゥルも言いました。
ホン尚宮とプドゥルはユン・ナギョムを支えるようにして連れて行きました。
正殿(チョンジョン)。
イ・ガンは階段を登って王座に座りました。
ト・ジョングクはウンソン大君のもとに戻ると王妃が逃げたことを報告しました。
そこにオ・ウルンが現れました。
「や~!」
パク・キトゥクは怒りのあまり、刀を抜いてオ・ウルンを斬ろうとしました。
オ・ウルンは刀を捨てて、その場に正座しました。
イ・フィとソン・ジャヒョンはオ・ウルンが現れたことに驚きました。
「兄上に何かあったのか?」
イ・フィはオ・ウルンに尋ねました。
「正殿で、お待ちしています。」
オ・ウルンは答えました。
「兄上は逃げたのか?」
「殿下をお守りするようにお連れしようとしたところ、大君に会いたいと。」
「行ってはいけません。また何かの罠に嵌められるかもしれません!」
怒り心頭のパク・キトゥクはオ・ウルンの言葉を信じませんでした。
「兄上は最後を覚悟している。死なせるわけにはいかぬ。兄生きて罪を償わなければ。」
イ・フィは言いました。
ソン・ジャヒョンは「大王大妃様をお連れします」と言いました。
オ・ウルンは捕らえられました。
大王大妃の部屋。
「チニャン大君は今、追い詰められています。媽媽のお叱りを受ければ何をするかわかりません。」
ソン・ジャヒョン大王大妃シム氏にチニャン大君とウンソン大君の二人とも助けるように頼みました。
「罪を犯した子は叱ればよいと思っていた。なれど、愛していると言えばよかった。胸が痛くてたまらぬ。」
シム氏は涙ぐみながら言いました。
「まだ機会はあります。」
チャヒョンは言いました。
シム氏とチャヒョンは正殿に向かいました。
正殿の外。
イ・フィとパク・キトゥクト・ジョングクの護衛のもと正殿に着きました。
イ・フィは部屋の中に入りました。
正殿の中。
イ・フィが部屋に入ると赤い龍袍(ヨンポ、王の衣)を着たままのイ・ガンが刀を杖がわりにして王座に腰掛けていました。
「降りてください兄上。もう兄上のものではありません。もともと、兄上のものではありません。」
イ・フィは兄に言いました。
「お前さえいなければ、私は明日もここで、文武百官(ムンムペックァン)と政治を論じていた。」
イ・ガンは弟に言いました。
「もうすべて終わりました。兄上が王位を取り戻すことも反正(パンジョン)の加担者を倒すこともできません。私のせいですか?正当な継承者である甥がいるせいで兄上を認めぬ母上のせいですか?いいえ違います。民心を兄上が得ていないせいです。」
イ・フィは兄を説得するように言いました。
「時間が十分あれば、国政を正す時間があれば強く豊かな太平の世を作る聖君(ソングン)になれたのだ!」
「民たちは愚かではあない。殿下(上王)の復位に命を懸けた民たちは、世を覆してまで豊かな暮らしをしたいわけではない。反正(パンジョン)をして官職に就こうとしたのではないのだ!!!死ぬとわかっていながら、これが最後かもしれないとわかっていながら立ち上がったのだ!!!何も見返りがなくても国が危機に瀕すれば命を差し出せるのが民なのだ!その民心を兄上は味方にできなかったゆえ、兄上は正当な王になれなかった。王になったが王座を守れなかった!」
「私も・・・わかっている。だから、愛も得られなかった。お前の女人(にょにん)だから奪いたかった。こたびはヨニのように死なせることなく私はお前から奪って、心も、すべて私のものにしたかった。そうすれば証明できる思った。私が、私が価値がある男だということを。」
イ・ガンは涙を浮かべながら小さく何度か頷きました。
「兄上には既に妻がいるでしょう!」
「私は他の人(妻)を迎えた後も手に入れたかった。すべて手に入れたかったのだ。望めば何でも手に入ると思っていた!」
「もう・・・お戻りください。家族に。私の兄に。王位を手放し宮問を受けて流刑になれば、生きられます。王でなくとも、家族は兄上に寄り添ってくれます。」
「はぁ・・・(ため息)。そのような事は、次の世でやそう。来世では、こういうことは避けなければな。私を殺せ。恥辱に満ちた人生など耐えられぬ。一生償うくらいなら命などくれてやる。」
「家族を考えたことは一度もないのですか?母上を、どこまで苦しめればよいのです!」
「はぁ・・・(ため息)。早くやらぬか。」
イ・ガンは涙を流して立ち上がりました。
「これからの余生を、兄上は逃げずに受け入れるのです。」
「そうだ。お前はそういう弟だ。正しい大君。清く正しい者。だがお前も知っているだろう?私は兄弟を何度も殺そうとした者だ。や~!」
イ・ガンは階段を降りるとイ・ガンに刀を振りました。
「やめてください!私に殺せというのですか?」
「断るなら私が殺してやる!!!」
イ・ガンとイ・フィは正殿の外に転がり出てもみ合いになりました。
大王大妃シム氏は胸を押さえながら悲痛な様子で我が子が殺し合っているところを見守ることしかできませんでした。
「や~!」
オ・ウルンが突然イ・ガンの首を斬りましました。
パク・キトゥクはオ・ウルンに背後からとどめをさしました。
「一体、なぜ!なぜ!なぜ!」
突然の出来事に、イ・フィは兄を抱いたまま叫びました。
「ウンソン大君様が聖君をお斬りになれない場合は、私に斬れと。殿下は、はじめから死ぬつもりでいらっしゃったのです。」
オ・ウルンは息も絶え絶えに言いました。
回想シーン。
王宮の一角。
「最後にお前が私を斬れ。ウンソンは私を斬れぬ。」
イ・ガンはオ・ウルンに命じました。
「殿下。私にどうしてそのような命令をするのですか?」
「考えてみると、私の配下はお前しかおらぬ。他の者ではならぬ。お前がやれ。」
「いけません殿下。殿下!」
オ・ウルンは泣きました。
オ・ウルンは息絶えました。
イ・フィは泣きながら兄の体を揺すりました。
「カンや~!カンや~!私の息子。私のカン!」
大王大妃シム氏もイ・ガンの傍に駆け寄りました。
「オ・マ・・・ママ・・・・。」
イ・ガンは声を振り絞って母を呼びました。
「すまぬ。私が悪かったのだ。」
シム氏は泣きました。
「泣かないでくれ。弟よ・・・。私が愛した、愛した人たちが・・・ここにすべている。ゆえにそなたも泣かないでくれ。誰も・・・・私の最期を泣くでない・・・・・・。すべて・・・手放すと・・・これほど自由になるとは・・・こんなに・・・安らかに・・・・。」
イ・ガンは事切れました。
「カン!」
「ヒョンニーーーー(兄上)!」
「カーーーーーン!カーーーーン!カーーーーン!」
シム氏は何度も息子の名を叫びました。
「来世では、愛されてください。」
ソン・ジャヒョンはイ・ガンの目をそっと閉じました。
イ・フィは声を上げて泣きました。
正殿の夜が明けました。
後日の王宮。
ウンソン大君は正装して池に向かってため息をついていました。
ソン・ジャヒョンは宮ではルシゲの葬儀が行えないので自宅に遺体を安置していると言いました。
イ・ガンは大君の身分では宮で葬儀を行えないとチャヒョンに礼を言いました。
「一体王座が何だというのだ。兄上はどうして家族を苦しめてまで王位を欲しがったのか。」
「私にもわかりません。いつも悲しい目で私を見ていました。勇敢な人なのに、心は泣いているようでした。私も悪い気がして・・・。」
「自分を責めるでない。そなたは悪くない。王室に生まれたことが災いだったのだ。最高権力の座が身近にあったため欲しくなって、家族より権力への欲が増えて血の嵐が吹き荒れたのだ。」
イ・フィは言いました。
ソン・ジャヒョンはウンソン大君の手を取りました。
隠れ家。
ユン・ナギョムは屋敷(実家?)の中に隠れていました。ホン元尚宮はユン・ナギョムにイ・ガンの訃報を伝えました。
「どうすれば。私はどうすれば。最後までどうして私のことを考えてくれなかったのかしら。殿下を信じて大業に身を捧げました。どうしてくれるのですか。いっそ私も殺してくれたら・・・。」
ユン・ナギョムは泣きました。
ホン尚宮はおなかの子どもを守るためにユン・ナギョムに逃げるように進言しました。
王子が生まれれば殺され、公主が生まれれば奴婢にされるからでした。
王宮。
大王大妃シム氏は幼い国王イ・ミョンの隣に座り、朝廷を開いて今回の事態を大臣たちに説明すると、ウンソン大君を摂政に任命ました。
シム・ジョンは大君が摂政になった前例は一度もないと反対しました。
大王大妃シム氏は摂政ができる気力が無と述べ、ウンソン大君の手柄を褒めると、周の周公が甥である若い王を誠心誠意支えたのと同じように、ウンソン大君に手本を見せて欲しいと命じました。
ウンソン大君は大臣たちに、兄がすべての罪を償い、自らは権力を欲することなく血を流さず復位した国王を支えて新たな世を築きたいので協力して欲しいと演説しました。
王宮の門。
「行ってはならぬ。多くの者が私から去った。そなたまで去れば耐えられぬ。」
ウンソン大君は旅装束のパク・キトゥクを引き止めました。
「申し訳ありません媽媽。ここにいるとルシゲを思い出します。守れなかった自分が嫌になるんです。」
「これは、私への罰か?」
「お許しください。媽媽への忠誠心よりもルシゲへの愛情が深くて。媽媽にお仕えできないのです。お嬢様を見るのもつらいです。時が経ち、愛する人への悲しみが癒えれば、媽媽のもとへ戻ってまいります。」
「約束するのだぞ。」
「お元気で。」
パク・キトゥクは都を離れました。
ある日のソン・オクの家の前。
ウンソン大君はソン・ジャヒョンに婚礼を挙げないのかと問いました。
チャヒョンは貰った新居ではチニャン大君や死んだ人のことを思い出すのでと断りました。
「それに、初夜も済ませたので婚礼を挙げるのはおかしいではありませんか?」
「こやつめ。白昼堂々と何を言うのだ。」
ソン・ジャヒョンは実家で暮らしたいと言いました。
イ・フィはチャヒョンの手を引いて家の中に入りました。
ソン・オクの部屋。
イ・フィとチャヒョンはソン・オクとアン氏に拝礼しました。
イ・フィはソン・オクとアン氏にいつまでも孝行することを誓いました。
チャヒョンはとても幸せそうでした。
十年後の朝廷。
「十年耐えて来た。いつになったら女真族の要求を聞き入れなければならぬ!」
大きくなったイ・ミョンは厳しい口調で大臣たちに言いました。
ウンソン大君は朝廷の一席目に立っていました。
ソン・オクはチニャン大君の事件でこじれた関係を修復するには交易するしかないと言いました。
イ・ミョンは女真族だけが利益を得ていることが我慢なりませんでした。
「ならば、戦争なさるのです。十年前、戦を避けるため私が交渉しました。意に添わぬのであれば、連絡を絶ち、強引に出るのです。」
ウンソン大君は若き国王に自分で決断するように促しました。
「叔父上は、余が未熟ゆえに、戦の経験がないゆえに意地悪を言っているのですか?」
イ・ミャンはさらに機嫌が悪くなりました。
「ためらっていては経験は積めません。決意してください。したければ、戦をすればよいのです。」
イ・フィは言いました。
会議が終わり、ソン・オクは、ウンソン大君に「近頃は殿下が大君に逆らっておいで(反抗期)のようです」と言いました。
ウンソン大君はもうじき自分の役目が終わりそうな気がすると言いました。
大王大妃の部屋。
ウンソン大君は母のシム氏と義姉で大妃のキム氏に、もう摂政は必要ないと報告して辞意を表明ました。
大王大妃シム氏と大妃キム氏は未熟な国王が大臣と政治をやっていけるか心配しました。
ウンソン大君は摂政がいなくなれば王様を侮る者もいなくなり、それからソン・オクを長年空席の領議政(ヨンイジョン)に任命したいと言いました。
シム氏とキム氏は、まずは王様が結婚してからにしようと言いました。
国王の私室。
イ・ミョンはウンソン大君を部屋に呼んで摂政を続けて欲しいと頼みました。
ウンソン大君は職を辞して自分の妻と子どもをかまってやりたいと言いました。
そしてウンソン大君がイ・ミョンに婚礼の話を持ち出すと、イ・ミョンは自分で妃を選びたいと言いました。
「殿下は私たち三兄弟と似ています。」
ウンソン大君はイ・ミョンの意思の強さを褒めました。
ある日のソン家。
ソン家では宴が開かれていました。
クッタンは既に結婚して髪を上げて働いていました。
ソン・ドゥクシクはやっと科挙に合格したところなのに先に結婚したクッタンに文句を言っていました。
クッタンは三年待ったけど、うからなかったでしょうと言い返しました。
ソン家の門前。
ウンソン大君とチャヒョンの子ども、娘のチョンイと息子のユニは門の前にいた貧しい少女に中に入ろうと声を掛けました。
そこにパク・キトゥクが現れ、三人に声を掛けました。
少女のソファは叔母に会いに来たと答えました。
ユン・ナギョムは貧しい身なりで咳き込みながら街を歩いていました。
チョ・ヨギョンとエランはその様子を見ました。
「どうやら報いを受けたようね。人生はとても虚しいわ。転落するのは一瞬よ。」
チョ・ヨギョンは妓生の身分のままであることを望み、罰を受けなかっただけでも有難いとエランに語りました。
チャヒョンの部屋。
「これは母から頂きました。友がくれた物だと。ソファ。ソファ。イ・ソファ。」
ソファはウンソン大君とチャヒョンに挨拶しました。
「小さな花。きれいな名前ね。」
チャヒョンはソファに言いました。
ソファは母に連れて来られたと答えると、チャヒョンは部屋から飛び出しました。
チャヒョンは門の外に出て辺りを見回しましたが、そこにユン・ナギョムの姿はありませんでした。
ソン家の庭。
ウンソン大君が庭に行くと、パク・キトゥクが勢いよく飯を食べていました。
「死ななかったのか。」
「世の中は広いです。いろいろ巡りました。」
「十年だぞ十年。たよりをよこさぬか。」
「食事中に小言ですか?」
「もう、忘れたのか?」
「媽媽は、忘れましたか?」
「悲しみは癒えたが、忘れられぬ。ルシゲのことや、チュンやホチやトクマンのことが忘れられぬ。」
「媽媽に会えて、嬉しいです。」
イ・ガンのお墓。
「私たちのソファをチャヒョンに預けました。しっかり育ててくれるでしょう。そちらはどうですか?王になっていますか?それとも、そちらでも寂しくこの世を思っておいでですか?そろそろ私もそちらに迎えてくださいませんか?お会いしとうございます。恋しいです殿下。」
ユン・ナギョムは泣きました。
ある日のイ・ガンのお墓。
チャヒョンは枯れた花が添えられていることに気が付きました。
ソファは父の墓に拝礼しました。
ウンソン大君は兄にソファのことを報告しました。
チャヒョンはソファを娘として育てていると報告しました。
ソファが父がどんな人だったか二人に尋ねると、ウンソン大君は兄弟の中で一番男らしく勇ましかったと言いました。チャヒョンはソファに、これからもお父さんの話を叔父さんに聞かせてもらえると慰めました。
ある日の山。
ウンソン大君とチャヒョンは一緒に絵を描いていました。
「これからは毎日来られるぞ。私はもう摂政を退くゆえ。」
ウンソン大君は地方で暮らしたいと言いました。
「そなたとともに絵を描き、外出して絵を描きたい。」
「釣りもしたいわ。」
チャヒョンは子どもたちも奔放な父に似て来ると言って、ウンソン大君の頬に口づけをしました。
ウンソン大君がチャヒョンにもお返しをしようとすると、チャヒョンの服に墨がついてしまいました。
二人は抱き合いながらじゃれました。
完。
感想
不滅の恋人最終回20話の感想です。やっと終わりました!最終回でイ・ガンの死に泣いてしまいました!お母さんの大王大妃シム氏の叫びが涙をそそります。不遇な子ども時代~青年時代を過ごしたイ・ガン(チニャン大君)は、人生を一発逆転させたいために、いろいろ悪いことをしてきました。結婚しても幸せと思うことはありませんでした。結婚すらも幸せなものではなかったからです。イ・ガンも本当は愛する人と結婚したかったのですが、それすらも叶わなかったのです。イ・ガンが社会的認められない大君の身分として一生を送る、いわゆる「無職の金持ち」である人生に絶望したからに他なりません。他の男たちが仕事に精を出しているのに、自分だけが政治からも見放されて無職というのは、男としてはかなり恥ずかしいことなのでしょう。しかしウンソン大君はその立場を幼い頃より素直に受け入れていました。この両者の違いは、現状を悲観するか、受け入れるかの違いにあると思います。このことについては別のページで詳しく述べたいと思います。
ウンソン大君はようやくチャヒョンと、一緒に暮らしました。ソン・オクにとってはウンソン大君が婿になることが本当に嬉しいと思います。ウンソン大君にとっても名家の婿になることは、子孫にとっては誇らしいことであり、自分も政治で活躍したので何の悔いのない人生となることでしょう。
そしてかわいそうなユン・ナギョム。彼女のことについても後で別のページで解説したいと思います。
意外と面白かったですよ、このドラマ!最終回で泣かされました
ウンソン大君はようやくチャヒョンと、一緒に暮らしました。ソン・オクにとってはウンソン大君が婿になることが本当に嬉しいと思います。ウンソン大君にとっても名家の婿になることは、子孫にとっては誇らしいことであり、自分も政治で活躍したので何の悔いのない人生となることでしょう。
そしてかわいそうなユン・ナギョム。彼女のことについても後で別のページで解説したいと思います。
意外と面白かったですよ、このドラマ!最終回で泣かされました
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