不滅の恋人17話
あらすじ
ソン🏠の使用人の少女クッタンは主人のアン氏夫人とその息子、ソン・ドゥクシクを隠れ寺に連れて行きソン・ジャヒョンと引き合わせました。チャヒョンは母のアン氏と涙ながらに抱き合いました。ソン・ドゥクシクはチャヒョンを助けてくれた男性たちに礼を言おうとしました。すると、ウンソン大君が振り返ったため、ドゥクシクは口を大きく開けて驚きました。アン氏たちを尾行していたオ・ウルンはウンソン大君が生きていることを知りましたがウンソン大君に気が付きませんでした。
寺の一室。
ウンソン大君はアン氏夫人に、私たちの仲は死んだとしても引き離せないと本心を打ち明けました。隣に修行僧の姿で座っていたチャヒョンはウンソン大君の話を聞いて安堵しました。
「苦労して本当に大切なことがわかったのです。おかげでご息女の大切さがわかりました。共に過ごせることを幸せに思います。平穏に生きていたらわからなかったでしょう。人の命がどれほど尊いかと。どれほどこの人が大切か。」
ウンソン大君こと、イ・フィは丁寧にアン氏に言いました。
「この子の母として、そこまで深い悟りを得られなくても、お互いが仲良く笑って過ごせていれば十分だと思っておりました。」
アン氏はウンソン大君に返しました。
「お母さま。今の私は幸せです。」
チャヒョンは言いました。
北平館(プクピョングァン=女真族の使臣の宿舎)。
兵曹判書(ピョンジョパンソ)のユン・ジャジュンは兵士を率いて勝手に使臣の部屋を捜索しはじめました。
正使を殺された部下はユン・ジャジュンに抗議しましたが、ユン・ジャジュンは刀で使臣を脅しました。
大王大妃(テワンテビ)の部屋。
大王大妃シム氏は使臣を殺したイ・ガンを叱りつけました。
イ・ガンは「母上がフィが殺されたと知ったとき復讐してやるとおっしゃいました。私はそれを叶えただけです。相手国が兄弟国である君主を侮っているからです。」と屁理屈で答えました。
大王大妃シム氏は「なぜ叔父を失脚させたのか」と次に尋ねました。
イ・ガンは「母上が叔父上を遠ざけたがっていたではありませんか。王族は領議政になるべきではない。」と答えました。
大王大妃シム氏はイ・ガンに、朝廷の政治は大臣とよく話し合うように言いましたが、イ・ガンは臣下の国ではなく王が最高の力を持つ覇王の国を作りたいと答えました。
大王大妃はイ・ガンに暴政をやめるようきつく叱りました。
「お前は頭を冷やしてよく考えなさい!」」
政治の間。
イ・ガンは便殿(ピョンジョン)に戻りました。
ユン・ジャジュンはイ・ガンに領土について交わした密書は使臣の屋敷を調べても見つからなかったと報告しました。
イ・ガンは領土問題を白紙にしてそして軍を国境に移動させ女真族からの攻撃に備えるようユン・ジャジュンに命じました。
ユン・ジャジュンが下がると内禁衛将(ネグミジャン)のオ・ウルンは「チャヒョンお嬢さまが寺にいましたが匿った者が何者かはわかりませんでした」と報告しました。
北平館。
ト・ジョングクは武官に扮したウンソン大君と通訳のルシゲを連れて生き残りの使臣に会いました。使臣は「二度と騙されぬ。戦だ。帰れ。」と断りました。
「戦をして何を得るのだ。奪った食糧が無くなったらまた兵士を犠牲にして侵略して奪うのか?機会を与えているのだ。あなた方はチンヤン大君と手を組み朝鮮の王子である私を殺そうとしたであろう。殺されそうになったその王子がすべてを許し手を組む機会を与えたのだ。晋陽大君のように領土を与えるつもりはない。そのかわり朝鮮の民を送り痩せた土地で農作物を作る方法を教えよう。交易を再開して共存する道を開こう。」
イ・フィは使臣に言いました。ト・ジョングクも使臣にウンソン大君の提案に応じるよう促しました。ルシゲは「ウンソン大君は信じていい。フルリガイの族長の娘の私を助けてくれた。私が父上に会って密書を貰ってくる」と使臣に言いました。
「・・・・・・。」
使臣は黙って席を立つと、箱の中から贈り物を取り出してウンソン大君に渡しました。
「我々は戦う時、笛を吹く。チンニャン大君が約束を破ったら、笛を吹け。」
使臣は言いました。
館から出てきたウンソン大君は贈り物の中からチンニャン大君が交わした密書を確かめました。
「兄者(ヒョンニィ)。これでチンニャン大君の悪事を暴けます。」
ト・ジョングクは言いました。
夜。
イ・フィとルシゲは寺に向かっていました。
イ・ガンもお忍び姿で部下を連れて寺に向かっていました。
イ・フィとルシゲはイ・ガンたちを見ると茂みに隠れました。
「バレたの?」
ルシゲは小声で尋ねました。
イ・フィは頷くと、ルシゲと寺に駆け出しました。
寺。
「殿下。殿下。兄上が来る。急いでここを出ねば!」
イ・ガンは寝ている上王(サンワン)イ・ミャンを抱きかかえると、チャヒョンと一緒に部屋を出ました。ルシゲもパク・キトゥクとチャンとトクマンとホチを連れ出しました。
チャヒョンはルシゲと一緒に残ってイ・ガンを引き止めるのでイ・フィたちに上王を連れて先に逃げるよう言いました。
イ・フィたちが逃げると、しばらくしてイ・ガンが寺に現れました。
チャヒョンとルシゲはイ・ガンに頭を下げました。
「余が来ると知っていたのか?」
イ・ガンはチャヒョンに尋ねました。
「どなたかがいらっしゃると和尚様に知らされたのです。」
チャヒョンは答えました。
「殿下。あの者はウンソン大君とともにいたオランケの女です。」
オ・ウルンはイ・ガンに教えました。
「行く当てがないのです。私が面倒を見ています。」
チャヒョンは説明しました。
イ・ガンはルシゲを問い詰めようとしかけたオ・ウルンを制止すると「茶を頂こう」とチャヒョンに言いました。
イ・フィたちはその隙に寺の裏側に回りました。
「どうぞお越しください。」
チャヒョンはイ・ガンを部屋に招きました。
「近くに仲間がいないか調べよ!」
オ・ウルンは部下に命じました。
寺の中。
「どうして私を殺さなかったのですか?大君を殺そうとした大逆罪人です。」
チャヒョンはイ・ガンに言いました。
「十分罰を受けておる。フィがいないこの世で生きるのはつらいだろう。殺すのはあなたの望みを叶えるようなものだ。あなたが死んだらあの世で弟と一緒になり、私は取り残される。あなたが私を憎んでいようとこの世に引き止める。尼寺からどうやってここに?」
イ・ガンは言いました。
「あの方が亡くなっても、仲間は生きています。その者たちに連れて来られました。」
チャヒョンは答えました。
「あの者たちは逆徒だぞ。」
「私にとっては恩人です。」
イ・フィは上王のイ・ミョンをパク・キトゥクに預けて妓楼に行くよう命じました。
「こうやって隠れ住んでいると、ここも尼寺も監獄と同じとわかりました。今すぐ家に帰らせてください。家族と暮らしたいです。」
チャヒョンはイ・ガンに茶を淹れました。
「あなたを尼寺に送れとの大王大妃殿のご命令に従っただけだ。」
イ・ガンは言いました。
「もう十分権力を手に入れたではありませんか。大妃殿(テビジョン)も手を出せぬほどに。」
「ウンソンのことは、これで忘れられたか?」
「忘れたといえば嘘になりましょう。確かなのは私が生きていて、あの方が死んだということです。」
「どうするのだ?」
「側室にはなりません。」
「ならば?」
「正室の地位を頂きたいと思います。」
チャヒョンは言いました。
「私を殺したいほど憎んでいただろう。中殿(チュンジョン)への憎しみが、それを越えたのか?」
「夜更けにお越しになられたのは、私に会いたかったのではありませぬか?逆賊を討つだけなら兵を送ればよいはず。お越しになられたのは、こうして私に会いたかったのではありませんか?大君(テグン)のお心が、私を動かすやもしれません。執着か愛かわかりませんが、そのお心を私にお見せください。ならばあなた様の氷のようなお心も私も春の陽ざしで包んでさしあげましょう。その日が来たら、大君を殿下(チョナ)とお呼びいたします。」
「未だ私を大君と呼ぶだけで、あなたは死罪に値する。」
「私はもはや死など、恐れません。」
チャヒョンが言うと、イ・ガンは考えました。
寺の外。
部屋の外をルシゲとオ・ウルンが警護していました。
イ・フィは茂みの中からその様子を見張っていました。
妓楼。
パク・キトゥクたちは上王(サンワン)をチョ・ヨギョンに匿ってもらいました。チョ・ヨギョンは使用人を辞めさせて客も取っていないので誰かに見られる心配はないと言いました。トクマンはおいしい物が食べたいと言うと、チョ・ヨギョンは食事を用意すると言いました。
寺。
イ・ガンはチャヒョンを連れて、寺を降りようとしました。イ・ガンはチャヒョンに手を差し出しました。ルシゲも使用人の振りをしてチャヒョンに手を差し出すと、チャヒョンはルシゲの手を取りました。イ・ガンは堪(こら)えました。
ソン・オクの家。
イ・ガンはチャヒョンを家まで送りました。
「当分病になったことにする。尼寺を出る口実はこれしかない。だが見張りをつける。逃亡することは二度と許さぬ。」
「感謝します。心に決めたのです。逃げるつもりはありません。ご心配なら見張りを増やしてください。」
「では帰りなさい。」
「私も、お待ちしています。」
チャヒョンはイ・ガンに礼をすると、ルシゲと実家の門をくぐりました。
イ・ガンはそれを確かめました。
イ・フィは二人の様子を見守っていました。
チャヒョンが自宅の門の中に入ると大きくため息をつきました。
「大丈夫?」
ルシゲはチャヒョンを気遣いました。
「媽媽(マーマー)はご無事かしら?」
チャヒョンはつぶやきました。
帰り道。
「本心だと思うか?」
イ・ガンはオ・ウルンに尋ねました。
「私ごときにお嬢様の気持ちはわかりません。ですがこだけは確かです。ウンソン大君はみまかられ、あなた様は王になりました。お嬢様は時が経ったせいかあの方への思いは絶たれたようでございます。」
オ・ウルンは答えました。
「あのひとはウンソン大君に似ていると思っていたが、近頃は私に似てきたと思う。」
「それは、お嫌ですか?」
「嬉しくもあるが、嫌でもある。」
イ・ガンは言いました。
ソン・オクの家のチャヒョンの部屋。
母のアン氏はチャヒョンのために寝床を敷いてあげました。クッタンも飲み物を持ってきました。
「いったん休みなさい。お前が戻って来ただけで十分。またお前の世話ができるのだから十分よ。もう贅沢は言わない。」
アン氏は涙を拭いました。
「お母さま。」
チャヒョンは母の手を取りました。
「お帰り。もうこれ以上のつらいことはなければいいのに。人生は思い通りに行かないから。」
「だから、私も強くなりました。お母さまとお父さまに大切に育てられた私はもういません。これで私は何も恐れません。生きていれば望みはあると媽媽(フィ)がおっしゃっていました。」
チャヒョンは母と見つめ合いました。
夜の王宮。
イ・ガンが戻って来るとプドゥルはユン・ナギョムに王の帰宅を知らせました。
ユン・ナギョムは笑顔で「どこにいってらしたのですか?」と尋ねました。
イ・ガンは「息が詰まるので出かけておった」と答えました。
ユン・ナギョムは「ここは広いのにそれでも息が詰まるのですね」と理解を示しました。
「何か用か?」
「話がございます。」
王の部屋。
ユン・ナギョムは懐妊(妊娠)したとイ・ガンに言いました。
「大君を、王子を、息子を産んでさしあげます。殿下によく似たお子を。」
ユン・ナギョムが言うと、イ・ガンは大きなストレスを感じました。
「媽媽。あのような嘘をどうなさるのですか?」
王の部屋から出てきたプドゥルはユン・ナギョムに尋ねました。
「本当に妊娠すればよいのだ。殿下が余計なことを考えぬよう中宮の立場を強固にするのだ。」
ユン・ナギョムは言いました。
ソン・オクの家。
イ・フィはこっそり塀を乗り越えました。
チャヒョンの部屋。
チャヒョンは眠れずに寝返りを打つと、起き上がって着替えをはじめました。そこイ・フィが部屋に入って来て、着替え中のチャヒョンを見ると「済まない」と言ってすぐに背を向けました。チャヒョンが着替え終わると、二人は向かい合って座りました。
「殿下はご無事ですか?」
「そのはずだ。」
「そのはずだとは?殿下を妓楼に送り届けたのではありませんか?」
チャヒョンが心配すると、イ・フィは「あなたが心配で戻って来た」と言いました。チャヒョンはそんなイ・フィを危なっかしく思いました。イ・フィもまたチャヒョンが兄と会って無事なはずが無いと思っていました。
「嫉妬しましたか?」
「私も平凡な男だと思い知った。これほど情けないやつだとは。」
「私もルシゲに嫉妬しました。」
「あの、ルシゲは女性というより妹だ。」
「媽媽と一緒のパク内官(ネガン)も羨ましくおもいました。北で暮らした捕虜のこともです。媽媽(マーマー)に想いを寄せていたセンガクシのことも。」
「ヨニにもか?誰からそんな話を。初恋ではない。ヨニは・・・。」
「媽媽に会って思い知りました。誰かに心を寄せるとほんの一瞬でも幸せだということを。その短い幸せだけでもつらいことに耐えられると。私も嘘をつくようになりました。心にもないことを言ったりしたりします。昔のチャヒョンではなくなりました。すべて昔と変わりましたが媽媽への思いは変わりません。」
チャヒョンが言うと、イ・フィはチャヒョンの手を取りました。
「私も同じだ。辛い日がどこまで続くかわからないが、あなたを想う気持ちは変わらぬ。家に帰ってきてもよいと?」
イ・フィはチャヒョンを抱き締めました。
「表向きは病ということにしていただきました。しばらく尼寺から離れて療養することに。」
「何よりだ。あなたが実家で過ごせて。」
「私は、媽媽とお寺にいたほうがよかったです。」
「私も同じだ。」
「こんなに早く離ればなれになるならいろいろしておけばよかったです。お花見をしたり一緒に山水画を書いたり。」
「次にそなたと一緒になるときは、共にに暮らせるときだ。そうなれば、いつでも一緒にいられる。」
「お兄様の服をご用意します。そのような身なりよりもお兄さまの姿で家を出られたほうが安心です。」
月明かりの庭。
チャヒョンはイ・フィに連絡を妓楼に通うソン・ドゥクシクを通じて行うように頼みました。
イ・フィはドゥクシクの姿で門から出て行きました。
朝の大王大妃殿。
ユン・ナギョムは大王大妃シム氏に拝礼すると懐妊を報告しました。
大王大妃シム氏は薬を用意すると約束しました。
大妃のキム氏は喪服姿で祝辞を述べました。
「ところでお義母様。廃妃された姉上(大妃)にはいつまで礼を尽くさねばいけませんか?」
ユン・ナギョムは冷たく言いました。
「中殿(チュンジョン)!」
大王大妃シム氏は不快になりました。
「いいえお義母様。私が愚かでした。私が廃位されたのにここにいては中殿(チュンジョン)に迷惑をかけています。」
キム氏は素直に謝りました。
「位が何であれ大妃は中殿(チュンジョン)の義姉であり王室代々の正室だ。しきたり通り礼を尽くさねばならぬ。」
大妃シム氏はユン・ナギョムを叱りました。
「他意はございません。お義母様。ただ守るべき王室の掟を確かめただけです。」
ユン・ナギョムは微笑をたたえて言いました。
大妃キム氏は大きなストレスを感じました。
妓楼。
部屋の中にイ・フィとト・ジョングクとルシゲとパク・キトゥクとチュンとホチとトクマンが集まりました。
イ・フィは密書を仲間に見せました。
ルシゲは張り紙をして民心に訴えると言うと、パク・キトゥクは反対しましたが、ト・ジョングクはよい作戦だと言いました。
「叔父上は罷免されたが主要な大臣はまだ叔父上の息がかかっている。兄上の怒りが治まったら叔父上が朝廷に帰ってくると信じられている。今は大臣を説得できる大提学(テジェハク)が明国に行っているので時期が悪い。機会は自ら作ればいい。兄上が左議政や私を追いやったように。これがを武器にすれば兄上と取り巻きを蹴落とせる。」
イ・フィは言いました。
妓楼の庭。
チュンとホチとトクマンは「兄者はなぜ俺たちまで呼んだのだろう?」と首をかしげました。そこにチョ・ヨギョンの妹分の妓生がパク・キトゥクのために膳を持ってきました。三人は「俺たちのほうがキトゥクよりいい男なのに。キトゥクはアレが・・・。」と妓生に言いました。
「内官(ネガン)もつまをめとりますよ。内官(ネガン)に嫁いだ姉妹がいるんです。媽媽。茶菓子をお持ちしました。」
妓生はそう言うと、部屋に入りました。
「内官(ネガン)でも顔がよければいいのか。もう(ブサメンの)お前らとはつるまん。一緒にされては困るからな。」
兄貴は義弟を置いて行きました。
王宮の一室。
ユン・ジャジュンはヤンアン大君が上王を匿って反正(パンジョン)を企てているのではないかとオ・ウルンに話しました。オ・ウルンは「言葉を慎まれよ」と言いました。
「ヤンアン大君の腹の内はわからぬだろ。」
「殿下にとっては父同然の人です。」
「ヤンアン大君が欲も無く殿下をお支えしていると思うのか?本当に殿下に心からお仕えしているのは内禁衛将しかいないように思う。ヤンアン大君様のお心は忠臣ではなく逆心に誓い。」
妓楼(回想シーン)。
ユン・ジャジュンはチョ・ヨギョンに会って都城(トソン)を出るように言いました。
チョ・ヨギョンはおっしゃる通り、妓楼を売り払うつもりだと言うと、ユン・ジャジュンは機嫌がよくなりました。
「ところで、ヤンアン大君は最近お子を授かったようです。息子のおかげで大君の邸宅では笑いが絶えぬようです。」
チョ・ヨギョンは嘘の情報をユン・ジャジュンに吹き込みました。
王宮の一室。
ト・ジョングクはユン・ジャジュンにヤンアン大君に上王と同じ年頃の男の子がいるのに内禁衛将はヤンアン大君をかばって秘密にしていると言いました。ユン・ジャジュンはオ・ウルンに出し抜かれたと思いました。
「大監(テガム)が、先に手柄を立てては?領相(ヨンサン、領議政)の座が開いているではありませんか。」
ト・ジョングクは言いました。
「領相(ヨンサン、領議政)の座は大提学(テジェハク)が戻られたら就かれるでしょう。
ユン・ジャジュンは言いました。
「大提学(テジェハク)が何をしたというのです?殿下を王にしたのはあの人ではなく大監(テガム)ではありませんか。逆徒の姻戚になりかけた者より、領議政は中殿(チュンジョン)の家から宰相が出るべきでしょう。消えた上王をいちはやく見つけられたらそれでこそ殿下のお悩みも消えることでしょう。私は上王の顔を知りません。大監(テガム)も一緒に来て確かめてください。」
「殿下には、いつ報告を?」
「まずは確かめて、それから報告しましょう。」
妓楼。
ト・ジョングクとチョ・ヨギョンはユン・ジャジュンが罠にかかったとイ・フィに言いました。
「一人ずつ、犬を消していく。」
イ・フィは言いました。
ヤンアン大君の家。
ヤンアン大君は部屋で本を読んでいました。
ヤンアン大君の家にト・ジョングクとユン・ジャジュンが現れました。
「くまなく調べよ。息子がいたら連れて来い。」
ト・ジョングクは部下に命じました。
「大監(テガム)。捜索いたします。」
ユン・ジャジュンは部屋に向かって声を掛けました。
ヤンアン大君が表に出て来ました。
「何事だ。私は官職を解かれ謹慎中だぞ。私は王族の年長者でり長である。何と無礼な!」
ヤンアン大君は怒りました。
「いたぞ!あそこだ!」
すると、兵士の声が聞こえました。
ユン・ジャジュンが駆け付けると、塀の上に上王がいました。
イ・フィは上王を抱いて逃げました。
ルシゲは借りてきた三人の男の子を使って捜査をかく乱しました。
ホチたちは「この子ですか?」とユン・ジャジュンに偽の子どもを見せました。
屋敷の庭。
「貴様、私と主上の仲を引き裂いておいてまた何か企んでいるな?」
ヤンアン大君はト・ジョングクに言いました。
「企むなど。すべて大監(テガム)が招いたことです。大監(テガム)。私は務めを果たしているだけです。この国の忠臣な部下として。」
ト・ジョングクは言いました。
「貴様!」
ヤンアン大君が言うも、ト・ジョングクは勝手にヤンアン大君の部屋に入ると手紙を懐から出しました。
しばらくして、ユン・ジャジュンとチュンとホチとトクマンがヤンアン大君の家に戻りました。
「大監(テガム)!あなたでしたか、どうして上王を!」
ユン・ジャジュンは情けない表情でヤンアン大君に迫りました。
「大監(テガム)。不審な文書を見つけました。これは何ですか?」
ト・ジョングクはヤンアン大君の部屋から出て来ると、イ・ガンの密書をユン・ジャジュンに見せました。
ユン・ジャジュンは手紙を見て愕然としました。
「私をはめたな!こやつら!よくも、よくも!」
ヤンアン大君は衝撃を受けました。
王の仕事部屋。
ユン・ジャジュンはイ・ガンに謁見すると、ヤンアン大君が女真族との秘密文書を持っていて、上王を匿って反正を企んでいたと報告しました。
「私がこの目で上王を見ました。」
ユン・ジャジュンが言うと、イ・ガンは「すぐに探せ!」と怒鳴りました。
「ヤンアン大君をどうなさるおつもりですか?」
「最後の挨拶はせねばなるまい。」
王の部屋。
ヤンアン大君は土下座して罠にはめられたのだとイ・ガンに言いました。ヤンアン大君は文書も持っておらず、上王も匿っていないと言いましたがイ・ガンは「死んだフィがあの世で刃を研いでいるというのですか?死んだ兄上があの世から上王を守っているとでもいうのですか?」と言いました。
「正直におっしゃってください。甥がいうことを聞かないから新しい王を据えて世論を一新しようとしていると!」
「目を覚ますのだ。私はそなたのために、先祖代々の種を絶やしウンソンを殺して最後の仕上げとして上王を葬り去った。それはすべてそなたの前途のためだった。その叔父の想いを無碍にするのか。私がいなければお前は王になれなかったのだぞ!私がお前を王にしたのだ!」
「おっしゃる通りです。私は王になりました。どういうことかわかりますか?これでもう、叔父上には用はないということです。」
イ・ガンは言いました。
「主上!」
「オ・ウルンはいるか?叔父上をお連れせよ。これまでのご恩があるため牢で死なせるわけにはいくまい。」
イ・ガンは命じました。
「主上!こんな仕打ちはあるまい!主上!」
ヤンアン大君は叫びましたが連行されてしまいました。
一人になったイ・ガンは部屋の外に向かって悲し気な表情を浮かべました。
ヤンアン大君の屋敷。
ト・ジョングクはヤンアン大君にイ・ガンから賜った毒薬を差し出しました。
武官姿のイ・フィがヤンアン大君に会いました。
「自ら招いたことだ。王になってはならぬ大君に間違った野心を植え付け、忠臣だけでなく弟を殺させ甥から王位を奪った罪を叔父上が償う時が来たのです。」
イ・フィは白衣姿で御座の上に座らされているヤンアン大君に言いました。
「ウンソン。私を、あの世から迎えに来たのか?」
ヤンアン大君は驚きました。
「毒薬を下さったのは兄上です。最後にとくと覚えておくのです。叔父上は、自分の手で育てた甥に殺されるのです!」
「ウンソン。お前が生きていたとは。」
「二度殺されかけました。二度の叔父上の計略で。でも私は死にませんでした。こうして戻ってきて、罪人を罰するために戻ったのです。私は訳も分からず死にかけましたが、叔父上には知ってもらいます。」
イ・フィはヤンアン大君のもとを離れました。
「ウンソン。ウンソン!」
ヤンアン大君はイ・フィを呼びました。
「チニャン大君から毒薬を賜って死ぬか、ト・ヨンスの息子に斬られて死ぬか。」
ト・ヨンスは刀を抜きました。
「ネイノンども!!!」
ヤンアン大君は叫びました。
「や~!」
ト・ヨンスはヤンアン大君の首を斬りました。
感想
不滅の恋人17話の感想です。ヤンアン大君が、息子同然のイ・ガンに処刑を言い渡された挙句、ト・ジョングクに敵討ちされました。あんなに穏やかだったウンソン大君が刀を振るうとこんなことになるんですね。ソン・ジャヒョンも、ただのお嬢様から、怒れる復讐女に変わってしまいました。韓ドラだから、主人公が怒って復讐モードになって、あの手この手でやり返す。おなじみのパターンです。だからこのような展開になっても見慣れているから驚くこともありません。韓国の人は「納得する」のでしょうね。それはあたかも日本人が「水戸黄門」や「暴れん坊将軍」で主人公が悪党を倒す芝居を見て納得するのと同じ心理なのでしょう。あきれちゃいますが、私たちも結局は同じで悪党に対してはいなくなってほしいと思っていることが、ドラマになっているだけです。
やり返して、幸せを手に入れようとするウンソン大君とチャヒョン。
確かにしばらくは安泰な日々が続くのかもしれませんね。
でも世の中、それだけじゃありませんよね。
しばらくすると、また同じような悪党が暴れ始めて・・・それの繰り返し。
このドラマの悪役のような人たちが支配しているお国もたくさんあります。
さてはて、昔から悪人がどのような人間かはわかりきってるのに、それが絶えないのもリアルワールドです。
もうすぐ最終回です。
やり返して、幸せを手に入れようとするウンソン大君とチャヒョン。
確かにしばらくは安泰な日々が続くのかもしれませんね。
でも世の中、それだけじゃありませんよね。
しばらくすると、また同じような悪党が暴れ始めて・・・それの繰り返し。
このドラマの悪役のような人たちが支配しているお国もたくさんあります。
さてはて、昔から悪人がどのような人間かはわかりきってるのに、それが絶えないのもリアルワールドです。
もうすぐ最終回です。
関連記事
- 不滅の恋人 全話あらすじと感想
- 不滅の恋人 1話のあらすじと感想
- 不滅の恋人 2話のあらすじと感想
- 不滅の恋人 3話のあらすじと感想
- 不滅の恋人 4話のあらすじと感想
- 不滅の恋人 5話のあらすじと感想
- 不滅の恋人 6話のあらすじと感想
- 不滅の恋人 7話のあらすじと感想
- 不滅の恋人 8話のあらすじと感想
- 不滅の恋人 9話のあらすじと感想
- 不滅の恋人 10話のあらすじと感想
- 不滅の恋人 11話のあらすじと感想
- 不滅の恋人 12話のあらすじと感想
- 不滅の恋人 13話のあらすじと感想
- 不滅の恋人 14話のあらすじと感想
- 不滅の恋人 15話のあらすじと感想
- 不滅の恋人 16話のあらすじと感想
- 不滅の恋人 18話のあらすじと感想
- 不滅の恋人 19話のあらすじと感想
- 不滅の恋人 最終回20話のあらすじと感想
- 不滅の恋人直前放送の視聴感想 BSプレミアムで2019年3月3日21時から放送スタート!
- 不滅の恋人 日本語版の声優一覧
- 不滅の恋人 主題歌「이렇게 길 따라(イロッケ キル タラ)」の歌詞の日本語訳