不滅の恋人12話
あらすじ
夜、ソン・ジャヒョンはチニャン大君宅の門前に行き、ウンソン大君の助命を請うため土下座しました。イ・ガンは「代わりに何をくれるのだ?」とチャヒョンに代償を求めて来ました。チャヒョンが涙を湛えながら黙っているとユン・ナギョムが表に出て来ました。ユン・ナギョムはウンソン大君を逆賊にしたのは夫のカンではなく告発文を書いたソン・オクだと意地悪を言いました。
「あんたのお父さまがウンソン大君を死地へ追いやったのよ。お父さまに聞いてみるといいわ。ウンソン大君が殺されるとしたらあんたらのせいで死ぬのよ。」
ナギョムはそう言うと部屋に戻りました。
雨が降り始め、立ち尽くし得ていたチャヒョンは濡れました。
イ・ガンの部屋。
「お休みになられる前に薬酒(ヤクチュ)をいかがですか?ちょうどよいお酒があります。」
ユン・ナギョムは微笑みを浮かべながら夫に言いました。
「チャヒョン殿は帰ったか?輿を出してやったか?」
イ・ガンはチャヒョンを心配していました。
すると、ユン・ナギョムはチャヒョンを帰したが、我々はチャヒョンに親切にする必要はないと言いました。
「今夜は雨が降っている。なぜ輿に乗してやらずに一人で返したのだ?」
イ・ガンが言うと、ナギョムは「本人が望んだのです」と冷たく言いました。
夜道。
チャヒョンはずぶ濡れになりながら家に帰りました。
ソン・オクの家。
「チャヒョンナ!そこで何をしている。雨に濡れているではないか。早く中へ入ろう。」
ソン・オクは庭に立っているチャヒョンを見るなり駆け寄りました。
「違いますよね。お父さまではないのでしょう?」
チャヒョンは父に言いました。
「とにかく行こう。」
ソン・オクはチャヒョンの肩に手を当て促しました。
「違うと言ってください!媽媽(マーマー)を死に追いやったのはお父さまではないと。」
チャヒョンは大きな声で言いました。
「お前を生かすためだった。」
ソン・オクは釈明しました。
「私を殺したのです。媽媽(マーマー)がいない世の中で私は生きてはいけません。」
チャヒョンは訴えました。
そこに母のアン氏が心配してやって来ました。
「家族はお前だけではない。お前の母と兄も、皆をこの父が守らねばならぬのだ!」
ソン・オクは言いました。
「あの方を死に追いやって私を助けてくれて大いに感謝します。お父さまの愛情は身に染みています。」
チャヒョンは泣いて部屋に帰ろうとしました。
「酷い子。お父さまはあなたを生かそうとして断腸の思いでご決断なさったの。あなたを守ろうとしてお父さまは責任を感じて自害しようとしたの。都承旨(トスンジ)が助けてくれなかったらチャヒョンはこうやってお父様を責めることはできなかったわ。」
アン氏はチャヒョンの頬を叩いて怒りました。
「そのくらいにしなさ夫人(プイン)。すべて私が悪いのだ。」
ソン・オクは夫人をたしなめようとしました。
「あの男だけが大事で、自分だけがつらくて、私たち家族はどうでもいいの?お父さまがどんな気持ちでああなさったのかチャヒョンにはわからないの?」
アン氏は説教を続けました。
チャヒョンは黙って部屋に戻りました。
牢獄。
大王大妃(テワンテビ)シム氏はヨン尚宮を従えイ・フィ(ウンソン大君)と牢獄で対面しました。イ・フィは涙を流して苦しむ母に、兄に陥れられ、ソン・オクの告発は家族を助けるために誰かに脅されて嘘の告発をして罪を償うために自害しようとしたと言いました。
日中の王宮の城門前。
チャヒョンはヨン尚宮に会って大王大妃(テワンテビ)に話があるので会わせてほしいと頼みました。ヨン尚宮はいったん大王大妃に伝えてみると言い、ウンソン大君と面会はお金と家族(ソン・ドゥクシク)の身分次第で何とかなるかもしれないと助言しました。
夜の獄舎。
「媽媽。チャヒョンです。どこも悪くありませんか?もしや拷問されたのではありませんか?」
チャヒョンはウンソン大君に会いに来ました。
「チャヒョン殿。逆徒の罪を着せられたが王族だから拷問はされていない。心は痛むが大丈夫だ。どうしたのだ?どうしてこのようなところへ。家族は皆無事か?」
イ・フィはチャヒョンと手を握りあうと、小声で言いました。
一緒に投獄されている内官のパク・キトゥクはルシゲはどうなったか尋ねました。
チャヒョンはルシゲを一緒に連れ帰ったと答えました。
チャヒョンは父ソン・オクがしたことを謝り、父が苦しんでいると言いました。
イ・フィはソン・オクを最初は憎んだが気持ちを理解できたので許すと言いました。
チャヒョンは「媽媽を助けます」と言いましたが、イ・フィはソン家の皆を死なせるわけにはいかないと言いました。
「婚礼の日のそなたはまことに美しかった。初夜を過ごす前にこうなってしまうとは。眠りに就くたびに、そなたとの婚礼の夢を見る。夢の中の私は幸せな新郎であなたに微笑み床入りをする。私が戻るまで、つらかっただろう。私が世を去ったと知らされたこともあろう。その時も、私たちはあきらめなかった。諦めない、生きていれば望みはあるものだ。どんなことがあっても私を信じてくれ。何があっても、望みを捨ててはならぬ。」
イ・フィは涙を流しながらチャヒョンの頬に触れ、固く手を握りました。
(主題歌が流れる♪)
チャヒョンは泣きながら獄舎から出ました。兄のソン・ドゥクシクは泣いているチャヒョンに静かにするようになだめながら連れて帰りました。
ある日。
ヨン尚宮はチャン尚宮(イ・ガンの手下)とともに宮の門前で待っていたチャヒョンに大王大妃(テワンテビ)様はお体がすぐれないのでお会いになられないと告げました。チャヒョンは夜もずっと待っていると答えました。チャン尚宮はウンソン大君のことはチニャン大君に話してみてはどうかと言いました。ヨン尚宮の「そうですね。チニャン大君様は領議政ですのでウンソン大君を助けてくださるかも。」と同意しました。チャン尚宮は「この世の実力者はチニャン大君様です。」と言いました。ヨン尚宮とチャン尚宮は王宮に戻りました。チャヒョンは深いため息をつくと、倒れて地面に頭をぶつけてしまいました。クッタンがすぐに駆け寄りチャヒョンを起こしました。チャヒョンはウンソン大君が王族の姿で門から出て来て自分に手を差し伸べる幻を見て意識を失いました。
妓楼の部屋。
チャヒョンが目を覚ますとクッタンがチャヒョンを介抱していました。部屋にチョ・ヨギョンがいて医員(イウォン)に見せたところ、空腹と強い日差しで気を失ったのだと言いました。クッタンはチャヒョンに塩を舐めさせてあげました。クッタンはチニャン大君が妓房(キバン)にチャヒョンを運んだのだと言いました。チョ・ヨギョンは輿を用意すると言いました。
妓楼の一室。
イ・ガンが酒を飲んでいるところにチャヒョンが会いに現れました。イ・ガンは弟のことは法で対処すると言いました。
「まだ、私をお望みですか?」
チャヒョンは言いました。
「さあな。」
イ・ガンは正直には答えませんでした。
「私をお捧げします。国であれ天であれども人の命より貴重なものはありません。私が持っているすべてを、私を大監(テガム)にお捧げします。私を殺して、あの方を、お助けくださいませ。私の父の罪を償うには私を捨てるしかないと思います。大監(テガム)のお好きになさってください。」
チャヒョンは両手を突いて頼みました。
「私のもとへ来ることは、あなたには死ぬのと同じことなのか。私のもとへ、死にに来るというのか?ハッ。ハッハッハッハ。はぁ・・・・。ハッハッハ。フハハハハハ。ハッハッハッハ。」
イ・ガンは目を潤ませ傷ついたように笑いました。
チョ・ヨギョンは部屋の外から聞き耳を立てていました。
朝廷。
ヤンアン大君はウンソン大君が左議政と吏曹判書(イジョパンソ)を殺して王になろうとしたと訴えました。チョン・ヨンはウンソン大君は逆徒なので死罪にしなければならないと言いました。パク・プギョンがウンソン大君を死罪にしてくださいと言うと、大臣たちは「ウンソン大君を打ち首にしてください」と声を揃えました。
摂政の大王大妃(テワンテビ)シム氏は憤慨しながら「いくらあの者の、大君の罪が重いとはいえ、すぐに処刑するのではなく、まずは流刑地へ・・・」と言い掛けました。するとチョン・ヨンはすかさぐ「なりません。王座を狙う者に前例を作ることになります。」と大王大妃に口を封じようとしました。大王大妃は「そなたらにはどうして情が無いのか?先日も息子を失ったのに、また息子を失えというのか!」と泣き叫びました。ヤンアン大君は「罪人として毒薬をお与えになることをお考えください」と訴えました。大王大妃は臣下たちの訴えに怒り、心を傷めました。
イ・ガンは、民も不安がっており兄として自分も息子として母上を慰めたいので「毒薬のかわりに流刑に処して悔い改めさせ王室の寛大さを皆に示しましょう」と言いました。
大王大妃シム氏はウンソン大君が潔白を訴え続けてるのでまずは流刑にして真相を明らかにしたいと言いました。
イ・ガンは「大王大妃様の心情も汲んで、ウンソン大君を流刑にしましょう」と結論づけました。
義禁府の裁きの場。
パク・プギョンはウンソン大君に兵曹判書を解任し、喬桐島(キョドンド)への流刑にするという罪状を言い渡しました。
「命は助かったのだ。母上と殿下に感謝しよう。」
イ・フィはパク・キトゥクにささやきました。二人は一緒に立ち上がると、王の居所に向かって何度も拝礼しました。ウンソン大君の支持者の大臣は何度も頷きました。
ある日の船着き場。
イ・フィはパク・キトゥクとともに船を待っていました。チャヒョンはルシゲとクッタンとともに渡し場に駆け付けました。
「媽媽!」
チャヒョンは呼びかけました。ルシゲは指笛を吹いて到着を知らせました。
チャヒョンは呼びかけました。ルシゲは指笛を吹いて到着を知らせました。
渡し舟に乗ったイ・フィは桟橋を駆け戻り、チャヒョンと抱き合いました。
「媽媽。」
「なぜ来たのだ。風もこんなに冷たいのに。」
「媽媽に会いたくて。」
「これが最後ではない。ここで終わるつもりはない。少し、少し待っていてくれ。必ず。必ず戻って来る。」
イ・フィはルシゲにチャヒョンを守るように頼みました。
チャヒョンはウンソン大君が戦地に行っていたときほどつらくはないと言いました。
二人は手紙を交わす約束をして別れました。
パク・キトゥクも熱い眼差しでルシゲを見つめていました。
夜の妓楼。
イ・ガンはヤンアン大君とユン・ジャジュンとオ・ウルンと話し合っていました。イ・ガンは流刑地の府使(プサ)が、先日殺された吏曹判書(イジョパンソ)のト・ヨンスの息子だからきっと恨んでいるので有利に働くはずだと言いました。オ・ウルンは流刑地に先回りして根回しすることになり、イ・ガンは先王の義理の父シム・ジョンを排除する計画を立てました。
船の上。
パク・キトゥクはうとうとと眠っていました。
イ・フィはチャヒョンを想っていました。
ソン・オクの家。
チャヒョンは震える手でウンソン大君に手紙を書いていました。
「私の人。私のフィ。あなたを呼べば口笛になりました。あなたを呼ぶと愛が芽生え、私たちは運命になりました。私たちが見た夢はごく小さなものでした。同じ家に住み同じ床に入り同じ食事をする。一緒に絵を描く。そして、わかりました。この小さな夢を叶えることがどれほど難しいかを。運命が人生を、あなたへと向かう道を阻みましたが、死は私を阻めぬでしょう。先に逝って待っています。長生きなさってください。花となって待っています。」
チャヒョンは手紙を封筒に入れました。
「お嬢様。大君様から使者が来ました。」
クッタンが部屋に入って来ました。
チャヒョンは自害したときのために母とウンソン大君に宛てた遺書をクッタンに預けました。
チニャン大君が手配した輿と担ぎ手と護衛がソン家の庭で待っていました。
チャヒョンは自害用の小刀を隠し持ち、新しい住まいのことで話があるというイ・ガンのもとに向かいました。
喬桐島(キョドンド)。
ト・ジョングクは「ようこそお越しくださいました。ここが今日から大君が暮らす家です」とあばら家を紹介しました。パク・キトゥクはみすぼらしい家は大君にふさわしくないと言いました。ト・ジョンシクは冷たい態度で接しました。イ・フィはパク・キトゥクにやめるよう言いました。
「府使(プサ)ト・ジョングク。大君にご挨拶します。」
ト・ジョンシクは挨拶し、父が殺された吏曹判書(イジョパンソ)ト・ヨンスだと言いました。ト・ジョンシクは父の喪に服すためいったん辞職しましたが、首謀者が流刑になると聞いて復職したと言いました。
イ・フィは住む場所があるだけで十分だと言って割れた陶器を片付けはじめました。パク・キトゥクは与えられた米が籾の状態であることを大君に「なんでもない」といって隠しました。
イ・ガンの家。
妓生のチョ・ヨギョンはユン・ナギョムに会いました。チョ・ヨギョンはイ・ガンがチャヒョンと取引をしたためウンソン大君は生き延びたと教えました。チョ・ヨギョンはイ・ガンがチャヒョンのために別の屋敷を用意したと教えました。ユン・ナギョムはチョ・ヨギョンを嫌いつつも知らせてくれたことに礼を言い、女同士の同盟を結びました。
イ・ガンの別荘(イ・フィとチャヒョンが暮らす予定だった家)。
イ・ガンは部屋でチャヒョンと会い、茶を淹れて欲しいと頼みました。
チャヒョンは言われた通りに茶を淹れました。夫と済むはずだった新居でこんなことをするとは、とチャヒョンは怒りました。イ・ガンはお茶を飲み干すと「今日はどのような覚悟で来たのだ?」とチャヒョンに尋ねました。
「約束を果たすつもりで来ました。」
チャヒョンは言いました。
「私が、弟の女を奪ったのはこれが初めてではない。」
イ・ガンは、かつて宮女見習い(センガクシ)でウンソン大君への忠誠心の厚い少女を「私の人にしたかった」と話しました。
「死んでしまった。私も優しくしてやれた。弟に劣らずかわいがってやれたのだがな。私があなたをどうすると思う?帰って待っていなさい。市場のゴロツキたちのように乱暴な真似はせぬ。時期を待ち、礼節を持ってあなたを迎えるので妙なことは考えぬように。」
イ・ガンは言いました。
「弟の女を欲しがる人に、礼節などあるはずがありません。」
チャヒョンは言い返しました。
「私に真心が無いというのか?」
「手に入らぬ物に手を出して、欲を満たしたいだけではありませんか。それは愛ではありません。執着です。」
「執着も愛があれば、得ようとするものだ。それが私の心であり欲だ。そうだ。愛ではないとしよう。なぜこれほどつらいのだ?」
イ・ガンはチャヒョンに抱き着くと、腕を掴んで刀を見つけました。
「あなたがなにをしようと思っているかわかってる。死にたいのだろう。だがウンソンが生きているゆえ最後の望みを捨てられずに死ねずにいる。もう帰りなさい。」
イ・ガンは優しく言うと、部屋から出て行きました。
チャヒョンは大君の家から出て行きました。護衛の男は輿に乗って帰るように丁寧に言いました。チャヒョンは小刀を抜いて唇を歪め、歩いて帰りました。
ユン・ナギョムがイ・ガンの別荘にやって来ました。
イ・ガンは護衛武士にチャヒョンが逃げたりしないように監視するよう命じました。
「私の夫の屋敷にいるとは、妾にでもなったの?もう友ではないとはいえ、これは道に反するのでは?獣にでもなったの?一体何のつもりだ!」
ユン・ナギョムはチャヒョンに会うと、思いつく限りの悪口を言いました。
「大君を守るためなら、獣にでもなるわ。何でもするわ。」
チャヒョンは言いました。ルシゲも駆け付けました。
「世の中が逆徒を生かしておくと思うの?あなたのおかげでウンソンは生き延びたのではないわ。私の大監(テガム)があなたとの約束、それを果たすために生かしたのではない。だからしっかり聞いて。二度と夫に近づかないで。妓生は構わないけどあなたは許せない。ウンソン大君に身を捧げた、じぶんがすごいと思っているのかもしれないけど、あなたのおかげでウンソン大君が生き延びたのではないわ。あなたを側室にするなんて死んでもお断りよ。二度と夫に近づかないで!」
ユン・ナギョムは言いました。
「お嬢様!参りましょう。お嬢様。」
ルシゲが現れチャヒョンを輿に乗せて出発しました。ルシゲはユン・ナギョムを睨んで行きました。
チャヒョンは輿の中で怒りで目を潤ませました。
ソン・オクの家。
「降りな。」
ルシゲはチャヒョンのために輿の扉を開けました。
「ご苦労でした。」
チャヒョンは担ぎ手に言いました。
護衛武士はソン・オクの屋敷を見張りました。
ソン家の庭。
ルシゲはチャヒョンと少し話し、見張られていると言いました。
チャヒョンは流刑地に行くと言い出しました。
夜の流刑地。
「慈賢(チャヒョン)。」
イ・フィはチャヒョンの名前を書いて、手紙を書くのをやめました。
パク・キトゥクは眠っていました。
イ・フィが手紙を書いていると外に人の姿が見えました。イ・フィはおそるおそる扉を開けようとすると、障子の向こうから刀が付き出て来ました。イ・フィは男の覆面を取ると、正体に気が付きました。
「父の仇を取りたければ取れ。私を斬りなさい。だが、真の首謀者はわからず大逆罪に問われぬままだぞ。」
イ・フィはト・ジョングクに言いました。
「黙れ。王になるために殿下を侮り忠臣を殺したのだろう。」
「私ではない!」
「王族ゆえに殺されなかったのだろう。天にかわって私が成敗する。」
「私は罪を着せられてしまったが、忠臣のそちに斬られて死ぬなら本望だ。」
イ・フィは目を閉じました。
「・・・・・・。ひゃ~!」
ト・ジョングクは刀を振り上げました。
「媽媽。大丈夫ですか?」
ト・ジョンシクの頭を背後から殴り倒したパク・キトゥクはウンソン大君を救出しました。
朝の島。
三人の男、チュンとホチとトクマンが島に着きました。
イ・フィは薪を割っていました。
「媽媽!」
三人組はウンソン大君に拝礼しました。
パク・キトゥクは嬉しそうに男たちと抱き合いました。
チュンとホチとトクマンは都では大人しくしていたけどウンソン大君が流刑となってたまらずやって来たと言いました。
流刑地の役所。
ト・ジョンシクが出仕しようとすると、オ・ウルンとチェウンがやって来ました。
ソン・オクの家。
クッタンが豪華な輿を率いて外出しようとすると、イ・ガンの護衛武士が行き先を尋ねました。輿の中からチャヒョンに扮した女が寺に行くと言いました。護衛武士は「お供します」と一緒について行きました。
見張りの武士がいなくなると、ルシゲはチャヒョンを導き、島に向かいました。
「媽媽。」
「なぜ来たのだ。風もこんなに冷たいのに。」
「媽媽に会いたくて。」
「これが最後ではない。ここで終わるつもりはない。少し、少し待っていてくれ。必ず。必ず戻って来る。」
イ・フィはルシゲにチャヒョンを守るように頼みました。
チャヒョンはウンソン大君が戦地に行っていたときほどつらくはないと言いました。
二人は手紙を交わす約束をして別れました。
パク・キトゥクも熱い眼差しでルシゲを見つめていました。
夜の妓楼。
イ・ガンはヤンアン大君とユン・ジャジュンとオ・ウルンと話し合っていました。イ・ガンは流刑地の府使(プサ)が、先日殺された吏曹判書(イジョパンソ)のト・ヨンスの息子だからきっと恨んでいるので有利に働くはずだと言いました。オ・ウルンは流刑地に先回りして根回しすることになり、イ・ガンは先王の義理の父シム・ジョンを排除する計画を立てました。
船の上。
パク・キトゥクはうとうとと眠っていました。
イ・フィはチャヒョンを想っていました。
ソン・オクの家。
チャヒョンは震える手でウンソン大君に手紙を書いていました。
「私の人。私のフィ。あなたを呼べば口笛になりました。あなたを呼ぶと愛が芽生え、私たちは運命になりました。私たちが見た夢はごく小さなものでした。同じ家に住み同じ床に入り同じ食事をする。一緒に絵を描く。そして、わかりました。この小さな夢を叶えることがどれほど難しいかを。運命が人生を、あなたへと向かう道を阻みましたが、死は私を阻めぬでしょう。先に逝って待っています。長生きなさってください。花となって待っています。」
チャヒョンは手紙を封筒に入れました。
「お嬢様。大君様から使者が来ました。」
クッタンが部屋に入って来ました。
チャヒョンは自害したときのために母とウンソン大君に宛てた遺書をクッタンに預けました。
チニャン大君が手配した輿と担ぎ手と護衛がソン家の庭で待っていました。
チャヒョンは自害用の小刀を隠し持ち、新しい住まいのことで話があるというイ・ガンのもとに向かいました。
喬桐島(キョドンド)。
ト・ジョングクは「ようこそお越しくださいました。ここが今日から大君が暮らす家です」とあばら家を紹介しました。パク・キトゥクはみすぼらしい家は大君にふさわしくないと言いました。ト・ジョンシクは冷たい態度で接しました。イ・フィはパク・キトゥクにやめるよう言いました。
「府使(プサ)ト・ジョングク。大君にご挨拶します。」
ト・ジョンシクは挨拶し、父が殺された吏曹判書(イジョパンソ)ト・ヨンスだと言いました。ト・ジョンシクは父の喪に服すためいったん辞職しましたが、首謀者が流刑になると聞いて復職したと言いました。
イ・フィは住む場所があるだけで十分だと言って割れた陶器を片付けはじめました。パク・キトゥクは与えられた米が籾の状態であることを大君に「なんでもない」といって隠しました。
イ・ガンの家。
妓生のチョ・ヨギョンはユン・ナギョムに会いました。チョ・ヨギョンはイ・ガンがチャヒョンと取引をしたためウンソン大君は生き延びたと教えました。チョ・ヨギョンはイ・ガンがチャヒョンのために別の屋敷を用意したと教えました。ユン・ナギョムはチョ・ヨギョンを嫌いつつも知らせてくれたことに礼を言い、女同士の同盟を結びました。
イ・ガンの別荘(イ・フィとチャヒョンが暮らす予定だった家)。
イ・ガンは部屋でチャヒョンと会い、茶を淹れて欲しいと頼みました。
チャヒョンは言われた通りに茶を淹れました。夫と済むはずだった新居でこんなことをするとは、とチャヒョンは怒りました。イ・ガンはお茶を飲み干すと「今日はどのような覚悟で来たのだ?」とチャヒョンに尋ねました。
「約束を果たすつもりで来ました。」
チャヒョンは言いました。
「私が、弟の女を奪ったのはこれが初めてではない。」
イ・ガンは、かつて宮女見習い(センガクシ)でウンソン大君への忠誠心の厚い少女を「私の人にしたかった」と話しました。
「死んでしまった。私も優しくしてやれた。弟に劣らずかわいがってやれたのだがな。私があなたをどうすると思う?帰って待っていなさい。市場のゴロツキたちのように乱暴な真似はせぬ。時期を待ち、礼節を持ってあなたを迎えるので妙なことは考えぬように。」
イ・ガンは言いました。
「弟の女を欲しがる人に、礼節などあるはずがありません。」
チャヒョンは言い返しました。
「私に真心が無いというのか?」
「手に入らぬ物に手を出して、欲を満たしたいだけではありませんか。それは愛ではありません。執着です。」
「執着も愛があれば、得ようとするものだ。それが私の心であり欲だ。そうだ。愛ではないとしよう。なぜこれほどつらいのだ?」
イ・ガンはチャヒョンに抱き着くと、腕を掴んで刀を見つけました。
「あなたがなにをしようと思っているかわかってる。死にたいのだろう。だがウンソンが生きているゆえ最後の望みを捨てられずに死ねずにいる。もう帰りなさい。」
イ・ガンは優しく言うと、部屋から出て行きました。
チャヒョンは大君の家から出て行きました。護衛の男は輿に乗って帰るように丁寧に言いました。チャヒョンは小刀を抜いて唇を歪め、歩いて帰りました。
ユン・ナギョムがイ・ガンの別荘にやって来ました。
イ・ガンは護衛武士にチャヒョンが逃げたりしないように監視するよう命じました。
「私の夫の屋敷にいるとは、妾にでもなったの?もう友ではないとはいえ、これは道に反するのでは?獣にでもなったの?一体何のつもりだ!」
ユン・ナギョムはチャヒョンに会うと、思いつく限りの悪口を言いました。
「大君を守るためなら、獣にでもなるわ。何でもするわ。」
チャヒョンは言いました。ルシゲも駆け付けました。
「世の中が逆徒を生かしておくと思うの?あなたのおかげでウンソンは生き延びたのではないわ。私の大監(テガム)があなたとの約束、それを果たすために生かしたのではない。だからしっかり聞いて。二度と夫に近づかないで。妓生は構わないけどあなたは許せない。ウンソン大君に身を捧げた、じぶんがすごいと思っているのかもしれないけど、あなたのおかげでウンソン大君が生き延びたのではないわ。あなたを側室にするなんて死んでもお断りよ。二度と夫に近づかないで!」
ユン・ナギョムは言いました。
「お嬢様!参りましょう。お嬢様。」
ルシゲが現れチャヒョンを輿に乗せて出発しました。ルシゲはユン・ナギョムを睨んで行きました。
チャヒョンは輿の中で怒りで目を潤ませました。
ソン・オクの家。
「降りな。」
ルシゲはチャヒョンのために輿の扉を開けました。
「ご苦労でした。」
チャヒョンは担ぎ手に言いました。
護衛武士はソン・オクの屋敷を見張りました。
ソン家の庭。
ルシゲはチャヒョンと少し話し、見張られていると言いました。
チャヒョンは流刑地に行くと言い出しました。
夜の流刑地。
「慈賢(チャヒョン)。」
イ・フィはチャヒョンの名前を書いて、手紙を書くのをやめました。
パク・キトゥクは眠っていました。
イ・フィが手紙を書いていると外に人の姿が見えました。イ・フィはおそるおそる扉を開けようとすると、障子の向こうから刀が付き出て来ました。イ・フィは男の覆面を取ると、正体に気が付きました。
「父の仇を取りたければ取れ。私を斬りなさい。だが、真の首謀者はわからず大逆罪に問われぬままだぞ。」
イ・フィはト・ジョングクに言いました。
「黙れ。王になるために殿下を侮り忠臣を殺したのだろう。」
「私ではない!」
「王族ゆえに殺されなかったのだろう。天にかわって私が成敗する。」
「私は罪を着せられてしまったが、忠臣のそちに斬られて死ぬなら本望だ。」
イ・フィは目を閉じました。
「・・・・・・。ひゃ~!」
ト・ジョングクは刀を振り上げました。
「媽媽。大丈夫ですか?」
ト・ジョンシクの頭を背後から殴り倒したパク・キトゥクはウンソン大君を救出しました。
朝の島。
三人の男、チュンとホチとトクマンが島に着きました。
イ・フィは薪を割っていました。
「媽媽!」
三人組はウンソン大君に拝礼しました。
パク・キトゥクは嬉しそうに男たちと抱き合いました。
チュンとホチとトクマンは都では大人しくしていたけどウンソン大君が流刑となってたまらずやって来たと言いました。
流刑地の役所。
ト・ジョンシクが出仕しようとすると、オ・ウルンとチェウンがやって来ました。
ソン・オクの家。
クッタンが豪華な輿を率いて外出しようとすると、イ・ガンの護衛武士が行き先を尋ねました。輿の中からチャヒョンに扮した女が寺に行くと言いました。護衛武士は「お供します」と一緒について行きました。
見張りの武士がいなくなると、ルシゲはチャヒョンを導き、島に向かいました。
感想
不滅の恋人12話の感想です。運よく、といいますか、ストーリー上必要があって、ウンソン大君は流刑となって生き延びました。チャヒョンは「身を捧げます」とイ・ガンと取引をもちかけるも、万一ほんとうに実を捧げるようなことになれば自害するつもりでいました。ここにきてイ・ガンの恋愛モード発揮!恋となればイ・ガンを演じているチュ・サンウクの演技力が一層際立ちますね。チュ・サンウクの演技力と存在感は主人公のウンソン大君を演じているユン・シユンを上回ります。イ・ガンは一般的にいわゆる「キモイ男」なのでしょうが、チュ・サンウクが演じるのですから二枚目俳優の色男が演じると、迫力があります。彼のチャヒョンを女性として見て女性として扱う場面は紳士そのもので、面白いです。
ウンソン大君は存在感がなくて、正直なところ、内面の心の広さでもイ・ガンに劣っています。イ・ガンの心に愛があっても好きな女性から「それは愛ではなく執着だ、欲望だ」と冷たくあしらわれる苦みは、結構つらいと思います。一応、好きな気持ちはあるのですが、好きな人に対する行動がよくないのです。イ・ガンも一応、過去の出来事の反省はしていてチャヒョンが死なないように見守っています。そこは成長しているかのように表現しています。ほんとうはウンソン大君よりもイ・ガンのほうが深く傷ついているのですが・・・ドラマですから視聴者は正義の味方といいますか、被害者の味方をするはずです。
今回はト・ヨンスの息子ト・ジョングクという真面目男が出て来ました。ド真面目な武士はキム・グァンの代わりみたいなものですね。
そしてお笑い担当の三人組が新規に登場し、皇子様と従者と仲間たちという人間関係を作り出すことで雰囲気をリフレッシュしています。
ウンソン大君は存在感がなくて、正直なところ、内面の心の広さでもイ・ガンに劣っています。イ・ガンの心に愛があっても好きな女性から「それは愛ではなく執着だ、欲望だ」と冷たくあしらわれる苦みは、結構つらいと思います。一応、好きな気持ちはあるのですが、好きな人に対する行動がよくないのです。イ・ガンも一応、過去の出来事の反省はしていてチャヒョンが死なないように見守っています。そこは成長しているかのように表現しています。ほんとうはウンソン大君よりもイ・ガンのほうが深く傷ついているのですが・・・ドラマですから視聴者は正義の味方といいますか、被害者の味方をするはずです。
今回はト・ヨンスの息子ト・ジョングクという真面目男が出て来ました。ド真面目な武士はキム・グァンの代わりみたいなものですね。
そしてお笑い担当の三人組が新規に登場し、皇子様と従者と仲間たちという人間関係を作り出すことで雰囲気をリフレッシュしています。
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